山梨学院広報課

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●第103回全国高校ラグビー大会開会式 1回戦
~山学高初陣惜敗も『聖地・花園』に一歩を記す~
~長崎の実力校と終盤まで拮抗した好ゲーム~

ラグビー部復活3年目で目標の花園出場を決めた山梨学院高ラグビー部が聖地での初陣に臨んだ。12月27日、第103回全国高校ラグビー大会が大阪・花園ラグビー場で開幕。午前10時より全国から代表51校が参加して4年ぶりの開会式が行われ、山学高は加藤賢正主将ら30人の選手が「聖地・花園」を堂々と行進した。出場校を代表して秋田工業高の大沢空主将が「今日、全国から集まった仲間と日頃から応援していただいている方々に感謝の気持ちを込めて、私たちにしかできない最高の103回大会にし、高校ラグビーの歴史をつなぐことを誓います」と力強く選手宣誓。開会式後、1回戦が行われ、山学高は午後2時50分から長崎南山高と対戦した。前半序盤、やや長崎南山がボールを支配。山学の反則から中央でのラックでトライを挙げ先制。その後、山学も反撃。#8佐野涼太のトライで同点に追いつくと終盤、パスをつなげ#14芦澤涼介が左隅に逆転トライを決め12-7とリードした。後半に入り、山学は再び序盤に反則からペナルティゴール(PG)を決められ12-10。さらにPGで12-13と逆転され、山学が優位にアタックを掛けるも、反則から失点する場面が続いた。逆転された直後、山学のFWからバックスへの見事な展開で#15篠原悠士が左隅に飛び込み再逆転。それからも得点を奪い合う激しい攻防が続いた山学1点リードの終盤、痛恨のPGで逆転され26-28。2点差で初陣勝利を逃したが山学高ラグビー部は改めて新しい歴史の一歩を築いた。

■高校ラグビーの「聖地・花園」4年ぶりに開会式を実施ー
12月27日午前10時、この時期にしては穏やかな暖かい日差しが届く東大阪市花園ラグビー場。第1グランドメインスタンドに詰めかけた都道府県代表の関係者やラグビーファンが見守る中、新型コロナウイルス感染防止のため行われなかった開会式が4年ぶりに実施された。開会式は全国の予選を勝ち抜いた51校が参加。選手宣誓は秋田県代表・秋田工業高の大沢空主将が務め、「われわれ選手一同は、先輩ラガーマンが102回つないでくれたこの高校ラグビーの歴史に感謝しています。新型コロナウイルスに4年間悔しい思いをした先輩たちの姿を見てきました。いまこうして開会式ができることに喜びを感じます。秋にはラグビー日本代表の皆さんがワールドカップで日本中に勇気や感動を与えてくれました。その選手たちが活躍したこの『聖地・花園』で、見ている方々の胸を熱くなるようなプレーをします。今日、全国から集まった仲間と日頃から応援してくださる方々に感謝の気持ちを込めて、私たちにしかできない最高の103回大会にし、高校ラグビーの歴史をつなぐことをここに誓います」と力強く宣言。第103回全国高校ラグビー大会が開幕した。

■初の花園出場の山梨学院高ラグビー部に多くの応援団が集結ー
山学高の1回戦は午後2時50分。試合開始前のバックスタンドに、朝5時に甲府をバスで出発してきた生徒会役員やチアリーダー部員、引率教師、PTA役員約50人が並んだ。それに保護者や多くの山学高を応援する人らが加わって試合の開始を待った。吉田正山梨学院高校長は歴史的な初陣に、「自分たちのラグビーがちゃんとできれば十分にチャンスがあると思うので、初出場という言葉がプレッシャーにならないように楽しんでプレーしてもらいたいです。応援します」とエールを送った。

■ラグビー強豪県を制した長崎南山高に挑むー
3年ぶり7度目の出場の長崎南山高は長崎県予選決勝で花園2年連続ベスト8入りの長崎北陽台高に劣勢から粘りの反撃で引き分け(2校優勝)、抽選で花園出場を勝ち取った実力校。山梨学院は強力なFW陣と一体となったバックス陣の展開力で対抗する。

■花園に山学のC2Cブルーが躍動ー
前半、山学高のキックオフで試合が開始された。序盤、長崎南山高の強い当たりにやや試合をコントロールされた10分、試合が動いた。山学自陣ゴール前中央、長崎がラックから#9が右中間にトライ、コンバージョンキック(Gキック)も決め0-7と先制した。その直後、山学は鋭いフットワークで続けて相手ボールをパスカットし好機を作るもいずれもペナルティ(反則)を取られ得点を奪えず。しかし、動きが良くなった山学は18分、バックスの展開からゴール直前まで攻め上がり、ラックから#9樋口奏(3年)のパスを#8佐野涼太(2年)がゴールポスト際へ押し込み、#14芦澤涼介(3年)のGキックも決まり7-7の同点とした。これで一気に山学高応援団のボルテージは上がり、山学に流れが移ると、フィジカルを強化したフォワードとバックスが一体となった攻撃が機能、終盤の27分にはゴール前スクラムからボールを左へ展開、#10小島咲汰朗(2年)が一人飛ばし左タッチラインを走った#14芦澤が左隅にトライ、12-7とし、自身が蹴ったGキックは外すも、リードして前半を終了。

