●2023年関東大学女子バスケケット1部リーグ4戦目
~“常勝常笑”軍団。1部4年目上位定着を目標に戦う~
~主力を欠く中、最後まで粘るも専修大に惜敗~
9月2日に開幕した2023年「第73回関東大学女子バスケットボール1部リーグ」は10日、大会4戦目が行われ、山梨学院大女子は、日体大世田谷キャンパスで専修大と対戦、壮絶な戦いの末、75-78で敗れた。山学女子はこれまで1回戦を早稲田大、第2戦を拓殖大に敗れ、前日9日第3戦、日体大戦に初勝利を挙げこの日に星を五分に戻すと試合に臨んだ。山学は今大会、主力のセンタープレーヤーを怪我で欠く不十分な態勢の中、運動量で勝負に挑む。第1Q(クオーター)、立ち上がり専修に3連続シュートを決められリードされる。身体の大きい専大に対し、山学はインサイドに切り込みを試みるがデフェンスを崩せずに16-25と差を広げられた。第2Qに入っても劣勢は続き、最大16点差を付けられ32-42で前半を終了。第3Q、山学は反撃に転じ#5藤澤夢叶の3P(スリーポイント)をきっかけに藤澤のレイアップシュート、#80佐藤双羽のポストプレーで連続9得点を奪い、一気に1点差まで詰め52-53と完全に山学が主導権を握った。第4Q立ち上がり、山学はリバウンドを奪うと#5藤澤のドライブシュートで54-53とついに逆転。その後は、互いに3P争いの攻防が繰り広げられた。残り時間が少なくなると、専大は身体的優位を活かし果敢にゴールを狙うとともに山学からファールを誘い、フリースローから着実に得点を重ねた。山学は最後まで粘るも及ばず惜敗した。
山梨学院大バスケットボール部女子“常勝常笑”軍団は2019年、1部リーグ5度目の挑戦で創部12年目にして悲願の1部昇格を果たした。2022年、昇格3年目に4位と躍進、今年春の選手権でも4位と進化を続ける。今季の1部リーグは白鷗大学、東京医療保健大学、筑波大学、山梨学院大学、早稲田大学、拓殖大学、日本体育大学、専修大学の8チームで編成される。山梨学院を除く大学は、いずれも優勝経験があり伝統校、実力校として例年、レベルの高い白熱した戦いが展開されている。今季の1部リーグは9月2日に開幕し、10月29日までの2か月間に1回戦総当たりを2巡し、勝点で順位を決める。
■1部リーグ激戦の中、昨年4位と躍進した山学4戦目に専修大と対戦ー
1部リーグ参戦4年目の山学は、ここまで1回戦の早稲田大、2回戦の拓殖大と2連敗。9日の3戦目、日体大戦で初勝利を挙げ、10日4戦目を専修大と対戦、連勝を狙った。長く1部に定着し優勝経験もある伝統校である専修大は今季、堅固なチームディフェンスから流れを作り、連続性のある速い展開を武器とする。一方、山学は3Pシュートとドライブシュートでインサイドを突破する#5藤澤夢叶(2年)とインサイドで圧倒的存在感を示す留学生アググア選手(2年)で攻撃を組み立てるが、今大会アググアが怪我により離脱しているため、主将の清實茉宝(4年)や杉本りく(4年)、日野華希(3年)ら上級生の機動力での活躍が鍵となり1部上位定着を目標に戦う。
◆第1Q(クオーター)。両チームのジャンプボールで始まった試合は、開始早々、専修にオフェンスリバウンドのこぼれ球やスティール(パスカット)からの速攻で3連続シュートを決められ嫌な立ち上がり。一方、山学も#70皆川もえ(2年)、#7大久保愛梨(1年)の3P(スリーポイント)、#5藤澤夢叶(2年)のドライブシュートで追いかけるも、山学に比して身体の大きい専大に、インサイドの切り込みを図るがデフェンスを崩せずに16-25と差を広げられた。◆第2Qに入り、専大がリバウンドを支配、得点を重ね最大16点差をつける。山学は劣勢の中でも、#5藤澤が気迫のプレーで32-42まで挽回して前半を終了。◆第3Q、開始早々、山学は反撃に転じ#5藤澤夢叶の3P(スリーポイント)をきっかけに藤澤のレイアップシュート、#80佐藤双羽(2年)のポストプレーで連続9得点を奪い、41-42と一気に1点差まで詰め寄った。その後は、連携プレーが機能し、#15久井咲良(3年)、#55日野華希(3年)のレイアップシュートや#15久井の3Pもあり、52-53と完全に山学が主導権を握った。◆第4Q、山学は逆転勝利を誓いコートに立った。立ち上がり、山学はリバウンドを奪うと#5藤澤がシュートを決め54-53とついに逆転。しかし、専大も譲らず3連続3Pで再逆転、差を広げた。その後も激しい攻防が続いた残り2分、点差は3点。ここで専大はまたも3Pを決め6点差。山学は#5藤澤がジャンプシュート、3Pを決め食い下がるが、専大は身体的優位を活かし果敢にゴールを狙うとともに山学からファールを誘い、フリースローで巧みに得点を重ね75-78で山学の追随を振り切った。
