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●山学短大生 山梨県「減塩メニューコンテスト」で最優秀賞
~成人1日の食塩摂取量の約3割、1食分0,9gを達成~
~野菜たっぷり!味わい豊かなカフェ風減塩メニュー~

山梨学院短大食物栄養科栄養士コース生が山梨県主催の「減塩メニューコンテスト」で最優秀賞を受賞した。このコンテストは昨年12月に行われ、今年1月下旬の二次審査を終え、去る3月27日に表彰式が行われた。コンテストは依然、食塩摂取量が全国平均を上回る山梨県において減塩啓発活動の一環として実施された。コロナ禍で増えている中食に着目し、個人では難しい減塩の管理を健康への関心度に関係なく自然に健康になれる食環境づくりを推進するため、食材や調理方法などを工夫した減塩メニューを広く一般から募集し、入賞したメニューを商品化につなげる目的で行われた。書類選考の一次審査を通過したレシピの実食による二次審査の結果、押領司 希さん(当時1年)が最優秀賞を獲得。押領司さんのレシピは成人の1日の適量食塩摂取量8gに対して1食分0.9gの「野菜たっぷり!カフェ風ガパオライス」。野菜たっぷりで彩り豊かな盛り付けは、幅広い年齢層が健康を気にしないで食べられることが高評価を得て、最優秀賞に輝いた。レシピへの研究熱心な押領司さんは他のコンテストで落選したリベンジを果たし「本当にうれしい」と喜んだ。また、特別賞には(同)小林留果さんが受賞した。これらのメニュー内容は山梨県が行う減塩啓発活動に提供される。

■山梨県の食塩摂取量の状況―
日本人の食生活において、食塩の取り過ぎや年代による野菜摂取量のばらつきなどの課題があるとされ、食塩の摂取量が多いと高血圧による脳卒中や心臓病、胃がんなどの生活習慣病を発症するリスクが高まるといわれる。成人の1日の適量食塩摂取量は男性8g、女性7gとされる中、山梨県の1人1日当たりの食塩摂取量の平均値(20歳以上)は、男性11,5g、女性9,6gで全国と比較すると、食塩摂取量の平均値は男女ともに多い(平成26年度県民調査)。厚労省の平成22年度国民健康・栄養調査による1日平均食塩摂取量は山梨県で男女全国1位のうれしくない順位となり、現在、改善傾向にあるものの、全国と比較すると食塩摂取量の平均値は依然、男女とも多く、目標量以上摂取している人の割合は男性で80%、女性で67、4%である。これらの調査データを受け山梨県も成人の1日の食塩摂取量を8gに引き下げることを目標とする健康増進計画の中で減塩啓発活動を推進しており、お店の料理やお弁当を「やまなし・しぼルトメニュー」として提供、県民の健康増進に役立つ事業を積極的に推進している。その一つに今回初めてとなる、「山梨県減塩メニューコンテスト」では減塩メニューを募集し、個人では管理が難しい食塩摂取量を食材や調理方法を工夫したメニューを商品化につなげることにより、中食や外食でも健康に配慮した食事が選択できる食の環境づくりの取り組みを推進する。

■減塩でもおいしいメニューを募集ー
「山梨県減塩メニューコンテスト」は昨年度初めての試みとして、昨年10月24日から12月9日までの募集期間に広く一般個人・団体からメニューを募り実施した。レシピの条件として◆塩分(食塩相当量)を控えるために使用する食材や調理方法を工夫した1人分のメニュー。◆弁当・惣菜のジャンルは問わない。◆入手しやすい一般的な食材を使用し、生ものは使用しない。◆未発表のオリジナルレシピに限るなどの条件の中、集まったメニューを12月下旬に一次審査として上位5点から10点までの上位を書類選考。令和5年1月下旬に行われた二次選考では選考されたレシピを基に食品製造販売業者が制作し、試食審査を経て、入賞作品を決定した。一次審査では書類で見栄え、汎用性(幅広い年代層にとって食べやすい料理か)、独創性、普及性、全体のバランスなどを審査。二次審査では一次審査による配点や実際の調理による味の評価を加え、最優秀賞1名、優秀賞2名、特別賞2名の各賞が決定した。その結果、山梨学院短大食物栄養科栄養コース(当時1年)の押領司 希さんのレシピが最優秀賞に選ばれ、3月27日、山梨県恩賜林記念館特別会議室で表彰式が行われた。なお、今回のコンテストでは小林留果さん(同2年)の「生姜香るちょいから牛天」が特別賞を受賞した。

■4月20日、最優秀賞に輝いた押領司さんに話を聞いた。
押領司 希(おうりょうじ のぞみ 2年)さんは山梨県出身・甲斐市在住。山梨学院高校卒業後、山梨学院短大食物栄養科栄養士コースに進学。家族は祖母、両親、兄、本人、妹の6人。

押領司さんは今回のコンテストのメニュー募集を通っている料理教室の先生に紹介され、応募したと言う。応募の理由は「1年生の前期授業で2つの料理コンテストの中からいずれかに応募するという課題があり、私は『山の都ご当地レシピコンテスト』に5点応募してすべて落選して、悔しくてリベンジのつもりで応募した」と話した。しかし、その後連絡もなく受賞したことを知ったのは表彰式の3日前、突然だった。受賞を聞いて、「本当にうれしかった」と思い入れが強いだけに喜びはひとしおだった。提出したメニューは「『野菜たっぷり!カフェ風ガパオライス』。味付けは香辛料や醤油の塩分量1/3の焼き肉のタレ、ゴマを使用して1食あたり0,9gと非常に少ない塩分量ですけど、はっきりとした風味と味付けになってフライパン一つで誰でも簡単に調理できます」と説明、「私の祖母が山梨学院短大の食物栄養科の卒業生で私の先輩になるんですが、家でもよく焼き肉のタレを使って料理をしているので調べたら塩分量が少ないことがことを知り応用しました」と打ち明けた。出来栄えは彩りを可愛くして栄養のバランスを考え野菜を多く使用した。

■山梨学院短大での学びと将来の道―
入学して丁度1年。2年生になった今、押領司さんは「入学するきっかけは祖母に進められたことですが、山梨学院では専門的なことは勿論ですが自分で考えること、自分で発想することが求められ、今回のコンテストのようなことに積極的にチャレンジすることも経験しました。これらを活かすことで今回の受賞につながったと思います」と山梨学院での学びの成果を口にした。残りの1年の学びでは「自分でたくさんレシピを作り、妊婦さんや高齢者の方のメニューを考えたりしたい」と自身のさらなるスキルを伸ばし、将来的には「栄養士として仕事をしたいと思っています。祖母と同じように給食センターで働くか、病院で働くか」と思案中だ。

押領司さんの受賞を受けて、羽畑祐吾食物栄養科長は「学生のモチベーションになりますし、自信にもなります」と喜んだ。さらに「栄養士の資格を取得して、これから就職したらチーム医療の分野でかなり栄養士としての役割が管理栄養士とともに大事になってくると思います。減塩しなさいと医者は言いますが、減塩しつつもおいしく、満足感のあるレシピを提供できるのはそれを管理する栄養士や管理栄養士ですので、本学・本コースで学ぶ一つのモチベーションアップにつながる」と専門的実践力を尊ぶ、短大の教育方針の成果を実感していた。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2023.4.20