●第104回全国高校野球山梨大会 山学高準決勝へ進出
~駿台戦に先発山田が11奪三振の好投。勝利に貢献~
~打線も繋がり投打が噛み合い、優勝への準備万端~
7月20日、「第104回全国高校野球選手権山梨大会」、準々決勝2試合が甲府・山日YBS球場で行われた。1試合目の山梨学院の試合が始まる前には、生徒はじめ教職員、保護者会など多くが応援に駆け付けた。午前8時30分、試合開始のサイレンが鳴り響き駿台甲府高との対戦が始まった。山梨学院の好調な打撃と最速146キロを誇る駿台甲府の投手との対戦が見どころの試合に、先攻の駿台甲府に対して先発は3回戦で好投した山田悠希。1回表、山田は3者連続三振の素晴らしい立ち上がり。それに応え打線も2番進藤天の本塁打、相澤秀光の適時打で2点を先行。山田は2回表にも1安打3三振と見事な投球で打線を鼓舞すると、打線は3回裏に、3番高橋海翔の安打を足掛かりに相手の失策、2連続四球、好投の山田自らの2点適時打、続く鈴木斗偉の適時打と打線がつながり相手投手を攻略。前半で6-0と主導権を握った。先発の山田は5回1/3を投げ11三振を奪い先発の役目を完璧に務めた。救援した2番手の武藤大地が3連続四球を与え1失点の誤算はあったものの、3番手川口龍己が後続を抑えた。その裏、山梨学院は二死から3連打で取られた1点を奪い返す試合巧者ぶりを見せ、相手を突き放した。大事な準々決勝戦に勝利した山梨学院は昨年甲子園の夢を絶たれた準決勝に敢然と挑む。
「第104回全国高校野球山梨大会」が7月9日に開幕し、山梨学院高初戦は10日2回戦に白根高校と対戦。31-0の5回コールド勝ちを収めた。初戦終了後、山梨学院高吉田洸二監督は「今は全体的に7割ぐらいの状態」と圧勝にも気を引き締め、照準を準々決勝からと定める。3回戦は降雨の影響で予定より1日遅れの17日に塩山高校との対戦が行われ
11-0。これも5回コールドと順調に勝ち上り準々決勝へ駒を進めた。20日、準々決勝2試合が山日YBS球場で行われ、山梨学院高は第1試合目に今大会第一関門の駿台甲府高と対戦に選手は、一分の隙も無い表情でホームプレート前に整列、試合に臨んだ。
◆先発山田投手の好投と打線のつながりで主導権を握るー
後攻の山梨学院は、17日3回戦塩山高に先発好投した山田悠希(3年)が再びマウンドに上がった。山田は立ち上がりから直球、変化球を打者によって変える変幻自在の投球で1番打者から5番打者まで連続空振り三振を含め、3回まで打者10人に対して8奪三振の快刀乱麻の投球で翻弄。山梨学院打線は、駿台甲府高の最高球速146キロを投げ込む先発平井智大投手(2年)と対した。1回裏、1番鈴木斗偉(3年)三振後、2番進藤天(2年)は4球目直球を右翼ポール際へ先制の本塁打を放ち1点を先取。相手の出鼻をくじいた。その後、相手失策と盗塁で二死二塁、5番相澤光秀主将(3年)の中前適時打で1点を加えた。さらに3回裏には一死後、4番高橋海翔(2年)は駿台甲府・平井投手のこの日最高球速146キロを左前に打ち返すと、相手けん制悪送球と5番相澤の二塁ゴロの間に走者三塁。二死三塁に6番渋谷剛生(3年)の中前適時打で1点追加。さらに相手投手の連続2四球で満塁の好機に9番山田が右前適時打で2点。続く1番鈴木の中前適時打で1点を加え、この回4点を奪った。投手の山田は、その後も好投を続け6回表、先頭の9番打者を11個目の三振を奪い、2番手武藤大地(3年)に交代した。しかし、武藤は制球が定まらず3連続四球を与え、山梨学院はたまらず3番手川口龍己(3年)に救援を仰いだ。代わった川口は最初の打者に押し出しの四球を与え続けて満塁のピンチが続いたが、後続の打者をきっちり抑え、1点のみに凌いだ。その裏、嫌な流れを切りたい山梨学院打線は5回裏から継投した駿台甲府高エースの石川大樹(3年)から二死、5番相澤の中前打と6番渋谷剛生(3年)の左中間二塁打で三塁・二塁にすると、7番佐仲大輝(2年)が三遊間をきれいに割る適時打で流れを戻した。その後は川口の力投もあり駿台甲府打線を完璧に封じ込め、7-1で快勝、準決勝に駒を進めた。
■3回戦 山梨学院高準々決勝戦の結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 | |
駿台甲府高 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 |
山梨学院高 |
2 | 0 | 4 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | - | 7 |
山梨学院高
[投手]山田→武藤→川口➡[捕手]佐仲大輝
山田5回1/3 打者18 投球数81 被安打3 奪三振11 与四球0 失点0
武藤0回 打者3 投球数15 被安打0 奪三振0 与四球3 失点1
川口3回2/3 打者 投球数54 被安打0 奪三振5 与四球2 失点0
[打撃]安打12《長打2=本塁打:進藤 二塁打:渋谷》 四死球8 三振4
試合後、たくさんの報道人の取材から解放され球場の外に出てきた吉田洸二監督は「前半から中盤までは良かったですけど、リリーフピッチャーがもたついてあそこから攻撃のリズムも悪くなってしました。でもあの後、“点を取ろうぜ”と言って集中してやったので良かったです。今日がベストに来るように組み合わせが決まった時から調整してきたので、今日含めて3試合なので、その中ではいい滑り出し、最後の3本勝負の一本目はまずまず」と及第点を付けた。さらに「ピッチャーも怪我をしていた川口が久しぶりの登板であれだけ投げたので良かった」と守備力の充実に期待を寄せた。5回1/3、11奪三振の好投が光る山田悠希投手は「今日はコントロールが良く、制球が定まっていて調子は良かったです。球種はストレート、カットボール、チェンジアップ、スライダー、カーブ。とりあえずキャッチャーミットを狙って投げました。チームには貢献できたと思います。次はいつ投げるかは分からないですけどチームのために次のピッチャーがリズムを作れるようないいピッチングをしたい」と手応えをにじませた。相澤秀光主将は「今日は山田が本当にいいピッチングをしてくれて守備から打線にいいリズムができて、(駿台)ピッチャーの平井君の球は速かったんですけど、それに振り負けないくらいの練習は、春の選抜が終わってからやってきているのでその成果が出て良かったです。武藤はそんなに経験があるとは言えなく緊張して当たり前なので、自分と鈴木を中心に皆で声を掛けあって、結果的に川口が抑えてくれたので、チームとして本当に大きな収穫ができた」とチーム力を強調した。準決勝は東海大甲府高と仮定して、「本当に力のあるチームなので、そこに負けないぐらいの練習をやってきているので自信を持ってやってきたい」と力を込めた。
第2試合の準々決勝は東海大甲府高が身延高に勝利。山梨学院高の次の準決勝の対戦相手は東海大甲府高となり23日(土)午前8時30分から山日YBS球場で対戦する。
文(K.F) カメラ(藤原 稔) 2022.7.20