●秋季関東高校野球大会1回戦 山学高突破
~先発林の快投と星野の完璧救援で成田高を零封~
~下位打線が躍動、少ない好機を得点につなぐ~
「第75回秋季関東地区高校野球大会」1回戦が10月23日、埼玉県営大宮公園野球場などで4試合が行われた。前回大会準優勝の山梨学院高は、今大会も山梨県1位代表として2年連続12回目の出場を果たし、選抜甲子園出場を目指す。この日、山梨学院は1回戦を成田高校(千葉2位)と対戦した。後攻の山梨学院は1回、一死三塁・二塁の好機を逃すが、2回に6番大森燦と8番林謙吾の安打を9番伊藤光輝がきっちり犠飛で1点を先制。山梨学院の先発林謙吾は、1回表に味方失策で走者を出すが、その後は5回に四球、6回に初安打を許すがいずれも併殺打で切り抜け、7回まで打者3人ずつで抑える快投を見せた。山梨学院の攻撃は2回に1点を先行したものの、その後は相手エース投手の好投に打ちあぐねた。7回、ようやく7番徳弘太陽、伊藤の下位打線が安打でつなげると1番・星野泰輝が犠飛で効率よく1点を追加。さらに8回には安打で出塁した高橋海翔を二死一塁から6番大森が右前打を放ち、盗塁で二塁に進塁していた走者の高橋は本塁に突入。1点をもぎ取った。好投の林は8回、先頭打者に二塁打を打たれたところで星野が継投。後続を完璧に抑え山梨学院が3-0で勝利。初戦を突破した。山梨学院の2回戦準々決勝は25日、さいたま市営大宮球場で山村学園高(埼玉3位)とべスト4を懸け対戦する。
■来春の選抜出場を懸けて、関東15校が激突開始―
来春の選抜甲子園出場校の選考の重要な選考資料になる「第75回秋季関東高校野球大会」が10月22日、埼玉県さいたま市で開幕した。大会には開催県の埼玉県から3校、山梨、神奈川、千葉、茨城、群馬、栃木からそれぞれ2校、計15校が出場する。出場校は横浜高(神奈川1位)、浦和学院高(埼玉2位)、高﨑健康福祉大高﨑高(群馬1位)、作新学院高(栃木1位)、土浦日大高(茨城1位)、専大松戸高(千葉1位)など関東の強豪校が揃った。山梨県からは2年連続秋季山梨県大会で優勝した山梨学院高と2位の駿台甲府高が出場する。山梨学院高は準優勝を飾った前回大会に続き2年連続12回目の出場。優勝を視野に3季連続の選抜甲子園を目指し短期決戦に臨んだ。
■先制するも、立ち直った相手投手に苦しむー
試合は青空が広がる埼玉県営大宮公園野球場での2試合目、午後1時50分に始まった。山梨学院高は16年ぶり7回目の出場となる成田高(千葉2位)と対戦した。後攻の山梨学院は県大会準々決勝、準決勝、決勝と先発を務め優勝に貢献した林謙吾(2年)がマウンド立った1回表一死後、味方の失策で塁に出すも後続を締めた。林は1回に投げた13球の内、ボールがわずか2球とストライクが先行。上々の立ち上がりを見せた。打線は1回表、先頭打者の星野泰輝(2年)が四球、2番・進藤天(2年)の死球と相手エース投手の不安定な立ち上がりを3番・岳原陵河(2年)が手堅く犠打で送り一死三塁・二塁の好機を作るも、後続が倒れ先制を逃した。しかし、2回には先頭の6番・大森燦(2年)が中前打で出塁。一死後、8番・投手の林の左前打を一塁走者の大森が好走し三塁を陥れた。続く9番・伊藤光輝(2年)はしっかり右犠飛を打ち上げ先制点を挙げた。林は、1点リードの重圧の中、味方打線の追加点を待ち力投。7回終了まで四球1,安打1と快投乱麻の投球で無得点に抑えた。打線は2回以降、立ち直り好投する相手投手を打ちあぐね追加点を奪えずに迎えた7回裏、先頭の7番・徳弘太陽(2年)が遊ゴロ内野安打で出塁。続く林が犠打で送ると9番・伊藤が中前安打で走者三塁・一塁と追加点のお膳立て。そこを1番の星野は初球をたたき中犠飛で待望の1点を奪った。さらに8回には一死後、この試合あたりの出ていない4番・高橋海翔(2年)が左前打で出塁。二死後、6番・大森の2球目に盗塁、得点圏に進むとそれに応え大森は右前適時打を放ちダメ押しの3点目を挙げた。守りでは8回、林は先頭打者を二塁打で打たれたところで2番手星野がマウンドに上がり、8回、9回を6人で仕留める完璧な投球で抑え、山梨学院は3-0で成田を零封した。山梨学院は2投手の好投と下位打線が少ない好機に活躍。2回戦準々決勝に進んだ。なお、山梨2位の駿台甲府高は残念ながら同日、初戦敗退した。
◆山梨学院高VS成田高 10/23(日) 埼玉県営大宮公園野球場
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 | |
成田高 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
山梨学院高 |
0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | × | 3 |
◆山梨学院高
[バッテリー]林⇒星野―佐仲
[投手] 林:投球回数7 投球数78 被安打2 四球1 奪三振4 失点0
星野:投球回数2 投球数23 被安打0 四球0 奪三振2 失点0
[打撃]安打6 四死球4 三振4 [失策]1
[交代]林(投)⇒(中)星野(投)⇒(中)二村仁功(1年)
■2回戦、ベスト4に向け、粘り強く戦うー
試合後、戦いを振り返って吉田洸二監督は「林はストライクが先行していて良かったです。打線は悪くはないんですけど、相手ピッチャーのキレのある強いボールがいい感じで来ていて、途中から変化球、スライダー系が良くて絞りにくかった。初戦よく頑張ってくれた」と話した。7回無失点と初戦勝利に貢献した林謙吾投手は「県大会と違って自分のリズムで投げられました。制球が自分の持ち味だと思っているんですが、何回か乱れる部分があったんですけど、そこで修正することができたことが一番良かったところです。次はあと一日あるのでボールの質自体をもう少し明日で高められればなと思います」と次の登板にも意欲を示した。主将としてチームをまとめ上げた進藤天選手は「自分たちは試合前からどんな展開になろうともチャレンジャー精神で行こうと。その気持ちがあったからロースコアでも焦ることなく試合を進めることができた」と勝因を話した。相手投手については、「結構手元で伸びると分かっていたんですけど、想像以上に真っすぐがシュートしていて、それプラス結構伸びていて変化球も良いところに決まってくるので本当に良いピッチャーでした」と相手投手に苦戦した。2回戦に向けては、「今日(第1試合)、山村学園さんの試合を少し見たんですけど、非常に粘り強いチームだなと思ったんで、自分たちも負けじとしっかり粘り強く自分たちの野球をしたい」と勝利に闘志を燃やす。
山梨学院高の2回戦準々決勝は10月25日(火)午後1時よりさいたま市営大宮球場(レジデンシャルスタジアム大宮)で山村学園高(埼玉3位)と対戦する。
文(K.F) カメラ(今村佳正) 2022.10.24