●狐塚・本田ペア インカレテニスWD2回・3回戦
~昨年同様3回戦で敗れ、悔しいベスト16~
~2回戦、最後まで諦めない驚異の粘り逆転勝利~
「全日本学生テニス選手権(インカレ)」は18日、8日目が行われ女子シングルス(WS)4回戦、男女ダブルス2回戦、3回戦が行われた。女子ダブルス(WD)には山梨学院大テニス部からはシードとして狐塚理子(4年)・本田恵琉(3年)ペアが2回戦、慶應義塾大ペアと対戦。第1セット1ゲーム目を落とすもその後は交互にゲームを奪い合い一進一退の攻防が続いたデュースの末、5-7で第1セットを落とした。第2セットも第1と同様、山梨学院が1ゲーム差を追う展開に山梨学院が粘り逆転。7-6でセットを同点に戻した。1-1で迎えた第3セットは10点先取で行われ、両ペアは拮抗した好ゲームを展開。試合終盤までもつれ込み8-9から山梨ペアは最後の粘りを見せ、壮絶な打ち合いに粘った末、11-9でこのセットを制し、2-1で慶應ペアを破り3回戦に駒を進めた。同日夕方から始められた3回戦は、早大ペアと対戦。山学ペア上々な立ち上がりを見せるが4ゲーム目にサーブミスからリズムを崩し、立て続けにポイントを奪われ主導権を握られ3-6と、このセットを失った。第2セットに入ると、ダブルスらしいコンビネーションプレーが随所に見られるも、山梨学院は要所で早大の勢いのあるサーブ、ストロークに苦しめられ2-6敗れ、セットカウント0-2で屈した。3回戦突破を目指した狐塚・本田ペアは昨年同様の3回戦、悔しいベスト16で大会を終えた。
■女子ダブルス本選2回戦 狐塚理子・本田恵琉ペア粘り強いプレーで―
18日午後12時30分。気温の上昇が懸念される夏の日差しがまぶしい屋外コートに山梨学院の狐塚理子(4年)・本田恵琉(3年)ペアが前回大会同様シードとして本選2回戦から登場した。降雨の影響で1日ずれ込みこの日が初戦となる。対戦するのは、慶應義塾大の1年生ペア。第1セット第1ゲーム慶應はサーブ&ボレーで得点を奪うとそのまま1ゲームを先制。その後、慶應のゲームポイント1差を山梨学院が追う展開になり、5-5で迎えた11ゲーム。慶應の好サーブが状況を優位に働き、山梨学院ペアも激しい打ち合いで反撃するも5-7で逃げ切られた。第2セット、立ち上がり相手のサーブをブレーク、先制するが相手もサイドライン上の鋭いショットや、山梨学院のコンビネーションショット、互いのサーブボレーと目まぐるしくポイントを奪い合い、このセットも終盤までもつれ込み5-6から山梨学院は激しいラリーストロークやボレーショットで粘り逆転。7-6でセットを奪い返した。ゲームカウント1-1で迎えた第3セットは10ポイント制。先に10点を奪った方が勝者となる。山梨学院狐塚のサービスエース、打ち合いでのポイント、さらには本田のサービスエースでリードすると慶應ペアも粘り強く追随。互いに譲らず先に慶應が9点を1差で追う山梨学院は後衛の本田がつないで狐塚の強烈なショットで9-9の同点。ここでデュースとなり、ラストショットは後衛に回った狐塚がラリーストロークポイントを決め11-9。粘りに粘って2回戦を制した。
試合後、本田恵琉選手は「あまりいい感じで入れなくて、ずっと苦しかったですけど、自分たちなりにやれることは最低限やると決め、いろいろ工夫しながらやって最後まで粘り強くできたのが良かった」。3回戦には「思い切り、後悔のないよう自分たちの力を出しきれたらいい」と話した。狐塚理子選手は「自分はリターンが得意なんですけど、外コートということもあり、風で飛んでしまいうまくリズムがつかめなく気持ちよくできませんでした。最後まで諦めない姿勢と唯一ボレーが良かったので、それで相手にプレッシャーを掛けられたのかな」と振り返った。3回戦には「お互い前が得意なので早めにボレーで速いテンポで短いポイントを増やしでどんどん前に出て強味を出していきたい」と意気込んだ。
ダブルス本選2回戦 山梨学院大選手試合結果 全日本学生テニス選手権ダブルス本選2回戦(8/18) 三重県四日市テニスセンター 屋外コート |
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WD | 狐塚理子・本田恵琉 〇 (山梨学院大) |
