山梨学院広報課

HOME

山梨学院パブリシティセンターニュースファイルイメージ画像

●山梨学院大学孔子学院「中国牡丹画の世界展」開催
~「孔子学院の日」記念イベントで中国絵画芸術を堪能~
~初日、オープニングセレモニーで牡丹画の第一人者が挨拶~

山梨学院大学孔子学院では、広く地域の人たちに中国文化への理解促進を図るため、さまざまな活動を展開、その中で年に一度、「孔子学院の日」に特別な文化イベントを開催し、さらなる中国文化を発信する活動を行っている。今年度は「孔子学院の日」記念イベントとして「中国牡丹画の世界展」を12月16日から18日の3日間、中国牡丹画家の第一人者、謝麗萍(シャ・レイピン)氏を招いて開催することになった。孔子学院棟1階特設展示会場には、2021年に開催した「中国文化芸術展」に牡丹画作品を提供してくれた謝麗萍氏が再びこのイベントのために制作した15点の貴重な作品が展示され、初日の16日は、開館に先立ちオープニングセレモニーが行われた。初めに主催者代表の古屋光司本法人理事長・本孔子学院理事長が挨拶。引き続き作者の謝麗萍氏が挨拶し、展覧会が開幕した。この日は、多くの人が中国最高峰の牡丹画芸術作品を見ようと訪れ、牡丹画の一枚一枚の花びらやつぼみ、葉の生きている力強さを感じる描写に目を奪われ、真剣に牡丹画を見入っていた。また、謝氏が制作実演を披露し、繊細かつ大胆な筆づかいで山梨学院大と孔子学院の成長をイメージした作品を作り上げた。午後からは謝氏自ら指導する「牡丹画体験教室」が予約の人数限定で行われた。この実演と体験教室は明日も行われる。

■山梨学院大学孔子学院の活動、取り組みー
日本で15校目となる山梨学院大学孔子学院では、2019年度の開設以来、中国語や中国文化の理解促進のための語学講座や文化講座を開講している。通年講座に加え、毎年「孔子学院の日」には文化交流イベントを開催。2019年は「中国切り絵芸術の世界展」として世界無形文化遺産「剪紙」の実演、2021年には牡丹画、中国書を展示した「中国文化芸術展」を開催した。また、山梨学院高校の進学コースの生徒を対象に「楊琴」の演奏会や「中国武術/気功」、中国国家級無形文化財に認定されている伝統芸能「変面/京劇・雑技」が行われ、数々の中国文化芸術を紹介している。

■「中国牡丹画の世界展」オープニングセレモニー
展覧会初日16日午前10時より、開催に先立ち山梨学院大孔子学院棟入口でオープニングセレモニーが行われた。初めに主催者の古屋光司本法人理事長・本孔子学院理事長が挨拶。「今日はこんなに多くの皆さんにお集りいただきうれしく思います。今までのたくさんの中国文化を紹介してきましたが、今回は牡丹画ということで本当に中国を感じられる絵画で私も楽しみにしていました。先にちょっと鑑賞させていただいたんですが本当に素晴らしいです。(中略)牡丹という中国では国花という大事な花ですが、中国から日本に入ってきて、中国の花をもちろん日本でも見ることはできるんですけど、発音は違いますが文字は同じ言葉をそのまま日本でも使っているということで、ここは日中の関係を感じることができます。これを孔子学院で題材にできたことは本当にうれしく思います。3日間という短い期間ですけど多くの皆さんに鑑賞していただきたいと思います」と述べた。続いて細萱和寛孔子学院事務局長が画家のプロフィールを紹介。それに続き謝麗萍氏が挨拶。「この度は山梨学院大学孔子学院に招待していただき、本当にありがとうございます。牡丹は中国人にとって、富と繁栄、平和の象徴であり、美しい文化的なシンボルであります。絵画は中華民族の優れた伝統的な文化の重要な一部です。今日の展示には、伝統的な中国画と、中国の無形文化遺産である『金石博古牡丹画』も含まれています。中国と日本は重要な隣国であり、中日文化も互いに継承されています。この展覧会を通じて、より一層の中国文化への理解や中日文化の交流ができることを願っています」と述べ、「中国牡丹画の世界展」が開幕した。

