●第75回秋季関東高校野球 準決勝・決勝
~投打が好調、関東の並みいる強豪を退け頂点に~
~29年ぶり2回目の秋季関東制覇、神宮初切符獲得~
第75回秋季関東高校野球準決勝・決勝が10月29日、30日に埼玉県営大宮球場で行われ、山梨学院ナインが躍動した。29日の準決勝では3回に主将・進藤天(2年)や佐仲大輝(2年)のタイムリーなど打者10人、一挙5得点の攻撃力で健大高崎高を圧倒。投げては、林謙吾(2年)が公式戦初完投でチームの勝利に貢献した。30日の明治神宮大会出場がかかる決勝は、専大松戸高と対戦。2回に1死三塁から大森燦内(2年)の犠飛で先制。続く3回には2死二塁から、主将の進藤天(2年)の中前適時打で2点目を追加。投げては、準決勝で完投した林が5回まで1人の走者も出さず、無失点好投。6回に先頭打者に安打を許したが、6回2/3を2安打無四球無失点に抑えた。林の好投で波に乗りたい打線は4番・髙橋海翔(2年)、5番・佐中の適時二塁打などで3点を追加し、5対0と大きくリード。7回にも主将・進藤の左越本塁打で追加点を奪い、8回に3点を返されたものの、最終回に5番・佐中の3点本塁打で突き放し、9対3で勝利、29年ぶり2度目の秋季関東優勝を果たした。出場権を獲得した第53回明治神宮野球大会は11月18日に開幕する。
来春のセンバツ甲子園の選考資料となる第75回秋季関東高校野球は10月22日に埼玉県で開幕。2年連続6回目のセンバツ出場を目指す山梨1位代表の山梨学院は23日に初戦を成田高(千葉2位)と対戦し、3対0と完封勝利。25日の準々決勝は山村学園高(埼玉3位)と対戦し、9対1(8回コールド)で勝利し、勢いそのままに準決勝を健大高崎高と対戦。
■準決勝 林・公式戦初完投を打撃陣が援護
この日の先発マウンドには1・2戦目に続き、林謙吾(2年 駿台学園中)が上がった。先発・林は危なげないピッチングで3回まで無失点に抑える。林の好投を援護したい打撃陣は3回裏、1死から1番・星野泰輝(2年 静岡裾野シニア)が1塁線強襲の二塁打で出塁すると2番・進藤天主将(2年 浜松シニア)の右前適時打で星野が生還し、山学が先制に成功。さらに1死満塁の場面で5番・佐仲大輝(2年 長崎シニア)の左前適時打でさらに1点を追加、続く6番・大森燦(2年 富士河口湖シニア)の打球が内野守備エラーとなり2点を加え、続く7番・徳弘太陽(2年 戸塚シニア)の左前適時打で5対0とし、この回打者10人で一挙5得点で試合をリード。先発・林は4回・9回に1点ずつ失ったものの3回の5点を守り抜き、公式戦初完投で5対2で健大高崎を退け、2年連続で決勝進出を決めた。
| アルバム準決勝1 | アルバム準決勝2 | アルバム準決勝3 |
■決勝 林-星野の継投リレー・2本塁打で大量9得点
2年連続の決勝は専修大松戸高(千葉1位)との対戦になった。この日の先発も右腕・林が担った。初回を三者凡退に抑えると2回表に4番・髙橋海翔(2年 世田谷西シニア)が左中間二塁打で出塁すると6番・大森の犠飛で1点を先制。3回には2死から1番・星野が中前二塁打で出塁し、2番・進藤の中前適時打で2点目を加点。打線の援護を受けた先発・林は5回まで各回三者凡退とし、完全試合ペース。先発・林の好投で勢いに乗りたい打線は6回に爆発。先頭の2番・進藤が右前安打で出塁し、3番・岳原陵河(2年 江戸川中央シニア)の犠打で1死二塁とすると4番・髙橋の左越適時二塁打、5番・佐中の左中間適時二塁打、8番・林の中前適時打で3点をあげ、5対0と専大松戸を突き放す。7回には2番・進藤の左越本塁打で追加点を奪う。その裏、先発・林は2死まで奪い、この試合、センターに入っていた、星野に継投。星野は8回に3点を失ったものの、山学は9回に2死一二塁で5番・佐中の左越3点本塁打で試合を決めた。山学は専大松戸を9対3で制し、29年ぶり2回目の秋季関東優勝、初の明治神宮大会出場を決めた。
試合後の勝利監督インタビューで吉田洸二監督は「昨年もこの決勝まできましたが、今年は何がなんでも勝ちたいという強い思いが昨年より強くて、スタッフと選手が良くまとまって戦ってくれたと思います。前半からペースはこちらにあったと思いますが、力のある学校ですので、必ず(後半に)ピンチがくると思っていました。県大会では4番の髙橋が非常に調子が良くて、関東では申告敬遠があり、その中で5番の佐中がどれだけ頑張るかとハッパをかけて成果が出て、追加点が取れない中で6回の3点は非常に大きかったと思います。今年は春も夏も2対1で打線がつながらなかったので、この冬一日一日大事に練習を積み上げて、みんなで頑張りたいと思います。(明治神宮大会では)まだまだ発展途上のチームですので、勝っても負けても勉強になる大会ですので、ベストメンバーで全力で戦いたいと思います」と述べた。
秋の高校日本一を決める第53回明治神宮野球大会は11月18日に開幕し、山梨学院は初戦を18日の1回戦第2試合で四国地区代表と対戦する。また、第95回記念選抜高校野球の出場校選考委員会は1月27日に行われ、山学ナインは胸躍らせ2年連続の吉報を待つ。
文(Y.Y)、カメラ(平川大雪)2022.10.31