●2022年度山梨学院大学・大学院・短期大学入学式
~晴れやかに1,228人が学生生活をスタート~
~実践力を養い、人間力を身に付け自立した大人に~
満開の桜と鮮やかなピンク色がまぶしい桃の花が日ごとに数を増し、山梨らしい花の息吹が立ち上る。4月3日、2022年度山梨学院大学・同大学院並びに山梨学院短期大学の入学式が執り行われた。この日は、あいにくの春の雨になったが昨年、創立75周年を迎えたキャンパスに新たな学生生活に胸を躍らせる数多くの新入生が集った。入学式は昨年に続き、新型コロナウイルス感染拡大防止を受け、感染防止対策を徹底し学部ごとに時間・会場を分けて挙行した。その様子はインターネットでライブ配信された。今年度の入学者は、大学1,003人、大学院6人、短大及び専攻科219人の合計1,228人。各入学式では、入学許可に続き、学長式辞、教職員紹介などが行われた。大学・短大では、新入生代表が誓いの言葉を述べ、これから始まる学生生活でのさまざまな学びを通して“挑戦と成長”を誓い気持ちを新たにした。
桜の白と桃のピンク色が織りなす花の競演に春の雨が優しく降り注ぐ。厳粛な中にも晴れやかさが漂う中、入学式は簡素に淡々と進められた。学部ごとの時間・会場別の分散挙行は、初めに青山貴子山梨学院大学大学長と遠藤清香同短期大学学長からそれぞれ大学・大学院・短大の学部ごとに入学が許可された。新年度入学者の内訳は、法学部337人、経営学部360人、健康栄養学部46人、国際リベラルアーツ学部20人、スポーツ科学部240人、大学院社会科学研究科6人、短期大学食物栄養科77人、保育科113人、専攻科保育専攻29人の合計1,228人。
■山梨学院大学・青山貴子大学長式辞(抜粋)
新年度4月1日付で古屋光司前大学長から引き継いだ青山貴子新大学長は新入学生に向けた式辞で冒頭、山梨学院大学創立者・古屋眞一・喜代子夫妻の教育理念「知・情・勇」に触れ、実践力を伴う人材の育成の大事さを挙げ、「これから学生生活を通じて多くの仲間と出会い、知識を深め、人間性を磨き生涯続く友情を育む経験をすることでしょう。ぜひ、一つひとつの出会いを大切にしてください。そしてこの出会いと成長をもたらしてくれる学びのコミュニティを人生の財産としてください。何を学ぶべきか、皆さん自身が決めていかなくてはなりません。またこれからは、決まった正解を求めるのではなく自分なりの納得解を見つけていかなくてはならないことが増えるでしょう。そうした中では、教員は教える人ではなく共に考え、学ぶ仲間であり伴走者となるのです。この4年間で生涯にわたってお互いを高め合える仲間や先生方との出会いを育んでください。
そうはいっても自分が、どのように行動したらいいのか、不安な気持ちを抱えている人も多いかも知れません。周りを見渡せば感染症の地球規模での拡大、政治の不安定化、経済格差、気候変動といった世界的課題が生じています。まるで羅針盤のない中、荒れる海を航海するようで途方に暮れる気持ちにもなるでしょう。アメリカの神学者、ラインホルド・ニーバーの祈りの言葉に次のようなものがあります。「神よ、変えることのできるものを変えられる勇気をお与えください。変えることができないものについては、それを受け入れる冷静さをください。そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを見分ける知恵をお与えください」。皆さんは例えばコロナのない時代に戻ることも別の誰かに入れ替わることもできません。それらは変えることができないものです。一方で自ら動けば変えていかれることであるにも関わらず、“どうせ”といった気持ちで最初から諦めたり、“変えられない”と誤解してしまっている人もいるかも知れません。それは非常にもったいないことです。一体変えられるものとは何なのか。
