●2023年度インターハイサッカー山梨県予選決勝
~山学高、帝京三を下し2連覇7回目の優勝~
~後半序盤、反撃を受けるも得点許さず。反省も~
2023年度「全国高校総合体育大会サッカー(インターハイ)山梨県予選」決勝戦が6月18日、韮崎市中央公園陸上競技場で行われた。山梨学院は帝京第三高と対戦し、3-0で勝利し2年連続7回目の優勝を飾りインターハイの出場権を獲得した。両校は山梨県高校総体決勝戦でも対戦し、そこでも山梨学院が勝利を収めており因縁の対決となった。試合は山梨学院のキックオフで開始された。序盤からサイドからのプレーを起点にスピードに勝る攻撃陣が好機を作った8分、右サイドから受けたボールを#11FW関口翔吾のゴールバーに当ったヘディングシュートから返ったボールを再び関口がキックでシュートを決め先制点を奪った。その後も、山梨学院が主導権を握り再三ゴールに迫るも帝京第三のディフェンスも堅くそのまま1-0で前半を終了。後半、帝京第三はメンバーを3人替え、前線への縦パスで攻撃の形に変化を付けると、ボールがつながるようになり立て続けに山学ゴールを脅かしたが山学ディフェンス陣も身体を張ってゴールを守った。守勢だった山学も55分、CKのこぼれ球を#8MF駒田晴生が中央に上げたクロスボールを#19FW高野夏輝が頭で押し込み2点目を追加。さらに一進一退の攻防が続いた64分、山学#3DF坪井昊のロングスローイングを#9FW関塚力登がヘッドで落とし3点目を奪った。その後は帝京も得点機を作るが山学の前に無得点に抑えられた。勝利した山学は7月下旬開催のインターハイ北海道大会に出場する。
全国高校選手権2度の優勝を誇る山梨学院高サッカー部のインターハイ出場は2008年(平成20年)・2010年(平成22年)・2011年(23年)・2014年(平成26年)、2018年(平成30年)、三重県で開催された大会に5回目の出場で初優勝を飾った。いまや全国高校選手権2度の優勝を含め全国制覇3度を誇る強豪校として注目されるようになった。そして、今年もインターハイ県予選を2連覇7回目のインターハイ出場を決め、2回目の優勝を狙う。
■2023年度インターハイ県予選決勝戦 帝京第三高と対戦ー
南アルプスの山々が眼前に迫る、周囲を緑に囲まれた韮崎市中央公園陸上競技場で決勝戦が行われた。韮崎高と日本航空高との3位決定戦後の午後1時半、30度を超える晴天の中、多くの保護者やサッカーファンが集まった。試合は山梨学院のキックオフで開始された。序盤から山学はサイドからのプレーを起点にスピードに勝る攻撃で前線に圧力を掛け、揺さぶりを掛けてペナルティエリアまでボールを持ち込んだ。開始3分、右サイドアタックから#11FW関口翔吾(2年)のクロスボールを#10MF富岡玲音(3年)がゴール右に外れるも果敢にファーストシュートを放った。その後の8分、ボールを左サイドから大きく右サイドに切り替え、前線中央につないだボールを#11FW関口翔吾のヘディングシュートがゴールバーに当たり、ゴール前の混戦からから再び関口がキックでシュートを決め先制点を奪った。中盤、帝京三も逆襲。右サイドアタックから抜け出した#9FWがドリブルからシュート態勢に入るも山学#3DF坪井昊(3年)が足を伸ばしクリア、難を逃れた。その後も、一進一退の時間帯が続くもボールを長く保持する山学が主導権を握り再三ゴールに迫った。山学の攻撃に対し相手ディフェンスやGK(ゴールキーパー)の守備は堅く追加点を奪えないまま1-0で前半を終了した。
■後半、ハードワークに裏付けられた攻守が勝利を引き寄せるー
ハーフタイムを挟み後半、メンバーを3人変えた帝京三のキックオフで開始された試合は、立ち上がり42分、帝京三の左サイドから供給されたパスから#7がシュート、さらに45分にも右サイドアタックからクロスボールを同じく#7がシュートを試みるがいずれもゴールを外したが、帝京三は前線への縦パスで攻撃の形に変化を付けると、ボールがつながるようになり立て続けに山学ゴールを脅かした。一方、やや守勢の時間帯が続いた山学だったが、55分、CKのこぼれ球を右サイドの#8MF駒田晴生が中央に上げたクロスボールを#19FW高野夏輝(3年)がゴール左に頭で押し込み2点目を追加。ここで山学も前線を3人替え、ハードワークで活性化を図った。