山梨学院広報課

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●「甲種危険物取扱者試験」山学中2年、県内女性中学生最年少合格
~小林優希さんが快挙 山学中4人目(県内)合格者~
~難関国家資格を獲得 挑戦することの大切さ学ぶ~

9月11日、山梨学院広報スタジオで「甲種危険物取扱者試験」合格者の表彰式が行われた。今回、合格したのは山梨学院中学校2年・小林優希さん。小林さんは13歳8か月の中学生女性として県内最年少合格者を記録した。中学生の合格者としては、4人目でいずれも山梨学院中学生。高校生を含めると23人目となった。女性の中学生合格者としては昨年の志田和華さん(現在、山梨学院高2年)に続き2人目。表彰は、「甲種危険物取扱者試験」の合格は難関であるため本試験の実施機関である一般財団法人消防試験研究センター山梨県支部が高校生以下の合格者に表彰状を贈るもので、この日は、内田不二夫支部長より表彰状と副賞が小林さんに手渡された。「甲種危険物取扱者」とは、化学工場、ガソリンスタンドなど危険物を扱う施設で必要な国家資格で甲、乙、丙の3種が設けられており、法令(消防法等)や危険物の性質・予防法、物理や化学など大学卒業程度の知識が必要とされ、取得するとすべての危険物を取り扱うことができる。高校生の甲種試験合格率は2021年度で全国19,7%となっている。中学生の合格者は全国でも少ない。小林さんは受賞者挨拶で「頑張って結果を残すことができた今回の経験から。私は挑戦することの大切さを学びました」と述べ、サポートしてくれた周りの人たちに謝意を表した。

■国家資格「危険物取扱者試験」とはー
「危険物取扱者試験」とは、化学工場や石油タンク、ガソリンスタンド、タンクローリーなど危険物を扱う施設等で必要な国家資格。甲、乙、丙の3種類があり、小林さんが取得した甲種は消防法で定められた全ての種類の危険物について高度な知識を有する者として、危険物の取り扱いが必要なあらゆる場面において、安全確保の中心的な立場として、その関連業種は多岐にわたる。乙種には6類の種別があり合格した種別の危険物について取り扱いと定期点検、保安の監督ができる。また、丙種合格は乙種4類のガソリン、灯油、軽油、重油の危険物に限り、取り扱いと定期点検ができるというように分類されている。甲種試験の内容は(1)危険物に関する法令(消防法等)(15問) (2)物理学及び化学(10問) (3)危険物の性質並びにその火災予防及び消火方法(20問)の合計45問。3科目とも60%以上の正解が求められ、いずれも大学卒業程度の知識が必要となる。

■中学生の「甲種危険物取扱者試験合格者」表彰式ー
表彰式は受賞者の小林優希さんの授業終了を待って、午後4時から山梨学院広報スタジオで行われた。式には、女性では県内最年少13歳での合格者ということで話題を集め、報道各社が取材に訪れた。初めに消防試験研究センター・内田不二夫山梨県支部長が概要を説明。その中で「この表彰制度は山梨県支部独自のもので危険物の取得に関する規制と規則等の一部改正により高校生等が受験可能となった2008年度(平成20年)からの取り組みであり本日は高校生以下にとりまして難関とされる『甲種試験合格』を称えますととともに小林さんに続く合格者の実現を願い、表彰式を計画しました」と述べた。続いて内田支部長より表彰状、免状、副賞が手渡された。それに応えて小林優希さんは1年生の時に成島先生からこの危険物取扱者についての話を聞き試験のことを知りました。「もともと、科学が好きで試験に興味を持ったことと、過去に合格した先輩方に続きたいという気持ちから受験を決めました。試験科目の中でも特に物理化学は高校で学ぶ難しい知識も必要でしたが、興味のある分野だったので楽しく勉強することができました。8月に出場した科学の甲子園ジュニアという大会でもこの試験で学んだ物理や化学の知識を役立てることができうれしかったです。最初は難しそうと感じても、頑張って結果を残すことができた今回の経験から私は挑戦することの大切さを学びました。今後もこの経験を活かしていろいろなことに挑戦して知識を増やしていきたい」とはきはきと意気込みを述べた。指導した山梨学院中学校・成島秀樹科学科主任は「国家資格の甲種資格に“中学生が受かったらすごいな”というところから15年位前に声を掛け始めて、中学生では小林さんで4人目になりますけれど、今までを振り返ると2年に1人位のペースで合格に結びついてきました。(中略)過去に合格した先輩たち2人は大学生になっており、東京大学や大学医学部に進んでいる立派な先輩になっています。ぜひ小林さんもこの資格を取って、さらに他の資格などにもチャレンジしてもいいかも知れません。そして、今後も一層勉学に励んでいただいて自分の目標とすることが見つかったら貪欲にチャレンジしてください」とエールを送った。その後、表彰式を見守った両親らと記念撮影が行われ閉会となった。その後、小林さんは報道各社の取材に応じていた。

■好きな科学で国家資格 興味を抱いたら即、行動ー
現在、中学2年生の小林優希さんは大の科学好き。興味のあることにはとことんのめり込む。1年生の時、成島教諭から危険物取扱者試験の国家資格を聞き興味を抱いた。即、行動に移し1年生の11月の試験で乙種6類を取得すると、3月に行われた試験では乙種3・4・5類を取得。これで甲種受験資格を得ると、2年生になった6月25日に実施された「甲種危険物取扱者試験」の国家資格を初めての挑戦で獲得した。合格者発表時点(7月)で13歳8か月、中学生女性最年少記録の快挙を成し遂げた。複数回受ける人も多い難しい試験に山梨県内での中学生の甲種合格は、2016年7月、山梨学院中学2年の最年少で取得した小槙創さん、2018年3月の石山怜央さん(当時3年生)、そして昨年2022年3月、中学生の女性では初となる志田和華さん(当時中学3年)が卒業間際に合格した。小林さんは志田さんに続き女性として、山梨学院中2年連続で難関を突破した。ちなみに山梨学院高校での甲種合格者は2011年(平成23年)に高校2年(当時)の野村唯さんが最年少で合格。2019年(令和元年)には特進コース1年(当時)の宍戸優希さんが取得している。

■中学生女性として県内最年少記録を作った小林優希さんに聞くー
表彰式後、小林優希さんは改めて「甲種危険物取扱者」合格者になった気持ちを「最年少という記録が取ることができてすごくうれしい気持ちでいっぱいです。また、後輩が自分の記録を塗り替えてくれたらそれはそれでうれしい」と挑戦する気持ちを後輩にも託す。合格までの苦労については、「長い期間勉強が必要だったんですけれども、とても興味がある分野だったので面白いなという気持ちの方が大きかったです。高校の知識が必要だったので、いろいろ動画を見たりだとか、本を読んだりとか、そういうふうに勉強していったんですけど、コツコツ勉強を続けることで結果を残すことができたので頑張って良かったなと思いますし、自分を褒めてあげたい」と快挙には隠れた努力があった。将来については「まだ具体的な将来の夢みたいなものは決まっていないんですが、今回の経験を通して学んだことや知識をこれからも勉強とかにも活かして、将来の夢の選択肢の一つとして考えていけたら」と今後もさまざまな挑戦を通して大きく羽ばたく。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2023.9.12