山梨学院広報課

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●インカレ女子サッカー 強豪日体大を破り4強
~ボールへ向かう集中力でインカレ王者を翻弄~
~正月4日準決勝、6日決勝。頂点へ一直線~

「第30回全日本大学女子サッカー選手権(インカレ)」準々決勝が12月28日、兵庫県三木市・三木総合防災公園内会場で行われた。山梨学院大女子サッカー部(関東第5代表)は初出場した前回大会の1回戦敗退を乗り越え、今大会1回戦を圧勝。2回戦に快勝し準々決勝(ベスト8)へ勝ち進んだ。この日、18回の優勝を誇る日本体育大学(関東第3代表)と準決勝進出を懸けて対戦した。試合は序盤から互いに積極的にボールを奪い合う攻防で始まった。最初のシュートは、山学FW浜田芽来が中央で受けたパスをループ気味にシュート。枠を外したが相手にプレッシャーを与えた。その後は、日体のロングボールパスでサイドを走らせ、クロスボールを狙う単調な攻撃に対して、山学はスピーディーなドリブルと細かいパスで敵陣深く切り込み試合をコントロール。得点こそ奪えずも、主導権を握りスコアレスで前半を終了。後半に入っても山学ペースは変わらず、迎えた14分、MF番長江花音が上げたパスをゴール前に詰めていたMF木許和心が頭で合わせ待望の先制点を挙げた。一方、日体は反撃を開始。両サイドから猛攻を仕掛けるも、山学の守護神GK伊藤楓が再三のピンチにファインセーブを連発、そのまま1点を守り切りインカレ王者の日体大を下し、インカレ出場2年目に準決勝(ベスト4)に進んだ。

前後半、1時間52分の激闘の末、終了の笛が吹かれた瞬間。敗れた日体大の選手は芝生のピッチに崩れ落ち、勝者の山学大選手は抱き合い喜びを表した。大会30回を数える「全日本学生女子サッカー選手権」(インカレ)の中で、30回連続出場、その内18回の優勝、3度の準優勝、3位3回とインカレ王者に君臨する日体大を破った山梨学院は、前回大会初出場の2年連続出場で準決勝(ベスト4)進出の快挙を成し遂げた。まだ2試合を残す大会だが山梨学院大サッカー部女子にとって次なる挑戦の歴史の幕が上がった。

山梨学院大の準々決勝戦は、兵庫県三木市・三木総合防災公園・みきぼうパークひょうご第1球技場で曇り空の下、午後1時40分予定通りに山学のキックオフで始まった。チャレンジャーとして強豪の胸を借りる山梨学院は、積極的に相手陣内を窺う、#10DF岩下胡桃主将(4年)や#9FW浜田芽来(3年)が積極的にシュートを放ち相手陣内を窺う。日体大も強いフィジカルとロングパスからサイドに展開しクロスボールで山学ゴールを狙った。飲水タイム直前には左サイドからのパスを中央で受けた#9浜田がループ気味のシュートでゴールを脅かした。日体大は精度の高いロングパスで両サイドに、ディフェンスの裏に蹴り分けゴールに迫った。互いに持ち味を生かしながら一進一退の攻防を繰り返すが、ボールの支配率が上回る山学が終盤、右からのスペースに通ったパスに#46MF木許和心(1年)のシュートや直後の右サイドからのフリーキックに合わせた#36・MF長江花音(4年)のシュート、#9浜田のドリブル突破でのチャンスメイクなど日体大を上回る攻撃力で前半を無得点のまま終了した。

山学イレブンの動きは目覚ましく、ハードワークに徹し相手に身体を寄せ、あくなきボールへの集中力を発揮した。完全に山学ペースで迎えた後半、日体に厳しく攻め込まれる場面も#10岩下主将を中心に落ち着いた堅いディフェンスで凌ぎ、ピンチを攻撃につなげるカウンターやプレスでのパス奪取などチーム力が機能した。そして、攻守に選手の思いが乗った14分、#14・DF井上歩香(3年)からのクロスを#36長江が受け、浮かしたボールを小柄な#46・MF木許和心(1年)が鮮やかなヘディングシュートを決め、待望の先取点を奪った。劣勢の日体は細かいパスが通らない堅守の山学ディフェンスに対して裏を狙うロングボール、両サイドからのドリブル突破で山学ゴールに敢然と迫った。絶対に諦めない日体の意地の攻撃は終盤に爆発。幾度なくゴールを脅かした。昨年3位に終わったインカレ王者・日体としては何としても同点に追いつきたいと、さらに攻撃のギアを上げた。防戦を強いられた山学はチームがひとつになり応戦。それに応えゴールを守る#33・GK伊藤楓(4年)も身体を張ったファインセーブを連発、チームを鼓舞した。刻々と迫る時間に控えの選手たちも必死の声援を送る中、アディショナルタイムが3分と表示された。とても長く感じる時間にも、山学は最後まで鍛え上げられた運動量とハードワークに徹し、懸命にボールを追い、食らいつき奪い、クリアで立て直し、自陣にパスを送り、一人一人がボロボロになるまで役割を果たし頑なにゴールを死守した。ついに準決勝進出が決まる終了の笛がピッチに鳴り響いた。

