●山梨学院「第19回アルテア七夕まつり」
~七夕に異文化交流と体験の夕べ~
~趣向を凝らしたイベント、異国食が大盛況~
例年、酒折地区の初夏の風物詩として多くの地域住民に親しまれている山梨学院恒例の「第19回アルテア七夕まつり」が7月1日、大学キャンパスセンターSTAGE21で開催された。新型コロナウイルス感染拡大は落ち着き傾向であるものの、今回も残念ながら昨年同様に地域住民の参加を見送り、参加対象者を山梨学院大学から系列校の幼稚園まで配置学校全員と教職員約300人規模で実施した。「七夕に異文化交流と体験の夕べ」をテーマに同大学学生センタースタッフがさまざまな趣向を凝らし、ステージでのパフォーマンスや学生主体の縁日コーナー、古屋記念堂前の噴水を5台のキッチンカーが半円に囲み、異国の食文化が楽しめるなど今までにない雰囲気を演出した。中止、参加者限定による規模縮小と続き、3年ぶりの学園全体のイベントとあり、学生、留学生、生徒、児童、園児が多く来場。ステージを大いに楽しみ、各コーナーは列が途切れることがない盛り上がりを見せた。イベントのフィナーレは、約260発の花火が夏の夜空に大輪を咲かせた。次回はコロナウイルスの収束を願い、地域住民も参加する“交流の場”としての復活を期待する。
■今年の「アルテア七夕まつり」は約300人規模に拡大ー
山梨学院では地域住民と学生たちの安寧を願い、2003年から交流の場として催しを始めた。今では酒折地区の一大イベントとして定着。初夏の風物詩として親しまれている。しかし、新型コロナウイルス感染拡大防止を受けて2020年は中止に追い込まれ、昨年は、地域住民の入場は規制し、大学、短大生約100人を限定に実施された。今年は配置学校全員と教職員約300人規模に拡大して実施した。
7月1日、山梨県内に雷雨注意報が発令される中、19回を数える「アルテア七夕まつり」に午後5時前には受付の前には数十人が次から次へ列を作り午後6時の開始を待った。参加者は事前に参加登録、受付コーナーで検温チェック、アルコール消毒、マスク着用して入場した。「七夕まつり」のメインとなるキャンパスセンターSTEGE21周辺には、学生主体なるコーナーが設けられ、山梨学院大学学生会の射的コーナー、ボランティア部の風船のバルーンアートや水ヨーヨー、折り紙コーナー、iCLA学部のあひる釣りコーナー、中国留学生学友会、ライトダウンやまなしによる星空カードなど祭りを盛り上げるコーナーも登場。また、古屋記念堂前の噴水広場には昨年にはなかった飲食スペースが設けられキッチンカー5台が噴水を半円に取り囲むように設置され、小籠包、焼きそばなど中華風料理、ベトナム料理、タイ料理、洋風料理、クレープと若者に人気の食べ物が提供された。また、ステージ近くには七夕には欠かせない願い事を書いた七夕飾りがレイアウトされた。短冊にはコロナの終息を願うものや、七夕伝説にちなむ“異性との交際”成就によるものが多く見られた。
■今年も異文化交流と体験がテーマ。次回は従来の開催を願うー
祭りの始まる前、今回もイベントリーダーを担った山梨学院大学学生センター・帯金久次長に話を聞いた。「今年は学生だけではなく幼稚園とかお子様連れの方もいらっしゃっているので、昨年よりは盛大な形でまた、コロナが収まったらより盛大にできるように今年はその準備なるかなという思いですね。とにかく学生やみんなが楽しむ“思い出の日”にしたいと思います」と話した。