■ 惜敗で涙を飲んだ“常勝常笑”軍団―
山梨学院のスターティング5(ファイブ)は、#5G・藤澤夢叶(2年)、#11F・杉本りく(4年)、#31F・秋谷詩(1年)、#55F・日野華希(3年)、#80C・佐藤双羽(2年)の5人。その他、#0G・清實茉宝(4年)、#7G・大久保愛梨(1年)、#15F・久井咲良(3年)、#18C・山田愛結(2年)、#22C・アチャラ オゲキク ランシー(2年)、#34G・蒔苗結衣(1年)、#35F・京橋菜々子(1年)、#38F・澤本瑠衣(4年)、#70F・皆川もえ(2年)、#72F・藤井七帆(3年)が途中交代出場した。
◆1部リーグ4戦目《山梨学院大学VS専修大学》9/10 PM1:30~ 東京都・日本体育大学世田谷キャンパスBコート |
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● 山梨学院大 75 | 1Q 16-25 2Q 16-17 3Q 20-11 4Q 23-25 |
78 専修大学 ○ |
試合後、林五十美監督は「前半のリードが響きましたね。相手が大きいのでかなり警戒はしていたんですけど、前半の出足にリバウンドやピックアップミス、コミュニケーションミスがすごく多く、そこで相手の勢い、流れが止められなかったビハインドを後半にみんなが頑張ったと言いたいんですけど、合格点とはまだまだですね」と振り返った。主力を欠いた戦いに、「高さがない分、機動力でやらなければならないですね。リーグ戦は続きますので昨日は勝ったけど、今日はできないじゃなく2戦をしっかり勝ち切るためには機動力は必要です。高さの部分をどうやってカバーするかセンターの留学生がいない点数をどこでみんながフォローしていくか、藤澤はあれぐらいやって当然の選手ですけど、もう一人、二人が奮起してくれないと苦しいですね。試合はまだまだ続くので、このメンバーで何とか頑張ります」と苦しい胸の内を明かした。チーム最高の36得点を挙げたポイントゲッター藤澤夢叶選手は「専修さんは大きいのでボックスアウトからのリバウンドをチーム内で徹底することを言っていたんですけど前半、自分たちのそれに対する甘さやルーズボールの甘さが出てしまい後半追い上げたんですけど、前半離されたのが大きかった」と悔やんだ。「チームの中で点を獲ることが自分の仕事だと思っていて、リーグ戦何試合かやってきましたが、まだまだ確率が低いので上げていくことが課題です。アググア(留学生)と一緒にやってきて(コートに)いないのは自分の中では(責任が)大きいですが、でもそれを負けの言い訳にしたくないですし、身長が低い分みんなで勝ちに行きたい」と前を向いた。清實茉宝主将(4年)は「自分たちの流れを最初から出すことができなくて出足の部分で相手に先行されてしまったということが(敗因に)まずあって、後半しっかり立て直すことができて追いつくことができたことは自分たちの力だと思うんですけど、前半のスタートの人が出足でいい流れをつくるとか、後から出た時に流れを変えたりとか、一人一人の責任というのをもっと意識してやって行かないと勝てないと思うので、試合は続くのでそこはしっかり切り替えてやっていきたい」とチーム一丸で戦う気持ちを引き締めた。
次の試合は9月23日、昨年の優勝チーム白鷗大と対戦する。逆境をものともせず、“常勝常笑”軍団旋風を期待する。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2023.9.11