山梨学院広報課

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●全国高校ラグビー大会県予選決勝戦 山学対日川
~絶対王者日川を破り、新たな歴史の1ページを開く~ 
~復活3年目で頂点へ。「花園出場」の目標を達成~

遂にやった!復活3年目にして山梨学院高ラグビー部が、18大会連続53回目出場を目指した絶対王者日川高を22-12で破り『高校ラグビーの聖地・花園』の出場権を獲得した。11月12日、「第103回全国高校ラグビー大会山梨県予選」決勝戦が南アルプス市御勅使南公園ラグビー場で行われた。試合は開始早々、日川に押し込まれる展開が、山学の攻撃に変わった5分、中央からの展開でパスを受けた#11矢野悠斗が左隅に先制のトライを決めると、日川も山学の反則で得たペナルティキックで返し5-3と迫る。17分、今度は山学がペナルティキックからのラインアウトをモールでつなぎ#4リアムがトライ、10-3。日川のアタックは強く、山学はまたもペナルティからゴールを決められ10-6と追走される。サイドが変わった後半も、日川の激しい攻撃に山学は苦戦、ペナルティキックで得点を狙う日川の攻撃で序盤4分に10-9と詰め寄られた。山学もその後7分、日川ゴール前モールでフォワード#1小俣颯舞が飛び込み15-9と再びリード。日川も王者の意地を懸けて反撃、山学は鋭いタックルで抵抗するも、4本目のペナルティゴールで15-12。決勝戦にふさわしい拮抗した攻防が続く中、終盤山学の#1小俣が再びトライ、ゴールキックも決まり22-12と差を広げた。その後も一進一退の好ゲームが続き、山学がこのまま逃げ切り、初の花園出場を成し遂げた。全国高校ラグビー選手権は12月27日に開幕する。

■山梨学院高校ラグビー部 復活3年目ついに目標が実を結んだー
山梨学院高校ラグビー部が2021年4月に正式に復活した。1983年に創部したラグビー部は2006年に部員減少のために休部に追い込まれた。かつて県内高校に30校近くあったラグビー部が、近年は9校(今大会合同チーム3校含む)と低迷している。山梨学院は、県内の有望な中学生が県外の強豪校へ流失している現状を阻止したいという思いから、練習環境が整っている部を創設することでラグビーを志す生徒を後押し、県全体のレベルの底上げを図ることを目的としている。指導には元県ラグビー協会強化委員長、元国体成年男子監督・古屋勇紀監督を招聘しラグビー部を復活させた。創部に関しては、日本代表やトップリーグで活躍する選手を多く輩出し、現在、関東大学ラグビーリーグ2部に所属し1部に返り咲きを狙う山梨学院大学ラグビー部の存在が大きく、高大連携していくことで効果的な強化育成を目的にする。元日本代表の梶原宏之同大監督が高校総監督を務め、元トップラガーらが指導に加わり、施設や合同練習など含めた教育資源を活用する練習環境を充実させている。山梨学院高は現在、県内や県外、留学生3人を含めた男子50人、女子1人、マネージャー4人の55人で活動。3年目を迎えた男子は11月12日、ついに「第103回全国高校ラグビー大会山梨県予選」で17連覇中と不動の地位を誇る日川高校の大きな壁を打破。目標としていた『打倒!日川高』が実を結び、高校生ラガーの聖地・花園出場を果たした。山梨県ラグビー界発展へ新たな歴史の1ページを飾った。

■強化の成果が実り、選手は大きく成長ー
復活3年目、復活年に入学した選手たちは逞しくなって山梨県の絶対王者日川高を脅かす存在として、この2年7ヶ月に大きく躍進した。復活1年目に0-150の屈辱の大差で敗れ、王者の強さを思い知った。それから2年、打倒日川を標榜して厳しい練習に明け暮れ、徐々に差を縮め今年1月の新人戦で31-10で初勝利、5月の山梨県総体では66-5の大差で勝ち、初の関東大会に出場、Bブロック準優勝を果たして県外でも戦える力を付けた。そして当初からの目標、3年目で「打倒日川高、花園出場」を目指して今大会山梨県予選に挑んだ。シードの山学は2回戦準決勝から出場、前回大会準決勝で敗れている東海大甲府高を38-10で退け雪辱を果たし、日川との決勝戦に臨んだ。