午後6時、MCの紹介で山梨学院パフォーマンスチームのリーダー(応援指導部)が登場。ゴルゴ13に曲に合わせ応援パフォーマンスを披露。それにチアリーダー部、ダンス部が加わり、オープニングにふさわしいステージで開幕した。続いて、約1,500人の応募者の中から勝ち上がった6人によるアイドルグループ「HO6LA(ホムラ)」が登場。グループ名には炎のようにめらめら・ワクワク感を忘れずに上昇するという意味が込められている。若さ弾ける元気をもらえるステージに参加者も盛り上がった。会場には主催者の呼びかけに浴衣姿が多く見られ、そのうち、先月18日にイギリス・オクスフォード大学より8週間のインターンシップのため来日した浴衣姿のアダム・コリンズさんとルシアン・ランソンさん(左から)がいた。コリンズさんは「目的はいろいろありますが、富士山とか美しい写真を見てそういう場所に住みたいと思い、大都市ではない自然がある場所で日本文化に触れたい」とインターンシップに申し込んだという。ランソンさんは「日本語をもっと話せるようになれるように、そして私は日本の食文化にすごく興味があるのでいろいろ食べて、学んで、特に和菓子がおいしいです」と共に流ちょうな日本語で話した。二人はインターンシップとして今週月曜日(6月27日)、山梨学院大教員と共に近くのワイナリーに職場訪問をしたという。同じく浴衣姿の女性二人連れに話を聞いた。経営学部4年佐藤さんと山梨学院大非常勤職員ロックサンさん(左から)。佐藤さんは「楽しいです。去年は人も少なかったですけど、今年は多くて活気があっていいなと思います」と話すと、2回目の七夕祭りになるフィリピン出身のロックサンさんは「とても楽しいです。最近なかなかこういうお祭りがなかったので私たちもとても楽しみにして、来てみてやっぱり良かった」と答えた。
■学生主体の縁日コーナー、5台のキッチンカーに長蛇の列―
学生主体の縁日コーナーが今年も人気。浴衣姿のiCLA留学生が子どもたちを相手に金魚すくいあらず、“あひる釣り”を企画。隣では山梨学院大学ボランティア部が“バルーンアート、折り紙”で体験教室と“水ヨーヨー”で子どもたちと交流。また、山梨学院大学学生会では昔懐かしい“射的”を企画、子どもから大人までぬいぐるみなどの的を狙い、歓声を上げて楽しんでいた。ほかに中国学友会のコーナー、カウントダウンやまなしの“星空カード”コーナーなどと、どこも列ができるほどの盛況ぶりを見せていた。射的コーナーの長田大和さん(法学部1年)は「こんなコロナ禍で楽しんでもらう機会が少ない中で予想以上にお子さんから大人の人まで来てもらい楽しんでいかれたので非常にうれしいです。自分は1年生で初めてのスタッフでの参加はみんなが頑張っている姿を見るのは頼もしいですし、こういうイベントを運営ができて楽しいです」と話した。今年は、飲食スペースも設置、世界の食文化を楽しめるキッチンカー5台が古屋記念堂前の噴水を半円に囲むようにレイアウトされ、祭りの気分を押し上げた。ベトナム料理、タイ料理、中華風料理、洋風料理、クレープの店が出店。食欲誘う香ばしい匂いに誘われ、こちらも長蛇の列が並んだ。
■バラエティに富んだステージにくぎ付け、フィナーレは打ち上げ花火の大輪―
ステージではその後も、中国留学生学友会とiCLA留学生によるDJマシーンにドラム、ギターが加わったノリノリの曲に山梨学院パフォーマンスチームが飛び入り。イケてるダンスミュージックがステージで展開された。動の後は静。次は短期大学学友会によるクイズ。日本人学生、留学生がステージに上り和気あいあいと交流を含めた。ステージは再び動へ。総勢30人余りのパフォーマンスチームダンス部のヒップホップ・ロック・ジャズ、そしてパリ五輪で新種目に採用されたブレーキングダンスを披露。元気な切れのあるフットワークをステージいっぱいに繰り広げ、幼児から老若男女の目をくぎ付け、圧倒的なパフォーマンスで会場を盛り上げた。2時間に及ぶイベントのフィナーレは40周年記念館前広場から上がる大輪の打ち上げ花火。雷雨も心配されたが雲間から星も薄く見える空に、短冊に書いた願いが叶えと、260発の大輪の花が咲いた。
今回、約300人規模での開催も、徹底したコロナウイルス感染防止を施し終了した。来年こそは酒折地区地域住民の初夏の風物詩として復活、笑顔で交流することを願う。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2022.7.2