山梨学院広報課

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●2023年関東大学テニスリーグ戦女子1部 2戦目
~1戦目筑波大に勝利し、2戦目王者慶應大に挑む~
~シングルスで善戦するも王者の壁を開けられず~

全国で屈指の強豪校が揃う関東大学テニス部が母校の名誉と強さを懸ける伝統の大会「2023年関東大学テニスリーグ戦」女子1部が8月25日、有明テニスの森で開幕した。山梨学院大は1回戦を強豪筑波大と対戦、25日開幕日の1回戦Ⅾ(ダブルス)2試合、27日にS(シングルス)5試合を戦い4勝3敗と勝利。幸先の良いスタートを切った。山学大は近年、1部残留に苦しみながらも1部昇格以来、14年間連続して1部を死守。筑波大初戦勝利は継続に向けて弾みのつく1勝となった。8月30日2戦目は、同会場で今、大学テニス界で王者として君臨する・慶應義塾大がはだかった。午前中にダブルス2試合が同時にスタート。1回戦、筑波戦でダブルス2試合が勝利を収めたことが初戦勝利の大きな引き金になったため、2戦目もダブルスで番狂わせを狙い試合に臨んだが、今年のインカレ準優勝ペア擁し、選手の層の厚さで盤石の態勢を持つ慶應大に両ペアとも屈した。午後から始まったシングルスは5試合中、3試合をフルセットに持ち込み、勝利のチャンスはあったものの、スピード、ボールコントロールの正確さ、長時間を戦うフィジカル強さで最後押し切られ、慶應の壁は破れなかった。通算成績は1勝1敗、今年も1部残留へ14年連続の挑戦が始まった。3戦目は9月2日、同会場で昨年の大会で勝利している明治大と対戦する。

男子77回、女子59回を数える伝統の「2023年関東大学テニスリーグ」男女1部は、10年ぶりに全日程が有明テニスの森で開催される。山梨学院大テニス部女子が所属する1部リーグは6チームからなり、4位までは自動的に残留になるが、5位、6位チームは2部リーグの1位、2位と入替戦が行われる。今季1部リーグの順位は慶応義塾大、筑波大、亜細亜大、早稲田大、山梨学院大、明治大の順位で8月25日から9月8日まで、2日おきにダブルス2試合、シングルス5試合を5大学総当りで熾烈な戦いが展開される。山梨学院はこのところ入替戦での残留争いを強いられ苦しみながらも2010年の1部昇格から13年間連続(コロナ禍による中止2年を含む)1部を死守してきた。8月25日、27日の開幕戦で昨年準優勝の筑波大との対戦はダブルス2勝、シングルス2勝3敗の4-3で勝利し幸先の良いスタートを切った。

■2戦目慶應義塾大学戦 ダブルス2試合 8/30日 午前・晴れ 有明テニスの森

ダブルス2試合が午前9時50分に同時に始まった。山梨学院は、D1中川原凛(2年)・長谷川美愛(1年)ペアとD2木塚有映(4年)と横川円香(4年)ペアは1回戦で筑波大を破り勝利に導いた立役者。今日の木塚・横川ペアの対戦相手は先日行われたインカレ準優勝のペア。中川原・長谷川美愛ペアの相手も実力者で苦戦が予想された。試合は、山学両ペアは慶應ペアのスピード、ボールの速さ、ショットの正確さに対応しきれず、返球の浮き球を捉えられ失点を重ねた。出足から相手に主導権を握られ粘り切れずに、D1中川原・長谷川ペアは2-6・0-6,D2木塚と横川ペアは0-6・3-6で敗れた。相手のコンビネーションテニスに完敗した。

■シングルス5試合、ダブルスの敗戦を盛り返せるかー

正午、シングルスに最初に登場した山学の長谷川優衣(4年)は、1戦目の筑波戦シングルスで勝利に貢献した。第1セット第1ゲームで40-40の長谷川のアドバンテージの時にコートのアクシデントが発生、補修のための中断で他のコート調整が難航し結局、別のコートで再開したのは1時間半後となり再開後のこのゲームは相手に獲られた。打ち合いから好機を見出すタイプでの両者は正確なラリーを繰り広げる一進一退のゲームが続き第1セットは長谷川が3-6で落とすも、第2セットは立ち上がりから4連続ゲームを獲り6-4とセットカウントを同点に戻した。しかし、ファイナルセットは暑さで精彩を欠いたのか1-6と敗退。残念な結果に終わった。

❖姉の長谷川優衣の試合の20分後に隣接の2コートで同時に妹・長谷川美愛(1年)と日野和佳子(2年)のゲームが始まった。 ❖長谷川美愛はダブルスの試合終了後1時間でのシングルス。第1セット、相手のテンポに合わず0-6と落とすと第2セット、2ポイントを先行されると試合開始から9ゲーム目にようやくポイントを返すと長谷川の反撃が始まった。相手の力強いショットにフットワークで対応、相手コートに正確なショットでミスを誘い追い詰めると、5連続ポイントで一気に主導権を握りこのセット6-3で奪取。セットカウント1-1、ファイナルセットへ。長いブレイクを挟んでゲームは再開。勝利を掛けて互いに死力を絞る一進一退の攻防が続き4-3のリードから最後は粘るも逆転負けを喫した。 ❖同時進行している日野和佳子は第1セット、力強いショットで相手のリターンがネットに掛かる場面が多く期待を抱かせた。相手も鋭いフォアハンドで日野を揺さぶりでゲームは互いにアドバンテージを奪い合うが詰めの差で2-6とセットを落とした。第2セットは相手のファーストサーブポイントで開始されると、日野のエンドオーバーなどミスが目立ち、相手のサービスエースなどで着実に得点を重ねられ、最後は日野がリターンをオーバーして1-6で敗退した。

