●第102回全国高校サッカー選手権山梨大会
~山梨学院は準決勝で日本航空高に競り負ける~
~度重なる決定機を活かせず県内3冠ならず~
第102回全国高校サッカー選手権山梨県大会準決勝が11月5日、JITリサイクルインクスタジアムで行われ、大会4連覇を目指す山梨学院高は日本航空高と決勝進出をかけて対戦した。試合は、山学がこれまでの勝ち上がり同様にサイドを大きく使い、縦へと早い攻撃を組み立て、航空は高い位置でボールを奪い、ショートカウンターでゴールを狙う。山学は、前半度重なる決定機を迎えるが、相手の堅守が上回り、枠を捉えきれず無得点で試合は進む。一方の航空も山学の背後を狙った攻撃を仕掛けるが、山学はコンパクトに守備陣形を敷き、組織的な守備で得点を与えず、0対0で前半を折り返す。後半に入ると、航空が攻勢を強め、山学は選手交代でこれに対応。山学は、後半もゴール前で好機を得るが、決定力に泣き、1点が遠い展開。後半36分、航空がロングスローのセットプレーのこぼれ球を押し込み、ついに試合の均衡が破れる。山学は勝利を信じてボールを前線に繋ぐが、最後まで航空の粘り強い守備を攻略できず0対1で競り負け、決勝進出はならず、4連覇の夢は潰えた。
第1シードの山梨学院はここまで、3回戦を日川高に7対0、準々決勝を甲府工業高に4対0といずれも無失点・複数得点で勝利を収め、準決勝進出を決めた。対する第4シードの日本航空は3回戦を北杜高に5対0、昨年ベスト4の駿台甲府高に2対1と競り勝ち、準決勝に駒を進めた。昨年は、準々決勝で山学は航空に4対1で山学が勝利し、今季も県総体で山学が3対2で勝利を収めている。バックスタンドには両校応援団が陣取り、熱い応援で選手を鼓舞。試合は日本航空のキックオフで始まった。
第102回全国高校サッカー選手権山梨県大会 準決勝 ≪山梨学院高VS日本航空高≫ 2023.11.5 会場:JITリサイクルインクスタジアム |
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● 山梨学院高校 0 | 前半 0-0 後半 0-1 |
1 日本航空高校 ○ |
試合は、山学が立ち上がりからサイドをワイドに使い、縦への推進力を持って試合を進める。前半11分、ロングカウンターを受けたFW柏木勇飛(2年 四日市FC)が一気に航空ゴールに攻め込むと相手に倒されSPA(Stopping a Promising Attack)でFKを獲得。これをMF本多弥沙哉(3年 アスミジュニアユースFC)が直接ゴールを狙うも惜しくもバーの上。18分には右CKがゴール前に入るも航空DF陣の体を張った守備に阻まれる。さらに立て続けに山学はFW富岡玲音(3年 アスミジュニアユースFC)やFW小日山滉生(3年 FCあきたASPRIDE)が高い個人技で相手を翻弄し、PA内でボールをつなぐが、決定機に欠き、先制の好機を活かせず。一方の航空は高い位置でプレスを仕掛け、ショートカウンターから山学の背後を狙うが、山学がコンパクトな陣形でスペースを与えず、GK小原稜也(2年 藤枝明誠SC)を中心とした組織的な守備で相手の攻撃を防ぐ。前半は、互いに強度の高い攻防が展開され、0対0で後半へ。後半立ち上がりは、航空が堅守速攻で攻勢を強め、山学は我慢の時間が続く。山学は後半7分、10分に交代カードを切り、航空の攻撃に対応するとともに攻撃のスピードをあげる。15分には山学はサイドチェンジからカウンターを発動。MF関口翔吾(2年 ブリオベッカ浦安)からのスルーパスに反応したFW柏木は相手GKと1対1になるも相手GKの好セーブに会い、枠を捉えることができない。その後は一進一退の攻防が続き、36分試合の均衡がついに破れる。航空のロングスローからのセットプレーで山学は四度相手の攻撃を防いだものの、最後はこぼれ球を押し込まれ航空が先制。後がない山学は勝利の二文字を目指し、懸命にボールを追ったが、航空の堅守を崩せず、試合終了。この試合のスタッツは山学がシュート14本に対し、航空は2本。山学は航空の粘り強い守備に阻まれ、決定機を活かし切れず、反対に航空は数少ないチャンスをものにした結果となった。山学は、県総体、IH予選に続く県内3冠はならず、今大会を3位で終え、4連覇10度目の選手権切符獲得はならなかった。
試合後、岩永将監督は「サッカー自体は我々の方がサイドからの攻撃など狙ったチャンスは作れていましたが、決めきれなかった所が一番の反省点です。決定力不足もありますが、相手にカウンターをさせないリスク管理の部分がもっとしっかりできていれば、(我々の攻撃の)チャンスは増えていたと思います」と試合を振り返り、「ストライカーの柏木をはじめ、2年生が多く出ていましたので、チャンスをしっかり仕留められるように、きょうの敗戦をバネにしっかり成長してもらい、来年につなげてもらいたいと思います」と語り、若いメンバーに今後の期待を寄せた。
文(Y.Y)、カメラ(平川大雪)2023.11.5