■中国牡丹画家・謝麗萍(シャ・レイピン)氏プロフィール。ー
中国洛陽出身、40年以上にわたり、牡丹の絵を描き続け「牡丹仙人」と称された画家。現在は、洛陽龍門画院院長、洛陽牡丹協会副会長。中国無形文化遺産に指定されている『金石博古画』技術の伝承人。アメリカ、フランス、日本など10数か国で展覧会を開き、講演会や文化交流会を数多く行っている。作品は、各国首脳や著名人、多くの美術館に所蔵されており彼女の芸術的功績は国内外のメディアに取り上げられている。また、謝氏の作品『国色天香」は、中国人民大会堂に展示された後、フランスの中部に位置する都市、アンドル・エ・ロワール県の県庁所在地であるトゥールの政府が所蔵している。

オープニングセレモニー前に謝麗萍氏に話を聞いた。牡丹画を今まで描いてきたことに、「牡丹は中国の花で最も有名で中国の古代の漢詩を作った李白や杜甫は牡丹をテーマにした詩を作っていて、中国では誰でも知っているとても有名な詩がありまして、この詩をきっかけに始めました」。どんなところを見てもらいたいか。「中国の絵の伝統的な技を見てもらいたいです。色が5色ありまして、特別な宣紙(主原料に竹を使用しており、美しいにじみとカスレが表現できる)という紙を使い、これが中国伝統の絵の基本的なポイントです」と中国牡丹画の仕上がりの深みを挙げた。また、「描き始める前に十分にイメージを膨らませ、そのイメージを基に一気に描きあげます」と制作法を明かした。

■展示会場には15点の上質な芸術作品は並ぶー
開場とともに多くの鑑賞者が入場。中国無形文化遺産「金石博古画」と富貴や平和を象徴する絢爛たる牡丹の花を組み合わせた作品、中国伝統技法を用いた作品、それと近代西洋絵画技法を融合させた自由に創造性豊かな作品で見る者を魅了する。会場には中国人留学生や地域の中国人の姿も見られ、賑わいを見せた。牡丹画を鑑賞するのは初めてという甲府市の荻原仁美さん(主婦)さんは「パンフレットをいただいて来ました。自分は絵は描けないですけど、見るのは好きなので中国の方が描いた原画を見たいと思い来ました。すごいですね、色遣いが。色の鮮やかさが素晴らしく先生のイメージが色に出ているなと感じました」と話した。中国出身で甲府市在住の曹順子さん(医療コーディネーター)は「とても感動的ですね。牡丹ってこんなに表情があってきれいだということが伝わってきました。様々な角度から牡丹の姿を見せてくれていると感じます。同じ中国出身でもこういう展示会を見ることはなかったんですけれども、中国の文化を日本で身近に感じられ、私たちの子どもにこういう文化を見せてもらえることがうれしいです」と話した。

その後、謝麗萍氏は多くの鑑賞者を前に牡丹画制作の実演を行い、5つの牡丹の花を描いた。
謝氏は完成した作品の意味を説明。「山梨学院大孔子学院が創立して間もなく5周年になると聞きました。そう言う気持ちを託して5つの牡丹を描きました。そして絵の一番下にある古い枝は創立77年になる山梨学院大学の基礎を表し、孔子学院はその土壌の上に成長しました。そして、若い理事長の指導の下で山梨学院が繫栄することを願って上に伸びている枝を描きました」と即興で一つの作品を作り上げた。それに応えて、古屋光司理事長は「この実演で孔子学院のこと、山梨学院大学のことを考えて描いていただいて感動しました。大事に孔子学院で飾りたいです」と述べた。

午後からは謝麗萍氏自ら指導する「牡丹画体験教室」が事前予約の人数限定で行われた。謝牡丹画制作実演、牡丹画体験教室はともに16日、17日のみとなっている。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2023.12.16