●春季関東地区高校野球大会 栃木県で開幕
~東京・二松学舎大附属高と対戦。初戦を勝利~
~春季大会2回目の優勝に次戦の前橋育英戦に挑む~
「第74回春季関東地区高校野球大会」が5月21日、栃木県宇都宮市で開幕した。大会は関東の8都県17校によって争われ、準決勝が28日、決勝は29日に行われる。今回の出場校はセンバツ4強の埼玉代表の浦和学院、昨年秋の関東大会優勝の茨城・明秀日立高、神奈川第1代表の桐光学園高、群馬第1の前橋育英高、第2の健大高崎高などが名を連ねた。春季大会に3年ぶり7回目出場の山梨学院高は66回大会以来の優勝を目指す。大会初日、宇都宮清原球場で2試合目に登場した山梨学院は東京第2・二松学舎大附属高と対戦。センバツ出場校同士の争いとなった。試合は、後攻の山梨学院が初回に一死三塁二塁から高橋海翔の2点適時打で先制すると4回にも相澤秀光の二塁打を8番渋谷剛生の適時打で1点を追加した。先発の榎谷礼央は6回まで96球を投げ1失点に抑える好投を見せ、マウンドを譲った。打線は6回裏、2安打と犠打で走者を三塁二塁に進めるとスクイズ絡みのプレーと適時打で3点を加え6-2とし、さらに7回には、安打走者をおいてダメ押しになる高橋の2点本塁打で突き放した。二松学舎も7回・8回と長打で3点を返す粘りを見せたが、8回途中から3番手で救援した武藤大地が振り切り、山梨学院は初戦を勝利で飾った。5月23日、群馬第1の前橋育英高と準々決勝で対戦する。
山梨学院高は、春季関東地区高校野球山梨県大会で1回戦VS富士北稜11-7(7回コールド)、2回戦VS山梨19-5(5回)、準々決勝VS甲府第一7-2、準決勝VS東海大甲府7-4、決勝VS甲府城西12-4と勝ち上がり、3年ぶり7度目の春季関東大会の出場を決めた。昨年の秋季関東大会に決勝で明秀日立に接戦で敗れたものの今や、強豪校として全国のライバルに警戒される存在である。
山梨学院が初戦の対戦相手は、東京第2代表の二松学舎大附属高。3月末の選抜高校野球出場校同士の対決となった。先攻二松学舎、後攻山梨学院。先発の榎谷礼央(3年)は初回、変化球を狙われ1本の安打を許したが、後続を三振に取り、その後は5回まで3安打無失点の好投。打線は1回裏、高い出塁率でチームを牽引する鈴木斗偉(3年)がこの試合も先頭打者安打で出塁。犠打で進塁し、続く岩田悠聖(3年)の安打などで一死三塁二塁で4番高橋海翔(2年)が左前打で2点を先制した。打線は、4回一死後、5番主将の相澤秀光が(3年)左翼線に二塁打を放ち、二死三塁一塁に8番渋谷剛生(3年)が中前適時打で1点を追加した。榎谷は5回、一死後相手の内野ゴロを足に当て、その後の6回表、足の痛みもあり1点を失った。その裏、相澤、代打の山本泰輝(2年)の連続安打の後、一死後、スクイズと相手失策で3点を追加、点差を広げた。7回に1点を失った後、即座にその裏、4番高橋が2点本塁打で突き放すが、7回表にマウンドを継いだ山田悠希(3年)が一死後、降雨により一時中断よる再開後、三塁打、二塁打の連打で1点を失った、その裏、山梨学院はらに8回表にも二塁打、三塁打の連打で1点を失った。それを見てベンチは3番手、武藤大地(3年)を送り、
武藤は粘る相手を振り切り、山梨学院は8-4で勝利した。
■〈5月21日 春季関東高校野球大会 栃木県宇都宮市清原球場〉
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 | |
二松学舎大附高 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 2 | 0 | 4 |
山梨学院高 |
2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 3 | 2 | 0 | × | 8 |
山梨学院高校
バッテリー=榎谷→山田→武藤➡佐仲
〔投手〕:榎谷=6回、投球数96球、被安打5,四死球3,奪三振7,自責点1
山田=1回、投球数19球、被安打4,四死球0、奪三振0,自責点3
武藤=2回、投球数34球、被安打2,四死球1,奪三振2、自責点0
〔打撃〕:安打13(長打=本塁打1,二塁打2、四死球2,三振4
〔交代〕:岳原(右)→H山本和輝(3年)→R井村陽太(3年)→(右)星野康輝(2年)
試合後、吉田洸二監督は「全体的に左ピッチャーを攻略するというのが課題だったんですけど、まあまあですね。もう少し足を積極的に使ってほしいなという選手への要望もあり、サインは出していたんですけど「行ってもいいぞ」という。そこで行ききれないところが後手後手に回って、記録に表れない細かいミスはちょっとあってもっと効率よく攻められたのかなというところはあります。榎谷は元々、どんどん抑えていくピッチャーではなくてトータル的に点数をやらないピッチャーなので打球が当たるまでは零点でそのあと打球が当たって、調子が落ちかけたので榎谷は悪かったという印象はないです」と榎谷に全幅の信頼を置く。しかし、打球を足に受けて、「ちょっと榎谷も心配だし、無理をさせるわけにいかないところもあるので次はバッターに頑張ってもらいたいなと思いはあります」と今日の試合を総括した。相澤秀光主将は「今日は相手が左ピッチャーで自分たちは大会で左ピッチャーに当たったことがそんなになくて、うちは左バッターが5人ぐらいと多いので、ラインについてアウトコースを真ん中に見えるように、工夫をして結果はかなり打線も繋がりました。今日の試合もかなり課題が出たので、そういう中で勝利できたのは良かったですけれども、それで気を緩めずに次の試合はこの次の勝者とやるのでしっかり見て課題を克服できるようにやっていきたい」と話した。榎谷礼央投手は「関東に向けて調整してきたので、まあその調整の結果は出たんですけど、まだ甘い球は打たれたんでそこは反省点です。ボールが先行した中でも自分の打たせて取るというピッチングはできていたのでそこは良かったんですけど、ピッチャーライナーが当たって、そのあとの回から少し荒れていたのでそこは次までにしっかり修正したいです。右足です。結構痛いですけど次も先発で投げられるようにしっかり治したい」と次戦を見据える。高橋海翔選手は「いいところで一本が出たのが良かったです。(先制打で)自分も乗れたし、チームも乗れたと思います。ホームランは、インコースよりの真ん中の真っすぐです。あの回は雨で中断してみんなで集中してこの回も取っていこうと話していた結果がホームランなので良かったと思います。今日のように1本が欲しいところで打てるようなバッティングがしたい」と意欲を示した。
次の試合は5月23日、群馬第1代表の実力ある強豪校、前橋育英高と対戦する。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2022.5.21