山梨学院広報課

HOME

山梨学院パブリシティセンターニュースファイルイメージ画像

●第49回全日本大学レスリング選手権 1日目
~山学大8階級中6階級で決勝進出 王座奪還に好位置。~
~4年ぶり7度目の優勝に日体大の牙城を崩す~

レスリングフリースタイル大学日本一を決める「第49回内閣総理大臣杯全日本大学レスリング選手権大会」が11月18日、大阪府堺市金岡公園体育館で開幕、2日間の熱い戦いが始まった。大会は各大学10階級中、オリンピック階級6階級と非オリンピック階級4階級の内から2階級にエントリーができる計8階級で行われる。出場枠は参加大学から1階級1人、計8人が出場でき、個人の成績のポイントによる大学対抗戦として争われる。1日目は各級の1回戦から準決勝までが実施された。山梨学院の1日目の結果は8階級中、6階級が決勝に進出、各チームをリードした。内訳は61㎏級優勝で優勝を期待された小野正之助が直前の故障のため副選手の須田宝(1年)が大役を担い出場、快進撃を続けチームに貢献。2連覇を狙う65㎏級の荻野海志(2年)と70㎏級の青柳善の輔(4年)は想定内の働きを挙げ、今年の全日本学生選手権74㎏級3位の鈴木大樹(3年)も大いに実力を発揮した。チーム事情により本来の階級から2階級上げた86㎏級佐藤匡記(4年)と97㎏級五十嵐文彌(2年)は苦しい増量にも耐え、安定した戦いぶりで期待に応えてともに決勝に進出した。現在3連覇中の日体大は、5階級で決勝に進出。1日目を終えて2校の優勝争いに山学大が優勝に一歩近づき、4年ぶりの7度目の優勝に王手を懸けた。

今回49回目を迎えた「内閣総理大臣全日本大学レスリング選手権大会」は、レスリングフリースタイルで全国大学日本一を決める学生最高峰の大会。各大学から10階級の内、8階級に1人の代表選手が出場し個人の成績によって得点が与えられ、その合計点で大学の順位を決める大学対抗戦。今回は全国30大学で争われ、大学対抗得点は、優勝12点、準優勝9点、3位6点、5位3.5点、7位2点、8位1点に振り分けられ加算される。大会は、10階級で行われ18日1日目に1回戦から準決勝まで、19日2日目に敗者復活戦と決勝がそれぞれ実施される。10階級の内訳は、オリンピック階級の57㎏、65㎏級、74㎏級、86㎏級、97㎏級、125㎏級の6階級、非オリンピック階級の61㎏級、70㎏級、79㎏級、92㎏級の4階級では各大学2階級にエントリーができる。山梨学院はこれまで6回の優勝を誇るが、昨年は2位となったが日体大に大差をつけられた。雪辱を果たすべく臨んだ今大会1日目を終え、3連覇中の日体大の牙城を崩す好位置に着いた。

