山梨学院広報課

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●選抜野球 山学高県勢初の決勝で悲願の初優勝
~6連続好投の林と打撃陣が強豪報徳学園を破る~
~勝利の瞬間、アルプス応援団は興奮の渦に包まれた~

高校野球の聖地甲子園で春夏通じて県勢初の決勝に進出した山梨学院高校野球部がついに頂点に上り詰めた。4月1日「第95回選抜高校野球大会」決勝戦が行われ、兵庫・報徳学園高と対戦。林謙吾投手の力投と一挙7点を挙げる打線が強豪校を粉砕し、山梨県民悲願の初栄冠を勝ち取った。試合は4回表、連打と犠打で一死三塁二塁。次打者への初球のモーションにボークを取られ先制を許し、その打者にも敵時打を打たれ2点を許した。しかし、山梨学院は5回裏一死後、四球と8番林の左翼フェンス直撃の二塁打を足掛かりに打線が爆発。9番伊藤光輝の同点打、2番星野泰輝が逆転打、なおも継投した投手から5番佐仲大輝が左翼席に突き刺さる2点本塁打でこの回一挙7点を奪取、林を援護した。この日、一塁側アルプススタンドに陣取った約1000人の応援団は初回から山梨学院ナインひとり一人の応援曲とともに熱い声援を送り、選手を鼓舞し続けた。林は6連続先発の疲れを感じさせぬ熱投で相手強力打線を抑え、最後の打者を中飛に打ち取り7-3で完投。その瞬間、全選手がマウンドの林に駆け寄り歓喜の輪を作った。アルプススタンドは大歓声とともに互いに優勝を喜び合い、興奮の渦に巻き込まれた。優勝インタビューで吉田洸二監督は「毎年のように期待を裏切り続けてきましたが今回の優勝で少しは帳消しにしてもらったらと思っています」と笑顔で応え、6試合をほぼ一人で投げ抜いた林投手も「声援ありがとうございました」と感謝した。

快進撃を続ける山梨学院高野球部の県勢初優勝を懸ける決勝戦の応援に、この日も多くの応援団が甲子園に集結した。連日の試合のため近隣に宿泊した吹奏楽部、チアリーダー部、生徒会、野球部員含めた生徒400人と教職員50人の学校関係者計450人。他に野球部保護者会・PTA、一般の応援者が約400人、それに決勝戦には母校を愛する卒業生150人が駆け付け応援団を活気づけた。延べ約1000人を超える応援団が一塁側アルプスタンドを埋め、地元報徳学園高の満席に近い三塁側アルプスタンド応援団に負けじと甲子園グランドで躍動する選手に熱い声援を送った。

■大会最後の決勝戦に向け、選手に向けた応援メッセージー
午前11時、全校応援を掲げる山梨学院高の生徒400人が1時間前から開門を待っていた。
3人の男子生徒(3年)は(右から古屋飛竜さん、石神康大、大野泰来來さん)「ここまで来れてびっくりですけど山梨県の甲子園初優勝を見せてほしいです。大きな声を出して一つになって最後まで全力応援をします」と話し、女子生徒の3人(3年)(右から高橋陽花さん、深澤美桜さん、中村実夢さん)も「相手チームに負けないくらいに皆で声を出して思い切り踊って、選手たちに届くような元気な応援をしたいです」と全力応援でチームを鼓舞する。野球部の新人3人(右から岩城敦仁さん、平野天斗さん、横山悠さん)は「初回から勢いに乗って行けるような応援で、球場全体を山梨の味方にして選手を後押しできたらいいなと思います。先輩たちのゲームを見てレベルが高く鳥肌が立って格好いいなと思いました」と後輩たちに夢を与える。また、母校の活躍をテレビで観戦して居てもたってもいられずに来たと言う、OBで2度の甲子園の土を踏んだ栗尾勇摩さんは「自分たちが越えられずにいた大会で後輩たちがようやく殻を破った県勢初の決勝なので、これは見ないと後悔すると足を運びました。大会を見ていると選手も監督も応援団もみんな楽しそうにしているのが結果につながっていると思うので、監督が自分たちの代でも試合は楽しくなくてはいけないとずっと言い続けていて、今日最後の試合で楽しくプレーして自分たちがやってきたことを出して、結果的に優勝がついてきてくれればOBとして誇らしいなと思います」と後輩の躍進に胸を躍らせていた。

