山梨学院広報課

HOME

山梨学院パブリシティセンターニュースファイルイメージ画像

●全日本学生柔道優勝大会 山学女子悔しいベスト8
~決勝進出の好機を新興勢力に不覚~
~男女とも年々、力が拮抗 実力校も油断できず~

2023年度「全日本学生柔道優勝大会」が6月24日、東京・日本武道館で開幕、25日までの2日間の日程で行われる。1日目は女子の1回戦から決勝戦までと男子の1回戦。2日目は男子2回戦から決勝戦までが行われる。全国地区から男子62、女子40大学がA・Bグループに分かれてトーナメント方式で日本一を争う。女子5人制で9回の優勝を誇る山梨学院大(関東)は昨年、ベスト8に順位を落としその巻き返しを図るべく大会に臨んだ。男子7人制の山梨学院は昨年、まさかの1回戦敗屈辱を味わった。1日目、山梨学院女子は初戦を帝京科学大と対戦、2-0で手堅く勝利、2戦目は順天堂大に3人が1本勝ち、1人が技ありで4-0と快勝した。3戦目準々決勝で勝利すれば3位以上を確定する対戦は、最近、地力を付けてきた仙台大。先鋒の渡邉彩香が技ありを奪われ落とし先制されると、次鋒、中堅が挽回できずに引き分け、4番手副将の喜多なつみと大将の瀬戸美咲に勝負を託すが喜多が1本負けを喫しここで2敗、山梨学院の敗退が決まり、今大会もベスト8に留まった。女子の表彰式後、男子の1回戦が開始され、山梨学院は強豪ひしめく東京地区代表の明治大と対戦。1番手、2番手は引き分けに持ち込んだが、3番手、5番手が技ありと1本負けでここまで0勝2敗3分け、6番手が負けか引き分けでも敗退が決まる中、副将の武田幹太の必死の頑張りもむなしく引き分けに終わり、男子は2年連続の1回戦敗退。次こそ男女とも捲土重来を期す。

試合方法は、女子は5人制と3人制の2部制で行われ、山梨学院大(関東)は5人制で出場した。5人の点取り式によるトーナメント戦で、各試合の配列は、先鋒・次鋒は57㎏以下、中堅・副将は70㎏以下、大将は無差別と決められている。男子は7人制で選手選出、配列は自由と決められている。女子5人制の部は出場40校がAグループ、Bグループに分かれ各グループ1位によって決勝が行われた。山梨学院女子は2014年から2018年まで史上初の5連覇を含め、史上最多9回の優勝を達成しており、昨年、準々決勝で敗れて8位と順位を落とし、強豪校の鎧を被った王者の威信を損ねる事態になった。

■大会1日目 女子初戦(2回戦)帝京科学大、3回戦、順天堂大に順当勝ち―
❖1日目初戦、帝京科学大(東京地区代表)との対戦。山梨学院先鋒に、5月に開催された世界選手権ドーハ大会48㎏級で3位に入賞した古賀若菜(4年)が団体戦に久々に出場した。古賀は切れ味鋭い動きで技あり2回を決め合わせ技1本で勝利。続く次鋒・渡邉彩香(3年)も中盤に内股1本で2勝を先行。続く、佐々木南(4年)、副将・並木あのん(3年)、大将・山本海蘭(1年が)の3人が引き分けたため、2勝0敗で初戦を突破した。
■3回戦 6/24 山梨学院大VS順天堂大 4勝0敗ー 

  先鋒 次鋒 中堅 副将 大将
山梨学院大 古賀若菜 高屋歌鈴 佐々木 南 喜多なつみ 瀬戸美咲
 
技あり
引き分け
技あり

技あり

技あり
順天堂大 清水 川崎 吉岡 杉田

❖2戦目は同じく東京地区代表・順天堂大との対戦で山梨学院は圧倒的強さを見せた。先鋒の古賀が背負い投げで技ありを奪うと、次鋒の高屋歌鈴(3年)が引き分け、続く中堅の佐々木南(4年)が大外刈り、喜多なつみ(1年)が合わせ技で1本、大将の瀬戸美咲(2年)が大車をきれいに決め、3連続1本勝ちの4勝0敗で準々決勝に進んだ。

■準々決勝 6/24 山梨学院大VS仙台大 1勝2敗惜敗ー

  先鋒 次鋒 中堅 副将 大将
山梨学院大 渡邉彩香 古賀 佐々木 喜多 瀬戸
 
技あり
引き分け 引き分け
一本負け

一本勝ち
仙台大 小坂 坂口 井上 吉田 新名

■準々決勝、地力を発揮した新興勢力、仙台大に苦しむー
準々決勝は、実力校の帝京大、前々大会準優勝の福岡大を破り勝ち上がってきた東北地区代表の仙台大学。勢いに乗る仙台大は、全員がアグレッシブに対戦相手と戦ってきた。先鋒は若菜に代わって渡邉。序盤、仙台の相手に苦戦するが落ち着いて対応して、攻めに入ったところを返され背負い投げで技ありを取られた。その後、渡邉も攻勢を掛けるがかわされ敗れた。次鋒の古賀が多彩な攻撃で主導権を握るも、相手も必死に耐え続け引き分けに終わった。
続く中堅の佐々木も相手と互いに組み手争い、技掛けと激しく一進一退を繰り返すが、互いに決め手なく引き分けで終了した。ここまで3人終わって0-1でリードされた展開で、2戦目で合わせ1本で勝利した喜多が2戦目にも起用され、積極的に仕掛けた技に足を掛けられ、内股で投げられ1本を取られた。ここで2敗して勝負は仙台に上がったが、最後の大将・瀬戸が残り1分を切ったところで一瞬の隙を見逃さずに裏技で1本を決め一矢を報いたものの、山梨学院は仙台大の勢いに押され惜しい試合を逃した。目標を最低でもベスト4を目指したが前回大会に続きベスト8で大会を終えた。女子の優勝は、環太平洋大が10年ぶりの優勝に輝き、2位には国士館大、3位に前回覇者の東海大と、仙台大が初の3位となった。優秀選手に瀬戸美咲選手が選出された。

