山梨学院広報課

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●山学大PEGASUS 天皇杯初の2回戦J1に挑む
~柏レイソルのプロの強さを目の当たりに~
~完敗も山学スタイルに手応えの光明も~

「天皇杯第103回全日本サッカー選手権」2回戦が6月7日、千葉県柏市三協フロンテア柏スタジアムで山梨学院大学PEGASUS(ペガサス)とJ1・柏レイソルの対戦が行われた。2年連続5回目の天皇杯出場を決めた山学大は、5月20日開幕した天皇杯本選翌日、群馬県代表tonan前橋に勝利し、初の1回戦突破を果たし2回戦に駒を進めた。柏のキックオフで開始された試合は、地力に勝る柏が立ち上がりからボールを支配した4分、右CKからのボールを#8が右足で合わせ先制すると、柏のプレスに苦しむ山学大は、パスカットからの素早いパスカウンターで2点目を献上。さらにPKによる失点、アデショナルタイムにも巧みなコンビネーションプレーからの得点などで山学大は前半、持ち味の攻撃サッカーを完全に封印されリードを許した。サイドが変わった後半早々、山学大は柏ゴールに迫り、CKを得るも、セットプレーは不発に終わり好機を逃がす。一方の柏はその直後、山学のパスミスから1点を追加し0-5。その後も攻撃の手を緩めず、山学ゴールに迫り0-6と差を広げた。山学大も中盤、ようやく前線サイドにボールが通り、機能し始めた攻撃サッカーで好機を作るが相手GKの好守備でゴールを阻止された。それでもJ1相手に必死に食い下がった80分、こぼれ球をパスでつなぎ#17松原綾成がシュートを決め一矢を報いた。試合は、柏がその後もPKによる1点を加え、山学大は1-7でJ1の厚い壁に屈した。

「天皇杯JAF第103回全日本サッカー選手権大会」は5月20日・21日に1回戦が行われ、決勝は12月9日、国立競技場で行われる。出場チームはJ1-18チーム、J2-22チーム、アマチュアシード1チーム、都道府県代表47チーム、全88チームによって争われ、サッカー日本一のチームを決める。山梨学院大PEGASUSはこれまで2013年、2019年、2020年、2022年の4度の天皇杯本選出場を果たしており、今回5回目の出場に1回戦を群馬県代表のtonan前橋と対戦。前半を1-1の同点で折り返すと、後半は点の取り合いとなり、3-3からアデショナルタイム終了間際PKを獲得、それをMF岡澤韻生が落ち着いて決め4-3の接戦の末、初の1回戦突破を果たした。山学大は2回戦を格上J1・柏レイソルと対戦した。柏レイソルは今季J1リーグにおいて下位に低迷するも、過去にJ1での優勝を1回、J2では2回、天皇杯では1回の優勝を飾っており、Jリーグの名門チームの一つに数えられる。   

■前半、山学の攻撃サッカーを封じられるー
J1・柏レイソルのホームサポーター席は、ユニフォームの黄色一色に染まり、多くの応援団で埋め尽くされた。夕闇が迫るスタジアムに明るい照明がピッチを照らす中、両チームの選手が入場した。午後7時、柏のキックオフで開始された試合は、地力に勝る柏が立ち上がりからボールを支配した序盤4分、左サイドから右サイドへ大きくサイドチェンジした攻撃で得た右CKから中央へ速いパスを蹴りこむと、それに合わせた柏#8が走り込みワンタッチシュートで先制した。早い時間での失点と相手の強いプレスで苦しむ山学も、中盤には負けじと前線へプレスをかけて攻め上がりゴールを脅かした。相手DFにクリアされるも、山学らしい攻撃の片りんを見せた。しかし、その後の21分には自陣でパスカットされたカウンター攻撃で2点目を献上。相手の球際での強さから奪われた一撃だった。さらに終盤に入ると、J1の強さを見せつけられた。36分には柏のボールを奪った後の反撃に移る速さとパスの精度の高さでゴールに迫った選手を阻止しようと山学の懸命なディフェンスからPKを与え、3点目を決められた。アデショナルタイムにも選手の間を通すスルーパスをつなぐ巧みなコンビネーションプレーからの得点などで主導権を握られた前半、山学は持ち味の攻撃サッカーを封印され4-0と重いリードを許した。

