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●第104回全国高校野球山梨大会 山学高決勝へ進出 
~東海大甲府に序盤苦しむも、着実に加点突き放す~
~3大会ぶりの決勝へ。甲子園にあと一歩~

7月23日、「第104回全国高校野球選手権山梨大会」、準決勝2試合が甲府・山日YBS球場で行われた。1試合目の山梨学院の試合が始まる午前8時30分、球場の上空は快晴に晴れ上がった。球場には両校の生徒、応援団はもとよりネット裏、内野スタンドは多くの高校野球ファンが詰めかけ、山梨学院高、東海大甲府高の好カードを見守った。試合は後攻の山梨学院が準々決勝の駿台甲府高戦で11三振を奪い準決勝進出に貢献した山田悠希投手が3試合連続の先発を担った。140キロ前後の直球とカットボール、スライダーなど多彩な変化球を投げ分ける山田は、東海大甲府打線に3回、5回表に満塁と攻め立てられるも、要所で粘り凌いだ。一方、山梨学院打線は東海大甲府先発の久米徳之助に3回まで1安打と打ちあぐねた4回裏、四球、盗塁、犠打、犠飛と無安打ながら手堅く1点を先制。
試合巧者ぶりを見せた。5回裏には、救援した東海大甲府2番手から安打、四球、犠打、相手失策を絡み1点を追加。さらに4番高橋海翔の左翼フェンス直撃の適時打で1点を重ね、持ち味のつなぐ野球が機能した。東海大甲府も6回表に山田を救援した榎谷礼央から2点を奪い3-2と1点差に迫ったがその裏、山梨学院も相手の失策、岩田悠聖の2点適時二塁打など3点を追加、再び突き放した。榎谷は9回表、本塁打を浴びて1点を失ったが山田、榎谷の継投で山梨学院は6-3で勝利。25日の決勝戦で甲府工業高と対戦する。

◆3試合連続先発山田の粘投に応え、打線も徐々に援護ー
山梨学院高の準決勝は23日、快晴の山日YBS球場で東海大甲府高と対戦した。山梨学院と東海大甲府は、昨年秋季大会、今年の春季大会準決勝で対戦。いずれも山梨学院が勝利。この夏、3度目の準決勝対決となった。後攻の山梨学院は、3回戦、準々決勝を好投した山田悠希投手が先発のマウンドに上がった。山田は特に準々決勝の駿台甲府戦では5回1/3を11奪三振、無失点の素晴らしいピッチングを披露。チームの勝利に貢献した。試合は1回表、打撃好調の東海大甲府高の先頭打者、2番打者から二死を取ると、3番、4番打者には140キロの直球を2連続安打で得点圏に走者を背負うも、後続を抑えた。その裏、山梨学院は2番進藤天(2年)が四球を選ぶが東海大甲府の先発久米徳之助(3年)に後続が倒れた。2回裏には、5番先頭の相澤秀光(3年)、7番佐仲大輝(2年)の連続四球と8番星野泰輝(3年)の安打で一死満塁の先制点好機に9番山田、1番鈴木斗偉(3年)が凡退した。山田は、3回表一死後、1番打者に安打、2番、3番に死球、四球と制球が乱れ満塁のピンチを迎え、続く4番打者には8球を費やしたが何とか空振り三振に仕留めると同時に三塁走者が飛び出しWプレー。かろうじて無得点に抑えた。山梨学院は4回裏、6番渋谷剛生(3年)が四球で出塁、すかさず盗塁で相手にプレッシャーを与えた。7番佐仲は確実な犠打で一死三塁の得点の好機をつくり、8番星野が初球を狙った打球は浅い右飛となるが、俊足の渋谷は果敢に本塁に突入。返球のボールがわずかにそれ、無安打で1点を先制した。先発の山田は、東海大甲府の積極的な攻撃に苦しみ、走者を出しながらも要所を抑える粘りの投球で好投を見せた。山梨学院1点リードの5回表、東海大甲府は二死後、安打と2連続四球で2回目の満塁の好機をつくり、山田を一打逆転に追い詰めた。しかし、強気の山田は次打者に直球勝負を挑み、最速142キロを出すなど空振り三振でピンチを凌いだ。息詰まる攻防に球場にどよめきが起きた。

