山梨学院広報課

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●ロシア大使館参事官による特別講演会
~ロシアを知る・ロシアの民族的風習をテーマに~
~相手を知ることで友好的国際交流活動促進へ~

山梨学院大学は12月10日、キャンパスセンター・シーズシアターにおいて山梨学院大学国際交流センター主催の「ロシアを知る~ロシア人の民族的風習~」をテーマにした特別講演会を開催した。この講演会は在日ロシア大使館イーゴリ・チトフ参事官を講師に招き、国際交流活動の促進を目的に甲府市と山梨学院大学の包括的連携協定による甲府市ふるさと応援寄附金事業の一環として実施された。今回は、新型コロナウイルス感染防止から学生、教職員、市民から50人限定で参加者を募集、オンラインの同時配信も行った。講演会の冒頭、イーゴリ・チトフ氏は「外国あるいは外国人と友好的なコミュニケーションをとるためには、まずその国の伝統や風習、文化を知っておくことが大事」と講演会の趣旨を述べ、続いて本題のロシアの歴史、宗教、気候、土地など概略的な話から、昔と現代を比較しながら一般的家屋の特徴や変化、受け継がれた食文化や風習などをプロジェクターで写真と資料を映し、流暢な日本語を駆使し分かりやすく紹介した。参加者はガイドブックに載っていないような庶民の生活に思いを馳せながらメモを取り真剣に聞き入っていた。

山梨学院大学はさまざまな国から留学生を受け入れ、山梨学院大国際交流センターは留学生が快適な学生生活を送ることができるような支援を行っている。また、事業として積極的に国際交流イベントやセミナーを実施し、学生、教職員、市民の懸け橋となり外国文化などの紹介に努めている。今回の講演会も以前よりロシアから1年間の短期留学生やiCLAでの正規留学生の受け入れで3つの大学と提携しており、在日ロシア大使館とは密接な関係を構築している。今回講演会の講師を担当するイーゴリ・チトフ参事官は駐日ロシア連邦文化科学庁駐日代表も務め、日本各地でさまざまなイベントを通じてロシア文化の情報を提供している。山梨学院大国際交流センターが昨年11月に主催した駐日ロシア大使館大使の講演会や今年6月の有人宇宙飛行60周年記念として企画された「ガガーリン物語」写真展開催にも尽力。より深い文化交流を通じてロシアと日本の相互理解を深めている。

今回企画された講演会は、ガイドブックには載ってない「ロシアの村」にスポットを当てロシアの風習と魅力ある日々の生活に欠かせなく伝統的に受け継がれてきたものや食文化を興味深く紹介するもの。講演の中でイーゴリ・チトフ氏は、「我々の伝統文化に影響を与えたのは宗教、気候、土地」と言い、これらの人々の関りを昔の“村”を形成する農民の歴史の変遷を現在との比較を交えて説明。住居の伝統的な構造や特徴、寒冷地のロシアを代表するペチカの役割、人々の営みに必要な食文化に言及、例えば主食だった小麦からジャガイモに変わった理由、昔から変わらずに愛されてきた伝統的飲み物、肉、魚、野菜の種類・料理法など多岐にわたって豊富な写真と資料で解説。過酷な環境の中でしっかり大地に足をつけた昔の村の人々の生活風景を、眼前に広がるようなリアル感を持って魅力的にしっかりと伝えた。さらにチトフ氏の話はロシアの伝統行事に進み「ロシア人は祭りを楽しむのが好き」と各国共通する国民性に世界平和への展望を示唆する。冒頭の「友好的なコミュニケーションをとるためには、まずその国の伝統や風習、文化を知っておくことが大事」。このチトフ氏の言葉には国際交流の基本的理念、相互理解の促進が不可欠との思いが込められている。まずは相手を知ろう。

最後に講演会を主催した国際担当学長代理・秋田辰巳教授は「実は今日、この講演会に合わせて本学学食で特別メニューを提供しました。ビーフストロガノフとピロシキ、大変好評だったと聞いています」とおもてなしのニュースを報告。続けて「山梨県ですけれども日本海に面していないことでロシアとの交流があまり盛んではないと感じます。しかし今日の講演を含めまして、これから継続して理解を深めていけたらと思います。ロシアのことわざで『ス・ミール・パ・ニートゥケ、ゴーラム・ルパーシカ』という言葉があるんですが、これは『糸を持ち寄ればシャツを作れる』という言葉だそうです。『塵も積もれば山となる』に近い言葉だと思います。今日ここにお越しになった皆さま方にロシアに対する関心がこれからますます積み重なってこれからもロシア、日本、さらに本学山梨学院との強い結びつきができるように願っております」と挨拶。講演会を締めた。参加者は普段知ることがなかなかない昔のロシアの村の話に時間を忘れて聴き入り貴重な知識を得ていた。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2021.12.11