●全日本大学女子サッカー選手権準々決勝
~山学大は大阪体育大(関西第1代表)と対戦~
~FW上田が2得点の活躍で3対0の完封勝利~
第31回全日本大学女子サッカー選手権準々決勝が兵庫県三木市・三木総合防災公園内各会場で12月28日に行われ、山梨学院大は関西第1代表の大阪体育大と対戦した。試合は、前半序盤は両チームともにショートパスをつなぎ、一進一退の攻防となるイーブンな展開。前半11分、MF齊藤桃花(2年)の折り返しをFW上田莉帆(4年)がダイレクトボレーでゴールに突き刺し、山学が先制に成功。さらに18分にはFKのセットプレーのこぼれ球をMF島村美風(2年)が押し込み2点目を追加。2対0で前半を折り返すと、後半序盤は大体大ペースとなり、山学守備陣の我慢の時間が続いた。山学は、2点のリードもあり、慌てることなく落ち着いてボールを処理し、ビルドアップから徐々に攻撃のリズムを整えていく。後半21分、スピード感のある攻撃からFW上田のゴールでさらに加点し、試合をリード。攻め込まれる場面もあったが、豊富な運動量で攻撃の芽を摘み、山学GK川口鈴音(4年)のファインセーブも光り、3対0で試合終了。山学は2年連続のベスト4入り、年明け4日からの東京ラウンド進出を決めた。
関東第3代表として、全日本大学女子サッカー選手権(インカレ)に出場した山学は初戦・2回戦を関東第7代表の東京国際大と対戦。WEリーグ・ノジマステラ神奈川相模原に加入内定しているFW浜田芽来(4年 十文字高)のヘッドで1対0と勝ち切り、準々決勝に進出。対する大阪体育大は初戦・2回戦を信州大(北信越第2代表)と対戦し、2対0の無失点勝利でベスト8に駒を進めた。東京ラウンド進出まであと1勝、山学イレブンは応援席のメンバー外の部員からのエールを胸に、ピッチに立った。
第31回全日本大学女子サッカー選手権大会 準々決勝 ≪山梨学院大学VS大阪体育大学≫ 2022.12.28 会場: みきぼうパークひょうご第2球技場 |
||
---|---|---|
〇 山梨学院大学 3 | 前半 2-0 後半 1-0 |
0 大阪体育大学 ● |
山学得点者:上田莉帆×2、島村美風 |
■前半、FW上田のダイレクトボレーで山学が先制
試合は、前半序盤は両チームともにショートパスをつなぎ、相手ゴールを目指すイーブンな展開。山学は課題のセカンドボールの処理も修正され、素早い攻守の切り替えから攻勢を強めていく。11分、最終ラインからビルドアップし、左サイドで受けたFW浜田芽来(4年 十文字高)が逆サイドにボールを展開。これをMF齊藤桃花(2年 藤枝順心高)が頭でゴール前に折り返し、ゴール前に走り込んだFW上田莉帆(4年 湘南学院高)のダイレクトボレーがゴールに突き刺さり、山学が先制に成功。さらに18分にはDF嶋田華(2年 日ノ本学園高)がFKを直接ゴールを狙い、ボールは惜しくもバーに弾かれる。これをゴール前に詰めたMF島村美風(2年 聖和学園高)が見逃さず、押し込み2点目を追加。応援席の部員たちの期待に応える試合展開となり、2対0で前半を折り返す。前半のスタッツは山学がシュート6本に対し大体大は0本と攻撃力の差を見せつけた。
■後半もさらに追加点を決め、豊富な運動量で相手を圧倒
後半序盤は立ち上がりから大体大ペースとなり、山学守備陣の我慢の時間が続いた。一方で、2点リードしているためか、慌てることなく落ち着いてボールを処理し、ビルドアップから徐々に攻撃のリズムを整えていく。後半21分、左サイドでボールを受けたDF香椎彩香(1年 東海大福岡高)が縦に早いスルーパスをMF甲斐碧海(3年 ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU-18)に送る。MF甲斐は相手DFの背後を抜け出し、ボールをキープし、マイナスのグラウンダーのクロスをゴール前に入れ、これがファーサイドに流れ、走り込んだFW上田が左足を振り抜き、スピード感のある攻撃で3点目を追加した。この直後にカウンターからPA内に攻め込まれたが、山学GK川口鈴音(4年 横浜翠陵高)が果敢に飛び出し、体を張って阻止。その後も最後まで落ちない豊富な運動量で相手の攻撃の芽を摘み、危なげない試合運びでリードを守り抜き、3対0の無失点で試合終了。山学は2年連続で兵庫ラウンドを勝ち抜き、準決勝進出を果たし、年明け4日からの東京ラウンド進出を決めた。
試合後、村上裕子監督は「選手たちの雰囲気は良く、勝つには締める所と緩める所が大事になるので、昨日調整をして良いパフォーマンスが出せていたと思います。この大会が始まってから積み上げてきたものや、お互いの良さを引き出すプレーがきょうは良くできていました。ピッチにいる選手だけでなく、登録30人全員が勝ちに向かって良い準備をして、応援する選手の思いを体現して頑張ることで、応援にも力が入り、それが出場した選手たちのエネルギーに変わるので、良い相乗効果になっていたと思います」と試合を振り返り、東京ラウンドに向け「1戦1戦簡単な試合は無いと思うので、目の前の試合、目の前の相手にきちんと勝ち切ることだけを意識して、その結果が優勝に繋がれば良いことだと思うので、サッカー選手としての良い思い出を築けるように全員で頑張りたいと思います」と意気込みを語った。竹井帆波主将は「最後のインカレなので、チームに貢献したいと思い、ピッチに立ちました。これまで関西のチームとは対戦したことがなく、構えた形で試合に入りましたが、早い時間で先制点が入り、チームの雰囲気が良く、流れに乗れたと思います。(準決勝は)緊迫した中での試合になり、緊張もすると思うので、今までやってきたことを自信に、気持ちの面で負けないように頑張りたいです」と述べ、この日2得点の活躍の上田莉帆選手は「これまで関西の大学とやったことがなく、怖さもありましたが、自分たちのサッカーを試す場でもあったのでみんなで“西が丘に戻ろう”という強い気持ちで入りました。セカンドボールの回収も意識して試合に臨み、良い形でそれが表れて得点にも繋がりました。去年ケガで出られなかったので、個人も含めて、チームとしてリベンジできるように、絶対勝てるように頑張りたいです」と活躍を誓った。1試合目の決勝ゴールをアシストし、この日は2点目を決めた島村美風選手は「きょうは、攻撃面で(浜田)芽来さんとの連携を意識して試合に入りました。(ゴールシーンについて)自分の前にこぼれてきたので、そのまま迷わず打ちました。去年は準決勝で静岡産業大にPKで敗れて悔しい思いをしているので、次はどのチームが来ても良いように良い準備をして、しっかり勝ち切れるように挑みたいと思います」と次戦を見据えた。
次戦・準決勝は東京・西が丘サッカー場に会場を移し、年明け4日に行われ、山学は同じ関東大学リーグ1部で戦う日本大(関東第8代表)と対戦する。関東リーグでは、1勝1敗の五分の成績。悲願の大学日本一まであと2つ。応援スタンドも含めた部員一丸で東京ラウンドに挑む。
文(Y.Y)、カメラ(平川大雪)2022.12.28