●山学大ベストティーチャー表彰式
~2021年度は6名の教員の教育実践・成果を表彰~
~指導実践や知見を共有し教育の質向上や活性化に期待~
山梨学院大学は2021年度を対象としたベストティーチャー表彰式を5月25日に実施した。ベストティーチャー表彰制度は、教育の質向上や活性化を目的に2019年度に新設され、授業内外での卓越した指導力や教育方法の工夫や改善など前年度の教員の教育実践や成果などの「教育実績」を表彰するもの。第4回目となる2021年度被表彰者には、百瀨光一法学部教授、古屋亮経営学部教授、針谷夏代健康栄養学部准教授、笠野英弘スポーツ科学部准教授、川井崇禎学習・教育開発センター特任准教授、河野礼実グローバル・ラーニング・センター特任講師の6名が選出された。表彰式は大学連絡会議(オンライン開催)において行われ、6名の教員には青山貴子学長から表彰状が授与され、受賞の喜びや自身の指導実践、今後の教育活動の抱負を語った。
【2021年度山梨学院大学ベストティーチャー】
■百瀨光一法学部教授
教職課程を取りまとめる教職委員長として卓抜した指導力を発揮し、教職課程履修者一人一人に対し丁寧な指導を実施。土日を利用して模擬試験の実施や進学指導等を行い、教員採用や山梨大学を始めとする教職大学院合格者も多数輩出している。また、教職科目においても積極的にPBLの手法を用いるなどアクティブ・ラーニング型の授業実践に取り組んだことが評価された。
【百瀨教授受賞コメント】
5月から教育実習が本格的にスタートしました。現場からの声を聞きますと、本学の学生は多くの生徒と関わりながら一生懸命取り組んでいることが伺い知れました。自分の指導した学生が実際の教育現場で活躍していることを聞くと、恥ずかしいような感慨深いものがあります。ただ、教育実習は最終目的ではありません。なんとか一人でも多く、優秀な学生を学校教育現場に送り出したいと意気込んでおります。この受賞をきっかけにさらに頑張っていきたいと思います。
■古屋亮経営学部教授
学部の教育目標、方針に即し、産学官連携プロジェクトを授業に多数取り入れ、学生の課題解決能力の醸成に尽力。同僚からもプロジェクトの立案運営や学生の指導力について高い評価の声が寄せられ、2021年度の授業評価アンケートにおいても学生からの高い評価が得られた。
【古屋教授受賞コメント】
私自身、地域に近いところおり、本学では地域連携にも今後力を入れていきますが、地域の方たちは本学に対する期待は非常に大きいものがあります。本学として何ができるのか、何に貢献できるのかについてしっかり考えながら貢献していきたいと思います。また、人材育成には、正解も無いし、答えもありません。先生方と目標に向かって力を合わせて進んでいく、そこしかないと考えています。人として当たり前の部分を増やしていくことがいかに大事か、それをいかに学生にフィードバックしていくのか大事だと感じています。本学に来て3年目の新米ですが、これまでベストティーチャーに選ばれた先生方の知見を組み合わせて、多くの先生方と協調しながら、少しずつですが挑戦していきたいと思います。
■針谷夏代健康栄養学部准教授
管理栄養士養成に尽力し、独自のミニッツペーパーを取り入れ、一人一人に丁寧な指導を実施。学生からの評価も高く、各科目の成績も優秀であった。健康栄養学部では、国家試験合格にも注力しており、開設以来高い合格率を堅持し、国家試験対策に対する評価も高く、教職実習においてもコロナ禍で受け入れに課題がある中で全ての実習を完了した手腕も評価された。
【針谷准教授受賞コメント】
私は学生が効率よく学び、自律学習しやすい授業を目指してきました。このため、毎回の授業の到達目標を明確化することとアクティブ・ラーニングの導入をいたしました。きっかけとなったのは教育実習先で参観した小学校の授業です。新しく学ぶことに対し、子どもが狙いを掴み、学びを深めるため、授業運営や教材に多くの工夫がなされていました。訪問の度に勉強させてもらい、大学での授業に取り入れています。これからも改善を重ね、この賞に恥じぬよう、励んでまいります。