■《山梨学院大学 準々決勝戦の結果》

2021年度 第30回全国大学女子サッカー選手権 準々決勝戦
《山梨学院大学VS日本体育大学》12/28 みきぼうパークひょうご第1球技場
〇 山梨学院大学 1 前半0-0
後半1-0
0 日本体育大学 ●
山梨学院得点者=木許和心

試合後、田代久美子監督は「日体戦に向けてはいろいろ準備してきたので今日はいいゲームができたかなと思います。選手全員がすごくハードワークしてくれたというのが何よりです。立ち上がりの飲水タイムまでの間に得点を取るということを意識していた中で前半のチャンスで決めきれなかったところで後半、いい形で点を取れたのが非常に良かったです。日体大の壁というものには、「いや、そういうものはなくて、向こうは王者奪還というのを目標にしていますし、我々はチャレンジャーとして日本一を取るということでやっているのでまずは果敢に臆することなく勝負しようというのが今日のテーマだったので、選手もこの1回戦、2回戦と勝ち上がっていく中で自信をつけてきたし、調子も結構良かったですし、またチームの雰囲気も良かったことで戦うという意識が前面に出た非常にすごくいいゲームでした。準決勝戦に向けて、「時間が空くのでしっかり分析して準備して必ず勝てるように準備していきたい」と昨年初戦で敗れた静岡産業大へのリベンジに燃える。唯一の貴重な得点を挙げた木許和心選手は「36番の花音さん(長江)からクロスが入ってきて自分の頭のところに来たのでヘディングで合わせました。信じられないというかここが山場で日体に勝てるかどうかって、相手をリスペクトし過ぎてしまって不安な部分もあったんですけど、先輩たちが背中を押してくれて積極的に試合に取り組めて全員で力合わせて勝つことができたと思います」と興奮冷めやらず様子で答えた。「自分に与えられた役割があったのでそこをしっかり意識して守備の部分も、攻撃のところもきつくても背後にスプリントするというところをしっかりできたので自分の役割は全うできたかなと思います」と会心のプレーに笑顔を見せた。再三のピンチにもゴールを死守したGK伊藤楓選手は「日体は強いし上手いし、最後の最後までひやひやしていたけど、落ち着いて前が点を取ってくれた分、もうやることは後ろを守ることを徹底してやろうと気持ちでいました」と試合を振り返った。さらに「自分たち4年生最後というので絶対結果を残したいという思いもありましたし、後輩たちが何より4年生のためにとやってくれていたので、その思いも汲んでこの大好きなチームでやってやろうという思いがすごくありました。ここまで来たら後は頂点を向かって、絶対日本一取るために、目の前の試合に勝たなきゃいけないという思いもあるんですけど、やっぱりリベンジというところで去年の先輩たちの思いも晴らしたいなというのもあります」と全力で戦う決意を示した。守備の要として日体大の激しい攻撃にもディフェンス陣をまとめた岩下胡桃主将は「厳しい戦いになると予想はしていたんですが、その中でまず先に1点取ることと無失点というのをこだわってやってきて、しっかり先に1点を取れたので良かったです。結構つないでくると対策していたんですが、自分たちの守備から入ってカウンター取ったり、攻撃につなげるためにしっかり守備から入れたのでそこは良かったと思います」と終始落ち着いた対応で存在感を見せた。ベスト4になったことには、「とても満足しているんですけど、でも目指しているのは日本一なのでそこに行けるようにまた、チームで戦っていきたいと思います」とあくまで頂点を目指す。

この日、準々決勝4試合が行われ、静岡産業大学(東海2/静岡)、山梨学院大学(関東5/山梨)、早稲田大学(関東3/東京)、筑波大学(関東7/茨城)が勝ち上がり、山梨学院大の準決勝戦は、静岡産業大との対戦となった。試合は東京に舞台を移し、味の素フィールド西が丘(北区)で2022年1月4日、昨年初戦で敗れた雪辱を果たす。決勝戦は1月6日同会場でで行われる。

文(K.F) カメラ(藤原 稔) 2021.12.29