●2023年県高校総体閉幕 山梨学院が男女総合優勝
~10年ぶりのW優勝、男子3回目、女子14回目~
~選抜野球に続き、山学高アスリートが躍動した~
高校スポーツの祭典「第75回山梨県高校総合体育大会」が10日から12日の3日間、甲府市・小瀬スポーツ公園をメイン会場に県内各会場で行われ高校生アスリートが学校対抗得点獲得に力と技を競い熱戦を繰り広げた。山梨学院高校は男子が12競技、女子が9競技に出場。私学の名誉と実力を懸けて挑んだ結果、男女とも学校対抗得点で総合優勝を飾り、男子は3回目、女子は14回目の優勝を果たした。優勝に大きく貢献したのは男子では、サッカー、陸上、バドミントン、女子はテニス、ソフトボール、水泳などで、特に陸上競技では男女とも中距離種目での大きな得点やテニスは女子が団体10連覇と個人シングルスで1,2,3位を独占、ダブルスも1,2位と抜群の強さを見せた。さらに水泳男女とも多くの種目で優勝し11大会連続総合優勝を果たした。ソフトボールも相手を寄せ付けず圧倒した。その他、新体操での個人総合優勝。女子バドミントン、男女空手道も上位入賞し、得点獲得に貢献した。また、すでに終了している硬式野球準優勝や冬季大会女子のスキー、スケートの得点も加点され優勝に導いた。また、3年前に復活創部したラグビーでは絶対王者の日川高を大差で破ったことが特筆される。女子は昨年に続き2連覇、男子は昨年の2位から躍進。男女揃ってのアベック優勝は第65回大会以来、10年ぶりとなった。全競技終了後行われた閉会式で山梨学院に優勝旗が授与された。好天に恵まれた高校生アスリートの濃密な3日間が終了した。
◆大会2日目(陸上競技は3日目)―
5月11日午前9時半に開始された陸上競技フィールド競技種目の女子やり投げ決勝で山梨学院三井陽理(1年)が2位となり、この日最初の表彰台に上がった。他にもトラック種目女子は800m決勝は、1500m優勝の西本佑菜(2年)が2連覇を狙うも2位、新井帆乃花(2年)は4位、坂元唯花(1年)は5位となった。西本選手は「仕掛けるタイミングは良かったと思うんですが、ラスト50であまり足が動いてなくて、そこをもう少し頑張れたら優勝に届いたかな」と話した。新井選手は「ラスト200でスパートをかけた3人についていけなかったことが悔いが残ります。でもタイム的にはベストだったのでもう少し順位が上げれたらよかったです」。坂元選手は「もともと自分が得意でない800で5位という成績を収められたことは自分の中ではよかったと思っています」と話した。女子200mでは村松璃香(3年)が総体最後のレースで3位に入り、村松選手は「長いようで短かった3年間で最後こういう形で表彰台に立てたことがすごくうれしい」と充実した表情を見せた。女子3000mでは川越愛実(2年)が2位、西本が3位となった。川越選手は「先頭で飛ばして差をつけるつもりだったんですが、予想外に韮崎が力を付けていて後半ラストのスパートを先に仕掛けられてしまい、関東までに力を付けて9分台を目標に頑張っていきたい」と気持ちを切り替えた。男子800mではスタートから飛び出した石戸谷亮羽(2年)がラストスパートで胸の差で敗れ2位となった。石戸谷選手は「レースプラン的にはラスト直線で仕掛けようと思っていたんですけど、スローペースでラスト短距離の選手が強いので体力があるうちにもっと前で仕掛けようと行ったんですけど、ラスト一人に外から抜かれてしまいました」と話すも、成績には満足していた。男子5000mでは3位に小島光稀(3年)が3位、渡邊莉玖(3年)が4位となった。渡邊選手は「今回はレース展開がスローだったり、いきなりペースが上がったりの繰り返しでとても難しかったです。(3位になったことに)単純に実力差があったことを感じました。でも関東に向けていい刺激を受けたのであと1か月しっかり練習を積んでいきたい」と話し、小島選手は「今までにないくらい考えながら走らなきゃいけないレースになって、自分もそこまでスピードに自信がなかったですけど勝ち切るレースを予定していたんですが最後2周でついていけなかったのでそこが一つの課題となりました」と振り返った。また、2日間にわたる過酷な種目の男子八種競技で見事3位と健闘した佐々木琥珀(2年)は「初日はうまくいったんですけど、2日目の一つ目のハードルで上手くいかずに結構点を落としてしまって、それが最後まで響いてしまいました。苦しかったですけど楽しかった」と安堵の表情を見せた。フィールド競技三段跳びでは蘇我涼介(3年)が4位に入った。
