●関東大学バスケ2部 山学昇格早々、上位につける
~リーグ4戦目、法政大との対戦に苦戦するも勝利~
~2部リーグ参戦にも自信。1部昇格を目指す~
「第98回関東大学バスケットボールリーグ戦」2部リーグが8月27日開幕した。今季2部に昇格した山梨学院大バスケットボール部男子は9月6日、4戦目を川崎とどろきアリーナで法政大学と対戦した。山梨学院はこれまで初戦、東洋大に惜敗するも、2勝1敗とまずは上々のスタート。試合は第1P(ピリオド)、山梨学院のエース#67武内理貴の得意の3Pシュートで先制すると続けざまに#68高橋涼太郎、#90野澤利一の3Pシュートが続いた。その後、法政もリバウンドからの速攻や素早いドライブシュートで対するが山梨学院の速いパス回しからディフェンスをかわした外からの3Pシュートが効果的に決まり前半を39-24で折り返した。後半第3Pに入ると法政の動きが良くなり勢いあるドライブ攻撃が機能し、50-46と4点差まで詰め寄られた。第4P、山梨学院は先に得点しリードを再び広げるかに見えたが、法政もリバウンドからのカウンターや強引ともいえる突破で残り5分、ついに逆転した。今季1部昇格を目指す山梨学院も反撃。#64山田光哉の3Pシュートで再逆転。白熱した一進一退の攻防に両チームのベンチは歓声とため息が行き交った。試合は残り30秒、粘る法政の外したシュートをオフェンスリバウンドでつなぎ#68高橋が執念のシュートを決め65-63とリード。残り10秒で#67武内が得たフリースローをきっちり決め、67-63の息詰まる攻防に終止符を打った。
■山梨学院大バスケットボール部男子、2部昇格から1部を狙うー
山梨学院大バスケットボール部男子は1978年に創部。1985年に関東リーグ2部に昇格、1987年には1部昇格も果たしている。2014年から強化育成クラブに指定されてから本格的に活動を始動。2019年に2部昇格を果たすも、翌年2020年に3部降格。伸び悩んでいたバスケット部を立て直そうと2019年7月に正式就任した古田悟監督は、現役時代2006年には世界選手権日本代表の主将を務め、引退後はBリーグの横浜(B1)、東京Z(B2)の監督を歴任してきた。監督就任後はこれまで指導した経験を活かし、「フィジカル、ハードワーク、メンタルタフネス」の方針を掲げ、厳しい練習をスタート。ディフェンスから流れを作るチームづくりに守備の強化を重点に図ってきた。そしてその強化も実りつつ昨季全勝で3部優勝、再び2部昇格を果たした。現在、チームは3年生を中心に、武内理貴(3年)と高橋涼太郎(3年)の2人のポイントゲッターと司令塔の野澤利一(2年)が中心になり、新人戦、関東トーナメントで上位リーグのチームを破る力を発揮。1部をうかがう力を持つチームに育ってきた。
■関東大学男子バスケットボールリーグ戦とはー
男子は1部から5部で編成され、今季、1部は14チーム2回戦総当たり、2部は12チーム2回戦総当たりのリーグ戦を行う。山梨学院が所属する2部は1位・2位が1部へ自動昇格。11位・12位が3部へ自動降格。また、3位・4位、9位・10位はそれぞれ入れ替え戦が行われる。2部の日程は1巡目が8月27日から10月1日(予定)の11試合。2巡目が10月2日から11月5日(予定)11試合。計22試合が行われる。山梨学院は、昨年3部で全勝優勝し2部昇格を果たし、3年ぶりに2部のコートに戻ってきた。8月27日開幕戦初戦、東洋大との対戦では第3P(ピリオド)49―53と4点差に詰め寄るも結果、7点差で敗れた。2戦目、明星大とは83-66、9月5日3戦目は順天堂大を81-68で破り2勝1敗、この日4戦目の試合は伝統校の法政大学と対戦した。
■2部リーグ4戦目 法政大学と対戦。前半戦、順調に得点を重ねるー
試合は第1P(ピリオド)、山梨学院のエース#67・SG(シューティングガード)武内理貴の得意の3Pシュートで先制すると続けざまに#68・SF(スモールフォーワード)高橋涼太郎、#90・PF(パワーフォワード)野澤利一の3Pが続いた。先制点を挙げた武内は、3Pシュートの決定力が非常に高くプロが注目する選手で今秋からBリーグの特別指名選手に内定し、プロの試合にも参加することができるようになった。山梨学院は続けて武内からのパスを#15・C(センター)ンジュンバエ ババカ(1年)がポストプレーで得点、#62・PF茂木健太朗(2年)の3Pシュートで得点を奪った。一方、法政もリバウンドからの速攻や素早いドライブシュートで対抗。山梨学院が第1Pを18-11でリードした。第2Pに入ってもディフェンスから攻撃へつなげるスタイルは、リバウンドから速いパス回しから相手ディフェンスの態勢が整う前に打つ3Pシュート4本が的確に決まり前半を39-24と15点の差を広げ折り返した
■後半戦 39-24で折り返すも法政大のスピーディーな攻撃に苦戦ー
