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●第100回箱根駅伝 山学復路、総合とも23位
〜往路の粘りをいかしきれずシード権奪還ならず〜
~「報告会」気概を持って新生チームへの立て直しを~

「第100回箱根駅伝」復路区間が1月3日、箱根芦ノ湖畔をスタートして23校の選手が新春の箱根路から再び東京のビル群を目指して駆け抜けた。山梨学院大は2日の往路で15位でシード圏内の10位チームに48秒差とシード権獲得可能な好位置につけ、復路での巻き返しに懸けた。午前8時10分、史上初となる16校一斉スタートなる混戦に山学は出足の6区「山下り」に前回大会で区間10位と好走した高田尚暉にチーム浮上を託して送り出した。高田は初めの4㎞の上りを集団で進むも、その後の長く続く下りで失速。17位と順位を落とした。7区は当日変更の徳田秋斗が挽回の期待に反して順位を19位に落とし、シード圏内からも大きく差を付けられ赤信号が灯った。その後も3年連続箱根出場の8区新本駿も精彩を欠き、21位とし、ここで出場校初の繰り上げスタートとなった。9区平八重も悪い流れを断ち切れずにさらに23位と最下位に位置を下げてしまう。それでも10区のルーキー占部が最後まで粘り総合順位23位のままだったが区間19位と、初出場で走りきた満足感からか笑顔でゴールした。優勝は3区でトップに立った青山学院大が2年ぶり7回目の優勝を新記録で飾った。帰校後、報告会が開かれ出走した10人の選手らがそれぞれ自身の走りについて感想を述べた。

■第100回箱根駅伝【往路】107.5km 5区間
山梨学院は2020年不出場、2021年19位、2022年18位と前回大会は14位と徐々に順位を上げるも、予選会では本選出場13チーム中13位と薄氷で出場権を確保した。その中でも、2022年の予選会では個人18位、昨年の予選会でも18位と実力を発揮し、1区で手堅い位置をキープし、2位の留学生で上位に上がり流れに乗る。下位に沈み、8年ぶりのシード権奪還を目指して大会に臨んだ。1区、2区で流れをつかむべく、期待の二人に大会の浮沈を懸けた。1区は、全体的に平坦なコースで走りやすいが、集団で走ることが多く、どこで抜け出すか駆け引きが注目される。

◆1区[21.3km 東京大手町 ⇒ 鶴見中継所] 北村惇生(4年 広島・世羅高)
1区は、全体的に平坦なコースで走りやすいが、集団で走ることが多く、どこで抜け出すか駆け引きが注目される。1区で流れを引き寄せるかが、以降の順位に影響を与えるため、各校のエース級のスピードランナーが投入される。山梨学院は昨年4区で区間10位と好走、また、箱根予選会で日本人7位と安定した力を発揮した北村惇生が2年連続箱根出場を果たし、最重要区間に起用された。午前8時、スタートの号砲。北村は23チームの最後尾からスタート。直後、駿河台大の留学生が飛び出し、続いて3人の日本人選手3人が続いた。残り山学大ほか19校は大きな集団を作り終盤の勝負に備えた。中盤、北村は予選会でも見せた積極的な走りで第2集団を引っ張り上位での襷渡しが期待されたが高速化が進むレースの終盤、失速しトップと1分11秒差の16位で出遅れた。

◆2区[23.1km 鶴見中継所 ⇒ 戸塚中継所] ブライアン・キピエゴ(1年ケニア・カプカプカテット)
「花の2区」と言われるエース区間。昨年の関東インカレハーフマラソンで優勝し、1万メートル27分台の記録を持つブライアン・キピエゴがトップとの差を縮めようとスタートした。2区での出場選手の中で3位の記録を持つキピエゴだが、前半の平坦コースで加速、8km付近で2つ順位を上げたがその後、思うようにスピードが上がらず、一桁順位を期待されるも、4人抜きに留まり個人9位、総合12位で襷を繋いだ。1区、2区を上位で繋ぎ流れを呼び込む目論見は外れた。