その他の競技では女子ソフトボールが昨年同様に帝京三高と決勝戦を戦い勝利。3試合無失点で24回目の優勝を果たした。テニス女子は、1日目の団体10連覇に続き、個人ダブルスで山学同士の決勝戦になり、1年生ペアの三好栞奈、深沢茉央(左から三好、深沢)と穴水姫奈乃(3年)西村美璃(2年)ペアの対戦が8ゲームマッチで行われた。序盤、穴水・西山ペアが0-3とリードするも、三好・深沢ペアが逆転、その後は一進一退の攻防もタイブレークに持ち込まれ、最後は1年生ペアが競り勝った。勝利したペアは関東大会、インターハイの出場が決まった。三好選手は「出足は自分たちの調子も上がらなくてこのままスコアがどんどん離されていくのかなと心配であったのですけど、0-3でチェンジコートしてから自分たちのプレーができるようになってそこから1ポイント、1ポイント重ねられるようになった」と振り返った。深沢選手は「先輩ということもあって緊張してうまいプレーができなかったですけど、徐々にポイントが上がって良かったんですけど、そこから流れが相手に流れた時も二人で声を掛けあって最後まで諦めずにプレーができて良かった」と話した。また、水泳も1日目に続き、好成績が続出し、大森理央(1年)が男子100m平泳ぎで大会新優勝、200mバタフライで細野泰聖(1年)が優勝。女子では100m自由形で矢ケ崎楓来(3年)、大畠芽依(3年)の1,2位、50mバタフライの成島夕愛(3年)が優勝。他の種目でも山梨学院の選手が優勝及び上位に名を連ね、総合得点で優勝を飾った。新体操では、中澤妃花(2年)が種目別のボール、クラブで1位となり個人総合優勝を飾り、同種目の松土こころ(2年)は3位に入った。また、大会1日目、団体形で男女2位となった空手道は、2日目の団体組手でも男女2位となり学校対抗得点に寄与した。
2日目が終了。山梨学院は学校対抗得点を女子は32点とし、2位の日本航空の15点に大差をつけて逆転の可能性がなくなったとして総合優勝が決まった。男子は28点で2位。1位の甲府工業に3点差で最終日に逆転を狙う。
◆大会3日目最終日―
5月12日大会最終日、11の決勝競技が行われた。ラグビー決勝戦は、2月の新人大会で初めて勝利した絶対王者の日川高と対戦した。山梨学院は開始早々、トライを決めるとボールを支配、展開ラグビーで相手のタックルをかわし、次々とトライを増産。前半を33-5とリードすると後半も攻撃の手を緩めず、スピードとフィジカルの強さで相手を封じ込め、後半も33-0と無得点に抑え66-5の大差で王者を粉砕した。ラグビー部復活3年目で積み上げてきた練習の成果が実を結んだ。試合後、加藤賢正主将は「前の試合(新人戦)より点差を広げるように自分たちは練習を重ねてきたのでその結果が出たと思います。自分たちの試合の流れというのがしっかりと作れていて、ボールが長い時間保持できてアグレッシブにアタックできたことが良かった」と勝因を語った。同じ時間帯に行われていた他の競技でも山梨学院の勢いは止まらなかった。強化運動部指定を受けて4年目の山梨学院男女バトミントン部の成長は著しく男子は昨年2連覇、今年は3連覇を懸けて昨年同様決勝戦で甲府工業と対戦。バドミントン団体戦はダブルス2試合、シングルス3試合で3セット先に取ったチームが勝利する。試合は、山梨学院が3-0でストレート勝ちを収めた。女子は甲斐清和高と3年連続決勝で対戦、1-3と善戦するも今回も準優勝に終わった。優勝した男子はインターハイ出場を決めた。サッカー決勝戦、山梨学院は帝京第三高と対戦し、3-1で勝利して戦った2チームはともに関東大会出場が決定した。また、この日はテニスシングル決勝も行われ優勝は穴水姫奈乃(3年)、2位三好栞奈(1年)、3位に西村美璃(2年)と高木優羽(2年)山梨学院勢が独占。穴水とは三好は関東大会、インターハイ出場権を獲得した。
◆総合成績発表・表彰式
すべての競技が終了し、小瀬スポーツ公園武道館で成績発表と表彰式が行われた。総合優勝した山梨学院男女には高体連の小俣義一会長より山梨学院選手団の代表として生徒会役員が優勝旗を受け取った。3日間にわたった熱戦は、高校生アスリートひとり一人に新たなる目標を与え、爽やかな余韻を残して幕を閉じた。
◆今大会の学校対抗得点
《男子総合得点》=1位:山梨学院高45点、2位:甲府工業高44点、3位:日本航空高38点、4位:駿台甲府高31点、5位:甲府商業高26点、6位:日川高20点
《女子総合得点》=1位:山梨学院高37点、2位:日本航空高28点、3位:駿台甲府高15点、4位:甲斐清和高14点、5位:甲府南高13点、6位:富士河口湖高11点
文(K.F) カメラ(平川大雪、藤原稔) 2023.5.12