山梨学院広報課

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●山学高準優勝に輝く インターハイ女子ソフトボール
~厚木商高に敗れるも、好ゲームで会場を沸かす~
~次は、新しいチームで春夏の全国制覇~

8月4日から試合が始まった「躍動の青い力 四国総体『インターハイ女子ソフトボール競技』」最終日の8月7日、準決勝と決勝戦が高知県高知市春野総合運動公園で行われた。全国48チームが頂点を目指した戦いも4チームに絞られた。山梨学院高はこれまで4試合を勝ち上がり、昨日の試合では宿敵の佐賀女子高を破り優勝を近づけた。午前中に行われた準決勝は、前回大会で同時優勝した長崎商業高と対戦した。先攻の山梨学院は2回表二死から7番田口心彩が中堅越えの2点本塁打で先制すると、先発のエース向山琴葉はこの試合も安定感のある投球を見せ、打線も6回にも遠藤愛実主将の3ラン本塁打で加点。向山は完封。山梨学院は5-0で勝利。決勝戦に進んだ。午後から行われた決勝は、神奈川県立厚木商業高と対戦。1回表、先攻の山梨学院が無得点のその裏、厚木商は先頭打者の安打と犠打、盗塁と手堅い攻撃で1点を先制するとさらに一死三塁二塁で一塁への強烈な当たりが右前に達し、2走者が返りこの回3点を奪った。その後は緩急をうまく使い分ける厚木商の投手と、走者を背負いながらも粘投を続ける向山との投手戦の好ゲームが展開されるなか、山梨学院4番の櫛渕あいが4回に本塁打で1点を返し意地を見せるも、厚木商の好投手を攻略できず、初回の3点が重くのしかかり3-1で厚木商が優勝。山梨学院は真の優勝を目指したがセンバツに続き準優勝となった。

■昨年のインターハイ優勝校同士の決戦ー
昨年のインターハイは降雨の影響で準決勝、決勝が中止になる異例の大会となり4強のチームが同時優勝となった。その4強は山梨学院高、多治見西高(岐阜)、千葉経済大附属高、長崎商業高が優勝を分け合った。今大会の準決勝には、昨年の優勝校3校(多治見西高を除く)が残り、単独優勝を目指した。山梨学院高の準決勝の相手は、伝統ある強豪校の長崎商業高が勝ち上がってきた、午前9時。この時間にはすでに夏の暑い日差しが照り付ける高知市春野総合公園運動場で試合が開始された。後攻の山梨学院は、単独優勝するためには、決して譲れないとエース向山琴葉(3年)が登板した。向山は1回、2回と快調に飛ばすと、それに応えて2回にバッテリーの田口心彩(2年)が二死から四球の走者を一塁に置いて中堅越えの本塁打で先制した。3回の長崎商の攻撃では一死後、二塁打と味方の失策で三塁・一塁のピンチに次打者の投手へのゴロで三塁走者が飛び出しアウトにしてピンチを凌いだ。気温がぐんぐん上がる厳しい条件の中で力投する向山は6回裏には、二塁打とワイルドピッチ、四球で再び二死三塁・一塁のピンチを招いたが粘投で得点を防いだが、なおも追いすがる長崎商の打線の遊撃横への鋭い打球に遠藤が横っ飛びの好守を見せ、向山を助け無得点に抑えた。山梨学院は勝利を確実にするために追加点が欲しいところに7回表、一死満塁の好機に前の回の攻守で気を良くした遠藤が右翼手の頭上を越える走者一掃の三塁打でとどめを刺した。向山はその裏も投げ抜き115球の力投で山梨学院の決勝進出を導いた。

■《8月7日 準決勝戦 高知県高知市春野総合運動公園》

  1 2 3 4 5 6 7 合計
山梨学院高 0 2 0 0 0 0 3 5
長崎商業高 0 0 0 0 0 0 0 0

山梨学院高:投手:向山琴葉 ― 捕手:田口心彩
〔投手〕向山:投球回数7回、打者28、投球数115、被安打5、奪三振8、四球1
〔打撃〕安打5(長打=本塁打:田口、三塁打:遠藤、二塁打:田口)、四球2、三振3
〔交代〕田口⇒(R)中山若葉⇒田口、(一)金子実依奈(1年)⇒(H)島田みん(一)
赤塚結里奈(2年)⇒(H)及川七海(3年)⇒赤塚