■赤と黒の伝統のジャージに山学のC2Cカラーのジャージが戦いを挑んだー
決勝戦の始まる午後1時35分前には、両校、約1000人の保護者やラグビーファンが多く詰めかけた。山学高には先日、秋季関東高校野球大会で準優勝を飾った野球部員が駆け付け、大きな声援でラグビー部を盛り上げた。
前半、日川高のキックオフで試合が開始されると、早々に日川は山学陣内に入り込み、何度も攻撃を仕掛けた。右から左へ攻める山学は鍛え上げられたフィジカルでゴール前を死守、相手のペナルティを誘い、この場を防ぐと反撃に出た。ハーフウェイラインまで押し戻したラインアウトから攻撃を展開、左右にボール出しをして徐々に22mラインに近づいた。中央からフォワードが日川に圧力を懸けると、ボールを左に展開、パスを受けた#10小島咲汰朗(2年)がボールを大きく飛ばして#11矢野悠斗(3年)が準決勝でも奪った先制トライを左隅に決め、5-0とした。日川も山学の反則からゲームの展開を変えるペナルティキックを多用し、攻撃を進めた10分、ペナルティを奪うとキックを決め5-3とした。山梨学院は中盤、フォワードの力強い突進とバックスのランで日川陣内へ迫った。チャンスが続いた17分、ラインアウトからモールで日川フォワードを押し込み、#4留学生リアム(2年)が飛び込んで10-3とするも、日川も終盤、またもペナルティゴールで3点を返し10-6で追いすがった。その直後の日川のペナルティキックは外れて得点とはならず、そのまま後半に折り返した。

■後半、反則が多かった前半を切り替えてー
山学が左から右へ攻めるサイドに変わった後半も、日川の激しいアタックに山学は押され、序盤にペナルティからゴールキックを決められ10-9と1点差まで詰め寄られた。その後、山学はフォワード、バックスのコンビネーションを使い、左右に攻撃を展開、日川陣地を脅かした。7分、日川から得たペナルティキックからラインアウト、強いフォワードのドライビングモールで#1小俣颯舞(3年)が飛び込み15-9と再びリードを広げた。日川も王者の意地を懸けて反撃、山学フォワードの突進に鋭いタックルで抵抗、激しい攻防の中、山学のペナルティに3本目のゴールを決め15-12と肉薄した。決勝戦にふさわしい攻防の中、ここまで山学は3トライ、日川は4ペナルティゴールの応酬で一進一退の展開で進んだ。それでも山学はフォワードの圧力とバックスでトライを狙う展開を継続した。それに日川もタックルでしぶとく堪えた終盤20分、山学はゴール前5m、フォワードが一体となったドライビングモールで押し切り#1小俣が2本目のトライ。20-12と1ワントライ・1ゴール(7点)では追いつけない8点差に広げた。この試合、不調の#14芦澤涼介(3年)のコンバージョンキックも初めて決まり22-12とした。その後も互いにゴールを目指して好ゲームを繰り広げた。最後は#15篠原悠士(2年)がボールを蹴り出し、ノーサイドの笛が鳴った。瞬間、山学選手は互いに抱き合い喜びを爆発させた。山学は復活3年目で初の栄冠を手にし、日川の18大会連続53回目の優勝を阻止、初の花園出場を決めた。

■山梨学院高スターティングメンバー
#1小俣颯舞(3年)、#2加藤賢正(3年)、#3足達将太(3年)、#4Liam(2年)、#5Manase(3年)、#6雨宮巧弥(3年)、#7初鹿野遙帆(3年)、#8吉野大翔(3年)、#9樋口奏(3年)、#10小島咲汰朗(2年)、#11矢野悠斗(3年)、#12宮下悠空(3年)#13井上愛斗(2年)、#14芦澤涼介(3年)、#15篠原悠士(2年)
◆リザーブ=#16長谷川大輔(3年)、#17Tokoyo(2年)、#18渡辺侑(2年)、#19渡邊楓太(2年)、#20朴霜焄(3年)、#21菅沼直樹(1年)、#22梅澤稟太郎(3年)、#23平塚優斗(3年)、#24松原健斗(3年)、#25大森拓実(3年)
◆交代=#3⇒#19、#4⇒#18、#5⇒#22

