山梨学院広報課

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●山学高ラグビー 絶対王者・日川高を大差で破る
~復活3年目、厳しい練習とフィジカル強化実る~
~花園出場に向け、驕らず一途に練習あるのみ~

第75回山梨県高校総体「関東高校ラグビー大会山梨県予選」決勝戦が5月12日、南アルプス市御勅使南公園ラグビー場で行われた。山梨学院高と日川高の対戦は66-5の大差で山梨学院高が初優勝を飾り関東大会の出場を決めた。山梨学院高校は2021年4月、2006年以来休部のラグビー部を15年ぶりに復活。大学ラグビー部との高大連携で競技力を上げ、“花園”常連校の日川高校を破ることを目標に始動した。復活3年目、2月の新人大会でようやく日川に初勝利、関東大会出場に向け、真の実力を確認すべく日川高との決勝戦に臨んだ。試合立ち上がり、山梨学院が#14芦澤涼介が先制点を奪うとその直後、日川もラインアウトからトライを決め7-5と迫った。このまま接戦が続くと思われた試合は、山梨学院が強いフォワードと速いバックスのコンビネーションによる展開ラグビーで日川を揺さぶり、高いボールの支配率で10分、#13ヴァレマイババ、15分に再び#14芦澤、23分に#6初鹿野遥帆、26分さらに#ヴァレマイババがトライを決めた。山梨学院は#9スクラムハーフの樋口奏を起点にボールを左右に展開、バックス陣がつないで駆け抜けトライを増産、33-5と大差で前半を折り返した。後半に入っても山梨学院の勢いは止まらず、従来の日川高のお株を奪う形でフォワード、バックスが一体となり後半も5本のトライを決め、日川を1トライに抑えて66-5で圧勝した。山梨学院時代の到来か期待が懸かる。

■復活した山梨学院高校ラグビー部、3年目に強化の成果実るー
山梨学院高校ラグビー部は2006年の休部以来2021年4月、15年ぶりに復活した。1983年に創部したラグビー部は2006年に部員減少のために休部に追い込まれた。かつて県内高校に30校近くあったラグビー部は今回、県高校総体に出場したのは合同チーム(3校を含め)、近年は9校と低迷している。山梨学院は、県内の有望な中学生が県外の強豪校へ流失している現状を阻止したいという思いから、練習環境が整っている部を創設することでラグビーを志す生徒を後押しし、県全体のレベルの底上げを図る。指導には元県ラグビー協会強化委員長、元国体成年男子監督・古屋勇紀監督を招聘しラグビー部を復活させた。創部に関しては、日本代表やトップリーグで活躍する選手を多く輩出し、現在、関東大学ラグビーリーグ2部に所属し1部に返り咲きを狙う山梨学院大学大学ラグビー部の存在が大きく、高大連携していくことで効果的な強化育成を目的にする。山梨学院高はまずは高校ラグビーチームで不動の地位を誇る日川高校の厚い壁を破り、高校生ラガーの聖地・花園(への全国大会出場を目指すことでラグビーの裾野を広げ、普及することを目指している。復活して以来、今年4月を迎え3年目となった山梨学院ラグビー部は、これまでも日川高の背中を見て、厳しい練習に耐えてきたが2年前の全国高校選手権山梨県予選では0-150の大敗で屈辱を味わった。この悔しさを糧にさらに練習を重ね、寮での食事管理も見直しフィジカルトレーニングも積極的に取り入れ逞しく大きく成長した。その成果は今年2月に行われ、山梨県新人大会で日川高に31-10と初勝利。それを自信に今回の戦いで再び日川高に胸を借りるべく戦いに臨んだ。

■前半 気後れなく絶対王者・日川高に挑んだー
五月晴れの光を受けてグラウンドの芝生がまぶしい中、15人の山梨学院戦士が並んだ。前半、日川高のキックオフで試合が始まった。序盤、日川の当たりの強いディフェンスに戸惑うも4分、#14WTB芦澤涼介(3年)が右中間に先制トライ、#12CTB宮下悠空(3年)のゴールキック(コンバージョンキック)も決まり7-0と幸先の良い立ち上がりになったが、8分には日川が左サイドゴールライン5m付近のラインアウトからトライにつなげ7-5となり接戦の予兆を感じさせたが、山梨学院はその直後の10分、スクラムから出たボールを右に展開、パスを受けた#13TBサイア・ヴァレマイババがトップスピードで相手タックルをかわし右中間へトライ、ゴールキックも決め14-5と差を広げた。これを機に山梨学院の展開ラグビーで相手を揺さぶって一気に攻勢に転じ山梨学院スタイルが機能し、左サイドから#13ヴァレマイババのボールを運ぶ突破力で#15FB篠原悠士(2年)から#14芦澤へとつなぎ15分、左中間へ3つ目のトライを決め21-5とリードを広げた。その後も#6FW初鹿野遥帆(3年)、強い突破力でチームを鼓舞する#13ヴァレマイババが2本目のトライを決め33-5で前半が終了。

