●全日本男子ホッケー選手権 決勝
~1年間の集大成、4連覇中の王者・岐阜朝日に挑む~
~SO戦であと一歩及ばず敗れ、山学悔しい準優勝~
第95回全日本男子ホッケー選手権決勝が11月28日に岡山県赤磐市熊山運動公園多目的広場で行われた。この大会は、今季の社会人ベスト4と大学生ベスト4の計8チームが対戦する日本一決定戦。過去3度の準優勝の山梨学院大(インカレ3位)は初優勝を目指し、これまで4連覇中の岐阜朝日クラブ(社会人1位)と対戦した。第1Q序盤は岐阜朝日が前回王者の貫禄を見せ、試合を優位に進めるが、山学は堅守で得点を与えない。山学は第1Q終了間際に河邉皓星のゴールで先制。第2Qも岐阜朝日の猛攻にあうが、山学GK福田匠のスーパーセーブでゴールを死守。第3QにPCから失点し同点に追いつかれ、第4Qは両チーム無得点で勝負の行方はSO戦に委ねられた。SO戦も互いに1人ずつ失敗し、7人目まで接戦となるが、あと一歩及ばず、SO戦5対6で敗れ悔しい準優勝となった。
全日本ホッケー選手権は今シーズンの社会人選手権ベスト4チームと学生選手権(インカレ)ベスト4チームの計8チームが競うホッケー日本一決定戦。今期は社会人選手権がコロナ禍で中止のため、社会人連盟推薦の4チームとインカレベスト4の天理大、立命館大、山梨学院大、明治大が出場した。山学大はこの大会3度の準優勝を経験しており、初優勝を目指し大会に臨んだ。
■1回戦 表示灯に4対0と快勝
1回戦では社会人推薦2位の表示灯フラーテルホッケーチームと対戦。第1Q(クォーター)・12分に山学がPC(ペナルティコーナー)を獲得すると石坂駿(2年 利根商業高)がゴール右隅にシュートを放ち先制に成功。第2Qには表示灯が試合の主導権を握りはじめたが、終了間際に石原貴幸(3年 横田高)の強烈なシュートで2対0とし、山学がリードして前半を折り返す。第3Qに入っても山学は粘りの堅守で得点を与えず、43分に河邉皓星(4年 石動高)、第4Q・59分には田村圭梧(3年 沼宮内高)が得点し、4対0と快勝し準決勝に駒を進めた。
■準決勝 小矢部 RED OXをSO戦の上、制す
試合序盤から一進一退の攻防で拮抗した展開。第1Q終了間際に山学が河邉皓星のリバースシュートが決まり先制に成功。第2Q立ち上がりから小矢部が攻勢を強めるが、山学の攻守が光り、山学は守備から流れを作ると28分にPCから岩崎和也(4年 沼宮内高)のクリーンヒットで2対0とする。その2分後、今度は小矢部が豪快なフリックシュートで1点差まで詰め寄り、2対1で前半を折り返す。第3Qは両チーム好機をいかしきれず、無得点。最終第4Qは46分にダイビングシュートを小矢部に決められ2対2の同点に。56分には山学がPCを伊藤裕哉(3年 山梨学院高)が決め、小矢部を突き放す。対する小矢部も反撃を続け、59分にPCを決め、勝敗はSO(シュートアウト)戦へ。山学は攻守に渡る粘り強さをみせ、SO戦を3対2で制し、翌日の決勝進出を決めた。
■決勝 互角の試合運び、悔しい準優勝
第1Q序盤は岐阜朝日が前回王者の貫禄を見せ、試合を優位に進めるが、山学は堅守で得点を与えない。山学は第1Q終了間際に河邉皓星が相手選手をかわし、ゴール左隅に流し込み先制。第2Qも岐阜朝日の猛攻にあうが、山学GK福田匠(3年 今市高)のスーパーセーブでゴールを死守。第3QにPCから失点し同点に追いつかれ、第4Qは両者の力が拮抗し、譲らぬ試合運びとなり両チーム無得点で勝負の行方はSO戦に委ねられた。山学は3人目まで成功。4人目が失敗し、3対3。その後は二人ずつ成功し、7人目は相手GKに阻まれ失敗。岐阜朝日の7人目も山学GK福田が阻止したかに見えたが、チャレンジ(ビデオ判定)により取り消され、PS(ペナルティストローク)へ。GK福田は反応したもののゴール左上に決められ5対6で敗れ、悔しい準優勝となった。
試合後、指揮をとった寺本祐治総監督寺本祐治総監督は「過去3回決勝の舞台に立っていますが、それらの経験がうまく活かせて、1年間の集大成のゲームとして、落ち着いて試合に入れたと思います。相手も我々のプレッシャーを感じたのかプラン通りのゲーム展開になりました。こちらはSO戦まで想定していましたが、選手たちが弱気になってしまった部分があり、普段通りプレーが出せなかったのが悔やまれる所ですが、全体としては上出来だったと思います」と講評した。沼田空主将は「互角に戦えていただけに非常に悔しいです。昨日しっかり相手を分析して、立てたゲームプラン通りに試合運びが出来ていたのでやるべきことは出来たと思います。相手にボールを持たれ、攻め込まれるのは想定していたので、しっかり集中して守備をすることは出来ました。負けてはしまいましたが、チームとして全日本の決勝を経験出来たことは財産になると思いますので、後輩たちには来年頑張ってほしいと思います」と述べ、初優勝の夢を後輩に託した。
大会は岐阜朝日が5連覇、準優勝・山梨学院大、第3位・小矢部 RED OX、LIEBE 栃木となり、山学は並みいる社会人強豪チーム相手に善戦し、学生チーム最高成績の輝きを放った。
文(Y.Y)、カメラ(平川大雪)2021.11.30