5-7 7-6(4) 11-9 |
● 大橋麗美華・中島玲亜 (慶應義塾大) |
3回戦進出 |
■女子ダブルス本戦3回戦。勝てば山梨学院ペアベスト8に挑むー
2回戦を粘り勝ちした狐塚理子・本田恵琉ペアは1時間半の休憩後、早稲田大ペアとの3回戦対戦に臨んだ。午後5時、屋内コートに場所を移して試合は開始された。第1ゲーム、相手を簡単にサービスブレークすると、第2ゲームも狐塚のサービスエース、本田のボレーなどで40-15とリードするも逆転され、流れを呼び込むきっかけを失い、その後の展開に大きな影響となった。早稲田はこれを機に山梨学院のミスショットも重なり、このセット3-6でうばった。第2セット、早稲田ペアは力のあるサーブ、速いフォアハンド、バックハンドで山梨ペアを力で攻めたて主導権を握った。山梨学院も要所で意地を見せるも、早稲田ペアの勢いは収まらず、2-5で迎えた第8ゲーム。山梨学院も反撃。狐塚のリターンショット、本田がラリーストロークで後衛を左右に振って狐塚がボレーを決めるなど意地を見せ対抗したが、最後は山梨学院のボールがベースラインを割ってここで2-6となり、このセットも落としゲームカウント0-2で破れた。このペアにとっては2年連続、狐塚にとっては3年連続の3回戦敗退となり、夏が終わった。
試合後、狐塚理子選手は「今回は行けると思った分すごく悔しいし、ファーストはリードできていたのに40-15から落としてしまったのでやはり流れがつかめませんでした。自分は速い展開、しかもインドアが好きなので負けたから本当に悔しいんですけど、さっき(2回戦)の試合よりは向かっていったのでその点に関しては悔いはないです。自分がやると決めたことはちゃんと意思を持ってできたので良かったです。次リーグに向けて、調整していきたいと思います」と気持ちを切り替えた。
本田恵琉選手は「最初いい流れで入れたんですけど、取り切れなかったりとか、相手も上に上がれば上がるほど質もよくなってくるし、行かなければいけないところや取り切らなければいけないところでミスが増えたり、やらなければいけないことは分かっているのにそれができなかったり課題は明確になりました。自分の悪いところが目立ってしまい、さっき(2回戦)の試合で行ききれなかったことがあって、それをやろうと思い過ぎてしまった」と悔いを残した。
ダブルス本選3回戦結果 8月18日 三重県四日市テニスセンター 屋内コート | ||||
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WD | 狐塚理子・本田恵琉 ● (山梨学院大) |
3-6 2-6 |
〇渡邉優夢・渡邊早和子 (早稲田大) |
3回戦敗退 |
試合を振り返って三好勲コーチは「前の試合頑張ったんですけどね。この試合は最初いい感じで入ったんですけどね。相手が速い展開が得意なんですけど、それを見極められないまま、取り切れなくて追いつかれたときにペースダウンができなくて、相手の大きく良く動く選手にはまってしまった。スピードで対応しようとして、それをコントロールしきれずに上(ロブ)もよく使えずに前衛にはまっちゃって。デュースもノーアドも3、4回あったんですけどもそれも取れなかったのも敗因なんですけど、そこで決めようとし過ぎて大振りになるところがあり、そこを修正しなければいけませんね」と冷静さを欠いたチームの課題を挙げた。
※ノーアド(ノーアドバンテージ)=デュース無しの試合方式。40-40になった場合でも次の1ポイントでゲームが決まる。
11日に予選から始まった今回のインカレに山梨学院は予選組、本選組を合わせ延べ14人が出場し、15日からの本選には延べ7人が出場した。3回戦に進出したのはシングルス1人、ダブルス1組。共に期待された4回戦には届かなかった。全国から多くの選手が参加するインカレは予選に出場するだけでも大変な大規模な大会で憧れでもある。目の前で展開された熱い戦いに思いが込み上げてくる。それぞれの目標は違えども日頃の練習の成果を求めて集結した全国の選手ひとり一人に公平な日本一の称号を・・・。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2022.8.19