●韓国伝統音楽祭
~甲府市ふるさと応援寄付金・国際交流事業~
~歌・舞・楽を通して異文化交流を深める~
山梨学院大学では、学園祭初日の10月29日、国際交流センター主催の国際交流イベント「韓国伝統音楽祭」」を開催した。このイベントは甲府市と山梨学院大学の包括連携協定に基づいた甲府市ふるさと応援寄付金活用事業として、国際交流活動の促進を目的に実施された。当日は、コムンゴやヘグムなどの韓国伝統楽器の演奏や伝統舞踊、カヤグム併唱などが披露され、一般参加者による演奏体験や楽器や音楽、文化などの解説も加えられ、体験型ワークショップも開催された。また、会場のメモリアルホールロビーでは、韓国の民族衣装のハンボクの展示や試着コーナーも設けられた。今回は会場参加に加え、新型コロナウイルス感染症対策として、オンラインでも同時配信され合計268名が参加し、韓国の伝統音楽を歌や舞、楽器演奏を通じ、隣国・韓国への理解を深めていた。
現在、山学大には世界約50の国・地域より670名ほどの外国人留学生が在籍し、今回のイベントを主催した国際交流センターとグローバルラーニングセンターが国際化の中心となり、多彩なグローバル人材育成に貢献している。また、甲府市ではリニア中央新幹線の開業等を見据えて、世界とつながる新たな国際交流を芽生えさせ、海外の活力を積極的に活用しながら、多様な文化が息づく「甲府のまち」を創造している。こうした中で、国際感覚豊かな人材を育み、さらなる発展をより確かにしていくため、新たにふるさと納税制度を活用した補助金制度が構築されている。
今回のイベントを主催した山学大の青山貴子学長は開会の挨拶で「山学大では国際化のビジョンとミッションを設定し、ビジョンとして『学生・教員・職員といった組織構成員において、Diversity&Inclusion(多様性と一体化)を推進するとともに、国際共修の理念を理解し、実践する大学となる』ことを掲げています。毎年注目国・地域を選びその国・地域を紹介、本物の伝統芸能やパフォーマンスを甲府市民と本学構成員にご覧、知っていただく機会を設けています。2020年ではアフリカフェスティバル、2021年ではインドネシアフェスティバル、そして本年は、最も身近な隣国である韓国。一流のアーティストによる韓国の伝統音楽を思う存分楽しんで、韓国の文化や魅力を身近に感じていただくきっかけになれば嬉しいです」と述べた。また、駐横浜韓国総領事館の尹喜粲(ユン ヒチャン)総領事は「日本と韓国とは、長い間、様々な交流をし、ともに支え合い、発展してきました。日本の皆様は、K-POPに触れる機会は多いですが、韓国の伝統音楽に触れる機会はなかなかないため、今回の音楽祭を通して、ぜひ韓国の伝統音楽の魅力を感じていただき、日本と韓国の相互理解が深まることを期待しています」とビデオメッセージにて祝辞を寄せた。さらに、樋口雄一甲府市長は冒頭の挨拶で「本日、甲府市ふるさと応援寄付金活用による国際交流イベントである韓国伝統音楽祭が一昨年のアフリカフェスティバル、昨年度のインドネシアフェスティバルに続いて盛大に開催されること心よりお喜び申し上げます。甲府市は韓国の清州市と友好姉妹都市を締結し、今年は20周年になります。コロナの影響で行き来はできませんでしたが、今後のさらなる交流を期待しています。甲府市と山梨学院大学が連携し外国語や異文化に触れあう機会を創出し、国際交流やその活動を通じてグローバルな人材育成や外国人留学生のより一層活躍できる環境づくりに努めてまいります」と述べた。
今回の公演では、一般社団法人 民族音樂院の代表理事で打楽器奏者の李昌燮(イ・チャンソプ)氏が率いる一流のアーティストによる立舞(イプチュム)や閑良舞(ハルリャンム)、サムルノリやカヤグムなどの伝統楽器の演奏が披露された。それぞれの演奏の前には、ワンポイントレクチャーや韓国の伝統弦楽器のヘグムの演奏体験などの体験型ワークショップも行われ、参加者は伝統音楽をより身近に感じられる貴重な機会となった。このほか、ホールのロビーでは、韓国の民族衣装の「韓服(ハンボク)」の展示や試着コーナーも設けられ、鮮やかなハンボクで身を包んだ来場者が笑顔で記念撮影するなど韓国の伝統文化を肌で感じ、隣国の文化に思いを馳せていた。
記事提供(国際交流センター)、構成・カメラ(Y.Y)
2022.11.4