■林投手の連投を打撃陣が集中打で援護ー
近畿大会4強で選抜に6年ぶり22度目の出場を果たした地元兵庫・報徳学園高は、準々決勝で昨夏の甲子園優勝校宮城・仙台育英高校、準決勝で前回覇者の大阪桐蔭高校を接戦で勝利し“接戦の報徳”の異名を持つ強豪校は21年ぶりの決勝に進出した。“
午後0時30分、雲一つない快晴の甲子園のマウンドに立つのは全6試合の先発を任された山梨学院高・林謙吾投手。先攻の報徳学園高の初回の攻撃。制球力のいい林は珍しく先頭打者を四球で歩かせるも、後続をすべて内野ゴロに仕留め無難の立ち上がり。無安打で抑えてきた4回表、報徳学園先頭打者の三ゴロの難しい打球を守備の名手伊藤光輝が弾き内野安打すると、続く4番打者の連打と犠打で無死三塁二塁のピンチを迎え、次打者の初球にボークを犯し1点を献上。その打者にも適時打を打たれ2点を先制された。山梨学院は4回まで1安打に抑えられてきた報徳の先発投手に5回一死後、7番大森燦が四球を選ぶと8番投手の林が左翼フェンス直撃の二塁打で三塁二塁の好機を作った。続くこの大会打撃不調の9番伊藤は、意地の左前適時打で2点を返し同点とした。これでアルプスタンドからは大声援が巻き起こった。後続の1番徳弘太陽も中前安打でつないだ逆転の好機に、2番星野泰輝の打席に山梨学院側アルプススタンドからは評判高い『ビッグウエーブ』が鳴り響くと大応援団のボルテージが上がった。それに応えた星野は勝ち越し打となる左前適時打を放ち応援団から大歓声が巻き起こった。さらに3番岳原陵河の適時打で5点目、継投した報徳2番手投手から5番佐仲大輝が左越えの2点本塁打を放ち、山梨学院はこの回、5連打と1本塁打で一挙7点を挙げ報徳学園を突き放した。その後も林の熱投は続き、8回に1点を失ったが最後まで制球力抜群の安定した投球で9回表、最後の打者を中飛に仕留めこの瞬間、待ちに待った山梨県初の甲子園優勝の栄冠を手にした。選手全員は林の下に駆け寄り、人差し指を上に突き上げ輪になって歓喜。アルプスタンドも総立ちになり初優勝の喜びに浸った。林は強靭な体力とタフな精神力で全6試合をほぼ一人で投げ抜きチームの初優勝に大きく貢献した。攻撃陣は林に負担を懸けないように打撃で支え、全員野球全力野球で戦い抜き紫紺の大優勝旗を手にした。

■山梨学院高校VS報徳学園高校 大会12日目:決勝戦 甲子園球場

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 合計
報徳 0 0 0 2 0 0 0 1 0 3
山学 0 0 0 0 7 0 0 0 × 7

■山梨学院高:先発打順・守備位置
1. 徳弘太陽(右) 2.星野泰輝(中) 3.岳原陵河(左) 4,高橋海翔(一) 5.佐仲大輝(捕)
6. 進藤 天(遊) 7.大森 燦(二) 8.林 謙吾(投) 9.伊藤光輝(三)
[投手]林⇒[捕手]佐仲
林=投球回9回 打者数35 投球数118 被安打6 奪三振3 四球2 失点3
[打撃] 安打7《本塁打:佐仲 二塁打:林、岳原》 四球3 三振4

■閉会式・表彰式
試合終了後の閉会式では優勝校の山梨学院高、準優勝校の報徳学園高の選手が並び、山梨学院高・進藤天主将に紫紺の優勝旗が授与され、優勝杯は林謙吾投手が受け取った。また、優勝メダルが選手全員に手渡された。最後に山梨学院と準優勝の報徳学園高両チームが球場を1周。15日間(1日に短縮された休養日と順延2日含む)にわたった大会が終了した。