今日は皆さんにこの知恵の羅針盤を見つける一つのコツをお伝えします。それはまず自分を好きになること。そして自分を大切にすることです。自分を好きでいられる人は、自分を大切にできる人です。そして自分を大切にできる人は目の前にいる相手のことをまた、大切な存在だと気づくことができるのです。貧困、格差、紛争、環境破壊といった世界的課題は、ともに大切な存在である私とあなたがどうしたら幸せにいられるのかを考えることが解決の糸口となるでしょう。そして大学の学びとは。変えるべきことは何か。どう変えたら良いのかを見分ける知恵を自分の中で育てていくことにほかなりません。本学でこれから出会う友人や先生方があなたが気づいていないあなたの良さをきっと教えてくれます。ぜひ今日から始まる大学生活では素敵な出会いを増やすために積極的に動いてみてください。多くの出会いを通じてあなた自身の羅針盤を見つけて行ってください。4年後に大きな社会という海原に自信に満ちて船出していく皆さんの姿を楽しみにしています」と式辞を述べた。
■山梨学院短期大学・遠藤清香学長式辞(抜粋)
メモリアルホールで挙行された山梨学院短期大学入学式では遠藤清香短大学長が「山梨学院短期大学では、皆さんお一人おひとりを精一杯大切にするという精神を、創立以来引き継いでまいりました。これから教職員一同皆さんの学びをサポートしていきたいと思っています。
さて、皆さんは今、優しい先生になりたい。人々の健康のため役立ちたい。みんなを笑顔にするスイーツをつくりたい。など、それぞれに夢を抱き、純粋な理想を持ってここにいらっしゃることと思います。そして、そのための専門知識、技術を身に付けようと本学に入学されたことでしょう。その専門的な学びがいよいよ始まります。これから学びを進めていく中で、皆さんに大切にしていただきたいことがあります。それは『実践を貴ぶ』ということです。なぜ、『実践』は大切なのか。実践が大切な理由を3つ、お話します。
一つ目は、実践を通して、単なる知識が生きた知識へと変わっていくからです。実際に自分の眼で見て、耳で聴いて、手で触れて初めて分かることがあります。『知る』が『分かる』に変わる瞬間が訪れます。そのような学びが実践の中にはあるのです。2つ目、実践の場は、皆さんの学びの原動力を与えてくれます。目の前にいる人の喜ぶ顔を見て初めて味わうことのできる感動や、目の前にいる人の悲しむ顔を見て、初めて湧き上がってくる使命感や責任感があります。自らが志す専門職の意義、自分は誰のために何のために学び、自らを役立たせようとしているのか、実践の場は、それを皆さんに教えてくれます。3つ目、実践の場は、皆さんの人間性を育んでくれます。実践にチャレンジする中で、皆さんは、仲間とのチームワーク、やり抜く力、様々な立場の方からの助言を謙虚に受け取る姿勢、相手の立場に立って想像すること、細やかな気遣いなど、教科書だけでは決して得られない人間力を身に付けていくことができます。こうした力は、専門職として活躍する際の基盤となるだけでなく、皆さんを生涯支えてくれるものとなるでしょう。
本学の学びの中で、実践の機会はさまざま用意されています。そうしたものにぜひ積極的にチャレンジしてみてください。不安もあると思います。ですが、どうか勇気を持って、実践の場へ積極的に出て行ってみてください。さて、いよいよ学生生活がスタートします。これからの2年間は驚くほどあっという間です。『実践を貴ぶ』。このことを胸に、これからの日々をお過ごしください。単なる知識を生きた知識にし、学びの原動力を得、教科書だけでは得られない人間力を身に付けてください。2年後、見違えるほど成長した自分に、皆さん自身が出会えるよう心から願います」と優しく語りかけるように式辞を述べた。
■成人年齢引き下げで新入学生はどう変わるかー
4月1日より、「改正少年法」が施行され成人年齢が18歳に引き下げられた。この日入学した新入生のほとんどが法律上成人となった。18歳・19歳の取り巻く環境が大きく変わり、自分の意思で多くのことができるようになり責任を自覚しなければならない。自分で判断し自ら進んでいく力が求められる。学生時代は短い。夢と期待を胸に新たなスタートに立った1,228人の新入学生。さまざまな人との出会い、経験、何をしたいか、何をするか考える、この貴重な時間を無駄なく充実した学生生活を送り自立した大人に成長する一歩を歩みだした・・・。
文(K.F) カメラ(平川大雪・小池裕太・フジハラ写真館・Y.Y) 2022.4.3