●山梨学院高校「第66回卒業証書授与式」
~文武で活躍を見せた343人が新たな一歩へ~
~「君たちが平和で明るい未来を築いて」と願う~
2024年(令和6年)3月1日、隣接する『不老園』の梅の花が見頃を迎える中、山梨学院高校で2023年度「第66回卒業証書授与式」が挙行された。式は同校体育館に感染症防止対策のため参列者全員がマスク着用の上、特進コースプレミア系列、同アドバンス系列、進学コース合わせて343人の卒業生のほか、教職員、保護者が参列して行われた。午前10時、開式の言葉に続き、卒業生総代の特進コース・本間達教さんが卒業証書を受け取り、続いて皆勤賞、創立者古屋賞(特別表彰)、外部団体表彰の各代表に賞状が授与された。学校長式辞では吉田正校長は「酒折山の樹々の芽吹きが始まり、春の到来を感じるこの良き日にこのように卒業式を執り行い、卒業者の門出を皆様とともに祝うことができるのは私たち教職員にとってもこの上ない喜びです・・・」と門出の言葉を送った。在校生の送辞を受けて、答辞では前生徒会長の井上希さんが「休み時間にみんなや先生とたわいもない話をする日常が私は心から大好きでした。このような3年間があっという間に過ぎてしまい、今日はもう卒業式ですね。さみしいですけどそれぞれの進路で頑張っていきましょう。みんな絶対に活躍できる人たちです」と涙ながらに3年間の日々を振り返り、卒業生は、OBでシンガーソングライター・伸太郎さんの「卒業~それぞれの旅立ち~」の生歌に送られ、学び舎を巣立っていった。
■卒業証書・特別表彰・各外部団体表彰授与
明け方までの雨が上がり、穏やかに晴れ上がった3月1日。山梨学院高校で2023年度「第66回卒業証書授与式」が同校体育館で挙行された。午前10時、体育館感正面入口から卒業生343人が参列の保護者などから拍手で迎えられ1組から10組と続いて入場した。卒業式は国公立中・後期受験を控える生徒、選抜高校野球出場などを考慮し、卒業生をはじめ教職員、保護者の参列者全員のマスク着用で実施された。初めに司会進行の宮崎 健教頭から開式の言葉が告げられ、続いて卒業生総代の特進コース・本間達教さんが壇上に上がり、卒業生を代表して卒業証書を受け取った。続いて皆勤賞5人が一人ひとり紹介され代表に賞状が授与された。続いて特別表彰「創立者古屋賞」に野球部の進藤 天前主将が呼応された。「創立者古屋賞」は学術、文化、スポーツ等の分野で生徒の模範となる顕著な成果をあげ、山梨学院の名声を高めた者に授与される。また、正課及び課外活動で特にすぐれた実績をあげた個人や団体を表彰する「Students of the Year賞」には『第95回記念選抜高校野球』で春夏通じて山梨県初となる優勝に輝いた野球部が表彰された。また、外部団体表彰では山梨県私立中学高等学校連合会会長賞に井上 希前生徒会長、県高等学校文化連盟賞を吹奏楽部・渡邉凱吏さん、県高等学校野球連盟会長賞に進藤 天さん、県高等学校体育連盟優秀選手表彰にソフトボール部・田口心彩さんが受賞。他に部活動として野球部、サッカー部、ラグビー部、テニス部、ソフトボール部、ホッケー部、バドミントン部、空手道部、水泳部、バスケットボール部、剣道部、弓道部、スケート部、スキー部など体育局から15団体。文化局からは応援部、吹奏楽部、放送部、書道部、茶道部、美術部など11団体、計26外部団体から延べ58人が表彰を受けた。
■学校長式辞・在校生送辞・卒業生答辞ー
各表彰の紹介、授与後に式辞の挨拶に立った吉田正校長はノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊氏を生前、生徒とともに訪問した際に、『苦痛や困難は情熱で乗り越えることができる』との言葉をいただき、自身が小児マヒを患いながらも70年以上の前に学力の優劣や身体の特徴で差別なく友を支え、学業で切磋琢磨し合った友人との出会いと熱い友情の話に感動したという思い出を引き合いに、「君たちにも山梨学院高校での3年間、あるいは中高一貫の6年間でそのような友人と出会い、友情を深め青春を実り多い豊かなものにしてほしいと願いました。今日、卒業していく君たちがその出会いや友情を手にして心に残る青春時代をここで過ごせたことと願っています。この学校で働く私たちにとって、君たちはまさに困難な社会情勢の中でも情熱を持ち続けて自分たちの3年間を意義あるものにした誇らしい生徒たちです」。続けて選抜高校野球優勝をはじめとする数々の文武で、3年生がこの1年間で大きな活躍したことを挙げ、称えた。そして、「(中略)世界各地の紛争の悲しいニュースや国内の大きな自然災害の様子が毎日のように伝えられるこのような状況にあっても私たち教員は今日卒業する君たちが明るい未来を開いていくと確信しています。なぜならこの困難な時期を耐え抜き自ら手にした強い精神力、勝ち取った栄光、そして学問への探求心を身に付けた君たちこそが日本や世界の人々を幸福で公正な社会へと導いてくれると信じているからです。君たちが生涯を健康に生き抜き平和で明るい未来を築いてくれることを願っています」とはなむけの言葉を送った。引き続き、来賓を紹介、来賓代表の林 昌明PTA会長から温かい祝辞、卒業生一同からの記念品贈呈と続いた。
■輝かしい未来を切り開いてと送辞。これからはみんなが山学高を形作る番と答辞ー
