山梨学院広報課

HOME

山梨学院パブリシティセンターニュースファイルイメージ画像

●2023年度 山梨学院大学・短期大学卒業式
~大学・短大総勢1080名が晴れて卒業を迎える~
~それぞれの夢に向かい慣れ親しんだ学び舎を巣立つ~

2023年度山梨学院大学・短期大学卒業証書授与式、大学院学位授与式、短期大学専攻科修了証書授与式が3月15日に行われ、卒業生・修了生が新たな希望を胸に学び舎を後にした。今年度も大学・短大がそれぞれ式典を企画し、時間・会場を分けて実施した。大学・短大それぞれの卒業式には保護者も参列し、卒業を祝福した。今年度3月の卒業生・修了生は大学・大学院863名、短大217名の計1080名。卒業生らは大学生活の半分以上をコロナ禍での制限がある中で過ごしたが、自身の夢や目標に向かって、学友やチームメイト達と共に勉学や課外活動に取り組んだ。式後は仲間や恩師との別れを惜しみ、学び舎での最後の時間を思い思いに過ごしていた。在学中に顕著な活躍で大学の名声を高めた「創立者古屋賞」には青柳善の輔さん(法学部:レスリング部)、古賀若菜さん(スポーツ科学部:柔道部)が選ばれた。

2023年度3月の卒業生・修了生は大学法学部351名、経営学部262名、健康栄養学部34名、国際リベラルアーツ学部22名、スポーツ科学部188名、大学院社会科学研究科6名、短大食物栄養科74名、保育科114名、専攻科保育専攻29名の計1080名。昨年度までは新型コロナウイルス感染拡大防止のため、大学の各学部・短期大学がそれぞれ卒業証書授与式・学位記授与式・修了証書授与式を時間・会場を分けて実施したが、今年度は大学・短大ともそれぞれ全学部合同での式を迎えることなった。式後はゼミや学科ごとに分かれ、それぞれ卒業証書や各種証明書が授与された。また、クラブや仲間同士で集い、在学中の思い出話に花を咲かせ、恩師らと記念写真に納まり、時間の許す限り、学び舎での最後の時間を過ごし、別れを惜しんでいた。新型コロナウイルスの影響で、学生生活の半分以上をコロナ禍で過ごした2023年度卒業生。入学当初はオンライン授業の実施や課外活動の制限等で、思い描いた学生生活は叶わなかったものの、卒業年度の2023年度には様々な行事等がコロナ禍前に近い形で実施され、キャンパスは学生の活気や笑顔で満たされた。卒業生は、キャンパスで得た多くの知識や経験、エネルギーを自身の礎とし、それぞれが自信や希望を胸に、新たな社会へと旅立っていった。

■大学長式辞
青山貴子大学長は冒頭、卒業生が入学当初、新型コロナウイルスに翻弄された学園生活について振り返り、「『人生は思ったようにはならないが、やった通りにはなる』。これは僧侶である荒了寛の言葉である。思い通りにならなかったこの4年間。皆さんが実際にやってきたことは何でしょう。友人たちと先生方と過ごしてきた一つひとつの時間を思い出してください。これまで辛抱強く数々の制限に耐えつつ、仲間と励まし合いながら卒業までの道のりを歩んでこられた皆さんの軌跡を振り返ってみてください。どんなことを思考するか、行動するか、いつだって自分です。そして皆さんが取った行動が、あるいは取らなかった行動が皆さん自身を形作っていくのです。皆さんが卒業する2024年という時代は、ますます世の中の変化が激しくなっていく時代です。(中略=ウクライナやパレスチナ情勢、国内の災害、AIによる技術革新の長短に言及) その中で、考えること、行動することを諦めない。それは自らの道を切り拓いていく上でとても大切な心掛けです。世の中のことを頭の中であれこれ考えて不安になるときには皆さんが実際にやってきたことを振り返り、足元を確かめてください。不確実な未来に期待するより、自分で行動して未来を創っていくことを楽しみましょう。本日の卒業式は、コロナ禍以降、初めて全学合同で実施することができました。(中略)こうして大学での学びを終えた今、皆さんはそれぞれの道を歩まれますが、それぞれが進むすべての道に改めて心からのお祝いを申し上げます」と式辞を述べた。

