山梨学院広報課

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●全日本大学女子サッカー選手権 決勝
~早稲田大を3対2で退け、延長戦の激闘を制す~
~創部10年目、2度の同点劇で悲願の大学日本一~

第32回全日本大学女子サッカー選手権(インカレ)決勝が1月6日に東京・味の素フィールド西が丘で行われ、山梨学院大は早稲田大(関東第2代表)と対戦した。試合は前半立ち上がりから早稲田が主導権を握り、7分にミドルシュートのこぼれ球を押し込み早稲田が先制。山学もMF木許和心(3年)のサイドアタックなどで攻勢を強める。19分、山学の獲得したPKはポストに弾かれたもののFW伊藤琴音(1年)が押し込み、同点に追いつく。一方の早稲田は39分に強烈なミドルシュートで2点目を追加し、1対2で前半を折り返す。後半は一進一退の攻防となり、40分にDF嶋田華(3年)の直接FKが決まり、山学が再び同点に追いつき延長戦に突入。延長前半5分、FKのセットプレーのこぼれ球を途中出場のMF大住六花(3年)が押し込み、山学が勝ち越しに成功。その後は5バックで早稲田の猛攻を防ぎ、ついに試合終了。山学は2度の同点劇を演じ、創部10年目にして悲願のインカレ制覇、初の大学日本一に立った。
 
山学大は創部10年目で2年連続の決勝の舞台。4年連続4回目出場の山学は関東第1代表として26日の初戦・2回戦で神奈川大(関東第8代表)と対戦し、2対0のクリーンシートで準々決勝進出を決めた。続く29日の準々決勝では、明治国際医療大(関西第1代表)と対戦。4対2の逆転勝利で年越しを決めた。新年4日に行われた準決勝では、昨年決勝で敗れた前回王者・東洋大(関東第4代表)と対戦。前半3得点を奪い、3対1で昨年のリベンジを果たし、この日の決勝を迎えた。対する早稲田大は、一昨年の優勝校でこれまで7度の優勝を誇り、今季の関東大学リーグは山学に次ぐ2位の強豪。関東大学リーグでは対戦成績は2戦2勝と山学がリードしている。山学は一昨年・3位、昨年は準優勝とステップアップを続けており、まだ見ぬ景色を見るため、これまでの卒業生やスタンドで応援する仲間の思い、支えてくれる家族の思いを胸に試合に臨んだ。

第32回全日本大学女子サッカー選手権大会 決勝
≪山梨学院大学VS早稲田大学≫
2024.1.6 会場: 東京・味の素フィールド西が丘
〇 山梨学院大学 3 前半 1-2
後半 1-0
延長前半 1-0
延長後半 0-0
2 早稲田大学 ●
山学得点者:伊藤琴音、嶋田華、大住六花

■前半は早稲田が試合の主導権を握る
試合は前半立ち上がりから早稲田が素早いプレスから両サイドに大きく展開し、前への推進力を高め、押し気味に試合を進め主導権を握る。山学もこれまで同様に前線での守備から攻撃を組み立てようとするが、この日はフィットせず、7分にミドルシュートのバーの跳ね返りを頭で押し込まれ、早稲田が先制。攻勢に転じたい山学も攻撃の糸口を探り、14分にはMF木許和心(3年 藤枝順心高)が中盤からPA内にカットインしてシュートを放つがゴール右に外れる。19分には相手GKからのパスをインターセプトしたMF木許が右サイドを駆け上がり、ゴール前にクロスを供給しようとするが、相手DFのハンドを誘発し、山学がPKを獲得。キッカーは、DF栃谷美羽(4年 修徳高)。DF栃谷のシュートは左ポストに弾かれるが、ゴール前に詰めた関東大学リーグ得点王のFW伊藤琴音(1年 常葉橘高)が押し込み、今大会自身6ゴール目で同点に追いつく。一方サイドからの攻勢を強めた早稲田は、39分に対角のフィードが右サイド前線に入り、強烈なミドルシュートが山学ゴールに刺さり、山学は1対2のビハインドで前半を折り返す。
 
■後半、DF嶋田の直接FKで山学同点に追いつく
後半に入ると山学の前線からのプレスがはまり、ポゼッションサッカーが展開され、攻勢を強める。後半17分、DF栃谷からの左クロスにFW伊藤が頭で合わせたがボールはゴール左へ外れる。山学は29分に2枚替えを行い、ポジション変更を行い、攻撃に変化を持たせる。31分にはプレスバックでボールを奪い、前線に送り、これを収めたMF木許のシュートは枠内を捉えていたが、相手GKの好セーブに阻まれる。攻撃の手を緩めない山学は40分にFKを獲得。これをWEリーグ特別指定選手でノジマステラ神奈川相模原に所属するDF嶋田華(3年 日ノ本学園高)が直接ゴール左上に決め山学が2対2の同点に追いつく。後半終了間際には早稲田の猛攻に合うが、GK大原もも(4年   修徳高)を中心とした守備陣が奮闘し、得点を与えず延長戦に突入。
 
