山梨学院広報課

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●天皇杯全日本サッカー選手権 1回戦
~山学大PEGASUSはtonan前橋に4対3で勝利~
~打ち合いの激闘を制し2回戦はJ1柏と対戦~ 

天皇杯JFA第103回全日本サッカー選手権大会が5月20日に開幕し、山梨県代表の山梨学院大学PEGASUSは1回戦を群馬県代表のtonan前橋と21日にアースケア敷島サッカー・ラグビー場で対戦した。試合は前半立ち上がりから山学がハードワークの攻撃サッカーでゴールを狙い、ボールを繋いでアタッキングサードに侵入。対するtonanは粘り強い守備からのカウンターが持ち味で、球際の強さを見せ、山学の攻撃の芽を摘んでいく。両者互いに譲らずtonanが38分にCKのセットプレーを押し込み先制。1点ビハインドの山学はその2分後、右CKをDF加藤佑太郎が頭で合わせ同点に追いつく。1対1で前半を折り返すと後半13分、右CKをDF加藤がこの日2点目となるダイレクトボレーで勝ち越しに成功。17分にはMF宮川開成が押し込み3点目を追加。一方のtonanは29分に1点を返し、さらに43分に同点弾を決め、試合は3対3の振り出しに。山学は相手を上回る豊富な運動量でゴールをこじ開けようと前線にボールを繋ぎ、この執念が実りPKを獲得。これをMF岡澤韻生が落ち着いて決め、試合終了のホイッスル。この試合のシュート本数は山学13本に対し、tonan15本。壮絶な打ち合いを制した山学大PEGASUSは天皇杯初勝利をあげ、次戦・2回戦でJ1・柏レイソルと対戦する。
 
天皇杯サッカーは日本サッカー協会の1種登録のアマチュアチームからJリーグ加盟のプロチームまでが参加する日本最大のサッカートーナメントで日本サッカー最強を決める戦い。前回大会では、J2のヴァンフォーレ甲府が並み居るJ1の強豪を撃破し、初優勝の栄冠に輝き話題となった。第103回大会には、J1・18チーム、J2・22チーム、アマチュアシード(JFL選出)・1チーム、都道府県代表・47チームの計88チームが出場。山学大PEGASUSは山梨県社会人リーグ1部に所属し、第28回山梨県社会人サッカー選手権大会(天皇杯県代表決定戦)で優勝し、3年連続5回目の山梨県代表の座を勝ち取った。対するtonan前橋は2年ぶり7回目の出場で群馬県前橋市をホームタウンとする社会人チーム。豊富な運動量や粘り強い守備が特徴で、カテゴリーでは、PEGASUSの一つ上の関東サッカーリーグ2部に所属している。PEGASUSの武器であるハードワークの攻撃サッカーがどこまで通用するか、チーム一丸となり1回戦突破を目指し、格上相手に挑んだ。

天皇杯JFA第103回全日本サッカー選手権大会 1回戦
≪山梨学院大学PEGASUS VS tonan前橋≫
2023.5.21 会場:群馬・アースケア敷島サッカー・ラグビー場
〇 山学大PEGASUS 4 前半 1-1
後半 3-2
3 tonan前橋 ●
山学得点者: 加藤佑太郎×2、宮川開成、岡澤韻生

■前半、先制を許すもすぐに同点に追いつく。
試合は開始早々から山学がハードワークの攻撃サッカーで前線にボールを繋ぎ、得点の機会を伺う。8分には左サイドをFW風穴真苑(八戸学院野辺地西高)が巧みなドリブルで突破しバイタルにクロスを供給、これを走り込んだFW樋口 陸(三菱養和SCユース)が頭で合わせたがボールは僅かにゴール上に外れる。15分には右CKに合わせたDF瀬齊駿登(尚志高)のヘッドはゴール左に。前半序盤は山学が試合を優位に進めたが、20分過ぎからはtonanも攻勢を強める。山学は前線からプレスを仕掛けてボールを奪い、ショートカウンターで攻撃を組み立てるが、パススピードや精度に欠き、相手に奪われ中盤でのボールロストが多くなる。一方のtonanは山学のミスを見逃さず、武器である粘り強い守備からのカウンターで山学ゴールに襲いかかる。37分、山学のミスからボールを奪われ、ミドルシュートを打たれるが、ここは山学守護神GK増岡悠太(成立学園高)が片手1本でセーブ。しかし、直後のCKのセットプレーを押し込まれ、tonanに先制を許してしまう。まずは同点に追いつきたい山学は2分後の40分、MF深道也麻人(コンサドーレ札幌U-18)からの右CKをゴール中央で高さが武器のDF加藤佑太郎(東海大高輪台高)が頭で合わせ同点に追いつく。前半のスタッツは両チーム7本ずつのシュート、3本ずつのCKで互いに譲らぬ展開で、1対1で前半を折り返す。
 