◆《山梨学院高校結果》

第103回全国高校ラグビーフットボール大会山梨県予選 決勝戦
《山梨学院高校VS県立日川高校》11/12 御勅使南公園ラグビー場
〇 山梨学院高校 22 前半 10-6
後半 12-6
12 日川高校 ●
山梨学院トライ=#11矢野悠斗1、#4リアム(Liam)1、#1小俣颯舞2
コンバージョンキック=#14芦澤涼介1
日川トライ=0、ペナルティキック=4

試合後、古屋勇紀監督は「ほっとしています。今の3年生は全くラグビーの環境ゼロのところに入ってきた25人ですので、この“花園に出場するんだ”ということで集まってきた仲間が今日の日に目標を達成できたことは、素晴らしいなと思いますし、あの子たちを本当に誇りに思います」と称えた。勝ったポイントは。「フォワードのフィジカル強化に取り組んできたので子どもたちは十分力を発揮してくれたと思っています。エリアでスコアされるところでの反則が多かったということで12点の失点につながりましたが、トライを取られる場面はなかったのでディフェンスは積極的に行ったことによっての反則もあったのでそこはあまりネガティブに捉えずにベンチではいました」。試合前、「前半から、キックオフの瞬間から行こう、圧倒しよう」と選手たちの力を信じ送り出したという。スクラムリーダーとして最前列でチームを率いた加藤賢正主将は「苦しい展開も多かったので勝ててほっとしています」。今日の試合の勝因は「フォワード戦で勝てたということが一番大きかったなと思います。セットプレーでしっかり圧倒するという、細かいユニット単位で練習の質も追及して1年間以上やってきたのでそういう部分が今日の試合に活きた」。今日、日川に勝って歴史を変えたことに「すごく難しいことだと分かっていたので、そういう中で練習とかでも意識しながらきつい練習でもみんなで乗り越えて行こうというふうに頑張ってきた」。初優勝については「とてもうれしいので、それを次の世代にもつなげられるようにこれからの試合にしっかり頑張っていきたい」と話した。初の花園出場は「最近、山梨県のラグビー出場校は1回戦負けが多いので、今年は自分たち山梨学院が花園年越しを目標に頑張ってきたい」と意気込んだ。後半、2トライを挙げたプロップ・小俣颯舞選手は「ここまでやってきたフォワードの力をひとつにまとめて全員で取ったトライ」と胸を張った。「1年目に0-150で負けてしまったんですけど、ここまできつい練習を続けてきて勝てて良かった」と振り返った。花園に向けて、「自分たちのラグビーをしっかりとやって2回戦突破を目指します」と力強く語った。スクラムハーフとしてボールを供給した樋口奏選手は「1年目に0-150で負けて人生で一番の屈辱を味わった中で、ここまで辛いこともありましたけど、みんなで声を掛けあって、チーム一丸となってやって来たものがやっと手に入って本当にうれしい」と初優勝を喜んだ。今日の試合を振り返って「日川が自分たちに対して、いくつもサインとか戦略とか考えてきて拮抗した試合運びになり、ちょっと焦りもあったんですけれど、後半に、自分たちらしいプレーをしようとチームでまとまり、そこから落ち着いてプレーすることができたのが勝利につながった」と勝因を語った。花園に向けて「山梨県では戦えないような強いチームがいっぱいいる中で自分たちがどれほどの力があるのか試せる場所だと思うので1年目でいい結果が出せるようにこれから準備していきたい」と意欲を示した。

古屋勇紀監督は花園に向けて、「まずは初出場らしく爽やかな戦いをしていきたい」と出場する喜びを噛みしめた。「第103回全国高校ラグビー選手権大会」は12月2日に組み合わせ抽選会が行われ12月27日、東大阪市花園ラグビー場で開幕する。

文(K.F) カメラ(小池裕太) 2023.11.12