■≪11/18 大会1日目 大阪府堺市金岡公園体育館≫ 4年ぶりの優勝を目指すー
◆57㎏級は怪我で不出場の塚岡達也(4年)に代わってJOCジュニアオリンピック2位、東日本学生リーグ戦でも代役で出場した勝目大翔(1年)が先陣の役割を果たした。山学大1番手で登場し、1回戦に相手を圧倒。13-0のテクニカルスペリオリティー(TF)で勝利したが、2回戦で敗退した。
◆61㎏級は今年の全日本学生選手権(インカレ)、国体を制し優勝を期待された小野正之助(2年)が今大会直前に腰の不調で急遽、須田宝(1年)が出場。大会まで数日という中で、減量をこなし目覚ましい活躍を見せた。2回戦から出場した須田は、俊敏な動きで初戦、準々決勝と2戦連続前半でのTFで準決勝に進むと、準決勝でも大技を含むTFで3戦連続無失点と、大器の片鱗を印象付け決勝に進んだ。
◆65㎏級の荻野海志(2年)は前回大会で1年生王者に輝き2連覇を狙って登場。1回戦、2回戦、準々決勝を快勝。準決勝では前半、早い時間に先制するがその後は膠着状態が続き、後半終盤に1ポイントを奪われたが、最初の2ポイントを死守し辛勝した。決勝の相手は宿敵日体大の清岡幸太郎と相まみえる。
◆70㎏級の青柳善の輔(4年)は、前回大会優勝で2連覇を狙う。今年はシニア世界選手権出場、U23世界選手権で銀メダルを獲得するなど、世界で通用する選手に確実な力をつけてきた。1回戦は不戦勝、2回戦は安定した取り口で勝利、準々決勝では豪快な反り投げの大技を見せるなど相手を圧倒した、準決勝では優勝候補の一角、前回大会決勝で戦い勝利している日大の渡辺慶二と対戦。世界で一回りも二回りも力を付けた青柳は相手に圧力を掛け、消極的とコーションでポイントを奪うと、相手の動きを封じ大技も飛び出し11-0と圧勝、決勝に進出した。
◆74㎏級の鈴木大樹(3年)は、今年の東日本学生選手権優勝(春季)、全日本学生選手権で3位となり、頭角を現してきた。1回戦、2回戦をテクニカルスペリオリティー(TF)で圧倒し、準々決勝では相手の圧力で0-3とリードされる展開で迎えた終盤に逆襲、2ポイントを返し2-3とすると残り15秒、相手の攻撃の中で身体を返し2ポイントを加え逆転、4-3の辛勝で準決勝へ進んだ。準決勝では、開始早々からポイントを奪い、その後も攻め続け圧勝した。
◆86㎏級の佐藤匡紀(4年)は一昨年の世界選手権出場の実力者。このところ目立った実績はないが、チームの重鎮で頼れる存在。チーム事情から本来の74㎏級から2階級上げて出場。1回戦をフォール、2回戦をTFで貫録勝ち。準々決勝、準決勝では通常より重い相手にも安定した試合運びで確実にポイントを奪い、いぶし銀の技で勝利した。決勝の相手は全日本学生選手権王者の日体大・高橋夢大と対戦する。
◆97㎏級は、五十嵐文彌(2年)が2階級上げて挑戦した。前回大会86㎏級優勝、今年のU20世界選手権2位、全日本学生選手権2位と実績十分。初戦の2回戦は、速攻で僅か36秒でTF、準々決勝は23秒でフォール勝ちと力の差を見せつけた。体重増加もいとわない鋭い動きで準決勝も前半で肩を付ける異次元の強さで勝ち進んだ。決勝の相手はライバルと目する日大の吉田アラシと対戦する。
◆125㎏級留学生のソヴィット・アビレイ(2年)は1回戦、序盤に一方的に相手を退けると2回戦、前半は圧力を掛け相手を見切り、後半に立ち上がりから攻撃、フォール勝ちを収めた。準々決勝も手堅く勝利。準決勝は、この階級の実質的な決勝戦と言える育英大の留学生との対戦。前半0-0で折り返すと後半、相手がカウンターから3ポイント先制すると、その直後にアビレイも同点にするが相手も突き返し3-6とリードされた。その後、2ポイントを挽回するも、5-6で惜敗。明日3位決定戦に回ったアビレイは是が非でも3位に入り、チームの優勝をサポートする。

1日目が終了して準決勝までの成績は、決勝進出階級で山学大が6階級、日体大が5階級と2校の優勝争いになった。若干、山学大優位も61㎏級、65㎏級、86㎏級、3階級での直接対決が優勝への行方を左右する。

試合終了後、小幡邦彦監督は「こういう展開にはなると思っていたんですが、出た選手はミスもあったですけれど最低限の仕事はしてくれました。厳しいところでの逆転だったり、その辺は、リーグ戦での悔しい思いやこのところ日体大に負けていたのでここは何とかタイトルは獲りたいとの思いでやってきました。ただ試合前の調整でU23代表の塚岡や小野の腰の不調で出れなかったアクシデントがあったんですけど、うちも底上げができ、2番手でも十分戦えるチームになってきていて、いま持っている最大限の力は出してくれたので明日の決勝は気を抜かないように全部勝って優勝を飾りたい」と4年ぶりの7回目の優勝に懸ける。主将の青柳善の輔選手は「チームとしてやってきたことが出た結果です。ずっと絶対に日体に勝つと言ってきたので、あと少しまで来たなという感じです」。明日の日体大戦には「直接対決で1勝できれば多分優勝できると思うのですが、全員が勝てば気持ち良い優勝なのでそこを目指します」と意気込んだ。

文(K.F) カメラ(平川大雪)2023.11.18