■後半は山学ペース、壮絶な打ち合いをPKで勝ち切る。
後半立ち上がりは一進一退の攻防。山学は前半同様に厳しいプレスやインターセプトでボールを奪うとカウンターで一気にtonanゴールに向かう。13分、カウンターからCKを得ると1点目と同じくMF深道からの右CKに反応したDF加藤がダイレクトボレーで合わせ勝ち越しに成功。17分にもMF深道の右CKをFW樋口が頭でゴール前に入れ、MF宮川開成(飯塚高)が右足で押し込み3点目を追加。いずれも右CKからのセットプレーでの得点で、高い集中力を見せた山学が3対1と試合をリードし、連携した守備でtonanの攻勢を防ぐ。2点をリードした29分、バイタルエリアで混戦となり、山学が一瞬足が止まり、tonanにそのすきに押しこまれ、3対2と1点差。その後は、両チーム決定機に欠き、スコアは動かなかったが、山学が退場者を出し、一人少なくなった所で43分にtonanに同点弾を決められ、試合は振り出しに。後半アディショナルタイムは5分、山学は、最後まで相手を上回る運動量でゴールをこじ開けようと前線にボールを繋ぐ。勝負の行方は延長戦に委ねられるかと思われた45+8分、山学がPKを獲得。最後のワンプレーを託されたMF岡澤韻生(成立学園高)は落ち着いてゴールに決め、試合終了のホイッスル。この試合、山学のシュートは13本、CK8本、対するtonanはシュート15本、CK7本と激しい打ち合いに競り勝った山学は4対3で2回戦進出を決めた。
 

試合後の共同記者会見に臨んだ大場健史監督は「tonanさんの個の部分に苦しめられました。本当はもっとビルドアップしながら攻撃を仕掛けたかったのですが、まずは先手を取って、相手の背後を取り、セカンド(ボール)を拾いながらゴールを目指すことを意識しました。(同点に追いつかれ)サッカーは最後まで上手くいかない、分からないもので、退場で一人少なくなりましたが、選手たちは最後までしっかりゴールを守ってくれました。途中から出た選手も最初からプレッシャーをかけて、最後まで諦めない姿勢が出せたと思います」と試合を振り返り、次戦J1柏戦に向け「J1のピッチで戦えることは選手にとっては幸せなことだと思います。また、レベルの高いJ1の選手たちとプレーできることは、これまでに無い経験になり、選手たちが次のステップに向かう糧になると思います。良い準備をして頑張って食らいついていこうと思います」と意気込みを語った。
 
 
ゲームキャプテンを務めた樋口陸選手は「このPEGASUSは天皇杯1回戦勝ったことがなく、みんなまずは1回戦突破を目指し、気合を入れて、立ち上がりから気持ちが前面に出た試合になったと思います。きょうも(追加点が奪えず)我慢しなければいけない時間帯もあり、そこは焦れずにカウンターに繋いで、相手の攻撃も良く耐えたと思います。(一人退場して)流れは向こうになりましたが、ゲームキャプテンとして声で仲間を鼓舞し続けました。次のレイソル戦に向け、PEGASUS全員で総力戦で勝ちに行き、ジャイアントキリング起こします」とJ1撃破に向け、闘志を燃やした。この日2得点の活躍の加藤佑太郎選手は「相手も関東2部の格上で、自分たちはチャレンジャーとして球際や個の部分でこだわりを持って全員で試合に入れたので良い結果に繋がったと思います。(同点ゴールを振り返り、)自分の身長が武器になると思っていたので、CKで得点を決められて、練習でやってきたことを出せて良かったのと同点弾でチームも息を吹き返したので良かったです」と述べ、次戦に向け「自分たちが目指しているプロの世界で戦っているチームなので、きょうよりもきついゲームなり、強い気持ちで臨まないと勝てないと思います。試合の中でプロにどんなプレーが通用して何が足りなりのかなど学ぶ機会にもしたいと思います」と冷静に語った。この試合フル出場で決勝弾(PK)を決めた岡澤韻生選手は「前半序盤から相手の背後を取り、攻撃を仕掛けられたのは良かったですが、ボールをロストすることも多かったので課題だと思います。また、リードしている場面で守りに入ってしまうことがこのチームの改善点でもあるので、次は守りからしっかり攻撃が仕掛けられるようにしていきたいと思います。(PKは)練習では外すことが多かったのですが、きょうは落ち着いてしっかり蹴れました。(次戦は)自分たちはチャレンジャーなので、引かずにしっかり前から行って全力で戦いたいと思います」と課題を上げ、Jクラブとの対戦に決意を新たにした。
 
 
5回目の挑戦にしてチーム史上初めて1回戦の壁を突破した山学大PEGASUSは2回戦を6月7日に三協フロンテア柏スタジアムでJ1・柏レイソルと対戦する。柏は、PEGASUS指揮官(大場監督)がかつて選手として在籍していたクラブの一つ。先日就任した柏指揮官の井原正巳監督とは大場監督が鹿島・柏在籍時にJリーグで対戦経験もあり、かつて選手として相まみえた二人が今度は監督として対戦する。PEGASUSの選手たちもJクラブとの対戦に士気も高く、チーム一丸の攻撃サッカーでジャイアントキリングを起こせるか期待がかかる。

文(Y.Y)、カメラ(平川大雪)2023.5.22