●秋季関東高校野球県大会準決勝 山学高決勝へ
~3年連続13回目の関東大会出場決定 選抜へつなぐ~
~夏の大会で不覚をとった駿台甲府に雪辱果たす~
「第76回秋季関東高校野球山梨県大会」準決勝2試合が9月30日、山日YBS球場で行われ、第1試合の山梨学院高と駿台甲府高の対戦が午前9時に開始された。山梨学院は夏の大会準決勝でタイブレークの末、駿台甲府に敗れ甲子園出場を逃しており、新チームでその雪辱を果たすべく戦いに臨んだ。後攻の山梨学院は準々決勝に先発好投した櫻田隆誠(2年)が2試合連続の先発のマウンドに上がった。コントロールの良い櫻田は緩急を織り交ぜ、相手を6回まで走者を出すものの、三塁を踏ませない好投。攻撃は3回に先頭の9番針尾泰地(2年)が内野安打で出塁すると相手の守備の乱れと犠打、四球と手堅く走者を貯め一死満塁に4番梅村団(1年)の2点適時打で先制、続けて6番平野天斗(1年)が2点適時三塁打で4-0とリード。5回には梅村の二塁打を平野の犠飛で5-0。さらに6回には四球を足掛かりに1番横山悠(1年)が三塁打で1点、相手のミスもありこの回2点を加え、山梨学院はここまで持ち味のつなぐ野球が機能し7-0とリード。このまま7回の駿台甲府の攻撃を無得点に抑えコールド勝ちと思われた。しかし、駿台甲府も1点を返し意地を見せるも、その裏、山梨学院が代打中原義虎(2年)の快打で8-1とし、7回コールド勝ちした。この勝利で山梨学院は3年連続13回目の関東大会出場を決めた。決勝戦は明日10月1日正午、同球場で帝京第三高と対戦する。
■準決勝試合経過ー
この試合は、関東大会の切符を懸けた大事な試合。勝てば3年連続13回目の関東大会出場となり、3年連続甲子園の道が開ける。試合は、駿台甲府高の先攻。山梨学院の先発は、準々決勝の日川戦で先発好投した櫻田隆誠(2年)が準決勝の先発マウンドを託された。コントロールの良い櫻田は二死から四球を出すも、走者の盗塁を捕手の横山悠(1年)が矢のような送球で阻止、櫻田の立ち上がりを助けた。山梨学院は1回、2回裏と無得点に抑えられたが、3回裏、先頭の9番針尾泰地(2年)が内野安打で出塁、次打者の1番横山の犠打を駿台甲府の捕手が二塁に送球、これがフィルダーチョイスとなり走者を無死二塁・一塁にした。続けて、犠打と四球で一死満塁にすると4番梅村団(1年)が三遊間を真っ二つに割る2点適時打で先制した。さらに二死二塁・一塁から6番平野天斗(1年)が右越え三塁打を放ち2人が還り4-0とリードした。投手の櫻田は緩急を投げ分ける安定した投球を続け、6回まで三塁を踏ませない散発3安打無失点の好投。山梨学院の攻撃は3回以降も、5回に先頭の4番梅村の二塁打を後続の6番平野の犠飛で1点を追加、6回には8番櫻田の四球を足掛かりに、9番針尾の犠打、1番横山の右前への低い弾道弾が三塁打となり1点、さらに三本間に挟まれた横山が相手の守備の乱れで本塁を突き1点を加え、6回を終えて7-0と差を広げた。一方、このままではコールド負けが濃厚な駿台甲府は意地を見せた。7回表、先頭打者が中前打で出塁、一死二塁に走者を進めると次打者が粘って右前打で一死三塁・一塁とこの試合初めて三塁に走者を進め、次打者の二ゴロの間に1点を返した。その裏、山梨学院は一死後、5番山田将吉郎(2年)が右越え二塁打で出塁、6番平野は四球で一死二塁一塁、ここで満を持してこの試合、スタメンを外れた新主将の中原義虎(2年)が代打で登場。4球目の直球を振り抜くと打球は左中間を深く破り二塁走者が生還して8-1。この時点で7回コールドゲームが成立、山梨学院は夏の県大会準決勝で敗れた雪辱を果たした。この勝利で3年連続13回目の関東大会出場を決めた。明日の決勝戦を制し、山梨第1代表の座を掴む。
