●2021年度全国高等学校選抜ホッケー大会
~山学高2回戦に快勝。悲願の優勝を視野に一歩~
~持ち味の全員が走りきるハードワークが機能~
2021年度「第53回全国高等学校選抜ホッケー大会」2日目が岐阜県各務原市・川崎重工ホッケースタジアムほかで行われた。この大会は、全国各9ブロックから予選を勝ち抜いた男女各23校と開催地校1校を含めた24校が出場、27日の決勝戦まで高校日本一を懸けて争われる。大会は23日、男女1回戦が行われ、山梨学院高校は、関東ブロック4校の1校として、24日、岐阜市県立岐阜総合学園高校ホッケー場で男子2回戦から登場した。初戦の対戦相手は、昨日の1回戦を勝ち抜いた福島県立修明高校。試合は第1Q、山学は立ち上がり、サークル内へ持ち込まれる場面もあったが、直後に反撃、#7秋山瑠輝(3年)がリバースシュートを決め先制した。第2Qには、徐々に主導権を握り始めた山学がPCから#10吉松力(1年)が確実に決め2-0とし前半を終了。後半に入った第3Q中盤、再び吉松がサークル内の混戦で落ち着いてヒットシュートを決め3点目を奪った。攻撃の手を緩めない山学の勢いは止まらず第4Q、5分には秋山が再びリバースヒットし1点を加えた。これまで山学の堅いデフェンスに手を焼いてきた修明高も中盤、ようやくPCを得るも、好機を活かせず、逆に山学吉松がダメ押しの5点目を奪いそのまま終了。山梨学院は初戦を5-0で快勝。明日、優勝候補の一角、栃木の今市高と準決勝進出を懸け対戦する。
■山学、先制点から試合をリード、相手に隙を与えずー
山梨学院高校は、13回の出場を重ねる「全国高校ホッケー選抜大会」での戦績は2011年度第43回大会、2016年度第48回大会の2度の準優勝が最高位。悲願の優勝を目指して14人の精鋭が初戦に挑んだ。24日午前9時30分の試合開始前、県立岐阜総合学園高校ホッケー場は雲一つない冬晴れの冷気に包まれた。シードの山学は昨日の1回戦を勝ち抜いた福島県立修明高との対戦。試合は1Q15分、4Qの戦い。第1Q、山学のセンターパスで始まった。序盤は互いにボールを奪い合う一進一退の展開が続き、互いにグラウンド走り回った。山学のチャンスは5分、#5飯野明駿主将(3年)の右サイドからの仕掛けにつながれたパスをサークル内の#7秋山瑠輝(3年)が身体を左に入れ替えて打つリバースシュートで決め先制した。中盤にはPCを得る好機があったものの、得点できず1-0で第2Qに入った。序盤は、山学は優位に立つも攻めきれず我慢が続く。中盤8分、サークル内でPCを獲得すると昨年U15ジュニアユース日本代表候補選手になった県内出身#10吉松力(1年)がフリックシュートを決め2点目を奪った。走り切るハードワークが機能し、相手のカウンターも封じ込め山学がグラウンドを走り回った。
■後半もハードワーク衰えず攻め続け、明日の強豪との試合につなげるー
第3Q、サイドが変わり修明高のセンターパスで後半が開始された。山学は、前半と同じく5人の1年生が先発した。初々しく走る1年生は先輩に劣らず打ち込み、パスとチームを鼓舞する。8分、サークル内での混戦でパスを受けた#10吉松が落ち着いてトラップシュートを決め3点目を挙げた。その後も勢いに乗る山学の攻撃は収まらずPCで再三の好機はものにできずも、3-0で最終第4Qに進んだ。序盤、#4輿石琉希亜(3年)、#5飯野らの献身的で積極的なサークル内への打ち込みやパスで修明を攻め続け、5分秋山が再びリバースで4点目のゴールを揺らした。中盤には修明にこの試合初めてのPCを与えたがディフェンスが守り切った。終盤の11分にも#10吉松が素早く相手をかわし、この試合3点目となるシュートを決め5-0とした。その後も攻撃の手を緩めず右サイドから#12井上絢介(1年)、#5飯野がきれいにつないで#7秋山が放った鋭いシュートは相手GKの好セーブに阻まれるも山学のプレースタイル、ハードワークが機能し終了のフォーンが鳴るまで攻め続けた。
■《山梨学院高校2回戦初戦の結果》
令和3年度 第53回全国高等学校選抜ホッケー大会 2回戦 《山梨学院高VS福島修明高》12/24 岐阜県立岐阜総合学園ホッケー場 |
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○ 山梨学院高校 5 | 1Q 1-0 2Q 1-0 3Q 1-0 4Q 2-0 |
0 修明高校 ● |
山梨学院得点=秋山瑠輝2、吉松 力3 |
試合後、先制点を挙げた#7秋山瑠輝選手は「最初あまり調子が良くなく、1点目ミートしなかったんですけど、うまく枠に入ってくれ決まってからだんだん調子が上がってきて勝ちきることができた」と手応えを口にして、明日の今市戦に向けては「粘り強く少ないチャンスを得点し勝ちたい」と闘志を表した。3得点を挙げた#10吉松力選手は「前半は納得いくプレーができなく、1Q、2Qでどう改善しようかと思った時、ハーフで監督が『自分のいい時のプレーをしろ』と言ってくれた言葉で切り替えができて良い結果が残せた」と持ち前の決定力で勝利に貢献した。冷静な判断と献身的なパス回しでチャンスメイクした#5飯野明駿主将は「いつもの試合と違って1Q目の早い段階で得点でき流れが呼び込めたのが良かった」と勝因を挙げた。最近の試合で分が悪い今市戦には。「苦しい戦いになると思いますが、今日みたいにしっかり走り切って悔いなく終われば、どちらの結果になってもいい」と明日の試合に全力を傾ける。飯田裕一郎監督は「前半は少しあたふたところがあったですけれど、後半は相手のやってくることを予測してしっかりプレスを掛けることができ、その点では選手が応用を効かせ判断して成長につなげられた試合だった」と選手を称えた。「明日は厳しいベスト4を懸けた戦いになるのでどんな相手が来てもハードワークを60分間できるように準備をする」と力を込めた。
山学はこの試合に勝利し次の準々決勝は、同じ関東ブロックの栃木・今市高校と対戦する。今市は、前回大会で4度目の優勝を果たし、今年のインターハイでも優勝した強豪校。山学は最近の試合では分が悪いがこれまでに名勝負を演じており雪辱を果たしたいところだ。
文(K.F) カメラ(藤原 稔) 2021.12.24