山梨学院広報課

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●全国高校ラグビー県予選準決勝 山学高初の決勝進出
~前回、準決勝で敗れた東海大甲府に雪辱果たし快勝~
~決勝で日川と対戦。3年目で初の花園出場を賭ける~

11月4日、「第103回全国高校ラグビー山梨県予選」準決勝が南アルプス市御勅使南公園ラグビー場で行われた。山梨学院高は、前回大会で同じ準決勝で敗れた東海大甲府高と対戦。雪辱を期して試合に挑んだ。一進一退で進んだ中盤、相手陣地でのラインアウトから中央、左サイドへと、マイボールでつなぎ、#11・矢野悠斗が左隅に走り込み最初のトライを奪い5-0と先制。その数分後、山学が自陣での反則から東海大甲府にペナルティキックを決められ5-3とされるも、その後、徐々に山学がボールを支配し、攻撃の手を強めた。22分、26分にトライを決め、17-3で折り返す。後半に入っても山学が主導権を握るが相手の鍛え上げられたタックルでトライを阻止され中盤を迎えた15分、右サイドから中央へ展開、パスを受けた#15篠原悠士が華麗なステップで相手タックルをかわし中央へトライ。ゴールも決まり、24-3と差を広げた。その後もフォワードとバックスが一体となった連続攻撃で相手を苦しめ3トライ3ゴールキックを決め38-3と突き放した。一方、東海大甲府も残り時間が少なくなった30分、山学ゴール10m前のスクラムから出たボールを留学生の強い突進で得たラインアウトで好機をつくると、ドライビングモールで山学フォワードを押し込みトライ。しかし、時すでに遅し。ノーサイドの笛が鳴り響き38-10。山学は復活3年目で初めての決勝に進出した。12日(日)に花園出場を賭けて日川高と激突する。

復活3年目、復活年に入学した選手たちは逞しくなって山梨県の絶対王者日川高を脅かす存在として、この2年7ヶ月に大きく躍進した。今年5月の県総体で日川高を大差で破り、初の関東大会に出場、Bブロック準優勝を果たして県外でも戦える力を付けた。そして当初からの目標、3年で「打倒日川、花園出場」を目指して山梨県予選に挑んだ。

試合はこの日の第2試合目。多くの観客が見守る中、午後1時に東海大甲府高のキックオフで開始された。山梨学院は左から右への攻撃。序盤、相手の厳しいディフェンスにペナルティを取られ、やや押され気味に進むも、徐々に初戦の緊張もほぐれマイボールが増えるにつれ、一進一退と互いに激しくぶつかった。中盤、ようやく好機をつかむと、相手陣地でのラインアウトから波状攻撃を続け、中央、左サイドへと展開、そこでの速いパス回しが#11左WTB・矢野悠斗(3年)にわたり、左隅に走り込み最初のトライを奪い、5-0と先制。難しい位置からのコンバージョンキックは惜しくもクロスバーに当たり得点にはならなかった。しかし、ここまで相手にペナルティを与える場面が多く先制の数分後、山学が自陣での反則から東海大甲府にペナルティキックを中央に決められ5-3とされた。その後、次第に山学がボールを支配し、攻撃の手を強めた。22分には#9SH・樋口奏(3年)が左隅にトライ、26分にはモールから#3PR・渡辺侑(2年)が山学3本目のトライを決め、#14右WTB芦澤涼介(3年)がこの日最初のコンバージョンキックを決め17-3とし、折り返した。

後半、右から左に攻める山学は序盤から主導権を握るが8分、相手のペナルティキックで自陣22mライン内からのラインアウト、モールでゴール前まで押されたが山学のフォワードが必死に堪えた。その後の攻防は激しさを増し、互いに鋭いアタックとタックルの応酬で拮抗した状態が続いた中盤の15分、山学は右サイドから中央へ展開、相手10mライン辺りでパスを受けた#15篠原悠士(2年)が華麗なステップで相手タックルをかわし中央へトライ。コンバージョンも決まり、24-3と差を広げた。その後もフォワードとバックスが一体となった連続攻撃で相手を苦しめ19分、22mラインからドライビングモールで最後は#2HO・加藤賢正(3年)がトライ。その後、東海大甲府のキックオフボールを#5LO・雨宮巧弥(3年)がダイレクトキャッチするとそのまま突進、相手タックルをものともせずパスをつなぎ山学の怒涛の攻撃が続いた24分、ゴール前のモールから#7初鹿野遙帆(3年)がトライ、38-3と突き放した。一方、東海大甲府もここまで#15FB・留学生の多彩な攻撃を中心に、フィジカルの強いタックルで山学とわたり合い、時間も残り少なくなった30分、山学ゴール10m前のスクラムから出たボールを留学生の強い突進で山学からペナルティーを誘い好機をつくると、ラインアウト、ドライビングモールとつなぎ、山学ゴールラインを割った。コンバージョンも決め38-10とした。その直後、ノーサイドの笛が響き渡った。奇しくも前回大会では12-38で東海大甲府、今回は38-10で山学が勝利、雪辱を果たした。山学は復活3年目で初めての決勝に進出した。

