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●山学大孔子学院中国文化講座
~現代中国の若者の特徴や最新事情を紹介~
~Z世代の中国観・日本観について解説~

山梨学院大学孔子学院は中国の最新事情を紹介する中国文化講座を7月23日に開催した。講師は、フリージャーナリストとして中国現地で取材を行い、多くの若者と接してきた中島恵さん。中島さんは現地での取材・インタビューを通じて見えてきた日本では報道されない現代中国の若者の最新事情について生活様式や文化、様々な意識の変化など世代ごとの時代背景などを交えながら紹介を行った。また、若者が感じる中国観や日本観などについても解説。その上で、私たちが中国の若者の最新事情を知る意味について「最新の情報が正しく伝えられていないこともあり、日本では、かつての中国人像をイメージする方も多く、大きなギャップが生じている。若者の現状を知ることで教育や企業等のビジネス、インバウンド観光の振興などにつなげることができ、最新事情を知ることは大きな意味がある」と述べ、講演を結んだ。
 
講師の中島恵さんは1967年、山梨県都留市生まれ。拓殖大学中国語学科に入学後、北京大学に短期留学。拓殖大卒業後に日刊工業新聞社に入社し、国際部に在籍、中国・台湾などで取材活動を行う。同社退社後に香港中文大学に留学し、帰国後にフリージャーナリストとして独立、活動している。
 
中島さんは、中国の若者の特徴について1980年代のひとりっ子世代(80后)から10年刻みで各世代の特徴についてそれぞれの時代背景を踏まえ紹介。現在の高校・大学生世代は00后(リンリンホー)と呼ばれ、2000年代生まれのデジタルネイティブであり、様々な国内外の情報に接し、生活をしている。00后の特徴として、中島さんは「自分を中国人であることを誇りに感じ、現状の生活に満足し、自国の製品やブランドを愛している」と解説。また、日本同様に90年代、2000年代生まれの世代をZ世代と呼び、中国のZ世代の特徴やお金に対する意識、情報との接し方についても文化やブランドなど生活スタイルを交えながら詳説した。さらに、若者の中国観と日本観をそれぞれ紹介。「かつては海外に対する憧れもあったものの、生まれた時から豊かで経済成長もしていたことから自国に対する誇りや自信もあり、海外旅行等も当たり前になっていた。さらに、ここ数年はコロナ禍による国際社会における報道や情報伝達により、アメリカを始め、欧米との対立もあり、より一層自国愛やナショナリズムが高まっている。一方で日本に対しては否定的な意見を持つ若者も多く、SNSの発達もあり二極化が進んでおり、在日中国人と中国在住の中国人との間でも意識の違いがあり、学歴や家庭環境でも日本観は異なる」と中島さんは解説した。結びとして、私たちが中国の若者の最新事情を知る意味について「中国のZ世代の若者たちは40代以上とは全く違う価値観を有しています。中国の若者たちは日々変わっていますが、日本ではかつての中国人像をイメージしている方が圧倒的に多く、Z世代の中国人の存在や若者の最新文化は大手メディアも扱わず、ほとんど日本に伝えられておらず、大きなギャップが生じています。こちらから新しい情報をキャッチアップしなければ今の中国を理解することができず、今の中国人の等身大の姿を知ることが教育や観光振興、企業ビジネス等に役立てることができます」と述べ、講演を結んだ。

文・カメラ(Y.Y)2022.7.23