■後半、目が離せない一進一退の攻防が続くー
後半、長崎南山のキックオフで始まった。山梨学院はこの試合、前半から反則が多く好機の芽をつぶしていたが、後半6分、11分と2つのオフサイド(密集に横から参加)でペナルティゴール(PG)を決められ12-13と逆転を許した。しかし、この日攻撃力で主導権を握る山学はその直後の12分、ハイパントキックを制した#4雨宮巧弥(3年)が突進、ゴール直前のラックから#10小島、#12宮下悠空(3年)、#15篠原悠士(3年)とつなぎ17-12、Gキックも決め19-13と再逆転。山学の鍛え上げられた強いタックルとバックスの連携で相手を苦しめるが長崎南山も反撃。16分、山学ゴール前のラックからフォワードがボールを持ち出しトライ、Gキックも決まり19-20と一進一退の攻防が続く好ゲームとなった。なおも山学は#15篠原のトライで26-20とやや差を広げるも、ワントライ・ワンゴールで逆転が可能な長崎の攻撃22分、フォーワードの突進を簡単に許したディフェンスの間隙から得点に結びつき26-25と1点差に。Gキックは外すも、終盤の長崎の激しい攻撃に山学は痛恨のハイタックルの反則。ゴール前30m付近からのPGを決められ26-28と逆転された。山学応援団の熱い声援に後押しされたこの後の反撃も実らずノーサイドの笛が鳴った。この試合、山学はトライ数で勝るも、犯したペナルティゴールで最後に明暗の差が出てしまった。負けはしたが初陣で長崎の実力校と互角に渡りあった戦いぶりは、記憶に残る好ゲームとなった。

■山梨学院高スターティングメンバー
#1小俣颯舞(3年)、#2加藤賢正(3年)、#3足達将太(3年)、#4雨宮巧弥(3年)、#5リアム・ヘンダーソン(2年)、#6渡邊楓太(2年)、#7吉野大翔(3年)、#8佐野涼太(2年)、#9樋口奏(3年)、#10小島咲汰朗(2年)、#11三木良唯吏(2年)、#12宮下悠空(3年)、#13パエラ・フォトフィリ(2年)、#14芦澤涼介(3年)、#15篠原悠士(2年)
◆リザーブ=#16長谷川大輔(3年)、#17マナセ・ファーガソン(3年)、#18渡辺侑(2年)、#19梅澤稟太郎(3年)、#20朴霜焄(3年)、#21初鹿野遙帆(3年)、#22井上愛斗(2年)、#23平塚優斗(3年)、#24矢野悠斗(3年)、#25大森拓実(3年)
◆交代=#7⇒#21、#5⇒#17、#14⇒#23

◆《山梨学院高校結果》

第103回全国高校ラグビーフットボール大会1回戦
《山梨学院高校VS長崎南山高校》12/27 大阪・花園ラグビー場
● 山梨学院高校 26 前半 12-7
後半 14-21
28 長崎南山高校 〇
山梨学院高トライ=#8佐野涼太1、#15篠原悠士2、#14芦澤涼介1
コンバージョンキック(ゴールキック)=#14芦澤涼介3
長崎南山高トライ=3、ペナルティキック=3、コンバージョンキック2

試合後、古屋勇紀監督は初出場の試合に、「勝負事ですので勝たなきゃいけないので残念です。特に前半に反則の数が多かったのでなかなか敵陣に入ることができなかったことが一番大きな反省ですね。(戦いぶりは)フォワードが前半も後半も前に出れたので、反則をもうちょっとしないような試合ができれば、こちらが優位に働くことができた試合でした。2点分足りなかったことで、子どもたちは最後まで諦めずにボールを追いかけていたので、子どもたちの姿には本当に誇りに思います」と振り返った。一つの大きな経験については、「やはり花園というのはあまり甘くないというのが子どもたちは肌感覚で分かったと思うので今日の一戦を是非忘れることなく一年後も目指してもらいたい」と話した。1年生から主将としてチームをまとめた加藤賢正選手は「すごく楽しかったんでんですけど、やはり勝ってなんぼだと思うので勝ちたかったです。最高の舞台で最高の仲間とできたということはすごくうれしく思います」と話し、試合については、「反則を重ねたことで相手ペースになってしまって点を獲られてしまったので、修正すべき点だったかなと思います。自分たちは最後の最後まで仲間を信じてみんなで一丸となってプレーできたと思いますし、自分たちがやってきた形でトライが獲れたことをみんなで喜んで楽しかった」と清々しい表情で話した。

■山梨学院高校ラグビー部 復活3年目の目標が継続、さらに高みにー
2021年4月に正式に復活した山梨学院高校ラグビー部が「聖地・花園」の地に立った。1983年に創部したラグビー部は2006年に部員減少のために休部。かつて県内高校に30校近くあったラグビー部が、近年は9校と減少する現状を憂い、山梨学院は県内の有望な中学生が県外の強豪校への流失を阻止したいと、山梨学院大ラグビー部の充実した練習環境を活用し、ラグビーを志す中学生を後押しながら、さらには県全体のレベルの底上げを図ることを目的としてラグビー部復活させた。ほぼラグビー未経験に近い県内中学生に声を掛け、集めた25人選手(現3年生)たちで部を立ち上げ復活3年目。入学した選手たちは逞しくなって山梨県の絶対王者日川高を脅かす存在として、この2年9ヶ月に大きく躍進した。復活1年目に0-150の大差で敗れ大きな屈辱を味わった。それから2年、打倒日川を目標に厳しい練習に明け暮れ、徐々に差を縮め今年1月の新人戦に31-10で初勝利、5月の山梨県総体では66-5の大差で勝ち、初の関東大会に出場、Bブロック準優勝を果たして県外でも戦える力を付けた。そして11月12日、花園出場県予選決勝戦で日川高に22-12で勝利。初の花園出場を勝ち取った。今回、残念ながら初戦で惜敗したが、大きな経験と全国で戦う自信も付いた。次なる目標は正月越え、全国上位とさらなる高みに変わる。

文(K.F) カメラ(平川大雪、Y.Y) 2023.12.27