山梨学院広報課

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●春季関東地区高校野球大会 2回戦
~山学、帝京高との一進一退の白熱戦に惜敗~
~壮絶な打撃戦に守備の小さな連係ミスが響く~

「第75回春季関東地区高校野球大会」2回戦が5月21日、神奈川県・横須賀スタジアムほかで熱戦が繰り広げられた。山梨2位の山梨学院高校は1回戦に神奈川3位の横浜隼人高と対戦、投打が噛み合い12-0、5回コールドで勝利。この日、東京1位の帝京高と対戦した。試合は1回戦を無安打無得点と好投した林謙吾投手が2日連続で先発を託された。後攻の山梨学院は1回裏、1番徳弘太陽の二塁打を犠打と犠飛で手堅く1点を先制。しかし、林は2回表の一死後、2連続四球を与えると2点適時二塁打で逆転され、さらに2連続安打で1点を失った。1-3とリードされた山梨学院はその裏、反撃。一死満塁から打撃好調の徳弘が2点適時打で同点。続く星野泰輝が適時打で逆転した。その後、帝京に4回に同点、5回に逆転を許し、6回には再び山梨学院が7-6と逆転した。1点を争うシーソーゲームで迎えた終盤の8回表。力投続ける林は先頭への四球、次打者の浅い左前打を犠打で送られ、一死三塁二塁に走者を背負うと、次打者の左中間への2点適時二塁打で、またも逆転。手に汗握る展開に両チームの応援団のボルテージも上がり観客も固唾を飲んで試合の行方を見守った。帝京は9回にも2番手中田有飛から1点を奪い9-7と点差を2に広げた。追う山梨学院は9回裏、先頭の4番高橋海翔が左中間に本塁打を放ち追いすがるも、後続が抑えられ、大接戦に終止符が打たれた。選抜の覇者・山梨学院は2回戦で大会を終えた。

■甲子園出場通算26回を誇る東京1位の帝京高と対戦ー
選抜甲子園初優勝を成し遂げた山梨学院高は、第75回春季関東地区大会には2年連続8度目の出場で2014年以来、2度目の優勝を目指して大会に臨んだ。5月20日、神奈川県・サーティーフォー保土ヶ谷球場で行われた開会式後、くしくも第1試合1回戦の開幕戦に横浜隼人高(神奈川3位)と対戦、12-0で圧勝。翌日の21日2回戦は、横須賀スタジアムに場所を移し帝京高(東京1位)と対戦した。帝京高は、激戦区東京で居並ぶ強豪を破り2013年以来10年ぶりに関東大会の出場権を獲得した。

■5度の逆転が繰り返された壮絶な打撃戦ー
試合は帝京高校が先攻。山梨学院は1回戦に続き林謙吾(3年)がマウンドに上がった。先発林は、一死後2番打者に左翼ポール側に本塁打性の飛球を左翼・岳原陵河(3年)が追い付き、一度は取ったと思われたが落球し、二塁打になったが林が後続を抑え事なきを得た。その裏、山梨学院は1番徳弘太陽(3年)が1回戦、4打数4安打の絶好調で迎えた第1打席、三塁線を鋭く破る二塁打で5打数5安打と好調を継続、得点圏に出塁した。次の星野泰輝(3年)が手堅く犠打で走者を三塁に進めると、3番岳原は中犠飛で走者を還しそつなく1点を先制。しかし、2回表一死後、林は2連続四球で走者を出すと、8番打者に適時二塁打で2点を奪われ、さらに2連続安打で1点を追加され1-3と逆転された。一方、山梨学院もその裏一死後、2つの四球と安打で満塁にすると、徳弘がまたも2点適時二塁打を放ち同点。ここで帝京は2番手にエース投手を送ったが2番星野泰輝(3年)は難なく右前適時打で1点を追加し、4-3と逆転した。3回裏には、5番佐仲大輝(3年)、6番大森燦(3年)の連続安打を犠打で二死三塁二塁に、9番平野天斗(1年)の打席に相手投手の暴投で1点を追加して5-3と2点差とし、このまま山梨学院ペースになると思いきや、4回表に守備の連係ミスが出て1点、5回には二死二塁で5番打者に左翼ポール直撃の2点本塁打を打たれ5-6と逆転された。追いかける展開になった山梨学院は、5回裏に二死から2連続安打で二塁一塁の場面で打席に立った林が初球を左前打とし、二塁走者大森が猛然と本塁を突くが間一髪アウトとなり貴重な追加点を逃した。