一進一退の攻防が続いた64分、深い右サイドタッチラインから山学#3DF坪井昊(3年)のロングスローイングをゴール前のセットプレーに中央に詰めていた途中出場の#9FW関塚力登(2年)がヘッドで落とし決定的な3点目を奪った。その後は帝京三も得点好機をつくるも山学の素早いポジショニングやDFのプレスなどで相手の攻撃の芽をつぶしていった。それでも帝京三もカウンター攻撃で山学DFを振り切りGKと1対1になる絶好の得点好機にもシュートをゴール枠に当てるなど得点に恵まれず、山学の前に無得点に抑えられた。3-0で優勝した山学は7月下旬開催のインターハイ北海道大会の出場権を獲得した。
■決勝戦試合結果
2023年度全国高等学校総合体育大会サッカー山梨県予選 決勝戦 《山梨学院高VS帝京第三高》6/18 韮崎市中央公園陸上競技場 |
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○ 山梨学院高 3 | 前半1-0 後半2-0 |
0 帝京第三高 ● |
山梨学院得点=前半:関口翔吾、後半:高野夏輝、関塚力登 |
■山梨学院高校スターティングメンバー
#1GK堀川史羽(3年)、#2DF鈴木琉斗(2年)、#③DF坪井昊(3年)、#4DF志村晃(2年)、#5DF小柳堅也(2年)、#6MF根岸真(2年)、#7MF本多弥沙哉(3年)、#8MF駒田晴生(3年)、#10MF富岡玲音(3年)、#11FW関口翔吾(2年)、#19FW高野夏輝(3年) ※数字に〇印は主将
■交代=#8駒田⇒#9FW関塚力登(2年)、#10富岡⇒#14MF川村伊吹(3年)、
#19高野⇒#20FW五十嵐真翔(3年)、#11関口⇒#13DF斉藤幸之介(3年)、
#7本多⇒#18MF阿部海翔(2年)
試合後、岩永将監督は「帝京さんもすごく力があるとは分かっていたので、3点取れたのは運が良かったこともあると思うんですけど、守備で0失点に抑えたことが何よりもチームとしては成果だったと思います。課題はいっぱいありますし、ヘディングにしても相手の方が強いですし、それでセカンドボールも拾われる場面もいっぱいあったので、その辺は全国大会までにはもう1回やり直したい」と1か月半後の大会に照準を合わす。目標を聞くと、「ベスト8には入れれば。そこをしっかり目指してそこまで行ければそこからまた、優勝というのが見えてくるので」と控えめに語った。先制点を入れた関口翔吾選手は「今までプリンスリーグでも県総体やインターハイ予選で今まで1点も決められなかったので、今日は絶対獲ろうと思って、決めた時はすごくうれしかった」と素直に喜んだ。早い時間に取れたことに、「これがチームの狙いだったのでとても良かったです。自分はウイングですけど、守備陣だけではなくて組織的な守備を心掛けていたので良かった」と振り返った。初めての全国大会出場に、「全国という舞台はいろいろな人が見ているのでいろいろな人を魅了できるようなプレーをしたい」と意気込んだ。後方から広い視野でチーム全体をコントロールした坪井昊主将は「いい時間帯に点を獲れたのでチームに勢いが出ました。前半が終わった後も全員で気を緩めないようにとミーティングして話してたのでみんなの集中力で2点、3点と獲ることができた」と語った。無失点に抑えたことには「自分たちディフェンスラインからしたら最高の結果なんですけど、相手に1対1のチャンスを与えることも多かったのでそこはもっと気を引き締めて、やって行かなければ」と課題を口にした。インターハイに向けて、「まだまだ課題があるので一つでも克服してもっと成長した姿で北海道で暴れてきたいと思います。やるからには上を目指すんですけど、まずは一つひとつの勝利に向かって行きたい」と冷静に答えた。
山梨学院高は今日の優勝で山梨県高校総体関東大会予選に続く2冠を達成。インターハイ(全国高校総体)サッカー山梨県代表7回目の出場切符を手に入れた。北海道高校総体サッカーは、男子は北海道旭川市で7月28日に開会式、7月29日から8月4日までの日程で競技が行われる。山梨学院高は2度目の全国制覇に向け、1か月半後の戦いの準備に入る。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2023.6.19