山梨学院広報課

HOME

山梨学院パブリシティセンターニュースファイルイメージ画像

●2022年度全国高等学校駅伝競走大会
~師走の都大路で熱い戦い 山学男子24位へ躍進~
~女子は新体制で巻き返し、来年に雪辱を期す~

「男子73回・女子34回全国高等学校駅伝競走大会」が12月25日、たけびしスタジアム京都を発着点とする、男子7区間42.195km、女子5区間21.095kmで行われた。都道府県の予選会に優勝した男女47校が出場。山梨学院高は駅伝部男子が12年連続22回目、女子が14年連続22回目の出場。前回大会、男女ともに低調に終わった記録の挽回を狙って臨んだ。その結果、午後から行われた男子は2位。昨年の41位から大幅に順位を上げた。1区で中盤まで大きな集団にいた和田瑛登が粘り切れずも、25位でタスキをつなぐと、2区、3区で落とした順位を4区の小島光稀が8人抜きの快走で23位に上げた。その後の区間もしっかり順位を守り7区伊東 駿が24位でゴールした。午前に行われた女子は5区間でレースが行われた。1区石井れいな、3区萩原美優、5区ルブラス恵美里の3年生を中心にメンバーを揃えて臨んだが1区で37位と出遅れた順位はその後も徐々に落とし、最終走者ルブラスがみんなの汗が染みたタスキを掛け懸命に走り切り40位でゴールを切った。そのシーンに山梨学院高を代表した応援席の山梨学院高生徒会、チアリーダー部が惜しみない拍手を送っていた。

■2022年師走の都大路を彩る高校生ランナーの熱い戦いが始まるー
午前10時20分、まず女子のレースが始まった。1区スタート時の天候は晴れ、気温は10.2度。気温の割には冷たい風がやや強く寒さが肌をさした。応援席には、3年ぶりに会場客席での応援が可能になったものの、コロナ感染防止のため吹奏楽部の演奏ができないため、チアリーダー部は3年生のみが都大路に応援に駆け付け音源に合わせ初めての駅伝大会で応援した。また、生徒会からは20人程が沿道に立って選手を勇気づけ、男子生徒2人は大型の応援団旗を会場に掲げた。

■女子21.0975km <5区間> 
◆第1区6km (たけびしスタジアム京都~衣笠校前)  石井れいな
山梨学院女子は3区間を3年生、他の2区間を2年生と1年生で固めた布陣で臨んだ。3年連続出場の1区石井れいな(3年)は、スタートから集団の後ろにしっかり位置していたが、中間点の3km付近から始まる上りで失速。中継所までの1kmで一気に離され37位でタスキをつないだ。レース後、石井れいな選手は「自分の思う走りができなくて」と涙した。「もうちょっと粘れたかなという後悔はありますが、きついながらも今日の全力は押し切れたかな思います」と話した。

◆2区第2区4.0975km (衣笠校前~烏丸鞍馬口) 川越愛実
約4kmのコースは上り下りが多くペース配分がポイントとなるコース。1年生で抜擢された川越愛実選手は「目標タイムには届かなかったですけど、上りで結構思い切って行けて下りで前に出ようという気持ちであっという間に4㎞は終わってしまったので悔いはあまりないです。全国のレベルがすごい高いというのを実感したのでもっと自分のレベルを上げていかないといけないなと思いました」と区間順位31位とまずまずの成績を残し、次の活躍が期待される。1年生から都大路にでるという目標が叶えられたと素直に喜んだ。

◆第3区3km (烏丸鞍馬口~室町小学校前折り返し~北大路船岡山) 萩原美優
スピード勝負区間。最後に上り坂が待ち構える。萩原美優選手(3年)は「ここまでみんなで頑張ってきて楽しかったです」とまずは走れた喜びを口にした。レースは「前が見えていたので一人でも抜くつもりでずっと走っていたんですけどなかなか縮まらなくて厳しいレースだったですけど、3年間の集大成ということで最後まで力を出し切ることができて良かった」と悔いはない。「順位は目標には届かなかったですけど、ここから学ぶことはたくさんあるし、今年課題がたくさん出たからそれを後輩たちが受け継いでくれてこれからもっもっと上の順位目指せるようなチームを作っていてほしい」と後輩にチームの再興を託した。

◆第4区3km (北大路船岡山~西大路下立売) 井手笑菜
下り坂が続くスピード区間。井手笑菜選手(2年)は「下りの区間なので速く行かなくてはと思っていたんですけど、なかなかスピードが上げられなくて、自分的にも下りは苦手だったので心配だったんですけど、これから来年に向けてしっかり改善していきたい」と42位と合える気持ちが足を鈍らせた。「先輩たちとレースでタスキをつなげるのはこれで最後だったので今の力を出し切れるところまで全力でタスキを渡しました」と思いを届けた。