◆3区[21.4km 戸塚中継所 ⇒ 平塚中継所] 高木翔瑛(4年 熊本工業高)
トップより2分13秒差で襷を受けた高木翔瑛が2度目の箱根駅伝に挑んだ。前回9区18位と結果を残せなかった高木は1区を走った北村とともに日本人選手28分台の記録を持ち、前回の雪辱を果たすべくスピードで前を追った。しかし、近年エース級が投入されるこの区間、海岸線を走る15㎞付近の茅ヶ崎ポイントでは2つ順位を下げ、その後も14位のままで粘り切れずにシードまで1分50秒差となった。

◆4区[20.9km 平塚中継所 ⇒ 小田原中継所] 和田瑛登(1年 山梨学院高)
雨が降り出した4区は第93回大会から距離が2.4㎞延長され、5区に有利に進めるための重要区間と、準エース級の選手が起用されるようになった。前半から20か所ほどの細かいアップダウンが選手を苦しめ、ラスト3kmの上りが踏ん張りどころ。この日、島津裕太(4年 山形・九里学園高)から当日変更で襷を受けた和田瑛登は山学大1万メートルで日本人選手3番目の記録を持つルーキー。和田は9㎞付近の二宮ポイントを4チームで14位を争い通過。15㎞付近の酒匂橋ポイントでは3チームによる15位争いで順位を落とした。小田原中継点では16位で襷をつないだ。シードの10位の法政とは1分35秒、タイムを4区中継所地点より縮めた。

◆5区[20.8km 小田原中継所 ⇒ 箱根芦ノ湖] 弓削征慶(2年 京都・洛南高)<br> 毎回ドラマが生まれる「山登り」5区は、標高差840メートルを駆け上がる箱根駅伝最難関コース。逆転も相次ぎ、最高地点を上り切った下り坂でのスピードの切り替えも見どころ。小田原中堅所では雨が強くなり、標高が上がることに気温が下がることが心配された。弓削征慶は11月に行われた「激坂最速王決定戦」で2位に入り注目を集めた。平地では平凡な記録ながらも、適性を買われ初の5区山登り区間に抜擢された。16位で襷を受けた弓削は雨があがった定点ポイント12km付近の小涌園前では5校が連なり17位で通過。身体が冷える心配がなくなり2校を抜き個人11位、総合15位でゴール。弓削は5区中継点で目標の10位シード校に1分35秒あったタイム差を48秒まで縮め、山学大は後半の熾烈なシード権争いの好位置につけた。山梨学院は、往路優勝の青山学院大から12分52秒遅れ、3日復路は、駒澤大スタートの午前8時スタートから10分後に8位の大東文化大から23位までの16チームと一斉スタートする。

■往路成績15位 往路時間 5時間31分06秒
区間 ランナー 区間時間 順位 合計時間 総合順位
1区 北村惇生(4年) 1:02:13 16位 1:02:13 16位
2区 ブライアン・キビエゴ(1年) 1:07:22 9位 2:09:35 12位
3区 高木翔瑛(4年) 1:05:24 22位 3:14:59 14位
4区 和田瑛登(1年) 当日変更 1:03:07 17位 4:18:06 16位
5区 弓削征慶(2年) 1:13:00 11位 5:33:40 15位


補欠:川原正輝(4年 東海大山形高)、大西 陸(3年 広島・世羅高)、徳田秋斗(3年 福岡一高)、ジェームス・ムトゥク(2年 ケニア・ンゴ二)、塚本陸斗(2年 静岡・藤枝明誠高)、和田瑛登(1年 山梨学院高)

■第100回箱根駅【復路】109,6km 5区間
シード権奪還に挑む~
◆6区[20.8km 箱根芦ノ湖 ⇒ 小田原中継所] 高田尚暉(3年 秋田・花輪高)
通称「山下り」。前回大会区間10位と好走した高田尚暉が再び重要区間を託された。往路の逆方向を行く復路の6区は初めに4㎞を上り、その後の急坂を一気にロスなく駆け下りるかがポイント。5区「山登り」を15位でシード圏内10位まで48秒と迫った弓削征慶の力走が光り、この区間で挽回が期待された。箱根芦ノ湖畔をトップの青山学院大から10分後に史上初の16チームが一斉スタートし、小田原中継所を目指した。高田は、最初の上りまで中位にいたが、その後の下りでスピードに乗れずに苦戦。小田原中継所には17位と順位を落とした。