■笠野英弘スポーツ科学部准教授
スポーツ社会学やスポーツ文化論を中心とした研究活動を進め、授業においてその研究成果を学生に還元し、教育と研究を組み合わせ、高い教育効果が得られたことが評価された。また、自身の研鑽の中で学内外のFD研修会に積極的に参加し、日々教育力の向上に努めていた。さらに、コロナ禍においても積極的にアクティブ・ラーニングを取り入れ、論理的思考力・創造的な判断力の向上に尽力し、授業アンケートにおいても、学生から非常に高い評価を得た。
【笠野准教授受賞コメント】
今回受賞できたのは、まわりの先生方が良い教育ができる環境を作ってくださり、常日頃から様々な面でご指導をいただいたおかげだと思っております。大学教員の大きな仕事が教育と研究とした場合、今回教育だけでなく、研究面も評価していただいたということで、大変嬉しく思っています。私自身としてはしっかりとした研究をしてこそ、良い教育ができると思っておりますので、今後も引き続き、頑張っていきたいと思います。
■川井崇禎学習・教育開発センター准教授
キャリア形成支援科目の設計及び科目担当として授業を実施し、授業アンケートにおいて高い満足度が得られた。また、授業デザインにおいてもビジネスマナーなどのマインドセットの養成、創作劇やYouTube、TikTokにより動画の作成・公開などを有効に活用し、ユニークな授業設計を行い、学生が自分自身を客観的にとらえることで教育効果を上げている点などが評価された。
【川井准教授受賞コメント】
私の好きな言葉に経営学者のピーター・ドラッカー先生の「計測できないものは管理できない」という言葉があります。私は自分の授業を毎日振り返ってきょうの授業はどこが良かったのか、悪かったのかを日記につけて反省し、日々改善しています。毎日のその工夫が受賞につながったのかなと思っています。まだまだ発展途上で皆様から教わることは沢山ありますが、これからも研鑽していきたいと思います。
■河野礼実グローバル・ラーニング・センター特任講師
留学生向けの初年次プログラムの日本語学習ツアーの開発を行い、授業実践により、確実な成果を上げた。また実践過程や成果をFDおよび紀要を通じて積極的に学内外に発信を行った。さらに、学内外の様々な研修会に積極的に参加し、新たな知識を得るだけでなく、本学に還元し、現場における課題解決に活かしており、卓越した自己研鑽力と現場への還元という点でも評価された。
【河野特任講師受賞コメント】
本学に着任して2年ですが、濃密な2年間でした。ちょうど日本語カリキュラムを改編した時期で、先生方と一緒に何も無い中から作り上げてきた感覚があります。目の前の留学生にどんな日本語教育ができるのかを本質的な部分から問い直しを行う日々でした。多様な留学生への教育は、小手先だけの対応だけでは当然太刀打ちできず、自身の教育力や教師としての本質的な力を試されているなと感じました。これまでの自身の経験だけでは足りず、外に勉強しに行って、知見を増やしていくということを繰り返して2年が経ちました。常に挑戦の連続で、チャレンジングなことを歓迎してくれる山梨学院大学の環境、協力してくれる先生方に感謝をしたいと思います。
表彰式では、受賞者一人一人に青山貴子学長から表彰状と副賞の目録が贈られた。青山貴子学長は「先生方のお話を聞いて、教育に対する思いやポリシーが素晴らしく、頼もしく感じました。過日のFD研修でも確認しましたが、先生方ご自身の教育への思いやポリシーには、先生方の人生がそのまま詰まっており、100人いれば100通りのポリシーがあります。これらが大学の思いや目指すべき方向と重なれば、組織として非常にバラエティ豊かで奥行きのある教育活動が展開できると思います。先生方お一人お一人の取り組みが山梨学院大学の教育活動の屋台骨となっていますので、引き続きご協力をお願いします。本日はおめでとうございました」と挨拶し、受賞者を祝福した。
文(Y.Y)、カメラ(平川大雪)2022.5.25