■延長前半に途中出場のMF大住が決勝弾
延長に入り、早稲田も攻勢を強めたが延長前半5分にFKのセットプレーのこぼれ球を途中出場のMF大住六花(3年 大商学園高)が押し込み、山学が勝ち越しに成功。その後はパワープレーで前線に上がっていたDF嶋田が最終ラインに戻り、5バックで早稲田の猛攻に対応。延長後半のATは1分、山学は自陣でゴールを守り切り、ついに試合終了のホイッスル。優勝の瞬間、選手、スタッフらは抱き合って喜びを爆発させ、応援スタンドは歓喜に沸いた。山学は創部10年目にして全国77大学の頂点に立ち、悲願のインカレ初優勝を成し遂げた。試合後の表彰式で山学にはフェアプレー賞も送られ、MVPにはこの日直接FKを決めた山学の嶋田華選手が選ばれた。
 
■監督・選手コメント
試合後、ミックスゾーンで取材に応じた村上裕子監督は「(優勝は)本当に嬉しいという一言につきます。優勝は本当に手に入れたかった悲願のものでしたので、素直に嬉しかったです。ビハインドでのスタートは関東大学リーグでもありましたし、そこに対して絶対に慌てないという準備もできたいたので、すぐピッチ内で選手が集まって会話をしてスタートできたので、巻き返すプランのコミュニケーションが取れていたと思います。選手たちにはサッカーを楽しめと言って送り出し、堅くなる場面もありましたが、必死で(自分たちで)考えて、最後笑顔で終われたのは、彼女たちの努力した成果かなと思います。優勝は歴史的な1ページで、ここから先が非常に大事で、この優勝と関東の優勝に満足することなく、2連覇することが課題だと思うので。選手には次(2連覇)向かうことは伝えたので、ここから先さらにレベルアップできるように、大学女子サッカー界をけん引できるようにやってければと思います」と喜びと今後のさらなる抱負を語った。
 
キャプテンの甲斐碧海選手は「めちゃくちゃ嬉しいです。先制点を取られて苦しい時間が続きましたが、焦ることなく自分たちで話し合って1点ずつ返していけたので良かったと思います。昨年の決勝を経験した選手が多く、決勝の雰囲気も分かり、緊張の様子もなく、試合に入れました。(終了のホイッスルを聞いて)やっとプレッシャーから解放されたという思いとともに、このチームが終わってしまうという悲しさもありました。みんなが頑張ってくれた上での優勝なので、みんなに感謝したいです。後輩たちには来年この舞台に戻ってまた優勝して欲しいです」と述べ、新天地WEリーグでの活躍について「まずは試合にからめるように、上手い人たちの中でプレーして、揉まれながらもっと成長できるように頑張りたいです」と決意を語った。
 
全試合ゴールでこの日も1対1の同点弾を決めた伊藤琴音選手は「先制されて苦しい時間が長かったのですが、みんな諦めずに優勝を狙っていたので、そこが勝てた要因かなと思います。ちょうどポストに当たって自分の所に跳ね返ってきて、ゴールは空いていたので後は決めるだけでした。めちゃくちゃ嬉しかったです。キッカー(栃谷)は練習で左に蹴っていたので、もしかしたらと思い左側にポジションを取り、ゴールできたので良かったです」と同点弾を振り返り、来季に向け「この1年良い結果で終われたので、2年目からもこの結果で満足せず、もっと成長し、来年のインカレで連覇目指して頑張ります」と来季の活躍を誓った。
 
見事な直接FKでチームを救った嶋田華選手は「きょうの朝、FKでゴールする夢を見ていたので、それを思い出して蹴りました。練習でもやっていたコースだったので、運もあり、決まりました。同点になった嬉しい気持ちとまだ(延長で)試合ができる嬉しさもありました。この1年、周りの人に恵まれた感謝しかない1年でした。今年は4年生なのでこの舞台に戻ってきて2連覇を目指して、(WEリーグ特別指定選手として所属している)ノジマにも少しでも力になりたいという思いが強いです」とコメントし、延長前半に決勝ゴールを決めた大住六花選手は「みんなが最後まで粘ってゴールを目指した結果で勝てたので、とても嬉しいです。攻撃ではどんどん仕掛けることと守備では、球際を半歩でも強く寄せることと逆サイドからの展開の絞り込みを意識しました。PK戦は考えていなくて絶対に決めてやるという気持ちで試合に入ったので、ボールが転がってきたので、しっかりシュートが打てました。得点の瞬間は、凄く嬉しいのと自分が入れたのに感動しちゃいました。来年の連覇に向けて日頃の練習から大事にして、競った試合になっても勝ち切れる力を練習からつけていきたいと思います」と優勝の喜びとともに来季に向けて気持ちを新たにした。
 
昨年の決勝の悔しさを見事に晴らした山学イレブンは、表彰式後にすぐに応援スタンドに駆け寄り、試合中、大きな声援でピッチ上の選手を鼓舞し続けてくれた登録外部員やOG、家族と喜びを分かち合った。選手、スタッフが次々に胴上げされ、苦しい試合を勝ち切った選手たちの笑顔は、西が丘に沈む夕陽に照らされ、この日一番の輝きを放っていた。創部10年目にして悲願の大学日本一の栄冠を勝ち取った山学イレブン、インカレ2連覇を目指し、さらに大輪の笑顔を咲かせるべくこれからも走り続ける。

文(Y.Y)、カメラ(斉田和也)2024.1.6