山梨学院広報課

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●第100回箱根駅伝予選会、山学薄氷の13位通過
~ムトゥク、北村力走。全員で勝ち取った出場権~
~本選までに夏合宿で身に着けた自信を取り戻す~

「第100回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会」が10月14日(土)、東京・立川市で行われた。山梨学院大陸上競技部は今年の本選は14位に終わり、7年連続の予選会からのスタートとなった。今大会は記念大会のため、全国に門戸を広げ57校がエントリー、本選出場権は例年の10校から13校に枠が増えた。選考方法は各校10人以上12人以下の選手が立川市・陸上自衛隊立川駐屯地から立川市街地を経て国営昭和記念公園までのハーフマラソン21,0975kmを走り、各校上位10人の合計タイムを競う。スタートは午前9時35分、滑走路には約670人の選手が並び、第100回箱根駅伝出場権獲得を懸けてスタートした。序盤から留学生が日本人選手の大集団を引き離し、日本人が追う展開となった。山梨学院のエース、ジェームス・ムトゥク(2年)は17km付近まで日大の留学生とトップ争いをしたが最後は3位でゴール。中盤まで第2集団を引っ張っていた日本人エース北村惇生(4年)は総合で18位(日本人7位)、昨年を上回るタイムでチームに貢献。他に、3人の選手も2桁順位で健闘するも、山梨学院10人の通過タイムは総合で13位と薄氷を踏む順位で、辛くも本選の4年連続37回目の出場権を獲得した。本選までの2ヶ月半、夏の厳しい合宿を乗り越えた精神力を信じてシード権獲得に挑む。

山梨学院は2017年の第93回箱根駅伝出場でシード権を失って以来、予選会は2017年第94回4位、2018年第95回10位と本選でのシード権復活を図ってきた。しかし、2019年第96回予選会でまさかの17位と33回連続してきた本選出場を逃した。そして、2020年第97回7位で2年ぶりに34回目の本選出場に復活、2021年第98回4位(2年連続35回目)、2022年年第99回7位(3年連続36回目)と本選での出場権獲得を目指すも、いずれも本選では目標の10位内のシード権には届かなかった。今年の夏合宿では課題の後半のスタミナ切れを解消するためハーフマラソンの距離への対応、スピードを意識した練習で走力、苦しさに耐える精神力の強化に励んだ。そして迎えた予選会。
「ベストメンバーで臨めた」(高木翔瑛副主将)とレースに挑んだ。

山梨学院勢は、留学生ジャームス・ムトゥク(2年)、北村惇生(4年)、高木翔瑛副主将(4年)、村上大樹(3年)、高田尚暉(3年)を中心に12人が予選会3位通過を目指した。陸上自衛隊立川駐屯地の長い直線の滑走路2km過ぎには早くも留学生の集団とそれを追う日本人選手の大集団との差が広がり始めた。第2集団は各校のエースが集まり、山梨学院勢では日本人トップを狙う北村が集団前方で併走する。続く集団には徳田秋斗(3年)、高木ら各選手が続いた。予選会で箱根駅伝出場権を得る目安は、各校の10人の選手がいかに早くゴールするかに懸かっている。山梨学院は10kmのチェックポイントで10人の通過順位は10位。山梨学院のエース、ムトゥクは序盤から留学生集団でトップを争い、立川市街地から昭和記念公園に戻ってきた14km、17km付近の折り返しでは日大留学生とトップを争う快走を見せていたが、その後の上りで後続の留学生に抜かれ3位に順位を落としそのままゴールした。中盤以降まで第2集団を引っ張っていた北村惇生(4年)は、登り15kmチェックポイントではやや順位を落とし日本人7位で通過、ゴールフィニッシュは総合で18位(日本人7位)と健闘。ムトゥクと北村は昨年のタイムを大幅に上回り、チームタイム短縮に貢献した。山梨学院での15kmポイントでは10人の通過順位は9位と順位を上げるも、油断は許されなかった。ゴールまで6km少々、二人の後を追った徳田秋斗(3年)は71位、村上大樹(3年)は86位、新本駿(4年)は98位と2桁順位をキープするが、残り7選手の順位が伸び悩み総合タイムでの結果が待たれた。出場57チームがすべてゴールしたレース後、ゴール近くの国営昭和記念公園の発表会場の一角。チーム控えテントで本選出場校の発表結果を待つ山梨学院選手やチーム関係者、そしてその周りには多くの大学関係者、保護者、OBなどが集まり、固唾を飲んで発表を待った。次々に各大学名の結果が発表される中、12位までに山梨学院の名はなく選手たちの表情は硬くなった。そして、出場権獲得の最後の発表で名前が告げられた瞬間、選手、関係者にようやく笑顔や安堵の表情、周囲からは喜びの声が沸き上がった。山梨学院10人の通過タイムは総合13位で最後の切符を手にした。14位の東京国際大との差はわずか3秒、薄氷を踏む出場権獲得だった。来年正月の箱根駅伝は4年連続37回目の出場で2016年から遠ざかっているシード権奪回を目指す。