◆サイドが変わった後半早々、山学は柏ゴール前でCKを得るも、セットプレーは不発に終わり好機を逃がす。その後、山学はメンバーチェンジとフォーメーションを変え、前へ出る意識を高め、相手スペースでのプレーが多くなるも、柏の攻撃力は衰えず再三山学ゴールを脅かした。柏の攻撃は49分、山学ゴール前でのDFとGKとのパスの連携ミスを柏選手が果敢にボールを奪い0-5とした。さらに59分にも山学ゴール前での混戦でゴールを決められ0-6と差を広げられた。山学大も中盤、ようやく前線のサイドにロングボールやパスがつながり、機能し始めた攻撃サッカーでシュート、CKなど連続で相手ゴールに迫ったが相手GKの好守備でシュートを阻止された。それでも自分たちのプレーがJ1相手に通じ互角に戦い合う時間が増えた80分、ハーフフェイライン付近で奪ったこぼれ球をパスでつなぎFW#17松原綾成(3年)がドリブルで持ち込み左足シュートをゴール右上に決め一矢を報いた。これを機に山学はさらにボールに対する集中度を上げ、積極的に前線にボールを供給し、柏ゴールを狙った。しかし、柏がその後も終了間際にPKによる1点を加えて終了。山学は1-7でJ1の厚い壁に跳ね返されるも、後半中盤から終盤に見せたサイド攻撃、中央突破と山学の攻撃スピリッツはこれからの成長に大きな弾みをもたらした。

2023年度 天皇杯JFA第103回全日本サッカー選手権大会 2回戦
《山梨学院大学PEGASUS VS J1・柏レイソル》6/7 三協フロンテア柏スタジアム
● 山梨学院大学PEGASUS 1 前半0-4
後半1-3
7 J1・柏レイソル 〇
PEGASUS得点者:後半=松原綾成 

◆山梨学院大PEGASUSスターティングイレブン=GK#1増岡悠太③、DF#28加藤佑太郎②、DF#3堀内大和④、DF#18神林翼③、MF#2藤田夏寿丸③、MF#5岡澤韻生③、MF#19河合銀汰③、MF#10深道也麻人④、MF#14宮川開成③、FW#19幡上颯太③、FW#7風穴真苑③ ❖リザーブ=GK#21小林志名③、DF#25小澤舜也④、DF#6小野 暉③、DF#4瀬齊駿登③、MF#16岩岡遼太③、FW#17松原綾成③、FW#11樋口 陸④ ※〇囲みは学年。
❖交代:#18⇒#17、#14⇒#4、#9⇒#6、#7⇒#11 

試合後、大場健史監督は「スピードもパワーも運動量も全然違うので、選手たちには“思い切りやって来い”と。それが人生の中で1回か、2回になるかもしれないし、その選手たちの人生の中の通過点ですけれども、どれだけ自分の力を出せるかどうかと送り出しました。もちろんバタバタしたシーンもありましたけど、最後までやり切ったのかなと私の中では思っています。彼らに感謝しています」と全力で戦った選手をたたえた。さらに「どれだけ彼らが通用するかも含めて、すごくいい経験をしたかなと思います。そして、下がって下がってというのは嫌なので前から前から行こうというのが山学のスタイルなのでそこを崩さずやってきました。1点取れたのはとても素晴らしかった」とこれからも山学スタイルを醸成させる。J1チームから貴重な1点を記録したFW#17松原綾成選手は「うれしいですけど試合には負けているので複雑な気持ちです。プロとのレベルの差をすごく感じました。例えば止めて蹴る基本的な事だったり、切り替えの速さだったりチャンスを決めきれる得点能力というところでプロとの差を感じました」と感想を語った。J1と同じピッチに立って、「こんな応援が大きいというのが初めてだったので非常にアップの時からワクワクして楽しかったです。得点シーンに関しては前から行けてそこで得点につながったのはよかったと思うんですけど、チームとしては自分たちのサッカーはできなかったです」と悔いを残した。怪我の影響のためスターティングを外れた樋口陸主将に代わってゲームキャプテンを務めたMF#10深道也麻人選手は「格の差を見せつけられました。前半の1発目のCKから失点してしまったのでそこで一気に相手に流れを持っていかれてしまったので試合展開的にはもったいなかったと思いました。一つひとつすべてに負けたなと実感しました。(監督からは)こんなチャンスはないと言われていて楽しもうと思っていたんですけど、やはりレイソルの流れになるときつく90分厳しい戦いでした。攻撃面では不完全燃焼ですけど、守備ではみんな頑張っていた」と試合を振り返った。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2023.6.8