■準決勝戦=山梨学院高校VS駿台甲府高校 9月30日・大会10日目 山日YBS球場
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 | |
駿台甲府高 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | × | × | 1 |
山梨学院高 | 0 | 0 | 4 | 0 | 1 | 2 | 1× | × | × | 8 |
※7回コールド
■山梨学院高先発メンバー 〇は学年
1.(捕)横山 悠①、2,(中)黒澤后琉②、3,(右)高橋英登①、4.(一)梅村 団①、5.(左)山田将吉郎②、6.(遊)平野天斗①、7.(二)萬場翔太①、8.(投)櫻田隆誠②、9.(三)針尾泰地②
山梨学院高バッテリー=櫻田―[捕手]横山
[投手]櫻田:7回 打者27 投球数96球 被安打5 奪三振2 与四球2 失点1
[打撃] 安打8《三塁打:平野1、横山1 二塁打:梅村1、山田1》三振4 四球7
[交代]山田(左)⇒(右)、高橋(右)⇒(左)二村仁功②、萬場⇒(H)中原義虎②
■試合後インタビュー
吉田洸二監督は「できることをみんなでしっかりやって全員で野球をやろうと、それぞれが持っているものを集結して戦うことがテーマなので今日は選手が集中してよくやってくれました」と1年生が多いチームをたたえた。中原義虎主将はコールドゲームを決める打席について、「新チームになってみんなガッツがあり、自分たちができることでしっかり勝つという気持ちで試合しています。最後にああいう場面をみんながつくってくれた打席だった」とチームが呼び込んだ結果とはなした。今日の勝利を、「今日の試合はバッティング悩んで苦しんでいた1年生2人が点を入れてくれたのでうれしかった」と主将の顔を見せた。関東大会出場を決めたことについては「まだ明日決勝が残っていますけど、選抜につながる大会なので、先輩たちが持って来てくれた優勝旗を全員で返しに行くこと目標にやってきているのでこれからも一戦一戦を大事に戦っていきたい」と話した。好投した地元出身の櫻田隆誠選手は投球を振り返って「キャッチャーの構えたところをしっかり入れるということを考えて投げていたのでバッターを打ち取れて良かったです。変化、真っすぐ織り交ぜてしっかり腕を振って投げました。とにかく焦らずに落ち着いてコントロールを良くという意識で投げました」と好投にも謙虚に応じた。先制点を挙げた梅村団選手は「今日は初回からずっとチャレンジャーだという気持ちをベンチで話していて、その中でチャンスの場面で自分に打席が回ってきたのでここは先制点を絶対に取るという気持ちで打席に入りました。チーム一丸になって一戦一戦必勝で行こうという気持ちが結果が今日に繋がっている」。明日の決勝戦に向けて、「もちろん勝ちたいですし、いつも通りその一戦に全身全霊で勝ちに行くという気持ちを全員が持てば勝てると思う」と力を込めた。梅村選手とともに打撃で勝利に貢献した平野天斗選手は「今日は夏に負けて自分も悔しい思いをしていたので絶対に勝つという気持ちで臨みました。去年と比べて能力がないと言われている中で、戦っているんですけど、一人一人、自分ができることをしっかりやってきた成果が今日の勝ちにつながったと思います」と話し、「これから関東に行ったらレベルも上がっていくと思うので、格上の相手だからこそチャレンジャーの気持ちを忘れずに一戦一戦戦っていきます」と勝利に全力を尽くす。
文(K.F) 写真(平川大雪) 2023.9.30