■短期大学長式辞
遠藤清香短大学長は、「山梨学院短期大学では、智と情と勇気をそなえ、実践を貴んで、果敢に挑戦する人間を育成することを大切にしています。2年前の4月、皆さんの入学式でも私は「実践を貴ぶ」という本学の建学の精神についてお話しました。『実践を通して、単なる知識が生きた知識へと変わっていく―実践を通して私たちは、どうしたら相手を笑顔にすることができるのか、どうしたら泣いている子を安心させられるのか、もっと学びたいと思い実践することは私たちの学びの原動力になる』とお話しました。実践を通して人々を笑顔にする、これは山梨学院短期大学がずっと大切にしてきたことです。(中略)本学の教育理念は『智と情と勇気をそなえ、実践を貴ぶ』ですが、『実践を貴ぶ』の前に『智と情と勇気をそなえ、』とあります。智―これは賢さのことです。相手の笑顔を思い描いて実践ができる人であるために、これからも賢さを大切にしてください。情―これは優しさのことです。自分の行動の先の、相手の気持ちを想像する優しさを大切にしてください。勇気―どんなに困難な状況であっても、相手の優しさに繋がると、あなた自身が信じることを貫く強さを大切にしてください。(中略)これからの人生、運命は分かれ道です。留まるか、進むか、変わることに慣れていなくて、昨日と同じように今日も明日も同じところに留まりたくなるかもしれません。しかし、過去がどんなに輝いていても、未来はもっと眩しいかもしれません。『実践を貴ぶ』という精神を忘れず、賢く、優しく、強く、今はまだ知らない未来を進んでいってください」と卒業生にエールを送った。

■卒業生代表挨拶
大学の卒業生代表挨拶を行った法学部法学科 池上翔馬さんも冒頭で、入学後の2年間をコロナ禍で思い描いた学園生活を送れなかったこと顧み、「しかし、このような中でもできることを積み重ね前向きに努力を続けた結果、本日卒業を迎えることができました。(中略)大学4年間で得た知識、経験、出会った仲間は、これからの人生を歩んでいく自分の糧になると確信しています。4月から各々が新しい環境で過ごしていくことになりますが、本学で学んだことを活かし、さまざまな事に挑戦し、乗り越えることで社会に貢献するとともにさらなる成長を成したいと思います」と決意を述べ、最後に関わった周囲の者に感謝の言葉を述べた。
短大の卒業生代表挨拶を行った食物栄養科 渡邉希佳さんは、大学生活2年間を振り返り、「勉強することの楽しさを知ったのは、この大学で学び始めてからでした。日々の授業に加え、ゼミ活動等で目標を達成するために、学びを深めていく過程は私にとって初めての経験で、何より楽しい時間であり、先生方からのご指導のおかげで、恵まれた環境の中、学業に専念できたと実感しております。(中略)私たち卒業生一同は4月から新しい環境でそれぞれの道を進むことになりますが、試練や困難に挫けず、精進し続けることを誓います。私は食物栄養科卒業後、山梨学院大学 健康栄養学部に進学し、更に学びを深め、将来の夢のために努めてまいりたいと思います」と更なる学びへの意欲を語った。

