●第二十五回酒折連歌賞募集記者発表
~問いの片歌、選考委員など募集要項を発表~
~4月1日から9月30日まで作品を募集~
山梨学院大学酒折連歌賞実行委員会は3月30日、山梨学院広報スタジオで第二十五回酒折連歌賞募集記者発表を行い「問いの片歌」や「選考委員」などの募集要項を発表した。酒折連歌賞は、山梨学院大学と酒折連歌賞実行委員会が、連歌発祥の地“酒折宮”にちなみ、連歌への関心と創作意欲を多くの人に持ってもらおうと1998年に創設。酒折連歌は「古事記」に登場する倭建命(ヤマトタケル)と御火焚の老人との問答を踏まえ、五・七・七の「問いの片歌」に対し、「答えの片歌」を五・七・七で返す問答形式となっている。俳句などと違い、作歌上の約束事は五・七・七で返すことのみ。作者の自由な感性で答えの片歌を創作できるため、老若男女を問わず詠むことができる歌遊び。この日は、選考委員が創作した5句の問いの片歌など募集要項が発表された。募集期間は4月1日から9月30日。一般部門と小・中・高校生を対象にしたアルテア部門の大賞にはそれぞれ文部科学大臣賞が贈られる。
酒折連歌賞は、今回で25回を数え、前回の第二十四回大会には国内外から32,877句の作品が寄せられた。中高生からの作品が多いのもこの賞の特徴の一つで、全体の約7割を中高生の作品が占めている。また、近年60代以上の応募も増加している。
第二十五回大会の募集記者発表では廣瀬孝嘉委員長が酒折連歌賞の概要を説明し、問いの片歌を発表した。今回の問いの片歌は以下の5句。
【第二十五回酒折連歌賞 問いの片歌】
1.真っ直ぐな朝の日差しに大根を干す
2.巣ごもりがどうやら終わり春が近づく
3.ユトリロの〈白の時代〉を抜け出して来い
4.運命のサッカーボール白線の上
5.ひとつぶの種をまく朝ひかりこぼれて
募集期間は4月1日から9月30日。提示された問いの片歌1から5の中から1句を選び、答えの片歌を創作し応募する。提示された5句すべてへの応募や応募句数に制限はない。応募資格は不問で誰でも応募可。全応募作品を対象とした一般部門と小・中・高生の作品を対象にしたアルテア部門の選考が行われ、結果は来年2月1日に発表。一般部門の表彰は、最優秀賞の大賞受賞者に文部科学大臣賞・山梨日日新聞社賞・朝日新聞社賞・産経新聞社賞・毎日新聞社賞・山梨新報社賞・山梨放送賞・テレビ山梨賞/副賞10万円(1句)が贈られる。このほか、山梨県知事賞/副賞3万円(1句)、山梨県教育委員会教育長賞/副賞3万円(1句)、甲府市長賞/副賞3万円(1句)、特選/副賞1万円(10句)、優秀賞/副賞5千円(12句)、優良賞/賞状(54句)。アルテア部門には、最優秀賞の大賞受賞者に、文部科学大臣賞・山梨日日新聞社賞・朝日新聞社賞・産経新聞社賞・毎日新聞社賞・山梨新報社賞・山梨放送賞・テレビ山梨賞/副賞3万円(1句)が贈られる。また、特選(19句)には賞状と副賞5千円が贈られる。(一般部門とアルテア部門の重複受賞なし)。
選考委員は、俳人・宇多喜代子さん(現代俳句協会特別顧問)、歌人・三枝昂之さん(歌誌「りとむ」発行人)、歌人・今野寿美さん、俳人・井上康明さん(俳誌「郭公」主宰)、歌人・コピーライターもりまりこさんの5人が務める。廣瀬委員長は「五・七・七、五・七・七の二人唱和の問答形式の酒折連歌は世界に一つしかない独自の文芸様式です。折々の作品づくりが皆さんの楽しみの一つになれば幸いです。年齢・性別などに関係なく、用意された問いと答えで一つの作品を作り上げることが酒折連歌の面白さです。一つの片歌から10人いれば10人、それぞれ違った歌が生まれることも酒折連歌の大きな魅力です。多くの方々からの個性あふれる作品をお待ちしています」と語り、募集を呼びかけた。
■酒折連歌賞ホームページ
文(Y.Y)、カメラ(藤原 稔)2023.3.30