◆7区[21.3km 小田原中継所 ⇒ 平塚中継所] 徳田秋斗(3年 福岡一高)
前半3kmを下りながらほぼ平坦だが、後半に小刻みなアップダウンが続き、気温も上がる難しい区間。横山竜之介(4年 秋田・大曲工業高)から当日変更で起用された徳田秋斗は、予選会を山学大の中で日本人2位の好成績で本選への出場に貢献した。17位で襷を受け、前を追うがペースが上がらずに途中体調不良による不消化なレースとなり区間23位、総合順位を19位に落とした。シード圏内10位の中央大とはここで7分17秒差と大きく広げられシード権獲得に赤信号が灯った。

◆8区[21.4km 平塚中継所 ⇒ 戸塚中継所]  新本 駿(3年 兵庫・報徳学園高)
8区の新本 駿は、前々回1区20位、前回5区18位と2年連続勝負を左右する重要区間を任されたが今大会では8区に起用され、熾烈なシード権争いに新本の経験値が欠かせないと期待された。しかし、大差の19位で襷を受け取り、本来の力が出せずに目標タイムを大幅に下回り区間19位、総合順位も21位。襷リレーは時間内に間に合わずに無情の繰り上げスタートになった。

◆9区[23.1km 戸塚中継所 ⇒ 鶴見中継所] 平八重充希(2年 鹿児島実業高)
9区にエントリーされたのは、初出場の平八重充希。8区の新本が襷リレー時間に20秒間に合わず総合順位は21位だが23チーム中、唯一白い襷を掛けてスタートとした。平八重は新本の顔を見ずにスタートした無念さを胸に必死に前を追うも、独走での最長区間のペース配分に苦しみ23位に順位を落とした。

◆10区[23.0km 鶴見中継所 ⇒ 東京大手町] 占部大和(1年 福岡・九産大九州高)
最終区10区は平坦なコースながら気温の上昇やビル風、さらに最終走者としての重圧を抱えて大手町のビル群を目指して走る。1年生ながら10区を託された占部大和は、中盤までは順調に飛ばすが、残り5km過ぎからペースを落とし周りの選手から置いて行かれた。その後は、徐々に水をあけられ一人走になるも諦めずに最後まで粘り通した。順位を上げることはできなかったが区間19位、初出場の箱根駅伝を走った高揚感から笑顔でゴールテープを切った。

■復路成績:23位 5時間40分06秒 ■総合成績:23位 11時間11分11秒
区間 ランナー 区間時間 順位 合計時間 総合順位
6区 高田尚暉(3年) 1:01:20 17位 6:32:25 17位
7区 徳田秋斗(3年)
当日変更
1:06:32 23位 7:38:57 19位
8区 新本 駿(3年) 1:07:17 19位 8:46:14 21位
9区 平八重充希(2年) 1:13:54 22位 10:00:08 23位
10区 占部大和(1年) 1:11:03 19位 11:11:11 23位


■往路・復路・総合順位(総合順位10位までがシード権獲得)
往路 大学名 復路 大学名 総合 大学名
1位 青山学院大学 1位 青山学院大学 1位 青山学院大学
2位 駒澤大学 2位 駒澤大学 2位 駒澤大学
3位 城西大学 3位 東洋大学 3位 城西大学
4位 東洋大学 4位 法政大学 4位 東洋大学
5位 早稲田大学 5位 國學院大学 5位 國學院大学
6位 國學院大学 6位 帝京大学 6位 法政大学
7位 創価大学 7位 創価大学 7位 早稲田大学
8位 大東文化大学 8位 明治大学 8位 創価大学
9位 法政大学 9位 東海大大学 9位 帝京大学
10位 順天堂大学 10位 早稲田大学 10位 大東文化大学
16位 山梨学院大学 23位 山梨学院大学 23位 山梨学院大学