■連投の林に疲れか、最終盤に痛恨の一打で逆転許すー
中盤6回裏、5回に逆転された山梨学院の攻撃は二死走者無しから相手エース投手の制球の乱れから2番星野、3番岳原が2連続四球で得点圏に走者を進めると、その好機に山梨学院応援席のボルテージが上がり4番高橋の一打に期待した。高橋はファールで粘った8球目を一振、左越えのフェンス際の適時二塁打で二人が還り7-6と再び逆転した。一進一退の白熱した戦いは続き、8回帝京の攻撃、球数が100球を越えた林は疲れからか制球が定まらず先頭打者に四球、続く打者にもボールが先行し苦しい投球に、打ち取った打球が浅い左前打となり、無死二塁一塁。続く打者の犠打で三塁一塁と再びピンチを迎えた。嫌な流れに、これまできっちり抑えてきた7番打者に左中間を破る2点適時二塁打を浴び、帝京に7-8と逆転された。さらに9回表から林を継投した中田有飛(3年)は先頭打者に左中間を破る三塁打を打たれた一死後、スクイズを決められ最終局面での追加点で7-9と2点差となった。その裏、山梨学院は先頭の高橋が5球目の135キロの直球を左中間芝生席に打ち込み1点差に迫るも、後続が続かず8-9。手に汗握る熱戦に終止符が打たれた。

■〈5月21日 春季関東地区高校野球大会2回戦 神奈川県・横須賀スタジアム〉

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 合計
帝京高 0 3 0 1 2 0 0 2 1 9
山梨学院高 1 3 1 0 0 2 0 0 1 8

◆山梨学院高先発メンバー:
1番(右)徳弘太陽③、2番(中)星野泰輝③、3番(左)岳原陵河③、4番(一)高橋海洲翔③、
5番(捕)佐仲大輝③、6番(二)大森 燦③、7番(三)伊藤光輝③、8番(投)林 謙吾③、
9番(遊)平野天斗①
◆バッテリー=林→中田➡佐仲
〔投手〕:林=8回、投球数122球、打者数=36、被安打11、四球3、奪三振3、
失点8
     中田=1回、投球数10、打者数4、被安打1,四球0,奪三振0、失点1
〔打撃〕:安打12(長打=本塁打:高橋1、二塁打:徳弘2、高橋1)、四球5、三振1

試合後、吉田洸二監督は「勝負に負けて良かったということはないですけども、こういう悪いパターンの試合があるということを体験させたかったので、出来れば勝てればもっとよかったですけど。点数は良く取ったと思いますが野球は8点取って負けるというのは、野球じゃないので」と監督らしい言い回しで語った。林投手の出来については「選抜ほどはよくはなかったですけど、それはそんなに望めないので、あれは出来過ぎだったので。今日は粘りがなかったですね。なにが悪いということではなく、すべてが少しずつコントロールが悪かったり、体力が少し落ちたりとか、いろんな要素が少しずつ重なったですね。こう熱いとピッチャーはああなるので春のように抑えられないということを分かってほしかったですね。みんな春のように抑えると思っていたと思うんですけど、そうはいきません」と早急に投手の育成が課題だと語った。最後に「夏に向けて全力でやるだけ」と前を向いた。故障のため今大会を欠場した進藤天主将に代わり、チームをまとめた佐仲大輝副主将は「いつも練習している部分で結構ミスが出て、それが得点に絡んでしまって」と敗因を語った。林投手については「初回から3回くらいまであまり良くなくて、途中でちょっと上がったんですけど、疲れかもしれないですけど、また球威が落ちて打たれてしまった」と本来の調子ではなかったと語った。夏の大会に向けて、「今日は自分たちがミスしなければ勝てた試合だったので投・内(内野)連携のミスを失くしてチャレンジャーの気持ちを持って練習していきたい」と話した。1回戦の3打数3安打3打点に続き、今日も4打数2安打3打点の活躍で異彩を放った高橋海翔選手は「自分たちが一番大事にしている守備で点を取られたので、勝てる試合を落とした」と佐仲選手同様のコメントで悔やんだ。シーソーゲームの展開に「チーム全員で攻めるんだという雰囲気はベンチの中でありました」と勝利を諦めなかった。さらに「獲れるアウトを取れなかったのは夏に響いてしまうので、しっかり詰めて夏の大会に臨みたい」と課題克服に気を引き締めた。

山梨学院は選抜甲子園で強豪校との6試合に強烈な印象を残し山梨県勢初の優勝を飾った。注目されて出場した今大会でのプレッシャーは計り知れないものがあったと思うが、全員野球全力野球での戦いぶりは、2回戦で敗退したものの変わらなかった。ここからの目標は知将・吉田監督のもと、まずは夏の甲子園出場、そして春夏の優勝。真の強豪校の称号を手に入れるかに期待が集まる。

文(K.F) カメラ(今村佳正) 2023.5.21