■流れは山梨学院から東海大甲府へ、そして再び山梨学院へー
5回裏、東海大甲府は投手を久米から18番長身右腕・安原遼(3年)に継投。1番鈴木は中前打で出塁。2番進藤はストレートの四球を選ぶと3番岩田悠聖(3年)は4球目を三塁前にバントを決めると、三塁手はすかさず処理し一塁に送球するもボールはそれ、それを見た鈴木は一気にホームイン。1点を追加。続く、4番高橋海翔(2年)は動揺した相手投手の初球変化球を強振。打球は左翼フェンス直撃の二塁打となり、この回2点を入れた。後続は倒れるも、山梨学院は相手のミスを逃さず山学らしい堅実さで3-0とリードした。6回表、走者を出しピンチを粘り強くはねのける山田は続投。鈴木のファインプレーもあり二死を取ると、2番手に榎谷礼央(3年)がリリーフで登場。榎谷は登板間隔が空いた影響か、いつもの制球が今一つ、最初の打者に死球を与えると、続く打者に安打、二塁打の連打を浴び2点を献上、3-2の1点差に詰められた。しかし、ここからが山梨学院の真骨頂。取られたら取り返す。5回裏途中から継投した東海大甲府エース森木千汰郎(3年)から6回裏一死後、1番鈴木の遊ゴロを送球ミスで生かすと、2番進藤は中前安打で出塁。続く3番岩田が森木の140キロアウトコース直球を狙い撃ち、左翼手頭上を越す2点適時二塁打となり、再び3点差に広げた。その後も森木のワイルドピッチで1点を加え、6-2とリードした。東海大甲府は7、8回にも走者を出すも、山梨学院の好守備や味方の走塁ミスなどが重なり追加点を奪えず、最終9回表も二死、3番平野泰成(3年)が榎谷の直球を左翼スタンドに打ち込み一矢を報いた。試合は6-3で山梨学院が勝利し、昨秋から3度目の準決勝対決も制した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■山梨学院高準決勝戦の結果

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 合計
東海大甲府高 0 0 0 0 0 2 0 0 1 3
山梨学院高
0 0 0 1 2 3 0 0 - 6

山梨学院高
[投手]山田→榎谷➡[捕手]佐仲大輝 
山田5回2/3 打者25 投球数116 被安打5 奪三振5 四死球4 失点0
榎谷3回1/3 打者15 投球数57 被安打5(本塁打1) 奪三振3 死球1
失点3  
[打撃]安打6《長打2=高橋、岩田》 四球10 三振9 [失策]0

試合後、吉田洸二監督は「山田がしっかりゲームを作ってくれました。山田とキャッチャーの佐仲は昨年の夏からバッテリーを組んでいるんですけど、配球面でミスが多く指導してきたその成果が実って成長を感じました」とバッテリーを称えた。打線については「相手のピッチャーが予想していた以上に良くて前半手こずりましたね」と話した。決勝戦については「負けた時に後悔しないようにしっかり準備して臨む」と3大会ぶりの決勝戦に全力でぶつかる。3試合連続先発でしっかり試合を作った山田悠希投手は「先発は昨日言われました。今日は榎谷が後ろにいたのでリズムよく投げられたらいいかな」と平常心でマウンドに上がった。2度の満塁のピンチにも「バックが笑顔で思い切り投げろと言ってくれたのでバックを信じて投げました。味方の守備にも助けられリズムよくできました」とピンチを凌いだ。決勝戦には「勝てば甲子園なのでチーム一丸となって1勝をつかみ取りたい。甲子園のマウンドでも投げたい」と意欲を示した。追加点の好機に犠打と長打で勝利を呼び寄せた岩田悠聖選手は「(5回裏)無死だったので自分でも準備していたのですけどあの場面で緊張してしまって1球目はできなくて、そのあと切り替えて最初から構える感じで落ち着いてバントできた」と相手内野手の失策を招き追加点を挙げた。さらに6回裏の攻撃には「あの時2ストライクで相手のバッテリーは春の時に自分と対戦していて自分はインコース真っすぐを打っていたのでたぶんアウトコースを攻めてくるなと頭に入っていたんであのバッティングができた」と読み勝ちが好打を引き出した。決勝戦には「ピッチャーも頑張っているなか自分たちもバッティングでカバーできるように頑張りたい」と話した。相澤秀光主将は前半のピンチについて、「相手のピッチャーが良かったのでみんなでつなぐことができて今日はいい試合でした」と試合を振り返った。続けて、「自分たちは大会で3、4回までゼロというのはあまり経験がなく、東海はチャンスを作って、すごく圧を感じてはいたんですけど、山田はこの夏は球速もアップしてピッチャーとして成長しているので山田なら大丈夫と信じて守っていました」と再三のピンチにも動じなかった。「去年の夏、負けてからチームがスタートしてこの夏の甲子園に行くために1年間やってきていたのであと1試合勝てば甲子園なのでみんな楽しんで思い切ってやるしかないと思っています。ラストは甲子園で終われるように明後日は絶対勝てるようにまた、準備をしっかりしてやってきたい」と必勝を誓う。

第2試合の準決勝はノーシードから勝ち上がった公立校同士の甲府工業高と甲府商業高が対戦。勝利した甲府工業高と25日午前10時よりの山日YBS球場で3大会ぶりの決勝戦に臨む。

文(K.F) カメラ(藤原 稔) 2022.7.23