■創立者古屋賞に≪青柳善の輔さん・古賀若菜さん≫
「創立者古屋賞」は創立者古屋眞一、古屋喜代子の名前を冠した賞で、在学中に特に顕著な成果を残し、山梨学院の名声を高めた卒業生・修了生の功績をたたえて理事長から表彰される制度。2023年度は法学部・レスリング部の青柳善の輔さん、スポーツ科学部・柔道部の古賀若菜さんの二人が選ばれ、この日は、古屋光司理事長に代わり、青山貴子学長から表彰状、記念品が授与された。
◆青柳さんは、大学1・2年時にはグレコローマンスタイルで実績を残す一方、3年時からフリースタイル70㎏級にシフト。2022年、2023年全日本大学選手権、天皇杯全日本選手権70㎏級で2連覇。さらに、2023年には全日本学生、全日本大学選手権の二冠と70㎏級の頂点を極めた。また、国際大会では2023年アジア大会で3位、世界選手権では惜しくもベスト8に留まったものの、U23世界選手権では準優勝に輝いた。
◆古賀さんは柔道部に所属し、2019年高校3年時に全日本選抜体重別選手権・48㎏級で谷亮子さん以来、高校生チャンピオンになり、他の活躍も併せ『令和のヤワラ』と呼ばれ、翌年山梨学院大に入学した。大学での活躍も目覚ましく、2021年、全日本体重別選手権2位、世界選手権準優勝、グランドスラム・パリ優勝、2022年アジア選手権優勝、グランプリ・ザグレブ優勝。2023年、4年時には主将としてチームの要として団体戦にも貢献。個人では、世界選手権3位、ワールドマスターズ優勝、そして2024年2月のグランドスラム・パリ2位など国内、国際大会の数々で華々しい実績を積み上げてきた。残念ながら今年のパリ五輪出場を逃したが、次の五輪の有力者として期待されている。

■式終了後、「創立者古屋賞」受賞者二人に話を聞いた―
青柳善の輔さんは受賞を受けて「同じレベルではないのですが、(小幡)監督ももらっていると聞いて、誇らしく、率直にうれしいです。親が今日来ているのですが、自分は一人っ子大切に育ててもらったので“ありがとう”と伝えたいです」と受賞を共に喜ぶ。4年間の選手生活は「勝ったり負けたり、ムラの多い選手でしたけど、監督やコーチの支えで徐々に勝てるようになって、このような賞をいただけるような実績を残せたのはうれしいことです」と語った。印象に残る大会、試合は、「2つあって、2022年の東日本リーグ戦の日体大戦での同点の試合で最後の大将戦で負けたことが一生忘れられないです。それと、昨年の世界選手権ベスト8の試合、ラスト4秒で逆転負けしたことで、だから諦めないで続けられています」とこれからの競技生活でバネにする。卒業後は、練習拠点を山学大に置き、先輩の木下貴輪選手が所属する『クリナップ』で競技を続ける。卒業後の4月、昨年3位だったアジア選手権でそれ以上に挑む。将来的には70㎏級から五輪種目の74㎏級に階級を上げてパリ五輪の次のロサンゼルス五輪を目指す。
古賀若菜さんは受賞して、「うれしいです。4年間頑張って良かったという気持ちと社会人になってこの賞を励みにもっと頑張らなきゃという気持ちです」。そしてこの気持ちを、「両親と4年間指導してくれた先生方に伝えたいです」と感謝を込める。4年間を振り返ると、「部活動での思い出が一番ですけど、学生生活の中では目標にしていた大会(団体戦)で達成できなかったことと、オリンピックに出場が叶わなかったこと、世界選手権に優勝できなかったことは残念ですけど、山梨学院所属で出場できたことはすごくうれしいです」と山梨学院での充実ぶりを語った。4年生で主将を務めたことについては、「団体戦で出られないこともありましたが、キャプテンとしてチーム力を高めながら戦えたかなと思います」と不在がちな中でも、チームの結束に尽くした。卒業後は『JR東日本』に所属して競技を続ける。まずは社会人最初の目標を5月開催の世界選手権優勝を挙げた。そのため、4月に行われる代表選考のための国内大会優勝を視野に入れる。将来はロス五輪出場と、きっぱりと言葉にした。

文(K.F、R.K)、カメラ(平川大雪、藤原稔、Y.Y、R.K) 2024.3.15