●山学大 全日本大学ホッケー王座決定戦 3位決定戦
~女子 準決勝での敗戦の悔しさをぶつけ3位を死守~
~男子 互角の戦いも開始早々の失点挽回できず4位~
7月15日開幕した2022年度「第41回全日本大学ホッケー王座決定戦」男女決勝戦、3位決定戦が7月18日、立命館OICフィールドで行われた。山梨学院大ホッケー部は昨日の準決勝で男女揃って敗れ3位決定戦に回った。最初に行われた女子3位決定戦は午前9時より東海学院大学と対戦した。試合は第1Q、第2Qと一進一退の攻防が続くが互いに決め手なく前半を0-0で終了。サイドが変わった第3Qも互いに得点チャンスをつくるも、拮抗状態が続いた残り1分、右サイドから攻める山梨学院は、相手のパスミスをサークル内に詰めていた#19澤口莉奈がボールを奪うと、振り向きざまシュート、ゴールに先制点を突き刺した。先制点でリズムに乗った山梨学院は、第4Q9分、23mライン手前からサークルに速いロングパスを送ると、それを#23滝沢風香がタッチシュートを決め、2点目を入れた。その後主導権を握った山梨学院はそのまま守り2-0で勝利。3位を決めた。引き続き行われた男子3位決定戦は、朝日大学との対戦。開始早々、朝日大はPCを獲得すと、シュートをGK福田匠がきっちり阻止するが2分、2本目のPCをGKの右上に決められ先制された。その後、第2、第3Qと互角の戦いを繰り広げ、第4Q、共に1点が欲しい第4Q、じりじりと終了時間が迫る中、山梨学院は終盤、全員攻撃でプレスを仕掛けるも逆に残り2分、ダメ押しの2点目を決められ万事休すそのまま敗れ、4位となった。
■女子3位決定戦の結果 気持ちを切り替え笑顔で戦うー
山梨学院大女子は、2018年・2019年の2年連続準優勝から新型コロナウイルス感染症の影響を受けて中止になった一昨年大会を挟み、昨年もSO戦1-2で敗れ、涙の準優勝を味わった。今回も2016年以来の優勝を目指して王座戦に臨んだが準決勝で天理大に敗れ優勝への野望は消えた。それは、若いチームに生まれ変わった経験値の差の不安が成績になって表れてしまった。それでも若いチームは練習量では負けないという自負を持って3位決定戦に臨んだ。対する東海学院大(東海第1代表第4シード)は昨年のインカレの覇者。
不安定な空模様が続く中、朝から蒸し暑く薄日が差す午前9時、東海学院大のセンターパスで試合が始まった。序盤、互いにボールを奪う展開に中盤の8分、ようやく山梨学院の最初のチャンスが訪れた。東海学院サークルに攻め込む中でPCを獲得。シュートのこぼれ球を奪うあう混戦の中で再びPCを得ると、#10キム・チェユンが低い弾道でゴールを狙うも外れ、得点ならず。一方の東海学院も後半12分、PCを獲得。これを山梨学院GK#16松花衣(3年)が好セーブで阻止。互いにチャンスを作るも0-0で第1Q終了。第2Q、
序盤から両者スピーディーな動きで激しい攻防を展開。一進一退が続くも、決め手なく第3Q。サイドが変わり山梨学院のセンターパスで始まると開始2分、ハーフライン手前からの#19澤口莉奈(1年)のロングパスをセンターサークル内に詰めていた#26若狭真依(1年)が受けシュートもわずかゴール枠を外し得点を逃す。その後もチャンスを作り山学ペースに残り1分、東海学院陣営にプレスをかけていた山梨学院に対して、相手ボールのパスミスをサークル内に詰めていた#19澤口がカット。振り向きざまにゴール上部にシュートを叩きこみ待望の先取点を挙げた。この先取点で気をよくした山梨学院は第4Qに入ると、攻撃リズムもよくなり、チャンスを広げた。中盤の9分、#10キム・チェユンの23mライン手前からのロングパスがサークル内に通り、サークル内に詰めていた山梨学院攻撃陣の#23滝沢風香(2年)のタッチシュートがゴールネットを揺らした。2-0、主導権を完全に握った山梨学院がそのまま逃げ切り3位を死守した。
2022年度第41回全日本大学ホッケー王座決定戦 女子3位決定戦 《山梨学院大VS東海学院大》7/18 大阪・立命館OICフィールド |
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〇 山梨学院大 2 | 1Q 0-0 2Q 0-0 3Q 1-0 4Q 1-0 |
0 東海学院大 ● |
山梨学院得点=澤口莉奈、滝沢風香 |
