山梨学院広報課

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●秋季関東高校野球大会1回戦 山学高接戦を制す
~11回タイブレーク最少得点の攻防 昌平高に競り勝つ~
~先発櫻田142球の力投 1年半の努力が結果を生んだ~

「第76回秋季関東地区高校野球大会」は10月21日、栃木県宇都宮市で開幕。前回優勝校で山梨県初の選抜甲子園制覇を成し遂げた山梨学院高は22日、栃木県総合運動公園野球場で山梨1位として埼玉2位の昌平高と対戦した。山梨学院の先攻で始まった試合は、先頭打者の黒澤后琉、2番横山悠が連続中前打で続くと、一死三塁・一塁に4番梅村団がきっちり犠飛を打ち上げ難なく1点を先制した。後攻の昌平も山梨学院先発、櫻田隆誠投手の立ち上がりを攻め、2本の安打ですぐさま同点に追いつく。その後は投手戦が展開され、両チーム5回を終わって安打数はともに3本ずつと拮抗した。県大会で安定した投球で優勝に貢献した櫻田はこの日、打撃のいい昌平に時折大きな当たりをされたが、山梨学院外野手の好守備や要所を締める投球が冴え9回まで無得点に抑えた。昌平も4回途中から1番エースが継投、山梨学院打線を完璧に封じ込め、初回の1-1のまま延長タイブレークともつれ込んだ。無死二塁・一塁から始まるタイブレークは10回表、山梨学院はこの日3つ目のWプレーで好機を逃すと、11回表二死二塁・一塁、途中出場の二村仁功の三ゴロを悪送球、二塁走者櫻田が生還。1点を勝ち越し2-1とした。その裏、櫻田は渾身の力投を見せ、三者空振り三振に打ち取った。山梨学院は辛くも接戦を制し、24日の2回戦に進出。神奈川1位の桐光学園高と対戦する。

■来春の選抜出場を懸けて、関東15校が激突開始―
来春の選抜甲子園出場校選考の重要な選考資料になる「第76回秋季関東高校野球大会」が10月22日、栃木県宇都宮市で開幕した。大会には開催県の栃木県から3校、山梨、神奈川、埼玉、千葉、茨城、群馬からそれぞれ2校、計15校が出場する。出場校は今夏の甲子園に出場した専大松戸高(千葉2位)、文星芸大付高(栃木3位)や優勝した慶應義塾高を破った桐光学園高(神奈川1位)、浦和学院高を破った昌平高校(埼玉2位)ほか、横浜高(神奈川2位)、作新学院高(栃木1位)、花咲徳栄高(埼玉1位)、健大高崎高(群馬1位)、常総学院高(茨城1位)など関東の強豪校が揃った。山梨県からは3年連続秋季山梨県大会で優勝した山梨学院高と2位の帝京第三高が出場。帝京三は21日の1回戦で勝利し、23日の2回戦準々決勝に進出した。山梨学院高は準優勝を飾った前々回大会、優勝した前回に続き3年連続通算13回目の出場。優勝を視野に3季連続の選抜甲子園に向け短期決戦に臨んだ。

■苦しみながらも貴重な勝利 まずは1勝、前に進むー
10月22日午後正午過ぎ、快晴の空が広がる栃木県宇都宮市の総合運動公園野球場に山梨学院高の生徒会、応援部、吹奏楽部、チアリーダー部、野球部員、選抜を制した3年生、教職員など約150人、保護者会から100人、合わせて約250人が一塁側応援団席に陣取った。試合はこの日の第2試合、午後1時05分に始まった。先攻の山梨学院のスターティングメンバーは夏の大会から1年生が中心のチームに一新した。この日も2年生が4人、1年生が5人で2年連続出場の埼玉2位の昌平高と対戦した。試合は、先頭打者の黒澤后琉(2年)、2番横山悠(1年)が連続中前打で続くと、一死三塁・一塁に4番梅村団(1年)がきっちり犠飛を打ち上げ難なく1点を先制した。後攻の昌平も山梨県大会で優勝に貢献した櫻田隆誠投手(2年)の立ち上がりを攻め、2番の安打と4番強打者の適時二塁打で同点に追いついた。山梨学院は2回、4回と得点圏に走者を進めるも後続がともにWプレーで好機を摘まれた。櫻田は、この日も直球とスライダーをコースに投げ分け安定した投球を見せた。埼玉大会で破壊力ある打撃で準優勝を果たした昌平に大きい当たりを打たれる場面もあったものの、外野手の堅実な守備で得点を許さなかった。山梨学院打線も1回の得点以降、昌平の先発と4回途中から継投した1番エースに抑えられ、両チーム投手の見応えある投手戦が続いた。櫻田は特に7回裏、先頭打者の三振振り逃げ出塁から招いたピンチを我慢強く凌ぐと、8回にも二死から、昌平主力からあわや本塁打かと思われたフェンス直撃の三塁打と続く打者の大きな左飛で1点を覚悟した。しかし、山田将吉郎(2年)が背走しフェンス際で好捕、応援席は安堵の胸をなで下した。9回も両チーム無得点で終わり1-1のまま延長タイブレークに入った。