■決勝戦は関東のライバル校 神奈川県立厚木商業高と激突ー
山梨学院は午前中に長崎商業高を5-0で撃破し今春のセンバツに続き決勝戦に進出した。午後1時開始予定の高知市春野総合運動公園の気温は上昇。連戦の選手たちにとっては厳しい条件となった。決勝に進出したのは神奈川県代表の県立厚木商業高校。インターハイには7回の優勝を経験している強豪校で山梨学院とは関東勢同士のライバル校として切磋琢磨している。試合は、山梨学院の向山と高校ソフトボール投手陣の中でトップクラスと言われる丸本投手との投げ合いと、どちらが先にどう攻略するかが勝敗のポイント。午後12時30分。山梨学院の先攻で始まった。1番遠藤愛実(3年)が遊ゴロ内野安打で出塁も後続が早いポイントから打って倒れた。その裏、厚木商の攻撃がその後のこの試合を決めた。1番打者が中前打で出ると、2番は犠打を成功させ一死二塁。3番が内野安打で三塁・一塁。次打者の初球をすかさず盗塁を決め、三塁・二塁と小技で向山を攻め立てた。その打者の投ゴロを向山は本塁に送球するも間一髪セーフ。1点を先制された。続いた打者も一塁強襲する右前打で2点を追加。速攻で向山は3点を失点した。山梨学院は4回に4番櫛渕あい(3年)が右中間本塁打で1点を返すも、その後は、両投手持ち味を生かした好投で譲らず、互いに好機を作る場面にも鍛え上げられた両チームの硬い守備陣の好守など緊迫した好ゲームが展開された。決勝戦らしい一戦に応援団も観客も魅了されるも山梨学院は初回の3点が最後まで重くのしかかり、そのまま1-3で厚木商に軍配が上がった。厚木商業は10年ぶり8回目の栄冠を手にした。山梨学院は昨年の4校同時初優勝から単独優勝を目指したが、準優勝と輝かしい準優勝を手にした。試合終了後に表彰式が行われ個人賞の優秀選手賞に山梨学院から遠藤愛実主将、向山琴葉投手、櫛渕あい選手の3人が選ばれた。

■《8月7日 決勝戦 高知県高知市春野総合運動公園》

  1 2 3 4 5 6 7 合計
山梨学院高 0 0 0 1 0 0 0 1
県立厚木商業高 3 0 0 0 0 0 0 3

山梨学院高:投手:向山琴葉― 捕手:田口心彩
〔投手〕向山:投球回数7回、打者27、投球数93、被安打5、奪三振2、四死球2
〔打撃〕安打3(長打=本塁打:櫛渕)、四球2、三振4

■試合後のインタビュー
渡辺努監督は「どちらが勝ってもいい試合ができればと思っていたので、子どもたちは初優勝というかもちろん頑張ってもらいたいというのはあったですけど、私はいい試合をしてくれればと思っていました。相手のピッチャーはナンバー1ピッチャーですから、今日の出来はそんなでもなかったですけど、105とか108キロ投げる今、高校生ナンバーワンピッチャーですから3点というのは大きく、初回でちょっと決まっちゃったかなと。でもそのあと食らいついてワンサイドになりかけたのを、向山も怪我しているのをこらえてくれていい試合になり、ずっとやられていた佐賀女子に雪辱したり、そういう感動する試合もあったし、私としてはよくやってくれたなと思っています」と選手のひたむきな努力をねぎらった。試合後、みんなの前で「6試合できたことは幸せだよ。コロナで棄権したチームがある中で6試合やって、いい試合をたくさん見させてもらったのは良かったよ」という話をしたという。「もちろん優勝はしたかったというのはありますけれども、そこは最後の最後まで試合ができたということは、子どもたちにとっても絶対残ることかなと思っています」と選手たちの活躍に目を細めた。大きな声で皆を鼓舞してきた主将の遠藤愛実選手は「最終日までできたことに感謝しています」と一言。決勝戦については、「初回に点を取られてしまって、相手ペースになってしまったんですけども、食らいついて何とか最後まで行けたので良かった」とうなずいた。山梨学院での3年間は、「辛いこともあったんですけれども、この仲間とこの先生方と一緒に最後までやってこれて本当に良かったです。いつも最後の試合になってもおかしくない試合ばかりだったので全部が最後の試合だと思って一戦一戦最後の試合だと思って戦い抜きました」とかすかに涙をためて話した。準決勝、決勝と足の故障を押して投げ抜いた向山琴葉投手は「相手に最初に点を持っていかれてしまったことが相手に流れを持っていかれた原因だと思います。(連投の疲れは)最後は気持ちで投げていたので疲れはあまり気にしていなかった」と試合に集中した。3年生最後のインターハイはどんな大会か。「自分の持っているものを出し切れたインターハイだと思っています。優勝したかったですけど最後、みんなで頑張れたのでそこは良かったです。決勝という同じ舞台に立てるということがすごいことだったので、それが本当にうれしかったことで当たり前のことではないと実感した」と悔しさを押し殺した。攻守に存在感を示した櫛渕あい選手は「負けてはしまったんですけど自分たちらしい試合ができたと思うので悔いはないです」とやり切った表情で応えた。3年間を共に過ごしたチームの印象は、「最高にいいチームだと思います。誰か打てないときは誰かが打つし、誰かがミスしても誰かが救うし、すごい良いチーム」と最後は清々しい顔を見せた。

■目標は春夏の全国制覇。全国強豪校の仲間入りー
廃部の危機から6年。昨年の4校同時ながら初優勝を飾り、今春のセンバツ大会には準優勝。そして今回のインターハイで春夏連続準優勝の勲章を手に入れた山梨学院高女子ソフトボール部は、確実に全国で上位で戦える強豪校の仲間入りをしたといっても過言ではない。今後の目標は春夏の連続真の優勝。今年の3年生の意志を継いだ下級生の活躍に期待を寄せる。

文(K.F) 2022.8.8