試合後選手を集めて、西田孝宏監督は「負けて悔しい結果だったけど、正直言って収穫あった。1年生2人も頑張ってくれて、勝てない勝負ではなかったけど、今後の試合につながるような試合をしてくれた。謙虚にこの結果を受け止めて、来年またしっかり立て直してやって行こう」と選手を労い、鼓舞した。関根健寿コーチは「もちろん優勝を目指してやってきたけど関東で負けて(3位)、そこからのこの1か月間というのは非常にチームがまとまりながらいい練習を、雰囲気からそうだし、他のすべてが一つにまとまりながらやってこれたなという気持ちがあった。それがゆえに非常に悔しい。キャプテンからもやるべきことをやったんだからすべてを出し切ろうと話して、そういう試合の展開ができたんじゃないか、その部分に関してみんなのことを高い評価をしたいと思う。これから団体戦もある、個人戦もたくさんある。そういったところで一つひとつ挑戦していく気持ちでやって行ければいい結果につなげていけるチームになれると信じている」と話した。古賀若菜主将は「一戦一戦が大事で全力で戦ったんですけど、最初、自分は出ないつもりだったんですけど、みんなと頑張ってきて出ると決めて、今、試合が終わって出て良かったなと思うし、すごく楽しい試合でした」と込み上げるものを抑えた。キャプテンとして他の選手を見てきて、「みんな本当に優勝を狙っていて、最低でも3位以内に入りたいねと話していたのでこの試合が山場だとは分かっていたので全力で取り組んだんですけど、まだまだ足りない部分があったですけど、みんなの試合からも力をもらったし、良かったです」と次の団体戦で本来の山梨学院大の強さを見せる。

■大会1日目 男子1回戦 伝統の強豪・明治大と力をぶつけ合うー
女子の表彰式後、男子の1回戦が開始された。山梨学院はこれまで最高3位を2回、優秀校(ベスト8)に7回選出されているが近年はベスト16が多く、男女とも一部の上位校除いて、実力が拮抗しており、山梨学院男子は昨年度、痛恨の1回戦敗退を喫してしまった。山梨学院の初戦は、強豪ひしめく東京地区代表の明治大と対戦した。明治はこの大会の優勝、準優勝の実績はないが安定した強さを誇る実力校。山梨学院は明大を破り勝利の流れを呼び込みたいと1回戦に臨んだ。1番手先鋒の伊津見章(3年)、2番手次鋒の松本凌(3年)は力と力をぶつかり合い互いに譲らず引き分け、3番手五将・東家瑞貴(4年)は序盤の攻防で足を引っかけられ倒れて技ありで敗退。続く中堅・北原颯大(2年)は引き分け、次の三将・大島信進之助(4年)が序盤、中盤に同じ技2本で合わせ1本を奪われ、痛恨の2敗目を喫し、0勝2敗3分けとなった。山梨学院は残り2試合を2勝して同点にし、延長戦で挽回するため6番手副将・武田幹太(2年)と7番手大将・坂口稜(1年)の2人に勝利を託したが、武田は主導権を握られ守勢に回り何とか守り抜き引き分けた。しかし、2敗4分けとなり、勝利がなくなりまたも1回戦敗退が決定した。2年連続1回戦敗退、急務の立て直しが必要になった。

■男子1回戦 6/24 山梨学院大VS明治大 0勝2敗ー

  先鋒 次鋒 五将 中堅 三将 副将 大将
山梨学院大 伊津見章 松本凌 東家瑞貴 北原颯大 大島進之助 武田幹太 坂口稜
  引き分け 引き分け
技あり
引き分け
技あり
引き分け 引き分け
明治大 伊澤 黒川 甲木 徳持 竹村 福永

試合後、西田秦悟監督は「元々、厳しい戦いだったけど、力的には向こうのが上だし一生懸命やってきてあと一歩及ばなかった。去年もここの場所で1年後に向けてしっかりやろうと、誓ったんだけど、今の俺たちの現実は非常に厳しい。シード校から落ちて這い上がろうとやっているんだけど、明治など強豪校に勝っていかないと上に行けないから、それだけの力を付けて、何度でも立ち向かっていくしかないから。今回及ばなかったけど、気持ちの入った試合はできたと思うのでこういった試合を続けて行けば必ず叶うから、今回再び悔しい思いをしたけど、折れずにやって行こう」とチームに奮起を促した。今回の出場はなかった鈴木郷生主将(4年)は「この試合まですごくいい状態で来ていて、1回戦明治大と決まって、元々強い相手なので厳しい戦いになるとは分かっていたので、チーム全員が勝利を信じてやってきて結果は、及ばなかったですけど、次につながる負けだと感じているので次の尼崎(体重別団体)の全国大会では必ずベスト4に入って、今日負けた借りを全部尼崎でぶつけたい」と躍進を誓った。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2023.6.24