山梨学院広報課

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●全日本大学女子サッカー選手権 準決勝  
~決勝進出をかけ山学大は昨年準優勝の静産大と対戦~  
~延長PK戦で敗れるも新たな歴史を作る堂々の3位~  

第30回全日本大学女子サッカー選手権(インカレ)準決勝が1月4日に東京・味の素フィールド西が丘で行われ、関東第5代表の山梨学院大は東海第2代表の静岡産業大と対戦した。試合は立ち上がりから静産大の前に推進力のあるプレーに押され、山学は緊張から思うようなプレーができず、静産大ペースで進んだ。前半6分、山学は右サイドを崩され失点。1点ビハインドの山学はロングボールから攻撃のリズムを組み立てる。30分過ぎからは山学が攻勢を強め、チャンスも生まれるが決めきれず0対1で前半を折り返す。後半も山学は敵陣でのプレーが増え、40分、FW浜田芽来がMF木許和心のクロスを頭で押し込み1対1の同点に。その後、試合は延長戦でも決着がつかず、勝負の行方はPK戦に委ねられた。先攻の山学は1人目が失敗したものの2人目は成功。3人目は失敗し、4・5人目は成功。一方の静産大は2人目まで成功させ、3人目を守護神・伊藤楓が好セーブで防いだものの4・5人目が成功。山学は延長PK戦の末、3対4で敗れたものの、創部8年目、新たな歴史を築く堂々の3位で2回目のインカレを終えた。 

インカレ女子サッカーは12月24日に兵庫県・三木総合防災公園で開幕。2年連続2回目出場の山学大は1回戦を新潟大(北信越第2代表)と対戦し、22対0と圧勝しインカレ初勝利をあげた。2回戦では、3年連続29回目出場の福岡大(九州第1代表)と対戦し、4対0と快勝し準々決勝進出を決めた。準々決勝では、30年連続30回目の出場でインカレ優勝18回、準優勝3回を誇る日本体育大(関東第2代表)と対戦。なでしこリーグでも活躍する強豪相手にハードワークを制し、1対0で勝利し、兵庫ラウンドを無失点で勝ち抜け、年明けの東京ラウンドに勝負の舞台を移した。準決勝の相手は、昨年のインカレ初陣で0対2と苦杯を喫した静産大。静産大は昨年準優勝で14年連続18回目出場の強豪。準決勝からは有観客での実施となり、バックスタンドではメンバー外の部員や保護者が拍手で選手を鼓舞。山学にとって未知なる挑戦、まだ見ぬ頂を目指し、静産大のキックオフで試合は始まった。 

第30回全日本大学女子サッカー選手権大会 準決勝
≪山梨学院大学VS静岡産業大学≫
2022.1.4 会場:東京 味の素フィールド西が丘
● 山梨学院大学 1 前半 0-1
後半 1-0
延前 0-0
延後 0-0
PK 3-4
1 静岡産業大学 ○
山学得点者:浜田芽来


■前半、山学は硬さが目立ち序盤に失点 
前半立ち上がりから静産大が前への推進力を持って試合を進める。山学は、東京ラウンド独特の雰囲気にのまれ、緊張から硬さが目立ち、相手に試合の主導権を握られてしまう。6分に右サイドを突破され、プレスが甘くなりゴール前にクロスが入る。ゴール前で混戦となるが、静産大にこぼれ球を押し込まれ、先制を許す。1点ビハインドとなった山学大はサイドを大きく使い、ロングボールで攻撃を組み立てる。11分、右サイド前線へフィードし、ボールを繋いでゴール前にクロスを入れ、MF上田佳奈(2年 日ノ本学園高)が頭で合わせたがボールは惜しくもクロスバーに弾かれる。シュートで終わることで山学は徐々にプレーに硬さがなくなり、MF木許和心(1年 藤枝順心高)がドリブルから好機を演出するなど敵陣でのプレーの時間が増えていく。35分にはGK伊藤楓(4年 弥栄高)のフィードを起点にゴール前にボールを運び、DF栃谷美羽(2年 修徳高)のマイナスのクロスをMF上田が合わせたがシュートはゴール右上に外れる。その後は一進一退の攻防が続き、0対1で前半を折り返す。 
 
