●第42回全日本大学ホッケー王座 3位決定戦
~山学女子先制するも、東海学院に敗れ4位~
~第1Q 終了寸前の同点打で流れが変わる~
7月14日開幕した2023年度「第42回全日本大学ホッケー王座決定戦」男女決勝戦、3位決定戦が7月17日、立命館OICフィールドで行われた。山梨学院大ホッケー部女子は昨日の準決勝で立命館大に敗れ3位決定戦に回った。この日、午前9時より最初に女子の試合が行われ、山学は昨年と同じ東海学院大と対戦した。試合は第1Q序盤、山学は東海学院が獲得したPCのピンチにディフェンスが確実にブロック、事なきを得た。山学は終盤、積極的に攻撃を仕掛けた12分、#15松波芽依がドリブルでサークルへ持ち込みリバースシュートをきれいに決め、先制した。その後も優位に進めていた終了間際、東海に攻め込まれたサークル内の攻防で、終了の合図とほぼ同時に放たれたシュートが決まり同点に追いつかれた。第2Q中盤には、GK松花衣が弾いたシュートのこぼれ球を押し込まれ逆転を許した。この2点は防ぐことができた得点であるだけに悔やまれる。第3Q、互いにゆずれない攻防の中、山学は10分、前にプレスをかけて攻め込んで獲得したPCを#27松田昌実のフリックシュートで再び同点に追いついた。さらに続けて13分、再びPCの好機を得るも、相手GKの好セーブで逆転機を逸した。2-2の同点で迎えた第4Qの序盤、東海は攻撃で獲得したPSを確実に決め、2-3と再度逆転。その後、山学は果敢な攻撃で何度も得点機をつくるも、東海の堅いディフェンスを崩せず、この大会は4位で終わった。
■女子3位決定戦 互いに多くの五輪選手を輩出する強豪校同士の対戦ー
山梨学院大女子は、1994年の創部からこの大会、1996年に初入賞準優勝、翌1997年にも準優勝を果たした。続く1998年は創部4年で念願の初優勝を飾った。その後も優勝、準優勝を繰り返し、ここまで決勝進出は15回を数える。昨年は初準優勝から初めて3位に甘んじた。昨日の試合後、ゲームキャプテンの福永舞依選手が「この悔しい気持ちを明日の試合にすべて出しきる」と話し、結果が出るか3位決定戦に臨んだ。対戦相手は前回大会でも3位を争い、山梨学院が2-0で勝利した東海学院大(東海第1代表第4シード)。東海学院はホッケーが盛んな岐阜県各務原市にあり、ホッケー部の歴史は山梨学院よりも10年古く、オリンピック出場選手も山梨学院同様、多く輩出している名門である。この大会の記録でもでも山梨学院の6回の優勝を凌ぐ歴代2位・8回の優勝を誇り、インカレ(全国学生選手権)では一昨年の優勝、昨年も準優勝を果たした大学女子ホッケー4強のチーム。
■前半戦、山学がきれいなシュートで先制して勢いづくが、防げた失点で逆転されるー
7月17日午前9時前、昨日の準決勝に続き朝から快晴の立命館大茨木キャンパス・OICフィールドはすでに30℃を超える。散水作業も終わり準備万端試合開始を待った。試合は午前9時丁度、東海学院のセンターパスで始まった。左から右に攻める東海が開始早々、PC(ペナルティーコーナー)を獲得。山学は失点のピンチを迎えたが、ディフェンスのブロックで危機を逃れた。山学も積極的に両サイドを使い攻撃を仕掛けるも、一進一退が続いた終盤12分、右サイドからのパスを中央で受けた#23澤口莉奈(2年)がサークル付近の#15松波芽依(2年)に通し、松波がドリブルで持ち込みそのままリバースシュート(右利きと反対の態勢)をきれいに決め先制した。気を良くした山学はその後も優位に進めていたが終了間際、東海のサークル内の攻撃に、一瞬の空白が生まれたのか、終了の合図とほぼ同時に放たれた東海のシュートが決まり同点に追いつかれた。山梨学院はこの判定に対してリファーラル(他の競技のチャレンジにあたる)したが認められなかった。1-1で第2Qに入ると、勢いづいた東海が序盤から攻勢を懸けボールを支配するも、山学も堅い守備で凌ぎ反撃の好機をうかがった。しかし中盤、東海の左サイド攻撃からサークル内に打ち込まれたボールを東海#10がシュート。山学GK松花衣(4年)が阻止するもそのこぼれ球を#21がゴール左上にシュートを決め1-2と逆転した。
