●2022年度 山梨学院大学・短期大学卒業式
~春の暖かな日差しの中1176名が門出を迎える~
~自信や希望を胸に晴れやか表情で学び舎を巣立つ~
2022年度山梨学院大学・短期大学卒業証書授与式、大学院学位授与式、短期大学専攻科修了証書授与式が3月15日に行われ、卒業生・修了生が新たな希望を胸に学び舎を後にした。今年度も新型コロナウイルス感染拡大防止のため、大学・短大がそれぞれ式典を企画し、時間・会場を分けて実施した。大学・短大それぞれの卒業式には保護者も参列し、卒業を祝福した。今年度3月の卒業生・修了生は大学・大学院940名、短大236名の計1176名。卒業生らは大学生活の多くをコロナ禍との共存となり、思い描いていたものとは異なり、様々な制限がある中でも自身の夢に向かって勉学や課外活動に取り組んだ。式後は仲間や恩師との別れを惜しみ、学び舎での最後の時間を思い思いに過ごしていた。在学中に顕著な活躍で大学の名声を高めた「創立者古屋賞」には榊流斗さん(法学部:レスリング部)、熊谷萌さん(経営学部:スケート部)、金知秀さん(スポーツ科学部:柔道部)、髙橋瑠璃さん(スポーツ科学部:柔道部)が選ばれた。
2022年度3月の卒業生・修了生は大学法学部377名、経営学部287名、健康栄養学部47名、国際リベラルアーツ学部10名、スポーツ科学部206名、大学院社会科学研究科13名、短大食物栄養科77名、保育科135名、専攻科保育専攻24名の計1176名。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、法学部・経営学部・健康栄養学部・国際リベラルアーツ学部・スポーツ科学部・大学院社会科学研究科・短期大学がそれぞれ卒業証書授与式・学位記授与式・修了証書授与式を時間・会場を分けて実施した。今年は大学・短大ともに保護者の参列も認められ、オンラインでも式典の様子が配信された。式後はゼミや学科ごとに分かれ、それぞれ卒業証書や各種証明書が授与された。また、クラブや仲間同士で集い、在学中の思い出話に花を咲かせ、恩師らと記念写真に納まり、時間の許す限り、学び舎での最後の時間を過ごし、別れを惜しんでいた。新型コロナウイルスの影響で、学生生活の大半をコロナ禍に翻弄された2022年度卒業生。オンライン授業の実施や課外活動の制限等で、思い描いた学生生活は叶わなかったものの、今年度は3年ぶりに樹徳祭(学園祭)が復活。学生の若さ溢れるイベントでたくさんの笑顔がキャンパスに戻った。卒業生は、キャンパスで知識だけでない多くのエネルギーを蓄え、それぞれが自信や希望を胸に、新たな社会へと旅立っていった。
■大学長式辞
青山貴子大学長は「皆さんが卒業される2023年という時代は、ますます世の中の変化が激しくなっていく時代です。皆さんが本学で学んだ知識やスキルは今後の大きな出来事や人との出会いの中でアップデートしていくことも必要となるでしょう。他方で皆さんがここで出会った人々との交流やつながりから得た自分らしさは、皆さんをつくる芯にあたる部分ですから時代の流れに振り回されて容易に手放したり、ゆがめたりすることのないようにどうか気を付けてください。(中略)自分らしさとは何か、ここで言う自分らしさとは必ずしも人と比較したり、差別化する中で決めるものではありません。あるがままに受け入れられ、そうありたいと思える自分を選べているかどうかは重要です。皆さんが描いているそうありたいと思える自分像は、社会に出た先での人間力や人生を生き抜く力、そして新しい価値観を創造する力にもつながっていくはずです。それこそが本学が教育目標に掲げている『たくましく生きる力』であり『しなやかに生きる力』です。本日の皆さんの晴れやかな表情を見ているとこの4年間の大学生活が確実に皆さんを成長させてくれたのだと実感でき大変うれしく思います。この大学での学びを終えた今、皆さんが選ぶ道が必ずしも直線的である必要はありません。多くの人が悩み、迷い、そして挫折しながらも最終的に誰しも自分自身の道を開いていくことができます。そのためにも皆さん自身の“私らしさ”をどうぞ大切にしてください。(中略)どうかすべての人々がそれぞれの自分らしさを尊重され、幸せにそして平和に暮らせる社会をつくり上げるために皆さんの力を存分に使ってください」と卒業生にエールを送った。
■短期大学長式辞
遠藤清香短大学長は「2年前の2021年4月、皆さんは本学に入学なさいました。ウィズコロナの時代の中、日常をどのように過ごせばよいか、前例のない問いに世界中が向かい合った時期でした。皆さんの入学式で私は『実践を尊ぶ』という本学の建学の精神についてお話ししました。覚えていらっしゃるでしょうか。私たちは実践することを通して相手を知ることができる。そして『どうしたら相手を笑顔にすることができるのか、どうしたら泣いているこの子を安心させてあげられるのか、そう考えることが私たちの学びの原動力になる』とお話ししました。短期大学の実践を通して皆さんはどんなことを学ばれましたか。(中略)実践の場で皆さんは思ったようにいかずにつらい気持ちを経験したことがあったかもしれません。しかし、実践を通して私たちは自分がもっと学びたいことは何なのか、自分は誰のために何を目指して学び、自らを役立たせようとしているのか、それらを知ることができます。そして実践を通して得た様々な学びは、あなただけが得られた学びです。あなた自身が考え、行動して得た気持ち、気付き、それに基づく“もっと学びたい”という思いはすべて、他の誰とも違う存在としてのあなたを形作っていく大切な経験となります。(中略)皆さんはこれまで実践を通した学びを積み重ねてきました。そして卒業して社会に出てからも、さらに多くの実践をしていくことでしょう。これからの人生、学びを通して皆さんはどんなあなたに成長をしていくでしょうか。どうぞ“実践を尊ぶ”という精神を忘れず、10年後、20年後も実践を通して学んだことに裏打ちされた他の誰にでもない“あなた”であってください」と卒業生に語り掛けた。