次に在校生を代表して山本紅葉生徒会長が卒業生の前に立った。コロナ禍の大変な試練にも立ち向かいながらも部活動の県内外での輝かしい活躍や目標の進路に向かって挑む姿を、「自分たちに大いなる刺激を与えてくれ、いつもそっと私たちの背中をやさしく押してくださった先輩は憧れの存在でした」と先輩たちの印象を語り、「これからは私たちが山梨学院高校を引っ張っていく存在にならなければなりません。先輩方から教わった多くのことを胸にこれまで築いてくれた伝統を受け継いで行くことをお約束します。私たちはどんな壁でも乗り越えていく先輩方の姿を見てきました。これまで過ごした日々を力に輝かしい未来を切り開いて行ってください」と送辞を述べた。それに応え、卒業生を代表して前生徒会長の井上 希さんは初めに、卒業式を迎えることができたことに感謝し、コロナ禍当時での出来事、選抜高校野球での優勝の感動や華々しい部活動での活躍、学校行事など3年間の思い出を振り返り、続けて「在校生の皆さん、私たち3年生に気を使いここまで付いてきてくれて本当にありがとう。心から感謝しています。ここからは2年生のみんなが山梨学院高校を形作る番です。これから先、乗り越えなければならない大きな壁に行く手を阻まれることもあるでしょう。その時は、先生方やコーチの方々、仲間、そして何より自分を信じてください。自分、仲間、指導者を信じることは大事な、そして貴重なエネルギー源です」と語り、続けて特進コース、留学生、特進系列で7年間優秀な実績を残し幕を閉じるIB系列、そして3年間見守り続けてくれた家族に感謝と労いの言葉を伝えた。最後に3年生の仲間へ「楽しい思い出を3年間本当にありがとう。入学した時、こんなに人がいっぱいいて仲良くできるか不安でした。そんな不安は思い過ごしでいつか無くなっていました。(中略)休み時間にみんなや先生とたわいもない話をする日常が私は心から大好きでした。このような3年間があっという間に過ぎてしまい、今日はもう卒業式ですね。さみしいですけどそれぞれの進路で頑張っていきましょう。みんな絶対に活躍できる人たちです」とこみ上げる思いに涙を流しながら言葉を噛みしめた。最後に授業や部活動の指導した先生たち、在校生に感謝の気持ちを伝え、答辞とした。式も終盤を迎え、校歌斉唱では、卒業生はそれぞれが3年間の万感の思いを胸に仲間と最後の校歌を歌った。そして、野球部OBのシンガーソングライターの伸太郎さんが3年ぶりに壇上に立ち、『卒業~それぞれの旅立ち~』を熱唱する中、1組から10組までの343人の卒業生は保護者が見守る式場を退場、それぞれクラスに戻りひとり一人に卒業証書が手渡された。
■式後に卒業生総代・本間達教さんと「創立者古屋賞」受賞者・進藤 天さんに聞いたー
卒業生総代を務めた特進コース・本間達教さんは「(卒業証書)受け取った時に、これで卒業なんだな。高校3年間走りきったんだなと感じました。思い出は、我々のコースは勉強をメインにやっていたのでクラス仲間とお互いに教え合ったり、支え合ったりしながら勉学に励んでいたというのが3年間の大部分を占めていました」と3年間は将来の夢を追いかけて勉学に励んだ。山梨学院小学校から高校まで12年間、富士河口湖町から通学した本間さんは「親には感謝しかありません。ここまで来れたことは親と学校の協力があったからと思っています。僕にとって山梨学院はいい学校でした」と愛着心は強い。卒業後の進路を聞くと「昔から動物が好きでしたので動物に関わる勉強がしたいと思っていたので、獣医師を志していて、今はほぼ北海道の大学の獣医学部が決まっています」と目標に向かう。
「創立者古屋賞」を受賞した野球部・進藤 天さんは主将として2022年度秋季関東高校野球山梨県大会、続く秋季関東大会で29年ぶりの優勝に貢献。初の明治神宮大会にも出場した。そして第95回記念選抜高校野球大会でもチームを牽引、山梨県初の選抜優勝の快挙を成し遂げ県民を勇気づけた。「『創立者古屋賞』受賞については、「学校で一番レベルの高い賞をいただいたということで大変うれしく思いますし、3年間はあっという間だったという感じです。その中でも仲間に恵まれながら充実した時を過ごしたなと思います。思い出はやっぱり春の甲子園ですね。県内で初めて優勝できたのもそうですし、学校の歴史を塗り替えることができたのが一番です」と笑顔で応えた。卒業後は、六大学野球連盟に加盟する強豪大学野球部でプレーをする。「まず4年間、技術はもちろんですけど、人としても大きく成長して、野球に関しては4年後には日本の代表になれるようなスケールの大きい選手になりたいと思っていますし、人としても誰からも頼られる存在になれればいいなと思います」と抱負を語った。選抜連覇を目指す後輩には、「前年度優勝のプレッシャーは多くあると思うんですけども、それは気にせずに自分たちのいい点の明るく元気で伸び伸びやってもらえれば必ずいい結果が残せると思うので自分らしくプレーしてもらえればと思います」とエールを送った。
今日、山梨学院高校から卒業生343人が大人への社会へ踏み出した。大きな夢を追いかけるのも、小さな幸せを求めるのも人それぞれ。ただ将来、やらなかったことを悔いるより、まずは前を向き目標へ向かって、歩みを進めよう・・・。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2024.3.2