試合後、ジョン・シアン女子監督は「昨日のゲームから勝って素直にうれしい感じですよね。東海には日本リーグで負けているので正直、相手の方が優勢かなと思って挑とんだゲームで互角の勝負でしたよね。内容も悪くはなかったし、うちの方がチャンスも多くて。得点力に悩んでいるだけにトンネルから脱出という感じです。それでも3位なのでこれに満足することなく強いチームに勝てたということで頑張ればインカレでも絶対に勝てないことはないと感じてくれたと思うので、それで今のままじゃダメということも分かっているのでいい刺激となればいい」と話した。西永空主将は「昨日は内容が良くなくて負けたんですけど、1日でプレーは変わらないので気持ちをしっかり作るために、昨日全員でミーティングして、どうやって気持ちを持っていくか4年生を中心に話し合いました。今日はアップの時から全員声が出て笑顔でできたので結果につながったと思います。内容は五分五分だったと思います。今日は勝てたけど課題はまだまだあるのでしっかり現実を受け止めて練習していく必要があるなと思いました」と今大会を振り返った。試合後なぜ泣いたのかを聞くと、「ジョンさんにこれまで4位はほとんどないと言われて、今回何とか3位になれてという安心で4年生は結構泣いてしまいました」と照れ笑いした。先取点を挙げた澤口莉奈選手は「プレスをかけてスティックを出していた時に、たまたま相手の選手がパスミスしたところをカットして確認したらキーパーと1対1だったので打つしかないと思った」とその時の状況を話した。
3位については、「昨日負けたことで今日は勝つしかないと監督とのミーティングの後で選手みんなで切り替えて、入ったら楽しむということを第一に全員で頑張ると決めたので3位になったことは今、とてもうれしいです」と素直に喜んだ。
■男子3位決定戦の結果 1点が遠かったー
引き続き午前11時より行われた男子3位決定戦は、朝日大学との対戦。山梨学院のセンターパスで開始された試合は、開始早々、朝日大に攻め込まれはPCを与えた。シュートはGK#1福田匠(4年)がきっちり足で阻止するが2分、続けて2本目のPCを朝日#21藤原陸人にゴール右上に決められ先制された。第2Qには互いに激しい攻防を繰り広げ互いにチャンス、ピンチを繰り返した。終盤残り3分、同点に追いつきたい山梨学院はPCを獲得すると、昨日の試合でハットトリックを達成した#11田村圭梧主将が(4年)がシュートを放つも、ボールはゴール左フレームに当たり得点を逃した。第3Qも一進一退の攻防。拮抗した状態が続く。共に1点が欲しい第4Q、開始早々2分、朝日はPCを獲得するが山梨学院GK福田が好セーブで得点を阻止。その後、じりじりと終了時間が迫る中、山梨学院は終盤、全員攻撃を仕掛けるも朝日の堅い守備を崩せず、逆に残り3分、朝日のPCでのシュートを#6二澤未来也(3年)がスティックに当て阻止したものの、その後残り2分には#13松本聖にダメ押しの2点目を決められ万事休すそのまま敗れ、4位となった。開始早々に得点された1点が遠い試合となった。
2022年度第41回全日本大学ホッケー王座決定戦 男子3位決定戦 《山梨学院大VS朝日大》7/18 大阪・立命館OICフィールド |
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● 山梨学院大 0 | 1Q 0-1 2Q 0-0 3Q 0-0 4Q 0-1 |
2 朝日大 ○ |
試合後、三澤孝康監督は「(失点が)早かったし・・・」としばし考え込む。そして「選手とミーティングをしていて昨日の試合からある程度の切り替えができているのかなあと思っていたんですけどやっぱりちょっと気持ちの部分で昨日の負けを引きずった結果かなと思います」と準決勝の敗退のショックは大きかった。4位という結果については「率直に非常に残念ですね。前回優勝したのは実は、私が大学2年の時でそれ以来の優勝をということで毎年思いながらやっているんですけど、去年の主軸が大きく抜けた中で始まったチーム作りですけど、この春のタイミングでは優勝するところまでは持ってこれなかったですけど、1年生で出ている子が多いので秋にこれをつなげていくしかないかなと思っています」と若い選手の成長に懸ける。若い選手が多いチームを牽引してきた田村圭梧主将は「流れ的には昨日と同じような流れで失点してからこれから攻撃に行くぞという気持ちだったんですけれども個人的にもシュートに行ききれなかったというところが不満かなと思います。もちろん優勝を狙っていたので結果的に4位という形で終わってこれが自分たちの力だと痛感しているので、また、秋に向けて一からチーム作りをしていきたい」と気持ちを入れ替えた。
男女とも12チームで争われた全国大学ホッケー王座決定戦の4日間が終了した。今大会の結果は、女子は優勝:天理大、準優勝:立命館大、3位:山梨学院大、4位:東海学院大。男子は優勝:立命館大、準優勝:天理大、3位:朝日大、4位:山梨学院大となった。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2022.7.18