❖続けて登場したのはダブルスでも頑張る中川原凛(2年)。相手は慶應の主将でインカレでも上位に位置する選手。第1セット、中川原が繰り出す全身を使った重いフォアハンドを効果的に機能、拮抗した戦いを制し6-3とリードして第2セットに入った。立ち上がり中川原は渾身の得意のフォアをネットに掛け、天を仰いだ。変化は徐々に表れた。相手は、中川原のミスを誘うようにラリーで誘った。この策によりミスが目立ち連続5ポイントを奪われ2-6で落とした。ファイナルセットにもつれたゲームは、互いに勝利を掛け真っ向勝負のショットの応酬が続き、互いに一歩も引かず展開に中川原はこのセットでも相手のロブチャンスでミスを犯す惜しいポイントチャンスを逃した。5-5で迎えた中川原のサーブではダブルフォルトの痛恨のプレーで自らを追い込み、最後は慶應の経験豊富な主将に屈した。シングルス3つ目のファイナルセットでの勝利を引き寄せることができなかった。

❖最後に登場したのは山学エースの木塚有映(4年)。対戦相手は先日のインカレで単複で準優勝を果たした強豪。午前中、ダブルスでも対戦したが完敗している。シングルスで一矢を報いたい木塚は、第1セットファーストサーブでサーブ&ボレーで決めると、その後も3-1とリードし優位に進めたが、実力者の相手はフットワークや左右に振り分ける速いショットで徐々に木塚を追い詰めた。焦る木塚は自身のミスショットも重なり、連続5ポイントを奪われ3-6でセットを落とした。第2セットに入っても相手は木塚を苦しめ続け1-6,セットカウント0-2で敗れた。ダブルス、シングルスの成績は0勝7敗と完敗した。対戦成績は1勝1敗。

■試合後のインタビュー

試合後、1年生ながらダブルス、シングルスで奮闘した長谷川美愛選手は「ダブルスは自分がもっとできたなという思いはあった」と悔いを残した。「その分、シングルスではもっと向かって行く気持ちを出してやりました。ファイナルもずっとキープキープの試合で最後4-4になった時に自分が攻め急いでしまい4-5になってブレークされてしまったところが一番の敗因かなと思います。最初の出足がすごく悪かったんですけど、セカンドセット中盤からすごくいいポイントの取り方ではないけれども積み重ねで最後には自分の展開も多くできたので良かった」と負けはしたが納得した。同じくチームを盛り上げた中川原凛選手は試合を振り返って「前半はまだしっかり攻めて、ポイントを取るという形ができたんですけど、2セット目は、相手は自分にミスをさせようという感じであんまり打たずにミスなく打つというところで、自分がしっかり打ちたかったんですけど、ミスが結構出てしまって苦しい状態になった」と相手のうまさに負けた。ゲームキャプテンとしてチームを鼓舞した木塚有映選手は「前の筑波戦では勢いで4-3という形で勝てたんですけど、今日の試合ではちょっと山学側が先に押される展開に作ってしまったのはちょっと悔しいです。自分のプレーはちょっと相手のテンポに押されてしまって、今日は自分のやりたいこと、自分らしいテニスをさせてもらえなかった」と肩を落とした。次の明大戦に向けて、「自分たちは今日0-7で終わってしまったんですけど、ここからだと思っているので、自分たちの持ち味は勢いとかそういう面だと思っているので、しっかり山学らしく戦いたい」と意気込んだ。
富岡好平監督は「この前が良かっただけに、最初の入り方が慎重になりすぎたかなというのがあります。強豪の筑波に勝ったということに対して相手もギアを上げてきてそれに対して、うちの入り方がちょっと消極的だったと感じます。シングルスが3つフルセット、その辺は、競っているんですけども最後のところの詰め、フィニッシュの仕方というところで精度が弱かった。でもこれも本当に試合中の流れですので、流れのいい時にはそのまま行きますし、ちょっと流れが悪いとあのように自分たちの自滅で終わるという形のその辺が、ちょっと残念なところだったかなというところです」。次の明大戦には、「残留戦を戦わないためには、もう1回締め直していきたい」と話した。三好勲コーチは初戦の筑波大に勝利したことについて正直インカレチャンピオンもいますし、ベスト4,ベスト8も3人揃っているし、去年の準優勝チームのほとんどが残っているので、正直勝つというところまでは予想しなかったですけども、ファーストのダブルスの勢いとうのは大きかったと思います。チームとしてはよく勝ちにつなげたなというところがあって、他のチームもうちが勝ったというところで気を引き締めてきたという気はしますけど」と感想を述べた。そして2戦目の慶應大には、「全体的にはあきらめないチームで底力がありますね。勢いを最初から止められてその流れのままシングルスに行ってしまって、今のうちでは止める力がなかったですね。相手も苦しいところも2,3試合ありましたけど、その苦しいところを自分のテニスを変えてでも、しっかり相手のミスを待って、しつこくしてくるのでそれに対してうちははまったという感じですね。リードして追いつかれるとちょっと気持ちが切れてしまうところがあって、その辺の精神的弱さが今日は露呈しましたね」と課題をあげた。明大戦には、「ここまで3戦目になるとうちもそうですけど皆な身体も精神的にも疲れが選手たちに掛かってくるので、チャンスは絶対にあるので、そこでひるまずに初戦のチャレンジャー的な事を思い出して、それをしっかりやり抜けるかどうかにかかってくると思うのでそこに選手に期待したい」と気持ちを入れ替えた。
山学大はこれからの試合で最低でも4位をキープ。入替戦を回避する戦いをし、14年連続1部継続を維持したい。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2023.8.31