■創立者古屋賞
「創立者古屋賞」は当該年度の卒業生のうち、他の学生の範となる顕著な成果をあげ、山梨学院の名声を高めた学生を顕彰する制度で2022年度は法学科の榊流斗さん、経営学科の熊谷萌さん、スポーツ科学科の金知秀さん、髙橋瑠璃さんが選ばれ、各学部の式典の中で表彰された。榊さんはレスリング部に所属し、2019年、21年天皇杯全日本選手権フリー61kg級優勝、2021年、22年文部科学大臣杯全日本学生選手権フリー61kg級優勝、2020年アジア選手権フリー61kg級3位など、熊谷さんはスケート部に所属し、2019年ジュニアW杯女子500m準優勝、2020年世界ジュニア選手権女子500m準優勝、2022年インカレ女子500m優勝、2023年ワールドユニバーシティーゲームズ女子500m準優勝などの成績を残した。金さん、髙橋さんはともに柔道部に所属し、金さんはグランドスラムやユニバーシアードで3位に入り、東京オリンピック2020には韓国代表として女子57㎏級に出場しベスト16に入った。髙橋さんは2019全日本ジュニア体重別選手権女子78kg超級優勝、2020ベルギー国際ジュニアの部女子78kg超級優勝、2021全日本学生体重別選手権女子78kg超級優勝、2022世界柔道選手権男女混合優勝などの結果を残した。
榊流斗さんは受賞を受けて「歴史ある賞を受賞させていただいたことはとても光栄に思います」。栄光と怪我に泣いた4年間の選手生活について「僕の大学4年間は、怪我が多かったのでうれしい思い出よりも苦しい思い出の方が多かったのですが、この4年間本当に少しですけど、人としても成長できたかなと思いますし、いろいろな視点から学ぶことができたので、これから社会人になってからもこの学びを活かし、さらに成長できるように頑張っていきたいと思える4年間でした」。印象に残る大会、試合は、「僕は大怪我をして復帰したインカレや全日本(優勝)が思い入れが強かったです。怪我明けになると、どうしても心配かけた家族に結果に恩返ししたいだったり、初めて全日本獲った時などは日本一の景色を見たいという思いもありましたし、なのでどれか一つには決められないので僕にとっては一つひとつが思い入れのある試合です」。卒業後は山学大を練習拠点にOBの木下貴輪選手が所属するクリナップで競技を続け、パリ五輪を目指す。
熊谷萌さんは受賞を受けて「(顧問の川上先生から)すごい賞だと聞いて、自分がもらっていいのかなという気持ちがあったのですが、実際みんなの前で模範となるということを言われてすごくうれしいです」。父親は山学大スケート部OBで「お父さんはびっくりして、しっかり賞をもらいなさいと言われました」と笑顔。4年間の競技生活は「自分の中では、コロナの影響も少なからず受けましたし、いろいろ悩みましたし、授業も大変で苦しい4年間でしたが、チームのみんなに囲まれて乗り越えてこれたので、すごく充実した4年間だったかなと思います」。印象に残っている大会は「(今年の)インカレです。普通500mって速いので声援が聞こえないはずなんですけど、それを超えてくる応援が本当にリンク中に“萌!”と名前が響き渡っていてすごく印象的でした」。岩手県出身の熊谷さんは卒業後は練習拠点を青森県八戸に移し、来年のW杯出場を目指し、さらに次のミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪を照準に競技を続ける。
金知秀さんは受賞について「このような名誉ある賞をいただいて本当に心からうれしく思いますしこの賞に恥じないようにこれからもいい成績を残せるように頑張っていきたいと思います」と感想を述べた。山梨学院の4年間は「この4年間、韓国と日本を行ったり来たりが多かったのですが、柔道に没頭することもできましたし、その環境でもありましたし、大学の方も先生方の理解もあり、こうして無事卒業することができて本当に充実した4年間でした」と振り返った。印象に残っている試合は「一番は東京五輪です。それに向かって頑張ってきたのでそこの舞台に立てたことが自分の中で一番大きいですが、結果が出なかったことについては、次の課題だと思うので、また次の五輪に向けて頑張っていきたいと思います」。卒業後は、「韓国に戻って(所属は韓国)、また、東京でも練習しながら試合の前には韓国に戻ってという感じになります」と二拠点生活で二度目の五輪出場に向けて技を磨く。
髙橋瑠璃さんは「コロナ禍で大会も少なくて出た試合の中で、こういう大きな賞に選んでいただいてすごく光栄に思います」と受賞の喜びを語り、4年間の競技生活について、「自分的には個人戦で活躍することよりも団体戦で活躍したいという思いを強く持って入学したので団体戦で選手としてみんなと戦えたことが良かった」と述べた。世界戦男女混合団体戦は「たまたま選ばれた形だったのですが、すごくいい経験をさせていただいてもっと頑張ろうという気持ちになりました。強い先輩方に囲まれて“楽しんでおいで”という感じで送り出していただいたので自分的には楽しく試合に臨めました」と振り返った。印象に残る大会は「3年生の時の全日本学生の個人戦で日本一になった時が一番印象に残っています」と語った。卒業後は4月から了徳寺大柔道部から名称を変更するSBC湘南美容クリニック柔道部で活動する。
文(K.F、Y.Y)、カメラ(平川大雪、藤原稔、今村佳正、小池裕太)
2023.3.15