◆第5区5km (西大路下立売~たけびしスタジアム京都) ルブラス恵美里
2年連続アンカーを走ったルブラス恵美里は「正直タイムを見て、焦りとかの気持ちがあったんですけど、前に少しでも近づけるようにと思って走っていました。去年ほどではなかったですけど、結構風が向かい風で去年は一緒に走る選手がいたので風よけができたですけど、ずっと一人だったので風をもろに受けるというのは少しきつかったです。最後は少し悔しいタイムでしたけど3年間走り切ったかなと思います」と厳しい練習にも耐えた日々を思い,涙をこぼした。ゴール後には、3年間支えてくれたたくさんの人たちに感謝を込めてトラックに深々と頭を下げた。

◆山梨学院高校女子成績◆ 1:15:14 40位
区間 ランナー 距離 区間時間 区間 合計時間 総合順位
1区 石井れいな(3年) 6km 21:30 37位 21:30  37位
2区 川越愛実(1年) 約4km 14:14 31位 35:44  37位
3区 萩原美優(3年) 3km 10:50 41位 46:34  38位
4区 井手笑菜(2年) 3km 10:39 42位 57:13 39位
5区 ルブラス恵美里 5km 18:01 41位 1:15:14  40位


補欠:齋藤奏絵(2年)、新井帆乃花(1年)、西本佑菜(1年)

レース後、今年4月に新たに就任した小俣宏記女子駅伝部監督は「みんな頑張ったですけども、本人の持っている力を引き出してあげられなかった。ちょっと反省しています。3年生はいろんな思いを込めて一生懸命走ったと思いますが、結果につながらなかったということは彼女たちもショックを受けていると思いますけど、これからチームの底力を付けていかないと」と再生を誓う。
女子の結果は、優勝・1位・長野東高、2位・仙台育英高(宮城)、3位・神村学園高(鹿児島)、4位・立命館宇治高(京都)、5位・白鵬女子高(神奈川)、6位・大阪薫英女学院高、7位・筑紫女学園(福岡)、8位・興譲館(岡山)。ここまでが入賞となった。

 


 

■男子42.195km <7区間>  
◆第1区10km (たけびしスタジアム京都~烏丸鞍馬口) 和田瑛登
男子のスタートは12時30分。天候は晴れ、気温10度と女子のスタートと同じく寒風吹く中、男子が一斉にスタートした。山梨学院は、『花の1区』と言われる各校のエース級がエントリーする最長区間は3kmから5km付近に上り坂が続き、後半3㎞は下り坂になる難コース。山梨学院の1区を任された和田瑛登選手(3年)は「昨年よりもスローペースで入ったので自分の得意である上りはしっかりついて、後はいい順位で(篠原)一希にタスキを渡そうと思って走りました。いつもは7㎞からの下りでペースアップするのでそこに対応できるようにと意識していたんですが、その前に疲れてしまいペースアップにもついていけなかった」と26位の順位を悔しがった。

◆第2区3km (烏丸鞍馬口~丸太町河原町) 篠原一希
3kmと短いスピード区間を走る篠原一希選手(3年)は26位でタスキを受け取ると前を負ったが、「自分自身は4つも順位を落としてしまい、設定タイムもしっかりこなせなかったのでまだまだ実力不足は感じたんですけど、チームとして去年と比べたらかなり成長を感じたんですが、自分では今出せる力を全部出したと思うので来年以降も競技は続ける予定なので、しっかり今回の反省を糧に今後も競技力アップを目指していきたい」と大学進学で一回り大きく躍進を誓った。

◆第3区8.1075km (丸太町河原町~国際会館前) 渡邊莉玖
3区は81075km。上り・下りのあと終盤6kmを過ぎたあたりで跨線橋のアップダウンを通過する。ここに来た時にどの程度余裕を残しているかどうかが勝負を分ける、レース上重要な区間。渡邊莉玖選手(2年)は「上り下りが結構多いコースなので、上りは耐えて下りでもう1回リズムを取るというイメージで行ったんですけどなかなかうまくいかないというレースでした。3㎞から4㎞に掛かる中間点あたりが一番苦しかったです。日本のトップの各校のエースや留学生の走りは自分より全然レベルが高くて、自分のレベルがどの辺か分かったのでとてもいい経験ができた」と話し、来年は一から練習を見直し、戦える選手となって戻ると力強く語った。