■後半、FW浜田の同点ヘッドで追いつく 
後半立ち上がりから山学がボールを持つ時間が増えていく。山学は効果的に選手交代を行い、粘り強く攻勢を強めていく。最終ラインでは、AC長野パルセイロレディースに加入内定のCB岩下胡桃主将(4年 藤枝順心高)ら守備陣が体を張って相手の攻撃を阻止しつつ、攻撃にも積極参加。18分には左サイドの攻防から右サイドでフリーの右SH宮本仁奈(1年 藤枝順心高)が強烈なミドルシュートで相手ゴールを揺さぶる。36分にはGK伊藤からの前線へのフィードを途中出場のFW瀧口愛梨(1年 大阪桐蔭高)がおさめ、ゴール前に攻め込むも相手GKの好守備に阻まれ、得点は奪えず。決定機に欠くものの、ゴールへの匂いが感じられる中、ついに均衡が破れる。40分、MF木許が左サイドでドリブルから相手を翻弄し、ゴール前にクロスを入れる。これをFW浜田芽来(3年 十文字高)が倒れこみながらも頭で合わせ同点に追いつく。試合は1対1の同点となり、前後半10分ハーフの延長戦に。 
 
■延長でも決着がつかず、勝負はPK戦へ 
延長に入っても拮抗した試合展開となり、両校互いに譲らず、攻守が激しい入れ替わる展開となった。山学は同点弾を決めたFW浜田を起点に攻撃の糸口を探るが、相手の枚数をかけた厚い守備を攻略できず。一方の静産大はサイドを起点にゴールを狙うが両校追加点が入らず、勝負の行方はPK戦に委ねられた。先攻の山学は1人目の岩下主将のキックは相手GKの好セーブに阻まれ失敗。静産大1人目成功し、0対1.両校2人目が成功し、山学3人目のキックはゴール上に。静産大3人目は落ち着いて決め、1対3。後がない山学は4人目のMF甲斐碧海(2年 ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU-18)がゴール左に決めて成功。決めれば勝利の静産大4人目のキックを山学守護神・伊藤は見事反応し好セーブを見せる。山学5人目DF宮本は成功したものの、静産大5人目に最後のゴールを沈められ、PK3対4で試合終了。昨年の準優勝校相手に健闘したもののあと一歩及ばず敗れ、3位で大会を終えた。創部8年目の若いチームながら2回目のインカレで結果を残し、新たな歴史を築いた。 
 
試合後、田代久美子監督は「一番懸念していたことは、これまでから雰囲気ががらっと変わり緊張感を選手たちが持ってしまうことでしたが、今までにない立ち上がりの悪さで、ゲーム運びとしては苦しい内容になってしまいました。点を決める部分に関してはチームとして自信を持っている部分だったので、ハーフタイムでメンタル面と幅を使ってボールを動かしてゴールに繋げようと言って送り出しました。後半はメンバーチェンジを含めて機能した部分がありましたが、決めきる所の質をこれからまだまだ求めていかないといけないと思います」と試合を振り返り、「これまで4試合戦い、選手たちにとっては非常に良い経験になり、チームの歴史として良い実績になったと思います。やりたいことやこれまで積み上げてきたことは戦術行動として表現できていたので、(今持てる力を)出し切って終われたかなと思います。今年は1、2年生が多いチームですが、まだまだ未来あるチームだと思いますし、まだ高みを目指していかなければいけないと思います」と語り、来季のチームにも期待を寄せた。最終ラインで声を出し、チームをまとめた岩下胡桃主将は「前半自分たちのペースに持っていけず、相手のペースにやられて失点してしまいました。後半は背後を狙いながら自分たちのサッカーに持っていけましたが、大会を通じての課題の決めきれない部分が出てしまいました。有観客の中で戦うメンタルやその中で自分を表現することができていなかったと思います」と試合を振り返り、来季から「もっとさらに高いレベルになると思うので、ここで止まるわけにはいかないので、しっかり切り替えてまずは試合に出てチームに貢献できるように頑張りたいです。後輩たちには自分たちが課題だった決めきる所などをさらに詰めて練習し、この舞台に戻り日本一を取ってほしいと思います」と語り、後輩に日本一の夢を託した。同点弾を決めた浜田芽来選手は「去年負けている格上相手で自分たちはチャレンジャーとして臨んだのですが、相手のドリブルなど特徴にうまく対応できず、緊張もあり慌ててしまい、(立ち上がりの)流れは良くなかったです。自分自身きょう良いプレーができていない中で、なんとか得点して追い付きたいという気持ちがあったので、どこでも良いから触ろうという気持ちで中で構えて突っ込みました」と同点弾を振り返り、来季に向け「どんな試合であっても得点を取れる選手になって来年は4年生で一番上の学年になるので、得点でチームを引っ張れるよう課題が沢山見つかったので、練習の中で鍛えてこのピッチに戻ってこられるようにやっていきたいと思います」と述べ、更なる飛躍を誓った。 

文(Y.Y)、カメラ(平川大雪)2022.1.4