■山梨学院高スターティングメンバー
#1小俣颯舞(3年)、#2加藤賢正(3年)、#3渡辺侑(2年)、#4Liam(2年)、#5雨宮巧弥(3年)、#6朴霜焄(3年)、#7初鹿野遙帆(3年)、#8吉野大翔(3年)、#9樋口奏(3年)、#10小島咲汰朗(2年)、#11矢野悠斗(3年)、#12井上愛斗(2年)、
#13Tokoyo(2年)、#14芦澤涼介(3年)、#15篠原悠士(2年)
◆リザーブ=#16Manase(3年)、#17長谷川大輔(3年)、#18足達将太(3年)、#19田形正大(2年)、#20下條友成(2年)、#21菅沼直樹(1年)、#22梅澤稟太郎(3年)、#23平塚優斗(3年)、#24松原健斗(3年)、#25大森拓実(3年)
◆交代=#6⇒#17、#4⇒#16、#12⇒#24、#1⇒#22、#2⇒#19、
#3⇒#18、#5⇒#20、#9⇒#25

◆《山梨学院高校結果》

第103回全国高校ラグビーフットボール大会山梨県予選 準決勝戦
《山梨学院高VS東海大甲府高》11/4 御勅使南公園ラグビー場
〇 山梨学院高 38 前半 17-3
後半 21-7
10 東海大甲府高 ●
山梨学院トライ=#11矢野悠斗、#9樋口奏、#3渡辺侑、#15篠原悠士、
 #2加藤賢正、#7初鹿野遙帆 コンバージョンキック=#14芦澤涼介4
東海大甲府トライ=1、コンバージョンキック=1、ペナルティキック=1

試合後、古屋勇紀監督は開口一番。「前半、相手の厳しいディフェンスでなかなかこちらの思うような展開に持ち込めなかった。課題は細かいミスがいくつか出ているので、持ち込んだボールを落としたり、持ち込んだボールで反則をしているとか、その辺を修正していかないと、決勝戦では苦戦すると思うので、大きな修正点ですね」と課題を挙げた。初めての決勝戦に臨むにあたって「まだ2年7ヶ月(復活して)なので、決勝戦もここまでやってきた道のりもすべて初めてだらけなので、子どもたちも私たちスタッフの心持ちも変わらないです」とただ次の一戦に集中する。加藤賢正主将は「まずは初戦相手が東海大甲府さんで去年、負けている相手だったので難しい場面も多かったですけど、勝ちきれたので良かったです。ボールが手につかなかったり、気持ちが前に行き過ぎてミスを誘うようなプレーをしてしまったですが、徐々に修正できたのは、みんなで声掛けをして自分たちのペースに持っていけた」と安堵の表情を見せた。打倒日川高に向けて、「ここで勝って花園に行くというのが、まず第一の目標でもあるので、そこで次の試合は新人戦、総体で勝っている相手ですけど、自分たちはまだ出たことがないのでチャレンジャーとして、しっかり自分たちのプレーができれば」と決意を新たにした。先制のトライを挙げた矢野悠斗選手は「フォワードが苦しい中、バックスの自分たちがどう動いて相手のギャップを作ってフォワードがゲインしやすくしたり、そうなったらバックスで取りきらなければという気持ちでした。最後は仲間がスタンド、フルバックとつないできたので自分が獲るという気持ちが強かった」と振り返った。決勝戦には、「日川になったので自分はウイングとしての役目、しっかり外を思い切り走ってトライを取ったり、キック処理をしてからのカウンターのサポートだったりを意識してやっていきたい」と力強く語った。

決勝戦は次週12日(日)、花園出場を懸けて日川高と対戦。復活2年半で絶対王者の牙城を崩せるか注目の一戦に期待が集まる。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2023.11.4