■後半 日川高校相手に記憶に残る大差勝利―
後半サイドが変わり、山梨学院のキックオフで試合は始まった。開始早々3分、山梨学院が22m内のラインアウトからモールで#2FW加藤賢正(3年)らがそのまま押し込みトライで38-5。13分には相手ラインアウトのボールをマイボールとし、#13ヴァレマイババから#15篠原へつなぎそのまま中央へトライ、ゴールキックも決まり45-5となった。疲れの見えた日川に山梨学院は攻撃の手を緩めず、15分に#9SH樋口奏(3年)が中央に、18分には相手のキックを奪い、そこから右から左へと展開、日川のディフェンスをものともせず、#15FB篠原が後半2つ目のトライで57-5、キックも決まり59-5。その間日川の攻撃には速いボールへの対応や鋭いタックルで相手を封印した。試合も終盤、山梨学院のボールに対する集中力は切れずに23分、左サイドの展開に#9樋口がタックルをかいくぐりライン際を走り、絶妙なショートキックを#11WTB三木良唯史(2年)がキヤッチし、#10SO小島咲汰朗(2年)につなぎそのままトライ。自由自在のコンビネーションプレーも光り64-5、#12宮下の10本中8本目のゴールキックも決まり66-5となり、その後の残り時間で4人の選手交代をし、チームはそのままの大差で勝利、絶対王者・日川高に土を付けた。

■山梨学院スターティングメンバー
#1小俣颯舞(3年)、#2加藤賢正(3年)、#3足達将太(3年)、#4リアム・ヘンダーソン(2年)、#5雨宮巧弥(3年)、#6初鹿野遙帆(3年)、#7朴霜焄(3年)、#8佐野涼太(2年)、#9樋口奏(3年)、#10小島咲汰朗(2年)、#11三木良唯吏(2年)、#12宮下悠空(3年)、#13サイア・ヴァレマイババ(3年)、#14芦澤涼介(3年)、#15篠原悠士(2年) ❖交替=15分#7⇒#20渡邊楓太(2年)、15分#14⇒#25程原壱茶(3年)、23分#4⇒#17マナセ・ファーガソン(3年)、25分#9⇒#22矢野悠斗(3年)、29分#1⇒#16長谷川大輔(3年)、29分#3⇒#18小泉俊輔(3年)、29分#2⇒#19田形正大(2年) ※交替時間はすべて後半

第75回山梨県高校学校総合体育大会・第71回関東高校ラグビー大会山梨県予選
《山梨学院高VS日川高》5/12 御勅使南公園ラグビー場
○ 山梨学院高 66 前半 33-5
後半 33-0
5 日川高 ●
山梨学院トライ=芦澤涼介2、サイア・ヴァレマイババ2、初鹿野遥帆1,加藤賢正1、
篠原悠士2、樋口奏1、小島咲汰朗1
ゴールキック(コンバージョンキック)=宮下悠空8

■試合後のコメントー
試合に快勝した後にも、古屋勇紀監督は「スコア開きましたが内容的には、まだまだやらなきゃいけないところもあるし、日川高校さんの伝統的タックルに前半立ち上がりかなり苦しめられました。ラグビーにかなりの時間をたくさん費やしてきましたけど、それがすべて全部かというと、そうでもないので、また明日からと言わず常にチャレンジャーという気持ちでこの後、すぐに次に向かってやって行きたい」と課題を見出す。1年生から主将を担い、仲間を引っ張ってきた加藤賢正主将加藤賢正主将に手応えを聞くと、「前の試合(新人戦)より点差を広げるようにそれに向けて自分たちは練習や練習試合を重ねてきたのでその結果が出たと思います。自分たちのペースの時間とか試合の流れというのがしっかりと作れ、ボールが長い時間保持できアグレッシブにアタックできたことが良かった」と勝因を語った。関東大会について、「山梨県だけではなく、全国で戦えるように関東でもまずは結果を残したい」と意気込みを示した。パスで攻撃のリズムを作り高い判断力、俊敏性が求められる#9スクラムハーフの樋口奏選手(3年)はこの試合でも起点となって味方へパスを供給し続けた。「今日の試合は一番楽しくラグビーができ、自分たちがやってきたことを全部出せた結果が点数に結び付いたと思います。新人戦で(31-10)、もっと圧倒的な差で勝つというのを目標にしてやってきて、新人戦の倍の点数で勝てたのが成果だと思います。チームとしてやってきたのは、相手の誰が来ても絶対に前に出させないディフェンスをして自分たちのプレーをすることを意識していたのでそれができて良かった」と小柄な体に力をみなぎらせた。
復活3年目での山梨学院は、花園常連校・打倒日川を目標に強化してきた。今日の大差勝利の衝撃は、山梨学院高時代の到来を予感させる新たな歴史の幕開けを期待するのは早計か。

最後に古屋勇紀監督は関東大会出場について聞いた。「山梨県の1位代表として恥ずかしくない試合をやってきたい」と勝利に驕らず静かに闘志を燃やす。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2023.5.13