■山梨学院大総合記録 21.0975km (10:39:47) 通過順位13位

出場選手(10人までの合計タイムで集計) 区間時間 順位
ジェームス・ムトゥク (2年) 01:00:46 3位
北村惇生 (4年) 01:02:23 18位
徳田秋斗 (3年) 01:03:37 71位
村上大樹 (3年) 01:03:48 87位
新本 駿(4年) 01:03:53 98位
高木翔瑛(4年) 01:04:33 169位
塚本陸斗(2年) 01:04:49 206位
平八重充希(2年) 01:04:53 209位
大西 陸(3年) 01:05:26 257位
高田尚暉(3年) 01:05:39 277位
横山竜之介 (4年) 01:05:56 307位
砂川大河 (3年) 01:08:09 435位
ビリアン・キピエゴン (1年) 記録なし 補欠
占部大和 (1年) 記録なし 補欠


■本戦通過順位(13位以内)
1位:大東文化大=10:33:39、2位:明治大=10:34:38、3位:帝京大=10:35:08、4位:日本体育大=10:36:42、5位:日本大=10:36:54、6位:立教大=10:37:06、7位:神奈川大=10:37:20、8位:国士舘大=10:37:21、9位:中央学院大=10:37:27、10位:東海大=10:37:58、11位:東京農業大=10:39:05、12位:駿河台大=10:39:40、13位:山梨学院大=10:39:47

大会後、メディアの取材を終えた出場選手らは、山梨学院大チアリーダー部応援団や大学関係者、保護者、陸上競技部の短中距離や跳躍競技など他種目の選手、OBなどの前で結果報告会を行った。初めに出場した12人と補欠2人の登録メンバー14人ひとり一人が思いを述べ、続いて飯島理彰監督が挨拶を行った。冒頭、応援に駆けつけてくれたことに感謝を述べ、続けて「出場権を獲得したことにほっとしています。来年は100回大会です。歴史ある大会に出場できること、本当に光栄だと思っております。この大会に向けてベースになる夏合宿では距離も伸ばし、ペース設定も上げてほとんどの者が良い走りをして夏合宿を終えこの大会に臨みました。しかし、今回このような結果になってしまいましたが、それは選手が一番分かって(要因)はおりますので、残り2ヶ月半、選手の意識を変えればチームは変わると思いますので、そういう状況を作って正月の2日、3日に挑みたいと思います」と本選への意気込みを述べた。
報告会後、高木翔瑛副主将は「3位通過を目標に手応えを感じた中で臨んだ結果であったんですけど、13位ということは、他大学と比べると足りない部分があったと思っています。チームとしては例年より速いタイムで上がれていたんですけども、それ以上に前の方でどの大学も勝負したということが事実なので、やはりこのような勝負レース、箱根だったり、インカレだったり大学対抗など大きな大会になった時にしっかり自分の力を発揮できるかというところにもう少しの課題なのかなと思います」と大会を振り返った。本選に向けては、「自分を含めて今日の走りがベストだと言い切れる者は少ないと感じますし、その分次への思いは強く持っていると思いますので、例年以上に厳しい戦いになると思いますけども、あくまで今年度の目標はシード権ですので、自分だったり、4年生がチームを引っ張って、しっかりシードの大学と勝負できる状態を作っていきたい」と副主将の思いを語った。目標としていたタイムを更新してチームに貢献した北村惇生選手は「今回は日本人トップを目指していて、去年は総合18位(個人11位)だったので行けるかなという手応えを掴んでいたので、(集団)2分50秒切りぐらいのペースだったので少し速いかなと思ったんですけど、ここで臆していたら落ちると思ったので先頭集団の前で走りました」とレースを振り返った。正月の本戦のシード権には「正直、今の状況では厳しいでね。現状維持は後退だと思っているので、今回のレースで良くも悪くも通過できましたが、危機感はみんなあるんじゃないかと思うのでメンバーじゃない者もひとり一人がメンバーになるんだという熱い思いを持って切磋琢磨し合えたらチーム力は確実に上がると思います」と雪辱を誓った。

2ヵ月半後の新春2日、3日、「第100回東京箱根間往復大学駅伝」10区217.1kmの長距離に挑む山梨学院大陸上競技部。夏の合宿で身に着けた自信を糧にシード権獲得に真っ向からぶつかるC2Cカラーの雄姿。予選会13位からの巻き返しに期待する
文(K.F) カメラ(平川大雪 Y.Y) 2023.10.15