第4区8.0875km (国際会館前~丸太町寺町) 小島光稀
小島光稀(2年)は、この区間で8人抜きを達成。個人9位になりチームを23位まで順位を上げた。小島光稀選手は「慌てないことが一番大事だと思ったので、どの位置でタスキをもらっても自分の走りをすることだと思っていたので、自分が予定した通りの走りができたと思います。タスキをもらった位置では前に集団があったのですごく走りやすくて結果出しきって走れたので良かった」と自分の走りを評価した。上りがあまり得意ではないという小島は、上りに落ち着いて入り、下りでリズムを作り一気にペースを上げた。来年上級生になる小島は「次は区間賞を取ってチームに貢献できる走りをしたい」とさらに高みを目指す。

◆第5区3km (丸太町寺町~烏丸紫明) 望月朝陽
5区は往路の逆を走る上りのコース。走る望月朝陽選手(2年)は23位でタスキを受けると「目の前に選手が数人いて、初めの1㎞で捕まえたかったので、自分にとっては少しオーバーペースで入ったんですけど、その後の2㎞でペースダウンしてしまい、ラストにもう一度ペースを上げることはできたんですけど、自分にとっては中間が課題だなと改めて思いました。中盤の1㎞が遅すぎてしまい目標を達成できなかった」と25位に順位を落とした。「もう一度ジョグから見直して強い自分を作っていきたい」と明日を見据えた。

◆第6区5km (烏丸紫明~西大路下立売) 大貫冬翔
レースの終盤を迎える6区。この区間も上り下り、カーブも多く、ペース配分が需要な難しい区間。大貫冬翔選手(3年)は「タスキをもらって前に一つのチームが見えたのでタイム関係なくとりあえず抜くということを意識して上りはしっかり上って、坂からはスパートを掛けられるのでそれまでに抜きたいと思って全力で前を追いつく意識で上ってました。今までのレースと通り調子は良くて体は動いていたんですけど、レースに上りはあまり慣れていないということもあって難しかったですけど結果的に抜くこともできたのでチームに貢献はできたかなと思っています」と順位を一つ挽回し最終区にタスキを渡した。

◆第7区5km (西大路下立売~たけびしスタジアム京都) 伊東 駿
2年連続のアンカーを託された伊東 駿選手(3年)は「前回は41位でゴールしたので後味は悪い印象があって、今年は24位で納得はいく順位であったので終わったあともうれしいし、気持ちが違うなと思います。中間点までペースが遅く行き過ぎて後ろの選手と詰まってしまって、入りは遅かったんですけど後半上げられたので良かった面と、あともう一人抜きたかったなと思いました。目標タイムはわずかに足りなかったですけど、区間順位の18位は悪くはないなと思います。ある程度満足しています」とレースを振り返った。

◆山梨学院高校男子成績◆ 2:07:27 24位
区間 ランナー 距離 区間時間 区間 合計時間 総合順位
1区 和田瑛登(3年) 10km 30:29 26位 30:29 26位
2区 篠原一希(3年) 3km 08:31 26位 39:00 29位
3区 渡邊莉玖(2年) 約8km 25:06 29位 1:04:06 31位
4区 小島光稀(2年) 約8km 23:44 9位 1:27:50 23位
5区 望月朝陽(2年) 3km 09:20 33位 1:37:10 25位
6区 大貫冬翔(3年) 5km 15:17 20位 1:52:27 24位
7区 伊東 駿(3年) 5km 15:00 18位 2:07:27 24位


補欠:成沢翔英(3年)、小林 柊(2年)、岡戸優虎(2年)

箱崎孝久駅伝部男子監督は「故障者と体調を悪くした選手を出しても、よく言えば頑張ったと思います。レースでは1区は良く粘ったし、それ以降も1区、2区、3区である程度行って4区からもう一度スタートと考えていたんですけど、ある区間でもう少し頑張れば10番台には届いたかなと思いますね。4区がいい走りをしたのでそこに一番良いタイムの子を持ってこられたのはチームが成長したことです」と来年に手応えを感じていた。

男子の大会結果は、優勝・倉敷高(岡山)、2位・佐久長聖高(長野)、2位・倉敷高(岡山)、3位・八千代松陰高(千葉)、4位・埼玉栄高、5位・仙台育英高(宮城)、6位・西脇工高(兵庫)、7位・洛南高(京都)、8位・学法石川高(福島)。ここまでが入賞。

文(K.F)カメラ(平川大雪・藤原稔・今村佳正・Y.Y) 2022.12.25