■優勝後のインタビュー
吉田洸二監督は「この大会は自分たちが持っている力を出し切って終えられたらなとこの大会に参加させていただいたのですが、この甲子園が選手を一試合一試合成長させてくださって、今日最後の6試合目に本当に力を出し切ったなという試合ができました。(中略)私はいつも足を引っ張るもんですから試合中はどんな時も一番の応援団でいようと思い取り組みました。今日は打線が林を援護しようとこちらに来る前から全員で気持ち一つにして毎回攻めていったことが集中打につながったと思っています。この10年間、山梨にお世話になって、毎年のようにご期待を裏切り続けていましたので今回の優勝で少しは帳消しにしてもらえたらと思っております」と笑顔でインタビューに応えた。
また、エース林謙吾投手は最後のフライについて「完全に打ち取れた打球だったの安心して見られました。連投だったので苦しい場面が続くとは想定していたのでできるだけ最少失点に抑えようと投げました。どこかで打撃陣は絶対点を取ってくれると思っていたので9回を通して3点以内に抑えようと投げました。(6試合で696球に)疲れは本当になかったです。楽しめました。今大会は始まる初戦から楽しんで投げようと思ったのでそれを最後まで突き通せて良かったです。始まりは開幕戦だったのですごく印象には残っているんですけど、一番はやっぱり今日の決勝は2校しか体験できない舞台なのですごく楽しかったです」と飄々と応じた。最後に「優勝することができました。たくさんの声援ありがとうございます」と大きな応援に感謝した。

■陰日向で選手をささえる保護者 チーム初優勝の思いはー
野球部保護者会・大森裕史会長は「本当にチームはよくやってくれました。本当に最高のチームです。これ以上のチームはないです」と感無量で言葉を詰まらせた。佐仲公浩さんは「夢のようです。最初、1回戦は勝ちあがってほしいとここに来ました。(その後快進撃を続けて)」見いて、余裕はなかったですね」と胸の内を明かした。高橋孝平さんは「1回勝ってくれればいいなというくらいで来たのでまさか最後まで残って決勝やってくれなん思っていなかったので、驚きの方が大きいですね。私の夢というか、私はプロになれなかったのでその夢を押し付ける形から始まった野球人生なので、彼の。それを良くここまで親孝行してくれたなあという思いです」と感慨深く話した。星野寿和さんは「チーム一丸となって本当にすごいことをやってくれたと思いますし、僕たちは全力でサポートすることしかできなかったのでうれしいです。ただうれしいの一言です。大変と思うかもしれないですけど子どもたちが頑張っているので全然苦にはならないですし、夏も活躍してもらいたいのでこれからも全力でサポートしていきたいと思います」と話した。進藤貴司さんは「全然実感ないですね。初めの1勝がちょっときつかったのでそこをクリアできて、監督が仰ったように一戦一戦集中していって、安心して見ていられたというか。今度は別のいろいろなプレッシャーが掛かるんじゃないですか。まだまだ通過点と思っていますが順調に成長してくれているのでありがたいです」と話した。

最後にアルプスタンドで野球部応援団長として獅子奮迅の働きで応援団を活気づけた中原義虎選手(2年)は「やりました。先輩たちの笑顔が見れて本当に良かった。うれしいです。優勝校の応援団長でいいんですかね。名誉です。本当に達成できて良かったです」と安堵の表情。「次は自分たちが選手の普段の練習態度や人との接し方を先輩に見習っていきたい」と話し、レギュラー獲りを目指す。優勝メンバーは後輩部員に次への夢の扉を開いた。

■山梨学院、今大会結果
開幕1回戦:宮城・東北高校3-1 2回戦:富山・氷見高校4-1 3回戦:山口・光高校7-1 準々決勝戦:栃木・作新学院高校12-3 準決勝戦:広島・広陵高校6-1 
決勝戦:兵庫・報徳学園高校7-3
4年ぶりの1回戦勝利を果たすと、甲子園16度目の挑戦で2回戦を突破。その後も投打が噛み合い勢いに乗り、32年ぶりの準決勝に進出。そして記念すべき4月1日、ついに山梨学院高校野球部は山梨県民長年の悲願、甲子園初優勝の栄冠に輝いた。

文(K.F) カメラ(平川大雪・今村佳正、小池裕太) 2023.4.2