■後半戦 同点に追いつくも、最終第4Qで手痛いPSで失点ー
❖第3Q、山梨学院のセンターパスで開始。早く追いつきたい山学は、立ち上がりから積極的に前にプレスをかけ、マイボールの時間帯を続けた。優位に立った10分、東海の右サイドから中央へのパスを#23澤口莉奈(2年)がカットし、サークル内に攻め込んで獲得したPCを#27松田昌実(2年)がフリックシュートを打ち込み、再び同点に追いついた。さらに勢いに乗る13分、再びPCの好機を得るも、相手GKの好セーブで逆転機を阻止された。2-2の同点で迎えた最終第4Q、立ち上がり2分、東海は左サイドからフィジカルの強い#11がサークル内に持ち込み、パスを受けた#3選手がシュート態勢に入ったところを自陣守備陣が手痛い反則を犯した。東海は獲得したPS(ペナルティーストローク)を確実に決め、再度リードした。中盤、攻撃の手を強める山学はPCを2連続で獲得するが相手ディフェンスとGKが手堅くゴールを守った。残り2分を切り、#17米山まいり(2年)のパスカットから#1高島鈴唯(4年)がサークルにドリブルで持ち込みGKとの1対1の決定的な好機をつくったがタイミングが合わず、シュートはならなかった。試合は2-3のまま終了。今大会、山学は昨年3位から順位を落とし4位となった。4強の戦いは熾烈を極めた。
2023年度第42回全日本大学ホッケー王座決定戦 女子3位決定戦 《山梨学院大VS東海学院大》7/17 大阪・立命館OICフィールド |
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● 山梨学院大 2 | 1Q 1-1 2Q 0-1 3Q 1-0 4Q 0-1 |
3 東海学院大 〇 |
山梨学院得点=松波芽依、松田昌実 |
試合後、ジョン・シアン監督は「4位。残念ですね。1Qの終了間際の失点が流れを変えましたね。今日の試合でもうちは1、2年生の出場が7割位占めていて課題と学ぶことが多いですが、ここまでにも日本リーグで社会人に2つほど勝っているので、これからが面白くなるでしょう」と負けはしたが、チームの成長に期待を寄せる。ゲームキャプテンの福永舞衣選手は「先制点を獲って、みんな足も動いていたし行けると思ったのに」とほぞを噛んだ。4位となり入賞を逃したことに、「結果を受け止めなければいけないですけど、若い後輩が頑張っているので私たち上級生も刺激を受けていますし、インカレでは全員で優勝を狙います」と気持ちを切り替え、前を向いた。
山梨学院女子は残念ながら4位となったが準決勝、3位決定戦と4強での戦いの中で1点差の惜敗と健闘した。伸びしろの多い若いチームは秋のインカレに向け暑い夏の練習と経験を重ね、一回りも二回りも大きくなってフィールドに立つ。
男女とも12チームで争われた第42回全国大学ホッケー王座決定戦の4日間が終了した。今大会の結果は、女子は連覇を果たした天理大、準優勝:立命館大、3位:東海学院大、4位:山梨学院大。男子の結果は、優勝:天理大、準優勝:立命館大、3位:明治大、4位:朝日大となった。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2023.7.18