●山梨学院大・県立日川高が高大連携協定締結
~スポーツ科学分野での研究課題支援を期待される~
~教育資源相互活用で高大接続プログラムの推進~
山梨学院大学は1月24日、山梨学院広報スタジオにおいて山梨県立日川高等学校との「高大連携協定調印式」を行った。調印式には山梨学院大から青山貴子学長、張 華副学長、山梨県立日川高校から橘田 浩校長、小林太郎教頭らが出席。青山学長、橘田校長が協定書に署名、交換した。山梨学院大のスポーツ科学部を中心とする高大連携協定締結は甲府城西高についで2校目となり、甲府城西高とは保健体育の教育実習、教育ボランティアの派遣など様々な交流が実施されている。今回の高大連携協定はスーパーサイエンスハイスクール指定校の日川高校全生徒が取り組む課題研究の内容がスポーツに関するテーマが多く、山梨学院大が持つスポーツ教育資源や教育プログラムを活用し、課題解決を図りたいと実現した。連携協定による相互の交流は、学生・生徒の視野を広げ進路に対する意識及び学習意欲を高めるとともに、双方の求める学生像・生徒像及びそれぞれの教育内容への相互理解を深め、さらに大学教育・高校教育の活性化を推進するものと協定を締結した。
■日川高校との高大連携協定締結の経緯ー
県立日川高校は20世紀の初めに創立。120年を超える県内で屈指の伝統高校として知られる。文武両道を教育方針にこれまでに政経界をはじめスポーツ、文学界など各方面に数多くの著名人を輩出している。近年は2012年度(平成24年)から、文部科学省によるスーパーサイエンスハイスクール(SSH)事業の指定校に認定。2022年(令和4年)から新たに第Ⅲ期の指定期間に入り【社会の変化や地域の課題を科学的に探究し、論理的思考力、創造性を身につけた人材の育成】を研究課題として全生徒が取り組んでいる。その一方で、日川高校はラグビー部、ウエイトリフティング部をはじめとして多くの運動部が盛んに活動しており、生徒が取り組む研究課題のテーマとしてスポーツ分野が多く選ばれている。SSH事業を進めるにあたって、近隣の教育機関との連携を図るなかで、日川高校からスポーツ科学部を有する山梨学院大学に対して、特にスポーツ科学分野の研究課題への支援を期待されていることから両者の協議を経て、今回の高大連携に関する協定を結ぶことで合意した。
■連携協定書に青山学長、橘田校長が協定書に調印ー
連携協定調印式は、三本木 温山梨学院大学スポーツ科学部副学部長の司会で進行され、初めに双方の出席者が紹介され、山梨学院大学から青山貴子学長、張 華副学長、遠藤俊郎スポーツ科学部学部長、寺本祐治同副学部長、三本木 温同副学部長、小山さなえ同地域連携委員会委員長、小山勝弘同副委員長の7人が出席。県立日川高校からは、橘田 浩校長、小林太郎教頭、芦澤 龍SSH研究教養係主任、大須賀早苗同副主任、雨宮佑介保健体育科主任の5人が出席した。
次に連携協定に至るまでの協定概要、経緯を遠藤俊郎スポーツ科学部学部長が説明。その中で、「昨今、高大連携に関しての重要性が叫ばれていまして、高校で様々な問題意識を持った生徒たちにスポーツ科学に関する興味を持って、大学に行って勉強したいなと思っていただければ非常にありがたいですし、その進路の一つに山梨学院があるといいなと思っています。そして、その問題意識が大学生活の中で問題解決が図ることができれば非常にいいモデルになると思っています。今までは入試というと選抜という意識が強かったかもしれませんが我々においては高大の接続ということをキーワードにこれからの連携を深めていければと思っています」と地域でのつながりを強調した。続いて連携協定書の調印が行われた。青山貴子山梨学院大学長、橘田 浩県立日川高等学校校長、2人が協定書に署名、交換し、高大連携協定が締結された。
それぞれの代表挨拶では、初めに橘田 浩県立日川高校校長が「本校は文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定されて今年で11年目となり、今年度は第Ⅲ期の1年目になります。本校では総合的な探究の時間に変わる学校設定科目の活動を通して本校の生徒たちの課題研究を重視した活動を進めています。今後、山梨学院との連携協定を通じてスポーツ科学などの分野を中心にして本校生徒の様々な課題研究に対する指導、助言などご助力をいただけますよう、お願いしたいと思います。SSHの取り組みをはじめとして、本校の教育が目指すところは地域に根差した教育活動があるとともにそういった世界に開かれた視野を持つこと目指しております。山梨学院大学の皆様には今後ともご指導をよろしくお願いしたい」と挨拶。
続いて青山貴子山梨学院大学長は「本日はこのような形で日川高校と連携協定を結ぶことができましたことを大変うれしく思っております。今回の連携協定におきましては、日川高校さんの方でSSH事業を進めるにあたって、特にスポーツ科学分野で本学が貢献できることを非常にうれしく思いますし、課外活動をはじめとして、スポーツ活動も非常に盛んな高校でありますので、そういったクラブ活動での交流も含めて歴史ある日川高校さんとより深いつながりを持てるということは山梨学院大学としても非常に喜ばしく思います。説明の中にありました『探究的な学びを通じて論理的な思考力や創造力を身に着けた人材を育成』していくというのは、まさに大学でも問われていることであります。方向性は本当に同じであると考えています。特に大学では重点領域というのを掲げておりまして、その一つに地域連携と高・大・社接続というのを高校と大学のつながりのモデルとして展開できると思います。この連携だけに留まらず、いろいろな広がりもできてくるのかなという期待を持っています。山梨学院は本学の学園哲学としてC2Cというものがあります。Curiosity(好奇心)to Creativity(創造性)とChallenge(勇気)to Change(変革)という二つのキーワードを掲げていますが、まさに今回のように関心を持ってそこから創造へ、そして変化への挑戦というフロンティアにふさわしい事業が期待できるかなと考えています。今回の連携協定を機会にそれぞれの大学、高校の持ち味を活かしあって生徒さん学生さん、そして我々教職員が出会うことで生まれるクリエイティビティ。そんな成果に期待したいと考えております。是非、今後の展開についてもご注目いただければと思っております」と述べた。
■《高大連携協定に基づく取り組みの事業について》
◎ 山梨学院大学が実施する高大連携事業等への日川高校の生徒の参加。
◎ 日川高校が実施する高大連携事業等への山梨学院大学の学生の参加。
◎ 日川高校が実施する高大連携事業等への山梨学院大学の教員の派遣。
◎ 双方の教員による出前授業及び双方の施設・設備の利用。
◎ 双方の教員の資質向上のための研修。
◎ 教育についての情報交換及び交流。
◎ その他、高大連携事業の目的を達成するために必要と認められる事業。
■《課題研究の推進を通した地域教育活性化の好循環システム》
上記の取り組みを受けて、山梨学院大は学生による各種教育活動への参画と地域理解を促し、地元高校のニーズに応じた人材育成や研究を推進。日川高校は地元大学の資源を活用した課題研究の推進並びに主体的な学習活動と教育の資質向上の推進を図る。特にスポーツ分野での特異性を活かし、これらを円滑に進めるために、◎スポーツ科学の探究 ◎スポーツ科学の応用 ◎スポーツ教育活動での協働 ◎スポーツ情報の交換など教育資源の相互活動を持って、好循環システムを構築。それぞれの教員及び学生や生徒が相互に交流することで地域における高校と大学が接続した教育プログラムとして発展していくことが期待される。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2023.1.24