10回表、先攻の山梨学院が初めに無死二塁・一塁で攻撃。先頭の櫻田が一塁側の犠打が三塁アウトで失敗。続く針尾秦地(2年)は二ゴロのWプレーで無得点。一方、昌平はその裏、先頭打者が投手前へ犠打を成功させ一死三塁・二塁とサヨナラ負けのピンチを迎えた。それでも櫻田は落ち着いたマウンドさばきで後続を浅い左飛で二死、続く打者をフルカウントで見逃しの三振に仕留めた。手に汗握るタイブレークの攻防。11回表、山梨学院は1番からの好打順に黒澤の打席に期待が掛かったが空振り三振。2番横山は二飛と1本が出ない。途中出場の3番二村仁功(2年)は三ゴロで万事休すと思われたが、送球が高くそれセーフ。その間に二塁走者の櫻田が本塁に生還して2-1と勝ち越した。11回裏、昌平も1番からの好打順。櫻田はここまで衰えない直球の球速と緩急を使い三者を空振り三振に抑えた。勝利の瞬間、応援席からどよめきから続き歓声と拍手が沸き上がった。櫻田は11回142球を投げきり、貴重な1回戦の勝利を呼び込んだ。

◆山梨学院高VS昌平高 10/22(日) 栃木県総合運動公園野球場

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 合計
山学高 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 2
昌平高 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1

■山梨学院高先発メンバー 〇は学年
1.(中)黒澤后琉②、2.(捕)横山 悠①、3,(右)鳴海柚来①、4.(一)梅村 団①、5.(左)山田将吉郎②、6.(遊)平野天斗①、7.(二)萬場翔太①、8.(投)櫻田隆誠②、9.(三)針尾泰地②
◆山梨学院高バッテリー=櫻田 ー[捕手]横山
[投手]櫻田;11回 打者39 投球数142球 被安打4 奪三振13 与四球2 失点1
[打撃] 安打5、三振9、四死球2
[交代]鳴海(右)⇒(R・右)二村、山田(左)⇒(H)中原義虎②⇒(右⇒左)二村⇒(右)河村佑樹②、針尾(三)⇒(H)高橋瑛登①⇒(二⇒三)萬場⇒(二)岩城敦仁①

■監督、選手の声ー
試合後、吉田洸二監督は「もうびっくりしました。不思議な勝利でした。負けてても楽しみと伸びしろしかないと思っていたので良かったです」と選手の成長を言葉にした。11回を投げきり、勝利のホームを踏んだ櫻田隆誠投手は強力打線を迎えて、「県大会同様コースを間違えずにしっかり投げれたことがいい結果につながりました」。ピンチの場面にも「絶対に打たせないという気持ちを入れて投げました」と自分のピッチングを貫いた。バントミスが多かったと中原義虎主将は「監督から試合途中で“失敗はしているけど点を獲られないのは勝てる日だ”たびたび言われたんですけど、それを信じて最後は走塁で勝てました」と試合を振り返った。完投した櫻田投手に「1点に抑えたのはすごいです。完投したのは1年半頑張ってきて初めてで、その結果が出てうれしい」と我が事のように喜んだ。桐光学園高戦に向けては「次に試合に勝たないと選抜甲子園には行けないので、今日の勝は目標にあと一歩なのでしっかり戦いです」と気を引き締めた。

山梨学院の2回戦準々決勝は24日、同球場で神奈川県1位の桐光学園高とべスト4を懸け対戦する。

文(K.F) カメラ(今村佳正) 2023.10.22