青山学院大学は2年ぶり7回目の総合優勝を達成。駒澤大学の2年連続3冠(出雲駅伝、全日本大学駅伝、箱根駅伝)の偉業を阻止した。熾烈だったシード権争いは上記表の通り。
10位までが来年の第101回大会の出場権を得た。

■【箱根駅伝報告会・チーム成績発表】
大会終了後、大学に戻ったチームは午後7時よりカレッジスポーツセンターで大会報告会を行った。初めに中島快都主務から成績が発表され、続いて区間走者、補欠の選手がそれぞれ感想を述べた。
1区の北村惇生選手は「今回のレースでは他大学とのレベルの格差を痛感しました。今回の経験を糧に実業団に行っても活躍できるよう頑張っていきたい」。◆2区のブライアン・キピエゴ選手は「一生懸命頑張りました」。◆3区の高木翔瑛選手は「チームとしての目標に貢献できなかった。それにつきると思います。予選会から昨日までまともに走れたと思いませんし、良くも悪くも諦めがついたというか、これで区切りがついたという感じです」。◆4区の和田瑛登選手は「自分のところで後ろの選手に追いつかれ順位を2つ下げるというレースをしてしまいすごく情けないレースをしてしまいました。今回、憧れの舞台だった箱根駅伝を走ってみて全く通用しなかったことが悔しいですし、来年は4年生が抜けて穴が開いてしまうんですが自分が穴を埋められるように頑張っていきたい」。◆5区の弓削征慶選手は「前半思うように身体を動かせず、時間をロスしてしまいましたが給水や応援のおかげで中盤立て直すことができました。ただ他大学の選手に通用しなかったので来年はしっかり強化して戦えるよう頑張ります」。◆6区の高田尚暉選手は「個人としては不甲斐ない走りとなってしまい、1日目でシード権が見えるところでつないできてくれた襷を徳田につなぐことができなかったことがとても悔しいです。今回の箱根は下級生も多く走り、来年につながる経験をしてくれたと思うので自分たちが4年生になってみんなを引っ張る立場になるので背中で示せるように1年間頑張っていきたい」。◆7区の徳田秋斗選手は「今、悔しい気持ちでいっぱいですが、このまま悔しさや不甲斐なさを持っていても意味がないので切り替えて来年リベンジできるように頑張ります」。◆8区の新本駿選手は「まずは自分の8区で襷を途切れさせてしまいすみませんでした。自分としてはしっかり怪我もなく練習を積め調子は悪くはなかったんですが、現実は甘くなく10km以降、失速してしまい目標としていたタイムより3分ほど遅くなってしまいました。終わってしまったことは仕方がないのでここから切り替えて練習に頑張っていきたい」。◆9区の平八重充希選手は「不甲斐ない走りでまだまだ自分の力の無さを痛感しました。悔しい経験をしましたがこの経験は必ずこれからに活きてくると思うので次の箱根駅伝ではただ走るのではなく結果の残こしてチームに貢献したい」。◆10区の占部大和選手は「チームの目標や自分が立てた区間10番以内を達成することができませんでした。自分はこの1年間、練習に甘えていた部分もあったので来年からはチームを引っ張っていく立場になり予選会から本選を走れるように頑張る」とそれぞれに2日間の箱根駅伝の激闘を振り返った。

その後,麻場一徳陸上競技部部長・監督や駅伝部大﨑悟史コーチら指導者が登録選手やサポート選手たちに労いと2日間のレースを振り返り言葉を掛けた。その中で飯島理彰陸上競技部駅伝監督は「(23位)現実をしっかり受け止めて今やっている練習をバッサリ変えなきゃいけないのかなという思いもありますし、練習の質、量、セットの組み方とか。もう一つは生活の面だったり食事の面もきっちりやらないと箱根駅伝は走れないのかなと思います。2日間厳しいレースでしたけど、これが活きるか活きないかは、次のチームの始まり方だと思いますので、明日朝練でリフレッシュしてもらい、次の集合の時にはこの悔しさを持って、覚悟を決めて集合してほしい」と新生チームへの立て直しに選手たちの気概を求め、報告会を締めた。

文(K.F) カメラ(平川大雪、藤原稔、今村スタジオ、Y.Y、R.K) 2024.1.3