後半第3Pに入ると法政が反撃。開始早々3Pシュートが決まるとチーム全体の動きが良くなり、序盤で10点差に詰められた。その後も法政の3Pシュートや速いドライブ、ポストプレーなど勢いある攻撃で苦しめられ、徐々に得点を詰められ50-46と4点差。第4P、最初に得点したのは#67武内、続いて#64山田が相手ディフェンスに圧力を掛けられながらもステップバックシュートを決め、点差を8点差とした。互いに激しい攻守を交えながら一進一退の攻防も中盤。法政のスピーデイーな攻撃に山梨学院はリバウンドやターンオーバーなど、ディフェンスの甘くなったところを突かれ、ついに57-61と逆転を許した。しかし、残り時間も少なくなった終盤。ここで慌てないのが今の山梨学院の強さ。ワンプレー・ワンプレーに両チーム陣営がわく1点を争う接戦の中、#64山田が値千金の3Pシュートを決め63-61と再逆転。なおも法政もその直後、同点に追いつき、刻々と迫る終了時間。残り30秒、法政のシュートを外したディフェンスリバウンドをつなぎ#68高橋が執念のシュートを決め65-63とし再びリード。残り10秒、#67武内が相手の反則を誘いフリースロー得ると、それを落ち着いて決め67-63と緊迫の試合展開に終止符を打った。これで3勝1敗。次節は9月10日関東学院大学、11日江戸川大学と対戦する。
■《関東大学バスケットボールリーグ戦2部リーグ》 山梨学院大結果
◆男子2部リーグ4戦目《山梨学院大学VS法政大学》9/6 13:30~ 神奈川県・川崎市とどろきアリーナ |
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〇 山梨学院大 67 | 1P 18-11 2P 21-13 3P 11-22 4P 17-17 |
63 法政大 ● |
■今季2部昇格も、1部を狙える強力布陣ー
山梨学院のスターティング5(ファイブ)は、#2・CKカボング ジョナサン(3年)、#64・PF山田光哉(3年)、#68・SF高橋涼太郎(3年)、#67・SG武内理貴(3年)、#90・PG野澤利一(2年)、の5人。その他は#0・SF藤崎郁海(1年)、#5・PG
後藤雅史主将(4年)、#10・PG村口宗羅(3年)、#15・Cンジュンバエ ババカ(1年)、#46・SF河田優人(3年)、#62・PF茂木健太朗(2年)が途中随時交代した。
試合後、古田悟監督は「(エースの)武内(体調不良)も昨日から復帰したばかりで今日もあまり調子が良くなくて、控えも調子を落としているところで逆転もされたですけど、負ける気はなかったです。最後は勝ち切るとは思ってました」とチームの力を信じる。しかし、「いつもなんですけれども差を開けられるときに開けずに停滞してしまって流れが変わると受けて立ってしまい、実際4勝0敗でここまでくる予定でしたが、正直出来は良くないのでがっかりしています。これでは1部上がってもすぐ落ちるようなチームになるので僕は最低でもベスト8(1部)のレベルにあると思っているのでそのチームが情けない試合をするのは・・・」と穏やかな表情とは裏腹に厳しさを内に秘めていた。悪い流れの中で、貴重な同点シュートを決めた日川高校出身で成長著しい山田光哉選手は「先週はシュートが全然入らなくてチームの足を引っ張っていたので、今回、理貴(武内)とか涼太郎(高橋)の得点があまり伸びない中で自分がシュート決めることができて良かった」と勝利に貢献でき喜んだ。試合を振り返り、「スタートの入り方は良かったですけど、その後のいい流れを続けることができなかった。自分たちはジョン(ジョナサン)以外が小さくて自分とかがミスマッチになってしまったのでその点をカバーしなければいけないという課題が早めに見つけることができ良かった。来週はもっと強い相手となるのでそこを改善できたらもっといいチームになる」と次を見据えた。3年生中心のチームを主将として選手をまとめる後藤雅史選手は試合前、古田監督から昨日の試合より良くしようと話され試合に臨んだ。結果は、「自分たちは67点。失点は63点とちょっと抑えられたんですけど、前半良かったけれど後半で前半の流れをうまく持っていくことができなくて内容は良くはなかったですけど、でも勝てたからそれはまだ伸びしろがあるという感じで思いますが、課題が多くてチームとして課題が多く残った」と反省した。あと2か月に及ぶリーグ戦への思いを、「残り18試合あるんですけど一試合一試合戦っていく中で強くなっていかないと2周目もあるので、2周目には相手もしっかりスカウティング(分析)してくると思うんですが、残りを全部勝って1部優勝してインカレも出場してベスト4目指す」と抱負を語った。
最後に古田監督は「3年生中心のチームですが、十分に1部で戦う力はある。来年も今までよりいい選手がたくさん入ってくるので競争させ、僕の基準で指導していく」と1部昇格に並々ならぬ自信をたぎらせた。山梨学院大バスケットボール部男子の今後の活躍に目が離せない。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2022.9.7